風邪より超こわい風邪薬
風邪は、2~3日もすれば、何もしなくても自然に治ります。
インフルエンザは、ちょっときつい風邪でしかありません。風邪と同様に何もしなくても自然に治ります。
これは、全ての人の人体に備わった「自然治癒力」によるものです。
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備考
この部分は、風邪・インフルエンザに関しては、製薬会社から1円も金をもらっていない(買収されていない、口止めされていない)、そして厚労省の御用学者でもない(国・政治家・官僚に支配されていない)、医薬ビジランスセンターhttps://www.npojip.org/の浜六郎理事長の見解を要約して書いています。
詳しくは、浜六郎理事長の著書を参照:
くすりで脳症にならないために―タミフル脳症を中心に 浜 六郎 | 2008/11/1
やっぱり危ないタミフル―突然死の恐怖 浜 六郎 | 2008/2/1
医者には聞けないインフルエンザ・ワクチンと薬 浜 六郎, 母里 啓子他 | 2004/10/1
命を脅かす医学常識 (宝島SUGOI文庫) (日本語) 文庫 – 2012/2/7 浜 六郎 (著)
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日本では、風邪・インフルエンザになって医者にかかると、風邪薬の処方箋を渡されて、薬局で薬とともに簡単な薬の説明書を渡されて、薬局の薬剤師が説明します。
しかし、欧米では、風邪・インフルエンザくらいでは医者には行きませんし、たとえ医者に行ったとしても、医者は薬を出さず、3日たっても良くならなかったらまた来てくださいというだけです。
これが欧米の基本的な風邪・インフルエンザへの対処です。
ところが、日本の医師は、風邪・インフルエンザに対して4~5種類程度の医療用医薬品をすぐに処方します。
しかし、医師は、風邪薬の副作用などの安全性の情報を患者には説明してくれません。
また、薬剤師が渡す説明書には、非常に簡単に数行だけの効能・効果の説明があるだけで、副作用などの安全性情報の説明はほとんど書かれていないか、程度の非常に軽い副作用が数個書かれているだけです(例えば発疹, 食欲不振,胸やけ)。
死ぬ危険性のある重篤な副作用については、全く書かれていません。
このため、普通の人は、命に関わる重篤な副作用についてほとんど何も知らず、風邪薬は安全だと思っています。
一方、ドラッグストアーで売っている一般用医薬品OTCの風邪薬の添付文書には、薬局で渡される医療用医薬品の説明書よりも、多くの副作用情報・注意が書かれており、中には非常に重篤な副作用の発生の警告も書かれているものもあります。
つまり、医療用医薬品よりもOTC医薬品の方が、より多くの安全性情報を市民に提供しているのです。
この現状を見て、『医師・薬剤師は、患者に医薬品の安全性情報(害反応)を隠している、騙している』という批判が出されています。
一般の人が、医者が処方する医薬品の安全性情報(副作用など)の詳細を知ろうとするならば、ネット検索をして、医薬品メーカー・医療情報サイト・独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 PMDAなどの添付文書サイトの情報を自分で見るしかありません。
医薬品医療機器総合機構PMDA添付文書検索サイト
医療用医薬品 https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuSearch/
一般用医薬品・要指導医薬品 https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/otcSearch/
ただし、医師・薬剤師がほとんど安全性の注意をしていないため、一般の人は、自分でネット検索しようとはしないのが普通です。
このため、安全性情報を知らないため、副作用が発生しても、副作用とは疑わないのが現状です。
例えば、医者が良く処方する医療用医薬品の風邪薬「PL配合顆粒」の添付文書には、命を脅かす危険のある「警告」、「重大な副作用」として、多数の情報が書かれています。
以下、「PL配合顆粒」の添付文書から引用します:
https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/1180107D1131_2_02/?view=frame&style=SGML&lang=ja
警告 1. 本剤中のアセトアミノフェンにより重篤な肝障害が発現するおそれがあるので注意すること。 2. 本剤とアセトアミノフェンを含む他の薬剤(一般用医薬品を含む)との併用により,アセトアミノフェンの過量投与による重篤な肝障害が発現するおそれがあることから,これらの薬剤との併用を避けること。[「過量投与」の項参照] |
