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音大のロビーにて ~Second Season~

自分の好きな音楽や、日々の雑感などを、気ままに書いていきます。ちなみに現役音大生です。現在更新停止中

OK Compter/RADIOHEAD

2005年12月26日 | アルバムレビューP~S行
レディオヘッドの最高傑作と言ったら、やっぱりこれしかないでしょう。ただでさえ孤高の道を歩んでいたレディオヘッドが、ついに行くところまで行ってしまったアルバムです。

このアルバムを単純に言い表せば、「The Bends」で表現されていた世界観を、さらに高純度で抽出したアルバム、という感じでしょうか。それが成ったのも、バンドのさらなる飛躍があればこそです。好き好きだとは思いますが、ありとあらゆる面で「The Bends」を超えたアルバムでしょう。グルーヴはさらに変則的で奇抜になり、ロックサウンドもさらに崇高で美しく、その実力は極まっています。

特に、アルバム全体を支配する「静」と「動」のバランスが絶妙で、構成じたいに抑揚があり、聴き手を突き放すことなく最後まで惹きつけてくれます。こういった点が、このアルバムのポピュラリティーと言えるでしょう。とても売れ筋向きとは言いがたい、陰鬱で真っ暗なイメージを核としつつも、それをあますことなく伝えられるポピュラリティーがあるからこそ、こうまで多くの人に支持されているに違いありません。ロックの偉大なる遺産として、聴いておかなければならないアルバムでしょう。


1.Airbag
2.Paranoid Android◎
3.Subterranean Homesick Alien
4.Exit Music (For A Film)◎
5.Let Down◎
6.Karma Police
7.Fitter Happier
8.Electioneering
9.Climbing Up The Walls
10.No Surprises
11.Lucky
12.The Tourist


XTRMNTR/Primal Scream

2005年12月19日 | アルバムレビューP~S行
もはや知らぬ者はいないと言ってもいいぐらいでしょう。プライマルスクリームの近年の代表作にして、超人気アルバムです。

このアルバムを扱っているサイトはいくつか知っていますが、いずれも大絶賛ばかりで、批判など見たこともありません。まあ当然でしょう。だってこれはどう考えても傑作、ケチのつけようがありません。オルタナティヴロックにテクノやハウスまで絡めた、究極にカッコいいサウンドは、いつどこで聴いても圧倒されます。これを聴いてしまうと、ちょっとやそっとのオルタナティヴじゃ満足できなくなるでしょう。完璧なグルーヴ感・世界観、捨て曲も一切無し。この手の音楽を嗜好する人なら、嫌いになりようがないほどの傑作です。同じ方向性で、これを超えることは多分無理ですね。さらに斬新なオルタナティヴサウンドが発明されない限り、王者として君臨し続けるアルバムでしょう。


1.Kill all hippies◎
2.Accelerator◎
3.Exterminator◎
4.Swastika Eyes
5.Pills
6.Blood Money
7.Keep your dreams
8.Insect royalty
9.Mbv Arkestra
10.I'm five years ahead of my time
11.Swastika eyes (Chemical Brothers mix)
12.Shoot speed kill light

Dots and Loops/Stereolab

2005年12月07日 | アルバムレビューP~S行
ステレオラブはじめ、音響系全般を聴いて僕が感じるのは、とても「立体的」な音楽だなあということです。それは、ミキシングはもちろんのこと、曲調やイマジネーション、曲の構造自体など、あらゆることに感じます。

今のJ-POPなんかでは、AメロBメロサビじゃなきゃ曲が作れないというような、発想が直線的になって硬直してしまう所がありますが、しかしこのアルバムの曲は、そういった定型に縛られてしまうこともなく、とても自由な構造、自由な発想で曲が作られています。楽譜にそって順番になぞっていくのではなく、一つ一つの断片を立体的なイメージ空間に置いていく、という感じなんでしょうか。とにかく、普通の音楽とは発想そのものが違うという印象を持ちます。そうして作られた曲は、言うなれば「音のプラネタリウム」という感じで、音に全方位を包まれているような、不思議な心地良さがあります。

その上このアルバムでは、ステレオラブ本来の「遊び心」も発揮されています。そのため、全体の印象はどこか漠然としているものの、瞬間のシーケンスには絶妙なキャッチーさがあり、耳に残ります。このさじ加減の上手さは見事と言えるでしょう。イメージと雰囲気重視という小難しさを趣旨としつつも、こうしてポップさも保っているのが、スレレオラブならではの魅力ではないでしょうか。

