日本の勇姿を知っているが故に頑張って欲しい選手。
しかも天才かつ努力家。
PL仕込みの洗練された心技体を今も信じたい。
なんでもそうだが結果の出せない者は去るものだと自分は思う。
でも今の松井稼頭央は我慢時かもしれない。
信頼を取り戻すために。
失った信頼はなかなか取り戻す事は容易なことではないけど
万全な体調で今季はリトル松井を確立してほしい。
■信頼を勝ち得るために――メッツ・松井稼頭央の再出発■
<存在をアピールする、最高の幕開け>
いかにも、この男らしい開幕だった。
4月20日(現地時間)、敵地サンディエゴでのパドレス戦の3回に先頭打者として迎えた今季第1打席。パドレス先発のジェイク・ピービーが投じた時速89マイル(約142キロ)の速球を、メッツ・松井稼頭央のバットがとらえた。
「フェンス直撃だ!」
三塁打狙いで走り出した背番号25は、二塁をけったところで三塁コーチが手を回しているのを確認すると、トップギアのまま本塁に突入し、滑り込んだ。判定はセーフ。日本人メジャー選手初のランニング本塁打は、大リーグ史上2人目となる3年連続初打席本塁打の快挙となった。
3年契約で推定総額2300万ドル(契約当時のレートで約24億8400万円)と鳴り物入りで入団しながら、過去2年間不本意なシーズンを過ごしてきた松井。“勝負の年”であるはずのメジャー3年目のスタートは、決して順調ではなかった。3月16日のブレーブスとのオープン戦で右ひざじん帯を痛め、開幕ベンチから外れて故障者リスト入り。スタートダッシュに成功したチームを横目に見ながら、薄れていく自らの存在感に焦りを感じた。チームが勝ち星を重ねるほどに失なわれていく“自分の居場所”。
だがそんな中、復帰を目指し、懸命にリハビリを続けていた松井にツキが回ってきた。今季正二塁手として開幕から出場していた、アンダーソン・ヘルナンデスが腰痛で離脱したのだ。そして前述のランニング本塁打。メジャー昇格と同時にスタメン復帰のチャンスを手にした松井にとって、3年連続となる初打席本塁打は、自身の存在をアピールするのに、最高の幕開けとなった。
<快挙達成にも、冷静な周囲の目>
「まるで、おとぎ話のようだ」
松井のメジャーデビュー当時、メッツの監督を務めていたアート・ハウをして、こう言わしめた、デビュー戦の初打席本塁打から2年。過去には1997~99年に当時マリナーズのケン・グリフィー(現レッズ)ただ一人しか達成していない、3年連続初打席本塁打という偉業に対して、ニューヨーク各紙の反応は意外にも冷静だった。いや、むしろ“懐疑的”といった方が正確なのかもしれない。鮮烈な復帰を報じる一方で、紙面には“正二塁手奪取”といったキーワードはなく、「(レギュラー獲得の)チャンスを得た」と伝えるにとどまった。また、「このまま、行ってほしいね」というウィリー・ランドルフ監督のコメントからも、レギュラー確保のお墨付きを得るまでには至らなかったと見る方が自然だろう。
過去2年、派手なスタートを切りながらも、その後は失速。期待を裏切られてきた首脳陣にとっては、「出だしが少しばかりいいくらいでは、安心できない」というのが正直なところか。復帰後、2試合連続で安打を記録しながらも、22日のゲームではあっさりとスタメンを外された起用法からも、信頼が十分でないことは明白だ。
<失った信頼を取り戻すために>
松井は、パドレスとの4連戦中出場した3試合すべてで安打を記録。そして、不安視されるセカンドの守備でもダブルプレーを難なく完成させるなど、ここまで無失策と順調な滑り出しを見せている。松井がレギュラーとしての信頼を確実なものにするためには、今後も堅守をキープし、コンスタントに打ち続けるしかない。
たった一打席では、失った信頼を勝ち取ることはできない。年間を通して安定した成績を残すことを、ファンも首脳陣も期待している。「スタートとしては、良かったと思う。出るからには、自信をもってやりたい」と話し、先を見据える松井の2006年シーズンは、まだ始まったばかり。レギュラーはく奪、マイナーでの調整という試練を経験した松井に、“走攻守三拍子そろった大型内野手”であることを証明する時間は、まだ十分に残されている。{岡田弘太郎}
