大滝賢治役 綾野剛 インタビュー記事 『脚本どおりでない自然な演技ができた』
「最初に脚本を読んだ時、そこから醸し出される石井監督独自の世界観に惹かれ、この作品
に参加したいと思いました。実際、撮影現場は監督の確固たる世界観が構築されており、
美術や衣装などスタッフさんの仕事が素晴らしかったです。監督の思い描く世界をくみ取ろ
うとするパワー、作品をよくしたいという思いが伝わって来る現場でした。
役作りについて監督に相談した際、『俺は大滝じゃないからわからない。君のほうが大滝
のことはよくわかるでしょ』と言われ、はっとしました。それから脚本どおりでない自然な演技
ができました。衣装をこうしたい、セリフをこう変えてはどうかといった提案も監督は受け入れ
てくれました。そんな風に役をまかせてもらえるのは久しぶりだったので、興奮すると同時に
プレッシャーも感じました。
共演の女優陣も素晴らしかったです。特に黒木さんと刈谷さんは、『お、ここでそうくるか』
とこちらの想像を超える演技をしてくるので刺激的でした。
このようなオリジナリティあふれる作品が世の中に出て、みなさんの目に触れることは重要
なことだと思います。この作品の"静かな狂気"を感じてください」