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音大のロビーにて ~Second Season~

自分の好きな音楽や、日々の雑感などを、気ままに書いていきます。ちなみに現役音大生です。現在更新停止中

Red Curb/レイハラカミ

2005年12月28日 | アルバムレビューま~わ行
「音は時間を歩行しているものであり、まずこのことを認識しなければならない。楽音とか雑音というような分類は、音の本質とは関わりないことだ」とは、日本を代表する作曲家である、武満徹の有名な言葉です。最初にこれを聞いたとき、僕には意味がよく分からなかったんですが、このレイハラカミの音楽に触れたとき、その意味を何となく理解しました。というのも、レイハラカミの音楽も、これと同じような発想によって作られていると感じたからです。

このアルバムの音には、まるで制約というものが無いように感じます。リズムや構成を飛び越えて、自由な発想で自由に音を配置しています。そうして作られた音楽には、自然が自然のままに変化していく「時間の流れ」を感じることができます。その流れの中を漂うように、または散歩するかのように、すれ違っていく音を眺めながらゆっくりと進んでいく。そんな白昼夢をこのアルバムは見せてくれるのです。

わりと人を選ぶタイプの音楽だとは思いますが、「新しい音楽の表現形態とは?」というように、音楽を哲学的な視点で考える人には、是非とも一度手にとってほしいアルバムです。未来の新しい音楽とは、このようなものになるのではと、僕は考えています。


1.unexpected situations
2.the backstroke
3.cape◎
4.wrest
5.red curb◎
6.vapor
7.june
8.remain
9.2 creams
10.again
11.put off◎

君は誰と幸せなあくびをしますか。/槇原敬之

2005年09月19日 | アルバムレビューま~わ行
大ヒット曲「どんなときも。」を収録した、マッキーの出世アルバム。一度聞いたら忘れられないアルバムタイトルも、いかにも彼らしいです。この時点でまだ2枚目のオリジナルアルバムなのですが、すでに自分の立ち位置と方向性が定まりきっているというか、もうほとんど「完成」してしまってる感がありますね。というのも、もう彼は何かにつけて「巧い」んですよね。少ない言葉数で登場人物の内面を表した歌詞のフレーズの巧さは、聞いていて思わず唸ってしまうものがあるし、それに結びつく、印象的なメロディーを乗せるのもまた巧い。こういう職人的なソングライティングに関しては、彼は本当に天性のものがありますね。それでもアカデミックになることなく、聴く人の心を強く打って末長く愛してもらえるような、「唄」としての俗っぽい良さがあるのが彼の楽曲の一番の魅力ですね。いつも何となく傍に置いておきたくなるようなアルバムです。

1.どんなときも。 ~インストゥルメンタル・ヴァージョン)
2.僕の彼女はウエイトレス
3.アフター・グロウ
4.Necessary
5.満月の夜
6.EACH OTHER◎
7.ひまわり
8.コーリン
9.3月の雪◎
10.僕は大丈夫。
11.どんなときも。◎


君は僕の宝物/槇原敬之

2005年09月19日 | アルバムレビューま~わ行
マッキー全盛期の代表作のひとつ。最初に彼を知ったのも、このアルバムでした。聴いてすぐの頃は、バラード系の曲が大半だったために、サウンド的にはちょっと地味かな、という印象を持っていたんですが、歌詞の魅力に気付いてからはガラッと見方が変わりました。穏やかな曲調に乗った、とてもピュアで純粋な、思わずジーンとくるようなフレーズの連続で、聴いた後にとても満たされたような気持ちになりました。まるで一服の清涼剤のようですね。僕が聴いた中でも数少ない、歌詞に最も惚れたアルバムです。

1.INTRODUCTION
2.くもりガラスの夏
3.もう恋なんてしない◎
4.三人◎
5.まばたきの間の永遠
6.てっぺんまでもうすぐ
7.雷が鳴る前に
8.涙のクリスマス
9.遠く遠く◎
10.冬がはじまるよ
11.君は僕の宝物
12.君は僕の宝物 ~REPRISE ~

ピヤノアキコ。/矢野顕子

2005年09月19日 | アルバムレビューま~わ行
矢野顕子の過去のピアノ弾き語り曲から選りすぐった、ベストアルバムです。もう一曲目の「中央線」のイントロからググッと惹きつけられてしまいます。そのピアノアレンジの巧みさと、時に優しげで、時に軽快なピアノの音色と矢野顕子の歌声。なんと美しい世界なんでしょうか。「天才」矢野顕子のとんでもなく高い実力と、唯一無二の個性が、この一枚に凝縮されています。ピアノ弾き語りというジャンルを、これほどまでに芸術的に昇華させたアーティストは、他にいないのではないでしょうか。自分の音楽活動がいきずまっている時なんかにこのアルバムを聴くと、本当に勇気が湧いてきますね。僕の一押しの名盤です。

1.中央線◎
2.在広東少年
3.しようよ
4.SUPER FOLK SONG◎
5.恋は桃色
6.NEW SONG
7.椰子の実
8.雷が鳴る前に
9.さようなら
10.愛について
11.HOW CAN I BE SURE
12.ニットキャップマン
13.PRAYER◎
14.ばらの花
15.電話線
16.あしたてんきになれ - 雨ふり - 相合傘