ノロの日記

住んでる町の話 読んだ本の話 聴いた歌の話 などなど

消え去る運命

2007-09-24 | 斑鳩町外
天王寺駅の近くにグリルマルヨシというフランス料理店があります。



ずいぶん前に天王寺をぶらぶらしていたとき、ある古びた商店街を歩いていて、そこから路地をちょっと入ったところにあるのを見つけました。

かなり年季の入った店構えです。かといって、高級というには程遠い。なんだか、取り残されたような空間です。

ぼくらはそういうのがけっこう好きなので、どんなところだろうと入ってみました。
一階はキッチンとカウンター席。
ぼくらが座ったのは、二階のテーブル席でした。

店のつくりはチープですが、料理は大変おいしかった。
値段もそこそこです。単品が1000円前後から。まあ、ふつうに食べれば最低でもひとり頭2000円くらいは使うでしょう。でもおいしい。

あとで知ったのですが、けっこう有名なお店だそうです。関西の芸人がときどき訪れるとか。
それは別にいいのですが、ちょっと高めだけどおいしいので、何かあると「行こうか」ってなことになってちょくちょく行っていました。エムが生まれてからも一度は行きました。

それが、この周辺の再開発によって移転することになりました。
新聞で読んで知りました。

味もさることながら、お店の雰囲気が気に入っていたわれわれとしてはかなりショックで、これはなくなる前にもう一度行っておかねばならない、ということで、先日行きました。

ところで、再開発ですが、この写真、路地が長く延びているように見えますが、この後ろは、もうすでにばっさりざっくり整地されています。その対比に戸惑うくらい。この光景は、もうじきなくなる。

店が移転するだけではないそうです。
この店では、炭火ストーブを調理に使っていて、それがこの店の名物である煮込み料理を作っていた。しかし新しい店舗では、煙を出しちゃいけないのかなんなのか、もう使えないそうです。味も変わってしまうのだろうか。その変化に気づけるような敏感な舌の持ち主でないことは百も承知ですが、残念。

名物のひとつがこれ。



ロールキャベツです。デミグラスソースとカレーソースの二種類が半々にかけられています。どちらもおいしい。
奥は、メキシコサラダ。なぜメキシコかは聞かなかった。聞けばよかった。でもあえてなぞにしておきたい気持ちもあります。

エムはクリームコロッケを食べたかったのに、この日はあいにく売り切れで、非常に残念そうでした。かわいそ。
代わりといってはなんだけど、コキールを注文しました。クリームコロッケの衣のないやつだと思えないのは百も承知だが、思って。

それでもおいしかった。エムもバクバク食べました。


こういうお店がなくなる、店はなくならないけど、その周辺がなくなるのは、なんとも残念なことですが、そうしてどんどん古いものが壊されていくのはずっと前からあったわけで、たぶんこの店ができたときも、古いものを壊したあとだったのでしょう。そう思うと、長く続いているというのは、ありがたいものだと思う。面白いものがどんどん壊されても、また面白いものがでてくる。そういうものであってほしいな、と思いました。店を出るとき小母さんは、移転先のことを教えてくれました。この雰囲気はなくなるけど、また行ってみよう。

最新の画像もっと見る