重大な副作用
1. ショック,アナフィラキシー(0.1%未満):ショック,アナフィラキシー(呼吸困難,全身潮紅,血管浮腫,蕁麻疹等)を起こすことがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
2. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN),皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(0.1%未満),急性汎発性発疹性膿疱症(頻度不明),剥脱性皮膚炎(0.1%未満):このような副作用があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
3. 再生不良性貧血(0.1%未満),汎血球減少,無顆粒球症,溶血性貧血,血小板減少(頻度不明):再生不良性貧血,汎血球減少,無顆粒球症,溶血性貧血,血小板減少があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
4. 喘息発作の誘発(頻度不明):喘息発作を誘発することがある。
5. 間質性肺炎(0.1%未満),好酸球性肺炎(頻度不明):間質性肺炎,好酸球性肺炎があらわれることがあるので,観察を十分に行い,咳嗽,呼吸困難,発熱,肺音の異常等が認められた場合には,速やかに胸部X線,胸部CT,血清マーカー等の検査を実施すること。異常が認められた場合には投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
6. 劇症肝炎,肝機能障害,黄疸(頻度不明):劇症肝炎,肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
7. 乳児突然死症候群(SIDS),乳児睡眠時無呼吸発作(頻度不明):プロメタジン製剤を小児(特に2歳未満)に投与した場合,乳児突然死症候群(SIDS)及び乳児睡眠時無呼吸発作があらわれたとの報告がある1)。
8. 間質性腎炎,急性腎障害(頻度不明):間質性腎炎,急性腎障害があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
9. 横紋筋融解症(頻度不明):筋肉痛,脱力感,CK(CPK)上昇,血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので,このような場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
10. 緑内障(頻度不明):緑内障発作があらわれることがあるので,視力低下,眼痛等があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。 |
また、「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」に関しては、次のような注意が書かれています。
妊婦,産婦,授乳婦等への投与 1. 妊婦(12週以内あるいは妊娠後期)又は妊娠している可能性のある婦人には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[サリチル酸製剤(アスピリン等)では動物試験(ラット)で催奇形作用2)が,また,ヒトで,妊娠後期にアスピリンを投与された患者及びその新生児に出血異常3)があらわれたとの報告がある。] 2. 妊娠後期の婦人へのアセトアミノフェンの投与により胎児に動脈管収縮を起こすことがある。 3. 妊娠後期のラットにアセトアミノフェンを投与した試験で,弱い胎児の動脈管収縮が報告されている4)。 4. 授乳婦には長期連用を避けること。[本剤中のカフェインは母乳中に容易に移行する。] |
(添付文書の引用終わり)
風邪薬の重篤な副作用の危険性は、実に恐るべきもので、普通の風邪を引いただけでは絶対に起きないものばかりです。
医者や薬剤師が説明しない風邪薬の本当の恐ろしさが良くわかります。
重篤な肝障害の場合には、入院治療が必要となる場合もあり、肝臓移植が行われた例もあります。
ショック、アナフィラキシーは、免疫系のI型アレルギーが原因で、呼吸困難,全身潮紅,血管浮腫,蕁麻疹、下痢、意識喪失、卒倒などが起き、場合によっては救急車で運ばれて集中治療室ICUに入れられる場合もあります。
