OUTSIDE IN TOKYO に掲載された上原輝樹さんの『そこのみにて光輝く』の映画評です。
私は数ある映画評の中でも、上原さんのこの映画評が一番好きです!
”つい軽々しく、これぞ日本映画!と言い切ってしまいたくなる重々しい傑作である。”
ぜひ読んでみて下さい。→ 今週のおすすめ映画『そこのみにて光輝く』(上原輝樹)
追記:記事全文が好きなのだが、特に私が好きな箇所を記録用に転記。
ブラックホールのような漆黒の、マイナスの存在感を持つ綾野剛が素晴らしいのだが、
それは共演の池脇千鶴と菅田将暉を光り輝かせる類いの、無私の素晴らしさだ。
敢えて台詞では表現し得ないものを、映画ならではの表現で追求することに挑戦している。
綾野剛と池脇千鶴とのやりとりで、綾野剛が見せる、一呼吸言葉に詰まるリアクションなどは、
監督の演出だけでは到底成し得ないと思われる類いのものだ。
現実と地続きのようでいて、実はそうではない、あくまでフィクションであることの"リアリティ"が、
俳優陣に存分に演じさせる"自由"を与えているに違いない。
本作が現代の邦画に於いては数少ない"俳優の映画"として成立していることに、
日本映画の新たな時代への希望を仄かに感じさせる。