しかも天才かつ努力家。
PL仕込みの洗練された心技体を今も信じたい。
なんでもそうだが結果の出せない者は去るものだと自分は思う。
でも今の松井稼頭央は我慢時かもしれない。
信頼を取り戻すために。
失った信頼はなかなか取り戻す事は容易なことではないけど
万全な体調で今季はリトル松井を確立してほしい。
■信頼を勝ち得るために――メッツ・松井稼頭央の再出発■
<存在をアピールする、最高の幕開け>
いかにも、この男らしい開幕だった。
4月20日(現地時間)、敵地サンディエゴでのパドレス戦の3回に先頭打者として迎えた今季第1打席。パドレス先発のジェイク・ピービーが投じた時速89マイル(約142キロ)の速球を、メッツ・松井稼頭央のバットがとらえた。
「フェンス直撃だ!」
三塁打狙いで走り出した背番号25は、二塁をけったところで三塁コーチが手を回しているのを確認すると、トップギアのまま本塁に突入し、滑り込んだ。判定はセーフ。日本人メジャー選手初のランニング本塁打は、大リーグ史上2人目となる3年連続初打席本塁打の快挙となった。
3年契約で推定総額2300万ドル(契約当時のレートで約24億8400万円)と鳴り物入りで入団しながら、過去2年間不本意なシーズンを過ごしてきた松井。“勝負の年”であるはずのメジャー3年目のスタートは、決して順調ではなかった。3月16日のブレーブスとのオープン戦で右ひざじん帯を痛め、開幕ベンチから外れて故障者リスト入り。スタートダッシュに成功したチームを横目に見ながら、薄れていく自らの存在感に焦りを感じた。チームが勝ち星を重ねるほどに失なわれていく“自分の居場所”。
だがそんな中、復帰を目指し、懸命にリハビリを続けていた松井にツキが回ってきた。今季正二塁手として開幕から出場していた、アンダーソン・ヘルナンデスが腰痛で離脱したのだ。そして前述のランニング本塁打。メジャー昇格と同時にスタメン復帰のチャンスを手にした松井にとって、3年連続となる初打席本塁打は、自身の存在をアピールするのに、最高の幕開けとなった。
<快挙達成にも、冷静な周囲の目>
「まるで、おとぎ話のようだ」
松井のメジャーデビュー当時、メッツの監督を務めていたアート・ハウをして、こう言わしめた、デビュー戦の初打席本塁打から2年。過去には1997~99年に当時マリナーズのケン・グリフィー(現レッズ)ただ一人しか達成していない、3年連続初打席本塁打という偉業に対して、ニューヨーク各紙の反応は意外にも冷静だった。いや、むしろ“懐疑的”といった方が正確なのかもしれない。鮮烈な復帰を報じる一方で、紙面には“正二塁手奪取”といったキーワードはなく、「(レギュラー獲得の)チャンスを得た」と伝えるにとどまった。また、「このまま、行ってほしいね」というウィリー・ランドルフ監督のコメントからも、レギュラー確保のお墨付きを得るまでには至らなかったと見る方が自然だろう。
過去2年、派手なスタートを切りながらも、その後は失速。期待を裏切られてきた首脳陣にとっては、「出だしが少しばかりいいくらいでは、安心できない」というのが正直なところか。復帰後、2試合連続で安打を記録しながらも、22日のゲームではあっさりとスタメンを外された起用法からも、信頼が十分でないことは明白だ。
<失った信頼を取り戻すために>
松井は、パドレスとの4連戦中出場した3試合すべてで安打を記録。そして、不安視されるセカンドの守備でもダブルプレーを難なく完成させるなど、ここまで無失策と順調な滑り出しを見せている。松井がレギュラーとしての信頼を確実なものにするためには、今後も堅守をキープし、コンスタントに打ち続けるしかない。
たった一打席では、失った信頼を勝ち取ることはできない。年間を通して安定した成績を残すことを、ファンも首脳陣も期待している。「スタートとしては、良かったと思う。出るからには、自信をもってやりたい」と話し、先を見据える松井の2006年シーズンは、まだ始まったばかり。レギュラーはく奪、マイナーでの調整という試練を経験した松井に、“走攻守三拍子そろった大型内野手”であることを証明する時間は、まだ十分に残されている。{岡田弘太郎}