風に触れあって薄い上着の背に、もみじ葉が散りかかる。
今年もわたしはここを歩いている。
幾人かの人が去って、幾人かの人もこの朱色の森の舞台から
降りていったので、もう、みんなのにぎやかな行列のうしろから、
シャッターを押しながら、ついて行くこともなくなってしまった。
岩に立ち,陽をうけて動かない水鳥たちに、目がしらが
熱くなって顔をふせて歩いていた。
あまりにも青い空に、あまりにも赤い紅葉のかげが濃い。
風が鳴って渡ったので、赤も黄も枝ごとさわぎだしている。
いま過ぎたところの地名を氷室(ひむろ)という。
木々たちも、木曽川の冬の冷たさをよく知っていて、
そんな話に騒ぎ出すこともよくあるのだろう。
娘夫婦が連れて行ってくれた、奥飛騨路の旅でした。
連れて行ってもらったという、初体験は忘れないと思います。
あたたかく、なつかしい思い出として残っていくと思います。
「山も国宝にすればいい」 「国立公園になってるよ」
青年たちのまじめな会話です・・・・・・・・
山のあなたの空遠く・・・と思う方も
山はオレの庭だ・・・・・と言う方も
どう 思います? こんな青い空と光の下では、
私も そうだなぁ なんて考えちゃうんですけど・・・・・・・・
焼岳。上高地からの焼岳と変わらない厳しい表情でした。
遠く白山連峰が見えます。
左に大木場の辻、その右錫杖岳。
笠が岳です、2.897m。
左に抜戸岳、右に大ノマ岳、双六岳、弓折岳。
中央に鷲羽岳2.924m。右に左俣岳。
左、槍ヶ岳3.180m。大喰岳3.101m。右に中岳3.084m。
槍ヶ岳と、槍ヶ岳山荘。
西穂高岳2.909m。西穂ピラミッド、右に西穂独標2.701m
上高地で仰ぎ見た焼岳や、穂高連峰をこんどは、
向こう側から見られるかもしれないと期待して、
飛騨路を分け入りました。日の出から日没まで、
雲一片もない真青な空。全山紅葉とはこういう
ことなのかと、驚きの連続でした。
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