Takの秘密の木

誰にもいえない気持ちは、誰もしらない秘密の木の洞に、こっそり語って蓋をするんだって。@2046

100年インタビュー

2011-12-04 | TV番組の感想
立川談志さんの「100年インタビュー」を見ました。

この番組を見るのはたぶん3回目。過去には羽生さんとかイチローさんとか・・・・・。
取り上げられるのは、何かを極めんとしている人たち、なのかな。
万人が見て既にトップに居る人たちだと思うけど、だけど大抵、一流の人ほど己が現状に満足しないみたいで。
もっと高みをもっと何かを・・・・と、貪欲ともいえるしストイックともいえるスタンスで。
やっぱ求道者、なのかな。

まるで、今着ている殻を脱ぎ去ろうとするかのような発言も、多い気がする。
毎年、バッティング・フォームを変えてしまうイチローさんとか。
談志さんは、衣笠さんが時間さえあればバットを振っていて、振ってないと逆に落ち着かないと言っていたという話をされていて、自分にもそういうところがあると。・・・・・
「『談志に帰属するもの』をすべて捨て去りたい」、とか、「"談志"から、おまえはもう"談志"ではないと言われた感じがしている」とか仰ってて、自分はもっとやれるはず、もっと新しい何かを産み出せるはず、というような天才の自負というか、より大きく成長することへの意気込みも感じた。
自分の芸に心酔している人や、既に魅了されて配下に入ってしまっていると感じる人たちからの称賛はもういらない、というある種の傲慢さもあり。
「落語を知らない、俺のことも知らないような若い人たちにウケける、というのならいいけど・・・・」というようなことも仰ってて。・・・・
そこには、古典というジャンルも抱える落語に対する途方もない愛情もあって、伝えたい、発展させたい、広めたい、開拓したいという使命感みたいなものも感じられた。
でも、年齢からくる気力と体力の衰え、また才能の枯渇に対する不安も自覚していて、その狭間のどうしようもないジレンマも覚えているようだった。
なかなか目的に向かって腰を上げられない自分、そしてやり遂げるだけの力が湧いてこない怠惰な自分を歳だからと肯定しつつも、そんなことでどうすると歯噛みをし発破をかける自分もいる。
その現状を、落語のように一人対話方式で語る姿の愉快さと狂気さ。

それは、一流と呼ばれる人の70歳の境地を、赤裸々に語っているかのようだった。

羽生さんもイチローさんも、そろそろ現役といわれる年代を過ぎて、次の段階に入ろうとしている。
彼らが70歳になった時は、やはり談志さんのような心境になるんだろうか・・・・?


ここ最近、談志さんに限らず、道を究めている人たちの老境をみるような番組が多かったような気がする。
もちろん、いろいろな方が鬼籍に入られたから、というのもあると思うけど、ご存命の方でもいくつかあった。
指揮者の小澤さんとか、歌舞伎役者の勘三郎さんとか。・・・・
このお二人の言葉も、談志さんにとても近いものがたくさんあったように感じた。

お三人とも最終的に辿りついたのは、例え老醜を晒したとしても、最後の最期までその道に執着し、前に進み続け、我が身を捧げつくして終えたい、というような強い愛情だったような気がする。


「愛」といえば、香川さん。(笑)
そして堤さん。
つい上で見かけた言葉で、ソースは何かわかりませんが、最近堤さんは、「金もファンもいらない、ただ芝居さえやれればそれでいい」とか仰ってるとか・・・・。
岡田くんのGRでは、20代30代はものすごく仕事を選んだ、30代後半~40代は望む仕事が向こうからやってくるようになった、50代はもっと自然に淡々とやれるようになりたい、というようなことを仰ってたけど・・・・。
プリトヨのインタビュー記事では、今まで積み重ねたものを一旦すべて手放すとも。
それに、中井さんや山本さんと共演し、自分はまだまだ全然劣ってると感じた、とか。・・・・
(岡田くんは、"堤さんが劣ってる"なんてこと自体が考えられないっていうような反応だったけど・笑)
芝居や役者をやることへの並々ならぬ愛情と覚悟をものすごく感じたし、この人もまた、貪欲でストイックな求道者だな、と・・・・。
そんな堤さんの70代の芝居を、見てみたいなー・・・・・と。



さて、明日はWOWOWで『バンデラスと憂鬱な珈琲』、来月はいよいよ『寿歌』です。
ものすごく楽しみですが、堤さん、また恋愛ものもやってくれないかしら・・・・。おっさんだから無理?(苦笑)
堤さんのラブシーン、とても綺麗だから大好きなんだけど。・・・・・

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