僕の場合、シングル単位では「Emperor Tomato Ketchup」の方が聴く機会が多いですが、アルバムトータルでの魅力では、こちらのアルバムに軍配が上がります。ステレオラブを知るには聴いておきたいアルバムです。


1.Brakhage
2.Miss Modular
3.Flower Called Nowhere
4.Diagonals
5.Prisoner of Mars◎
6.Rainbo Conversation◎
7.Refractions in the Plastic Pulse
8.Parsec
9.Ticker-Tape of the Unconscious◎
10.Contronatura

Emperor Tomato Ketchup/Stereolab

2005年10月10日 | アルバムレビューP~S行
いわゆる音響派アーティストの中で、僕が今とりわけ熱心に聴いているのが、このステレオラブです。特にこのアルバムは本当に愛聴しており、ステレオラブで最初にオススメしたいアルバムです。

その最大の理由は、このアルバムがステレオラブ(立体音響研究所)の名に最も相応しいものに感じるからです。このアルバムを聴けば、音響派サウンドの持っている魅力が全部分かると言ってもいいでしょう。どこか古めかしい、レトロなムードを中心に沿えて、今までありそうでなかった、斬新で実験的なサウンドを展開します。どこかユーモラスでポップな曲あり、ひねくれた実験的な曲あり、別世界へとトリップさせてくれる曲ありと、非常にバラエティーに富んでおり、しかも全ての曲のクオリティーが高いのです。もう10年も前に発表された作品ですが、今聴いても十分に新しく、次世代を感じることができます。

少々アカデミックで気難しいところもありますが、しかし一度ツボを理解してハマってしまえば、そのアカデミックさを逆に魅力と感じるようになるでしょう。リスナーに音楽マニアを気取らせてくれる、斜め上を狙ったエンターテイメント・ミュージックです。


1.Metronomic Underground◎
2.Cybele's Reverie◎
3.Percolator
4.Yper-Sound
5.Spark Plug
6.Olv 26
7.Noise of Carpet
8.Tomorrow Is Already Here
9.Emperor Tomato Ketchup◎
10.Monstre Sacre
11.Motoroller Scalatron
12.Slow Fast Hazel
13.Anonymous Collective

THE STONE ROSES/THE STONE ROSES

2005年09月27日 | アルバムレビューP~S行
90年代UKロックの方向性を決定付けた名盤中の名盤、ストーンローゼズの1STです。このアルバムの面白い特色は、「初聴きのときは大抵ハマらない」ということでしょう。「ロックの名盤」という飾り文句の意表をつく、線の細くて軽い音。誰もが最初は戸惑い、CDラックの奥にしまい込んでしまうのです。

しかし、こういう体験をした人は、後に必ずこう語ります。「久しぶりに聴いて全く印象が変わった」と。弱々しいとしか感じなかったロックサウンドが、この上なく美しく聴こえだし、そして絶品のメロディーラインに気付くのです。終いには、何度聴いても新発見のあるこのアルバムに、完全に魅せられてしまいます。

このアルバムで最も感じるのは、「バンドの一体感」が持つパワーというもの。ギター、ベース、ドラム、ボーカル、それぞれのパートが一つの無駄な音もなく、生き生きと輝いているようです。音楽の普遍的魅力である「調和の美しさ」を、これでもかと実感させられます。それらは、この先どれだけの時間を経ようとも、決して色あせることは無いでしょう。絶対必聴のアルバムです。


1.アイ・ワナ・ビー・アドレッド◎
2.シー・バングス・ザ・ドラムス
3.ウォーターフォール
4.ドント・ストップ
5.バイ・バイ・バッドマン
6.エレファント・ストーン
7.エリザベス・マイ・ディア
8.(ソング・フォー・マイ)シュガー・スピン・シスター
9.メイド・オブ・ストーン◎
10.シュート・ユー・ダウン
11.ディス・イズ・ザ・ワン◎
12.アイ・アム・ザ・レスレクション
13.フールズ・ゴールド

The Bends/RADIOHEAD

2005年09月26日 | アルバムレビューP~S行
グルーヴ感ってとにかく重要です。これを演奏から感じられるかどうかで、バンドとしての技量が計れると言ってもいいでしょう。グルーヴ感がサウンド全体のノリを支配し、グルーヴ感ひとつで曲想も変わってしまいます。ロックにおいては、演奏する側も聴く側も、常にこれを意識しなければなりません。

