午前10時03分、一番先の乗客として東京駅を出るヒカリ自由席に乗り込んだ。
勿論、13番幕の内御前とお茶をちゃっちゃと買いこんで。
立ちんぼで30分待ってたせいか、年のせいか、疲れが出てたのか。
車内の暖かさに体が緩んで、居眠り。
何分ほど寝てたのかなぁ・・・
ふと、人の気配に気付くと、二人掛けの自由席の通路側に女性が座って、
一心不乱に小説を読んでいた。
静岡駅へ着くのは、発車してから1時間だ。
静岡駅で女性は降りた。
・
・
・
すると、今度は30歳くらいの巨漢が乗り込んできて、オイラの隣に座った。
椅子が小さくて困ってるみたい。大きな体を狭いボックスに詰め込んで。
ヒザの上にカバンを乗せ、その上に紺色のオーバーをキチンとたたんで。
いつでも降りるぞ!みたいな勢いで前を見つめているぢゃないか。
果たして、列車が次の浜松で停まると、あたふたと下車したな。
・
・
・
ジパング倶楽部ご用達のヒカリはやたらと遅いので、
浜松駅では、暫時休憩だ。馬に水をやってるようなもんだ。
・
幼い頃、東海道の列車旅では、浜松といえば機関区があって、
真っ黒い蒸気機関車がターンテーブルの上に乗って方向転換してるのを
眺めたり、薄い経木で出来た小箱にアイスクリンが詰まっていて、
その上から薄紙が巻いてあって、紙には氷山とペンギンが描かれていた奴を
親にねだって買って貰うのが何よりの楽しみだったのを覚えてる。
そのときも、いまみたいにゆったりと列車は浜松駅で停まっていたのだった。
そんなことをボンヤリ考えてたら・・・
・
・
今度は40歳代の背広が、あたふたと乗ってきて、
すぐさま、駅弁を開いてバタバタと食べ始めた。
むれた料理の匂いが、隣に居るオイラの鼻腔を刺激する。
食べ終わると、シーシーと楊枝で歯をせせる音もせわしない。
それが終るとしきりに、鼻をかむのが騒々しいぜ。
兎に角、ヤカマシイ男だ。
この人も名古屋が近づくと、なんだか落ち着き無く立ったり座ったりを
2~3度繰り返して、ついに名古屋で吹っ飛んでいくように席を立った。
・
・
やれやれ、これでオイラも13番幕の内御前をたべられそうだ。
だって、横でオーバーやら何やらをバタバタされたんぢゃぁ
モノを食べる気がしないぢゃ無いかねぇ。
時計を見ると、12時を10分も過ぎていたな。
幸いなことに、ここからは誰も隣席へは来なかったのである。
名古屋から、京都に掛けての風景はオイラがこの沿線で最も好きだ。
なんせ、立派な川が次々と車窓に現れるんだもの。
長良川
揖斐川
木曽川
・
・
これらの川に見とれ、美しい瓦屋根に心和ませながら、13番幕の内弁当を食べてると
関が原が近づいてきて、沿線一帯が雪の原と化した。
季節は違うが、400年以上も前の石田三成の夢の跡に想いを馳せることになる。
やがて、琵琶湖が見え始め、大津のトンネルを抜ければ京都だ。
京都にデカイ駅ビルが出来る前は、とても落ち着いて古都らしい駅舎で
あったのが、あんなにデカイビルが建ってしまうと、東寺の五重塔さえ
泣いているように見えるじゃないか。
新幹線に乗っている限り、浪花の都は、全く陰が薄い。
16年前の神戸淡路大地震の被害の様相を分けたと言われる
武庫川を過ぎれば、すぐに新神戸だ。
武庫川べりには報徳学園があり、かの”さわやかイレブン”と呼ばれた
徳島は蔦監督率いた池田高校と夏の甲子園決勝戦など
名だたる戦いを経験した甲子園野球の名門だ。
新神戸駅は、六甲山の山懐に掻き抱かれていて、木々が季節の移ろいを
如実に見せてくれる嬉しい駅だ。
オイラはこの駅で乗降したことはないが、ここから程近い神戸三宮は
若い頃の思い出がぎっしり詰まった街である。
<トア・ロードにて>
<夕暮れの元町にて>
ああ、ここまで帰ってくれば、あと少しの辛抱で
瀬戸内海を渡ることができようものさ。
しかし、JRさんよ、なんとかジパング倶楽部の対象にノゾミを入れてくれぃ!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
話をややこしくしてごめん!
この記事は、先週1月14日の朝からのことです。
節分ならぬ拙文を最後までお読み頂きまして恐縮です。
恐縮ついでに!!
富士山撮るのって結構、試行錯誤がいるんです。
電柱やら煙突やら電線やらがしょっちゅう邪魔するし、ぼろカメラの合焦応答性能が悪いので
ここぞ!というタイミングでシャッターが切れません。何枚も写した中の一枚です。
ヒカリで始発から終着駅まで通しで乗るのって結構忍耐が要るんですよ。
ノゾミをジパング倶楽部の対象にするとどれくらいの減収になるんでしょうかねぇ。
いですねぇ。
世の中変わるもんですねぇ。年取るはずです。
それにしても富士山ラッキーでしたなぁ。
こんな富士山、なかなか見られません。
ヒカリって昔のこだまみたいなもんやなぁ。
Gは乗ること無いからまぁええけど・・・。
CGですって?ンな面倒なことしませんわ。
写ってるからには、こんなビルが建っているんでしょうなぁ・・・
最近は恐ろしいから飛行機からは逃げまくってます(笑)。
東京駅の背景にビルがありまつが、合成ですか?
仕事では羽田ですからねぇ。
18年ほど東京駅に降りる事がありませんでしたか、分かりませんが信じられません。
今に東京駅もビルに埋まるんでっしょうかねぇ。