氷見市のお客様からエンジンオイル交換のご依頼です。
当店にて定期的にオイル交換をしている車なんですが、今回はそのオイル交換でやらかしてしまったというお話(>_<)
アルファロメオ ジュリア 95220 2018年式 72900キロ


まずはリフトアップ。
当然ながらアンダーカバーに覆われていて何も見えません(^^;)

外すとオイルパンとエレメントがお目見え。

ドレンプラグを外してドレンアウト。

同時にエレメントも取り外し。

新品エレメントのガスケットにはシリコングリースを塗布して取り付けます(^^)


ドレンプラグはガスケット一体式なので再使用不可になります。
新旧でガスケットの厚み?形状?が全く違いますね(゜Д゜;)
ちなみにこのドレンプラグは1個1000円ほど(ノД`)

取り付け完了(*・ω・)ノ
これからエンジンオイルを充填するわけですが、ジュリアの指定オイル規格はACEAのC2になります。
軽くACEA(アセア)規格について説明すると、、、ACEAは欧州自動車工業会のことで欧州の主要メーカーや日本メーカーでいうとトヨタやホンダが加盟しています。
ガソリンエンジン用として『Aカテゴリー』
乗用ディーゼル用として『Bカテゴリー』
ガソリンエンジン及びDPF付きディーゼルエンジン(所謂クリーンディーゼル)用として『Cカテゴリー』
大型ディーゼル用として『Eカテゴリー』
ですが現在はAカテゴリーとBカテゴリーは統合されて『A/Bカテゴリー』となってます。
Cカテゴリーは
HTHS粘度(高温高せん断粘度)と硫酸灰分(オイル内の金属成分の量。DPFなどの排ガス後処理装置に悪影響)を主に規制していて
・DPFを目詰まりさせる物質が少ない。
・清浄分散性に優れる。※ディーゼルエンジンでは、ピストン周りにすすが貯まりやすいため重要
・高温安定性が高い。※ディーゼルエンジンでは、エンジン内部の燃焼温度が高いため重要
これらの特徴を持つため、クリーンディーゼル車にも使うことができ、ガソリン車においてもより性能の高いオイルということで、環境型高性能オイルと言えます(^^)
ちなみに~日本で一般的なオイル規格と言えばAPI規格(SNやSPなど)ですが、アメリカ石油協会が定めてます。
API規格はどちらかというと『省燃費性能』を重視していて、ACEA規格は『エンジン保護性能』『環境性能』を重視しています。
これらを充たすためにACEA規格のオイルはAPI規格より試験が厳しい、より高品質なベースオイル・添加剤を使用しているといった特長があり、価格が高くなってしまいます。
というわけで、輸入車のオイルは価格が高いわけです(*・ω・)ノ
ちなみにちなみに~当店でよく使っているワコーズ プロステージSはAPI、ACEAともに取得してません。
数年前のリニューアルまではAPIと二輪車の規格であるJASOを取得してたんですが、現在はJASOのみです。この辺の理由としては規格に合わせることで添加剤の量や種類を限定することになりワコーズが目指すオイル性能を出せなくなることと、コストの問題ですね(^^;)
ただLSPIにはいち早く対応してますし、数年前まではAPI規格を取得していたことを考えるとAPI規格相当として取り扱うことで問題はないと思いますが、ACEA規格としてはどうか?と言われると??ですね(^^;)
問題ないとして使われてるお店もありますが、データは公表されてませんし過去にプロステージSでACEA規格を取得したことはないことから、オイル規格の方向性としてはAPI規格よりであってACEA規格よりでは無いと思われるので、当店としてはACEA規格の車には推奨、使用はしてませんm(_ _)m
どうしても!と言われたら入れますがリスクについてはかなり説明させて頂きます(^^;)
軽くと言いながら前置きが長くなりました、、、

使用するエンジンオイルはワコーズ ユーロツーリング(5W-30)です!
ACEA規格のC2とC3、API規格のSPを取得してます(*´∀`*)ノ
プロステージS(0W-30)同様に200Lで仕入れてますので、メーカー希望小売価格より安く提供していますよ~♪
C3とSPだけ取得のユーロツーリング5W-40も在庫はしてますが、こちらはペール缶での仕入れなので、、、定価です(^^;)

このお客様は毎回スーパーフォアビークルを添加されてるので、今回ももちろん添加しておきます♪
この車にはレベルゲージが無く、オイルレベルセンサーが付いてます(^^)
なのでオイル量の確認はディスプレイの車両データを見るんですが、いつもと同じ量を充填したのに一目盛り少ない表示。ちょっとずつ足していくも~いつまで経っても一向にデータが更新されません(^^;)
ある一定以上のオイル温度になればデータを更新するはずなんですが、、、
0.6Lほど足したところで流石にこれで目盛りが増えないのはおかしいな~ということで、少ないことは考えられないので暫く様子を見て貰うことになり、スキャンツールを使ってサービスインターバルをリセットして終了(*・ω・)ノ
で、翌日に問題発生(゜Д゜;)
お客様から電話があり『昨日の帰りと今日の朝は問題なかったが、帰りにエンジンを掛けるとオイル警告灯が点灯。オイルレベル異常ってなってます』とのこと(>_<)
車の状態がわからないので走行しても大丈夫です!とは到底言えないので(^^;)任意保険のレッカー搬送特約を使って当店に運んで貰いました三c⌒っ.ω.)っ シューッ

搬送後、車を確認すると確かに警告灯が点灯しています。


オイルレベルの目盛りが上限を超えてますね(゜Д゜;)

スキャンツールでDTC、データモニターを確認してみると初めて知りましたがエンジンオイルレベルという項目があり、5787mlになってます。
この車の規定量は5.2Lなので多いっすね(>_<)
オイル交換時にすぐにオイルレベルセンサーが計測しなかった件もあるので、もう一度オイルをドレンアウトさせて充填量とスキャンツールのデータを照らし合わせてみます!

エレメントは交換しないので4.8Lを充填すると

エレメントは交換しないので4.8Lを充填すると

油温が74℃まで上がってますが前日同様にオイルレベルが更新されませんね(^^;)
やはりレベルセンサーが調子悪いのかな~と考えてたんですが、こんな壊れ方するかな~と(๑・౩・๑)
で、もしやと思って開けたままにしていたボンネットを閉めると

エンジンオイルレベルが更新!
5239mlですね~
どうやらボンネットが開いていると更新しないみたいです(>_<) そして今まではたまたま?ボンネットを閉めてレベルチェックしてたみたいですね(ノД`)

ディスプレイの表示も正常になりました(^^)
全部抜いてしまったのでスーパーフォアビークルも追加で充填して再び確認すると

エンジンオイルレベルは5461mlに。
容量は270mlなので若干誤差がありますが、ちゃんと入れた分だけ増えてます。
ということはレベルセンサー自体も問題ないのかなと。

その後、ロードテストをしてDTCが出ないことを確認。
ちなみにエンジンオイルレベルは5390ml。
多少の誤差は問題ないというか地面が平らとは限らないので(^^;)
今回は勉強不足でお客様にご迷惑をお掛けしてしまい申し訳ないです(>_<)
そういえばBMWやベンツにもそういった制御があったような、、、と思い出しました (。・ω・。)
これからも日々精進です!
皆様からの整備のご依頼をお待ちしています。