同じ空の下

　入院し続けてさえいれば

病気が治るって思ってんの？

じゃあ　私のドライアイは？

滲出性中耳炎は？

甲状腺機能低下症は？

低ナトリウム血症は？　みんな

投薬を続け　検査をし　様子を

見ながら　一生の付合いじゃん

「オトナシクしくしていてね」

って、自身の加減を見ながら、

自分で何とかして行くんだ。

病院もドクターもナースも薬も

手助けは出来るだけしてくれる

けど、どれも皆　完全なものな

ど無い。神では無い。「たかが

人間」じゃないか！　私は

怒りが沸き、今にも

「先生の言う通りにした方が

良いよ！」と　言いたくなりま

した。「私は　小学生の頃から

の付き合いだよ、喘息とは。」

と。　　　┐(´д｀)┌ﾔﾚﾔﾚ

同じ空の下

　森田さんにも先生の回診です

「具合はどうです？

もう　入院も1ヶ月です。

入院して出来る治療は

手を尽くしました。

　退院して３週間に１度通院し

注射していくのはどうです？」

「先生　私は入院して徹底的

に喘息を完治したいんです。」

「そうですか、では入院継続

で、良いですか？」

「ハイ、よろしくお願いしま

す。」

森田さんは力強く答えました。

私はこの人　入院しさえいれば

病気が治ると思ってるんだ　と

思いウンザリしました。

　　　┐(´д｀)┌ﾔﾚﾔﾚ

同じ空の下

「体重測定です。」

看護師さんが体重計を抱えて

来ました。

「ハイ、あの私、入院前は毎日

下痢と嘔吐を繰り返していたん

ですけど、体重が増えて行った

んです。普通　下痢と嘔吐繰り

返したら、痩せますよねぇ？」

私は自分の状況が分からず聞き

ました。

もう誰か教えて！と　言うよう

に切羽詰まっていました。

「余分な水分を排出できない

状態だったのでしょう。」

「そうですか、ありがとうござ

います。」

そっれって、深刻なのかなぁ？

　室内では、話し相手が退院し

てしまった稲森さんが、森田さ

んと　話しています。

「何処のお産まれ？」

「入院前は何してらしたの？」

「恋人はいらっしゃるの？」

「彼のお仕事は？」

「彼とお付き合いしてどのくら

いになるの？」

これじゃぁまるで尋問。私は

思いました。

　　　┐(´д｀)┌ﾔﾚﾔﾚ

同じ空の下

「血液検査です。」

「ハイ、お願いします。

ちょうど良かった、点滴が

終わりそうです。」

「あらタイミングが良かった

まず血液取りますね。

お名前に間違いはありません

か？」

「ハイ、間違いありません。」

「はい、終わりました。

点滴も取りますね。」

「ありがとうございます。」

「後で、MRIの検査　お迎えに

来ます。」

「よろしくお願いします。

その時、売店に行っても良いで

すか？入院の荷物にティッシュ

ペーパーを忘れたもので、

買いたいんです。」

「ハイ、良いですよ。では、

また後で。」

「お世話様です。」

　　　┐(´д｀)┌ﾔﾚﾔﾚ

同じ空の下

　ドクターやナースは絶対、

仕切のカーテンを力任せに

シャーッツと開けたりは

しません。

　のれんを手で押す様に

ソット開けて　来てくれます。

「やぁ、鷹乃羽さん。僕

ビックリしちゃったよ。」

担当医が回診に来てくれました

「お世話になっています。」

「昨日、外来の美里先生から

メールもらって、入院されたっ

て知って、驚いちゃった。

具合はどうですか？」

「お陰様でもう、嘔吐も下痢

もないです。」

「それは良かった。

ナトリウム欠乏は、足りないな

ら、足せば良いなんて乱暴な

事は出来無いんです。

体の様子を見て　少しずつ

少しずつ、ナトリウムを足し

て行きます。長丁場になるかも

知れませんが、一緒に頑張り

ましょう。」

「ハイ　よろしくお願いしま

す。」

　　┐(´д｀)┌ﾔﾚﾔﾚ