おもい出し日記

ル・コルビュジェとアイリーン追憶のヴィラ 今月の映画1711

昨年、上野の国立西洋美術館が世界文化遺産登録されたことも記憶に新しい近代建築の巨匠ル・コルビュジェ。

彼には生涯で唯一、その才能を羨んだと言われる女性がいた。彼女の名をアイリーン・グレイ。2009年にクリスティーズで行われた「イヴ・サンローラン&ピエール・ベルジェ・コレクション 世紀のオークション」において史上最高額(約28億円)で落札された椅子を手掛けたことでも知られるアイルランド出身のデザイナー・建築家。

南仏の海辺に建つ彼女の別荘〈E.1027〉はモダン建築史上に残る傑作とされるが、そこには長く近代建築の巨匠ル・コルビュジェの作とされ、アイリーンの存在は歴史の影に覆い隠されてきた。

そこには光輝く才能を発揮する彼女に対する、ル・コルビュジェの密やかな嫉妬と欲望が絡まりあう、知らざる愛憎のドラマがあった。時代を超え、後世に影響を与え続ける二人のアーティストの人生を、実際の建築や家具などを用いながら眩しい映像美でつづった本作。



[物語]
1920年代、のちの近代建築の巨匠ル・コルビュジェは、気鋭の家具デザイナーとして活躍していたアイリーン・グレイに出会う。彼女の恋人の建築家兼評論家ジャン・バドヴィッチとコンビを組み、建築デビュー作である海辺のヴィラ〈E.1027〉を手掛けていた。

陽光煌めく南フランスのカップ・マルタンに完成したその家はル・コルビュジェが提唱してきた「近代建築の5原則」を具現化し、モダニズムの記念碑といえる完成度の高い傑作として生みだされていた。当初アイリーンに惹かれ絶賛していたル・コルビュジェだが、称賛の想いは次第に嫉妬へと変化していく…。
パンフレットより
ル・コルビュジェ生誕130周年記念作品
アイルランド・日本外交関係樹立60周年記念事業作品


ル・コルビュジェはドミノ・システム(鉄筋コンクリートの材料を利用し、壁を構造から独立させ、建築を骨組みと被膜にわけ、自由な空間をつくる)や近代建築五原則(①ピロティ― ②屋上庭園 ③自由な平面構成 ④水平連続窓 ⑤自由なファサード)を唱え、建築をつくっていきます。

「住宅は住むための機械である」ル・コルビュジェの言葉があります。
住宅を専門にしている私には、とても気になる言葉です。

合理性や機能性を優先したわけではありませんが本当にそう思って言ったのか…。
1920年代の時代背景を考えるとそう言ってもおかしくない時代ではありますが気になっていました。

映画の中でル・コルビュジェを知ることが出来ました。
巨匠としてとらえ、遠い存在にいましたが、とても人間臭く身近に感じられました。
見栄だったり、エゴだったり…。
そう見えてくると、「住宅は住むための機械である」とそのままの意味だったことがわかります。


私が想う、二つのマシーン
「住宅は住むための機械である」コルビュジェが吐いた言葉を自分なりに解釈していました。

私も「住宅はマシーン」であると思っています…。

一つはタイムマシーン!
自分が生まれ育った家、楽しかったこと、悲しかったこと、泣いたこと、笑ったこと、勉強したこと、辛かったこと、美味しかったこと、小さい時お世話になったおじいさん、おばあさんの顔が思い出されます。

ちょっとしたことがきっかけで、あんなことがあったなぁ~、こんなことがあったなぁ~。いろんな情景を思い浮かべることが出来ます。

その当時に戻ったり、将来を考えたり…。
過去に戻ったり、未来に行ったり。

もう一つはエネルギーマシーン!
家にいると落ち着く…、早く帰ってぐっすり眠りたい…。
自然にそう思い、行動しているはずです。

家は元気のミナモトです。
エネルギー自体はつくりませんが…。

休息してやる気がでてくるようなものはあります。
そういう意味でエネルギーマシーンだと思っています。

アイリーン・グレイは…
住宅は住むための機械ではなく、「営みを包む殻」と…。
そして「心がともわないといけない、生き方が大事」と解きます。

とても感銘しました…。
私はアイリーン派だな!

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