そのことを踏まえて、このアルバムのグルーヴを感じてみましょう。恐ろしいほど音がうねっているではありませんか。その気になれば無限に潜っていけそうなほど、果てしない奥深さがあります。まるで地の底まで引きずられていくような退廃的で重いサウンドは、サイケなメロディーとボーカルもさることながら、このグルーヴに拠る部分が大きいのでしょう。決して陽気にノらせてくれるものではありませんが、気を落ち着けて、このグルーヴに身を委ねてみましょう。その圧倒的スケールの闇サウンドに、かならずや戦慄と感動を覚えるはずです。

この時点で、バンドとしてのレベルは信じられないほど高いです。にも関わらず、まだセカンドなのですから、格が違うとしか言いようがありません。この後さらに孤高の世界へと旅立っていくレディオヘッドですが、このアルバムはその出発点となったわけです。初心者の方は、まずこのアルバムから入るのがセオリーです。

1.Planet Telex
2.The Bends
3.High and Dry◎
4.Fake Plastic Trees
5.Bones
6.Nice Dream
7.Just◎
8.My Iron Lung
9.Bullet Proof... I Wish I Was
10.Black Star
11.Sulk
12.Street Spirit (Fade Out)◎



Coup d´Etat/Syrup16g

2005年09月19日 | アルバムレビューP~S行
シロップ16グラムの1st。このアルバムを聴くと、改めてとんでもないバンドなんだと思い知らされますね。だって、デビューアルバムからいきなりこんな凄いアルバム作ってくるんですから。新人特有の甘さとか隙みたいなものは微塵も感じられず、すでにバンドとして完成しちゃってます。やはり特徴的なのは、あの獣の咆哮のようなボーカルと、楽曲全体に流れる陰鬱な世界観でしょう。不条理な歌詞と無駄を一切省いたバンドサウンドも相俟って、聴いていて圧倒させられるものがありますね。この時点で、個性の確立と世界観作りはすでに極まってます。まさしく日本ロック界の「クーデター」とでも言うべき衝撃作。もはや天才的なムードさえ漂ってます。

1.My Love’s Sold
2.神のカルマ
3.生きたいよ
4.手首◎
5.遊体離脱◎
6.virgin suicide
7.天才
8.ソドシラソ◎
9.バリで死す
10.ハピネス
11.coup d’Etat
12.空をなくす
13.汚れたいだけ



METABOLISM/SING LIKE TALKING

2005年09月19日 | アルバムレビューP~S行
シングライクファンの間でも、かなり好き嫌いの分かれた問題作。というのも、彼らの持ち味であった、AORやフュージョンを取り入れた「オシャレサウンド」な作風を一切捨てて、非常に攻撃的な、ハードロック調のサウンドを中心としたアルバムだったからです。僕も、最初はそのあまりの変わり様にかなり驚きました。が、ここで紹介しているということは、もちろん今ではかなり気に入っているということです。それどころか、このアルバムはシングライクの中でもトップクラスに入るほどの、素晴らしい大傑作だと思います。それは、「変わった」といっても、本当に変わったのはサウンドの趣向だけで、あとは何一つ変わっていないからです。あの図抜けた完成度のサウンドメイキングも、佐藤竹善の美声も、心に残るメロディーと歌詞も、全ては今までのシングライクと同じ。いやそれどころか、さらに成熟しレベルアップしているのです。そして、特にこのアルバムで素晴らしいのは、サウンドが非常にストレートになった分、彼らの「歌心」というものが、これまで以上にダイレクトに、飾り立てられることなく伝わってくることです。佐藤竹善の歌声も相俟って、本当にゾクゾクしてしまうような感動を味わうことができるのです。「シングライクらしい」とはとても言えないアルバムですが、是非とも一度は手にとって聴いてみて下さい。

