おもい出し日記

木造住宅の耐震基準・性能について2

どうも建築基準法は最低の基準を定めているだけでこれをクリアしたからと言って、安全性が担保されることはないということです。

それでは、なんのために建築基準法があるのかと思ってしまうのですが…。

結論的に耐震性能等級3をクリアしないと安全と言えないということが熊本地震からわかったことですが…。

次世代省エネ基準と同じで建築基準法はレベルが低いのですから任意で状況に合わせていくしかないということです。

私の知っている限りでは、地域ビルダー・量販メーカーは建築基準法の1.6倍程度は耐力壁を設けています。
建築基準法で求める数値の1.6倍にするとかなりの数の耐力壁が増えますが、イコール耐震性能等級2ではありません。



床倍率と耐力壁線
建築基準法にない考え方が耐震性能等級にあるからです。
それは壁に耐力壁(垂直方向)を設置するだけではなく、耐力壁線に囲まれた床(水平方向)も検討しなければなりません。

木でできた箱をイメージするといいかもしれません。
垂直方向に木の板があるだけでなく、水平方向にも木の板がある!
それをブロック(耐力壁線)ごとに分けて検討します。

建築基準法の水平方向は「床組み・小屋ばり組の隅角には火打ち材を…。」しかありません。

ちなみに
火打ち材の床倍率は0.15~0.8倍です。
構造用合板12mmの床倍率は1.4倍。
構造用合板24mm以上の床倍率は3.0倍。
床倍率を比較しただけでも強さが全然強さが違うのです。

しかし、この水平方向に穴(吹き抜け)があったりすると耐震性能3の取得が難しくなります。
なので、長期優良住宅の認定は耐震性能等級2としている!と言う話を聞いたことがあります。

ちなみに弊社では長期優良住宅の認定を取得しています。
地域型住宅グリーン化事業において国からの助成制度(約100万)を利用するひとつの条件として長期優良住宅の認定が求められているからです。

この場合の耐震性能等級は2以上を求められますが…。
弊社では耐震性能等級2で申請はしていますが等級3でも計算、チェックをしています。

例えば海の近くや高台などに建つ家であれば、風が強く吹くことが考えられるので等級3を超えるレベルにすることが設計者に求められると思います。

耐力壁の多さが建築基準法の1.6倍になっているから等級2レベルとは言えませんし、安全性が高いとも言えません。

流れ作業の計算ではなく、状況に合わせ設計者が判断し、水平方向も考慮しながらつくっていくことだと思います。

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