ふとしたこと

日々に気づいたことを書きます

山めぐりの正月

2016年01月06日 08時42分40秒 | ランクル

友人というものは誠に有難いもので、マンネリ沼から老人を引きずり上げてくれた。

秘境の饂飩屋で昼飯を食べて

その後山へドライブにいかないか?と。

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初饂飩を食べたのは川べりにある清楚な饂飩屋だ。

初饂飩は得意とする冷たいぶっかけ饂飩。

「ぶっかけ饂飩」というのは

素饂飩に普通の「掛け饂飩」よりは若干濃い目の出汁を

注いだだけのシンプルなもの。

好みに応じて冷たい出汁を掛けるのと

少し饂飩を温めて暖かい出汁を掛けるのとがある。

オイラは冷たい奴こそ真の味わいがあると信じてるから冷たいぶっかけだ。

ご覧の通りの艶がある饂飩は素晴らしい味わいでした。

そこから車を小一時間走らせて讃岐山脈を越えて徳島県へ入った。

友人が行ってみたい神社があると言う。

彼は若い頃(といっても今でも十分に若いのだが)四国の林道を求めて

ランクルで走り回った経験を持つので山道の走りは安心して任せられる。

細い山道を行くと・・・

立派なお寺がある。

山の頂上近い遠国である。

山寺と言うには立派過ぎるではないか?

寺の上に別建てのお堂があって

阿弥陀如来像が配置されていた。

鎌倉時代の造だそうである。

すぐ横に何?

赤穂浪士「磯貝十郎左衛門正久生誕地」と書かれた碑が立っていたが

これは贋物臭い。

くねくねと山道はどこまでも続き

要所、要所ではどういう訳か土地の老人が佇んでいるのだが

どなたも、なんだか犬のような風情がある。

犬と言うとやや語弊があるが

欲も得もなく

人を騙そうとか自分だけ良い目に遭いたいとか

そんな世知辛い世の中とは無縁な実に良い表情をしているのだ。

こういう天空の地で暮らし生を全うしようとしていると

こういう仏様みたいな顔になるのかと感動した。

やがて友人が求めていた神社に辿りつく。

寂しい神社であったが空気は澄み切ってる。

神社に向かって二礼二拍手一礼して山道を戻った。

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JR穴吹駅前の「日の出本舗」ここのお菓子は絶品だ。

これを土産に友人と彼の山仲間の老人宅へお邪魔することになった。

竹やぶの整備作業を行っている老人だが

御年83歳。

若い!

オイラは83まで生きる計画が無いが

その年で山に入って竹を切って整地するなんて・・・

想像の埒外である。

美しい山に囲まれた静かな土地で終焉を迎えるなんて

羨ましい限りではないか?

ここで彼等が作ってた椎茸をホダ木から直接取らせて頂いた。

椎茸を取るのに力が要るのには驚きだ。

しっかりとクヌギの木に根を張った椎茸はキノコとは思えない強さを秘めていた。

教えてもらった通りに、電気コンロの上に網乗せて

椎茸をひっくり返して焼いていくと

うっすらと水分が染み出てきた。

これに同じく山で頂いたレモンを絞って醤油を僅かに掛けて

口に放り込む。

思わずため息の出るような美味しさが広がった。

香りがあるのだ。

マツタケよりも品良く香り食感はアワビのようである。

これも頂きものの大吟醸をク~ンと飲み込むと

天空の山の味わいがあった。

日本人に生まれて良かった!

つくづく思ったものである。

素晴らしいお正月の一日でした。

みなさま本当に有難うございました。

 

 

 

 


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
原木しいたけ (松ちゃん)
2016-01-07 23:16:18
マニアックな場所へのお付き合い、ありがとうございました。
ところで、どうですか、我々のつくった原木椎茸は。
スーパーの菌床椎茸とはまったく別物でしょう。
それにしても、毎年11月に収穫する秋椎茸が、年明けに採れるとは、やはり今年は異常気象ですね。
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RE:原木椎茸 (ginjiro)
2016-01-08 08:18:43
本当にビックリしました。

旨いのなんのって。毎晩でもこれでお酒を飲みたいと
思いました。

また、食べたいなぁ!

一人では行きにくい所へお連れ頂き有難うございました。
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犬顔 (松ちゃん)
2016-01-08 14:35:19
そういえば、銀次郎さんも犬系の顔ですねっ!!
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犬顔・・・ (ginjiro)
2016-01-09 09:29:57
オイラヨワ犬ですね。

寒いところは嫌がるしねぇ。

生きる温度の幅が狭い生き物です。
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