おもい出し日記

「地域工務店」は「小売店」か?

住宅会社を資本等の大きさで大中小と分けると…。

坪単価80万円スタートとの住宅会社は百貨店に例え、ローコストビルダーをスーパー、地域工務店を小売店と言われています。

これは会社の規模や取り揃え商品の巾によると思われますが…
果たしてこの表現が合っているのでしょうか…?

百貨店は海外の有名ブランドを取り揃え、それぞれのコーナーを設け、豪華な落ち着いた空間で高級感を漂わせ販売しています。

ローコスト系は数で勝負。大量販売するので安く仕入れることが可能ということで「スーパー」というイメージかと思います。

地域の工務店は地域に密着し、生活の一部として地域の人々とつながっているイメージから「小売店」と言うことでしょう。


それでは、百貨店は商品をつくっているのか?

海外ブランド商品を扱うことが出来ますが…。
商品を開発し、つくっているのでしょうか?

一房120万円もするぶどう、ルビーロマンは百貨店でつくれるのでしょうか?

お子さんの受験時に親が身に着けるスーツが百貨店でかなり売れているとTVで観ましたが、つくっているのは小さな会社でした。その小さな会社がデザインから時間をかけ丁寧な製縫でつくっているのでした。

販売するのは百貨店でつくっているのは職人さん…。


スーパー住宅(会社)も同じです。

但し、つくっているもの、内容、時間、姿勢がものづくりとは…違うように感じます。

職人さんに支払する対価も厳しいようです。
早く終わらせ、数をこなさないといけません。

そこに、こだわりをもった職人は集まってこないのでは…。


自然素材住宅は小売店(地域工務店)がつくるのか?

必ずしもそうとは言い切れません。

職人の力が発揮できるのが自然素材住宅です。



先頃、つくば住宅博にて見学した木組みスタジオNicoさんのモデル住宅は社名の通り、木を組んだ自然素材の住宅で丁寧な仕事を見ることが出来ました。
ご夫婦二人で経営しています。

このような家を百貨店住宅やスーパー住宅がつくることはできません。
取り扱いは出来るかもしれませんが…つくれないのです。


町の工務店ネット代表の小池さんが言いました。
「自動車や電化製品は大企業に適わないけど、一人大工が大企業に打ち勝てるのがこの業界である」と…。

我々は小売店ではありません。
地域に合わせた商品(家)を開発し、実際つくっている会社なのです。

資本の大きさで区別されるのは仕方ありませんが…。
家の内容や性能で比較していただければと思います。

耐震性、省エネ性、地産地消、住設機器…。
そして、やさしく包み込んでくれるような空間をつくっているのか?
見て、感じて、判断していただければと思います。




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