1.Premonition
2.The Law Of Contradiction
3.Jack Lemmon
4.Paradise
5.My True Colors
6.魔力◎
7.見知らぬ空の下で
8.Jigsaw 9.Hyper Overdrive~不完全な個体~
10.悲しきHummingbird
11.幻月~A Tragedian~◎
12.What’s Dying Away◎
13.情熱のGroovin’
14.One Day
15.回想の詩
16.Only A Miracle


togetherness/SING LIKE TALKING

2005年09月19日 | アルバムレビューP~S行
僕が最初にシングライクの音楽を聴いた、通算7作目のアルバム。これを聴いたときは、全く前評判を知らずに、「試しにこれを聴いてみよう」と、当てずっぽうに選んだアルバムだったのですが、これがもう大当たり! 彼らの魅力が一発で分かる、非常に素晴らしいアルバムだったのです。もう「捨て曲無し」とはこのことですね。このアルバムは、一曲一曲が非常に丁寧に作りこまれており、単体としても全体としても素晴らしく完成度が高い。シングライクの、ずば抜けたサウンドメイキングが十分に発揮されています。それでいて、これまた完成度の高いソングライティングも、佐藤竹善の絶品ボーカルもあるため、本当に何回でも聴けて、飽きが全く来ない。聴くたびに、「すげえなあ…」と感嘆のため息をこぼしてしまいます。とてもシングライクらしい、都会的でオシャレな曲調なので、最初に彼らを知るには最適の一枚でしょう。しかしまあ、重ね重ね言ってしまいますが、本当にとんでもない実力派バンドですなあ…。

1.トゥギャザー◎
2.ジョイ◎
3.風に抱かれて
4.マイ・アイズ・オン・ユー
5.ビトゥイーン・アス
6.幻に恋する日々
7.ナイト・リズム
8.ウィル
9.ユア・ラヴ◎
10.スタンディング
11.点し火のように


LITTLE BUSTERS/the pillows

2005年09月19日 | アルバムレビューP~S行
ファンの間でも名作の呼び声高い、ピロウズの7th。「Please Mr.Lostman」の次作にあたるアルバムです。前作は、荒削りながらも確かなポテンシャルを感じさせる、初期衝動的な作品でしたが、今作はその荒削りさが解消され、バンドとしての完成を見た作品となったアルバムのようですね。全体的なクオリティが前作よりレベルアップし、隙の無い曲作りをしています。このアルバムを聴いて改めて感じましたけど、やっぱりピロウズはアングラよりメジャー路線向きだと思うんですよね。スピッツやミスチルと同系統の、メロディーと歌詞の良さで勝負しているバンドですから。そういうタイプの場合、半端な実力では凡百のバンドとして埋もれてしまうでしょうけど、ピロウズはそんな連中とは全然違って、サウンドの方も完成度が高くて「ロック」してるし、こんなに売れ方が地味なのは絶対不自然なんですけどね。近頃は一般リスナーもロックに対する免疫ができてきているようだし、やはり今こそ注目を集めるバンドだと思います。

1.ハロー,ウェルカム・トゥ・バブルタウンズ・ハッピー・ズー(インスタント・ショウ)
2.アナザー・モーニング
3.ワン・ライフ(アルバム・ミックス)◎
4.ザット・ハウス◎
5.ライク・ア・ラヴ・ソング(バック・トゥ・バック)(アルバム・ヴァージョン)
6.ノーホェア
7.ハイブリッド・レインボウ◎
8.ブルース・ドライヴ・モンスター
9.パトリシア(アルバム・ヴァージョン)
10.ブラック・シープ
11.リトル・バスターズ


Please Mr.Lostman/the pillows

2005年09月19日 | アルバムレビューP~S行
ピロウズ初期の傑作アルバム。彼らの音楽世界を、この一枚によって確立させたようですね。まず、この作品で最も注目すべきは、あの力強い、ハードな骨太ギターサウンドもそうですが、何よりも、ボーカル山中さわおのソングライティングの才能。それが非常に光っています。アングラで有名になるよりは、むしろ大衆的にヒットするような、ポップさを持った、それでいて流れの良い印象的なメロディーと、甘く切ないラブソング調の歌詞。このアルバムだけでも、「ストレンジカメレオン」のような、十分なヒットポテンシャルを秘めた素晴らしい名曲が、多数ちりばめられています。まあさすがに初期だけあって、全体的に多少荒削りかな、という印象もあるのですが、それでも非常に水準の高い、ポップとしてもロックとしても楽しめる稀有な名盤だと思います。このことを是非とも、多くの人に知ってもらいたいところなんですが…。

1.ストーカー
2.トリップ・ダンサー
3.ムーン・イズ・マイン
4.アイス・ピック
5.彼女は今日,◎
6.ストレンジ・カメレオン◎
7.スワンキー・ストリート◎
8.スーサイド・ダイヴィング
9.ガールズ・ドント・クライ
10.プリーズ・ミスター・ロストマン