免疫細胞が暴走すれば、皮膚が大規模に破壊されて、全身の皮膚がドロドロに溶けてなくなり、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN),皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)と呼ばれる死亡率の非常に高い害反応が起きる人もいます。この害反応では、眼に重篤な後遺症が残り、大幅な視力低下や失明も起きる報告がありますし、全身状態が悪化して回復しない例もあります。
急性汎発性発疹性膿疱症は、全身に膿を持った発疹がたくさんできる害反応で、命を失う場合もあります。
血液の細胞が破壊され、血液の細胞を作れなくなる再生不良性貧血、赤血球・白血球・血小板が全て減ってしまう汎血球減少、白血球が無くなる無顆粒球症、赤血球が溶けてしまう溶血性貧血、血を止める血小板が減って血が止まらなくなる血小板減少も起きることがあります。これらは、死に直結する害反応です。
風邪薬の成分には、喘息発作を起こすものがあり、呼吸困難になる人もいます。
肺の機能が破壊されて間質性肺炎、好酸球性肺炎と呼ばれる薬物性の肺炎を起こし、レントゲンでは肺が真っ白に写り、呼吸困難になり放置すれば死に至る場合もあります。
風邪薬により肝機能障害を起こせば、肝細胞が破壊されて細胞内の酵素が血液中に放出されて肝臓酵素の測定値が上昇し、ひどくなれば目の白目や皮膚が黄色くなる黄疸が起きます。
症状が急激に重篤化して肝臓細胞が死滅していく劇症肝炎の報告もあり、最終的には肝移植が行われた例もあります。
2歳未満の子供の場合には、寝ている間に呼吸が止まってしまう乳児睡眠時無呼吸発作が起きたり、乳児が突然死する乳児突然死症候群(SIDS)が起きた報告もあります。これは、呼吸や心臓をコントロールする脳の機能が停止することが関係している可能性もあります。
つまり、乳児にとっては、普通の風邪薬が殺人薬になってしまうのです。
腎臓の細胞が破壊されて急性腎障害を起こせば、尿が作れなくなり、体内に有毒物質がたまります。
腎臓の間質と呼ばれる部分に免疫系の暴走が起きて炎症が起きる間質性腎炎と呼ばれる重篤な腎障害が起きることもあります。
重篤な場合には、透析が必要になる場合もあります。
筋肉の細胞が破壊されると、横紋筋融解症と呼ばれる害反応が起き、筋肉痛,脱力感,CK(CPK)上昇,血中及び尿中ミオグロビン上昇が見られ、痛くて歩けなくなることもあります。この害反応の場合には、後遺症が残り、長期間に渡る筋力の低下や歩行困難が起きることもあります。
眼の細胞に害反応が起きて、緑内障発作があらわれ視力低下,眼痛が起きる場合もあります。
「サリチル酸製剤(アスピリン等)では動物試験(ラット)で催奇形作用の報告があると書かれていますが、これは動物の胎児の奇形の報告です。胎児の奇形というと、世界の薬害の歴史では、サリドマイド事件が有名です。動物実験で奇形の発生が報告されているのでは、怖くて飲む気にはなれません。しかし、この事実を医師や薬剤師は、詳しく説明していないのです。
アセトアミノフェンの投与により胎児に動脈管収縮が起きると書かれています。
動脈管とは、赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいるとき(胎児期)に、肺動脈から大動脈への抜け道になっている血管のことをいいます。 胎児期には肺で呼吸をしないため、肺動脈から肺へ多くの血液を送る必要がなく、肺動脈から大動脈へと肺をバイパスして血液を送る仕組みになっています。
胎児の動脈管が収縮してしまえば、胎児の血液循環に障害が出ますから、胎児の発育に悪影響があり得ます。
授乳中の婦人が風邪薬を飲めば、薬の分子が母乳に移行して乳児が薬を飲むことになり、母親だけでなく乳児に薬の害反応が起きる可能性が出てきます。
このような重大な危険性の情報を、医師・薬剤師は、患者には説明していないのです。
これでは、医師・薬剤師は、患者の命を守り、安全を確保する措置を怠っているとしか言えません。
今の実態では、『医師・薬剤師は、患者に医薬品の安全性情報(害反応)を隠している、騙している』という批判が出てくるのが当たり前です。
恐らく、本当のことを言ってしまうと、その恐ろしい正体が知られてしまい、誰も薬を飲まなくなる、医者に来なくなる、売上が減ってもうからなくなるので、隠して騙しているのだと思われます。
今述べてきたような重篤な害反応は、普通の風邪・インフルエンザでは起きません。
風邪・インフルエンザでは起きずに、医者が出す風邪薬が起こす害反応です。
つまり、これらは医師と薬により新たに作り出された『医原病』『薬害』です。
普通の風邪・インフルエンザは、2~3日すれば自然に治ります。風邪薬は必要ないのです。
風邪薬を飲めば、これまで述べたような命に関わる害反応が起き、場合によっては死んだり臓器移植を必要とすることになります。
これが医者や薬剤師が説明しない風邪薬の正体です。
欧米と比べて、日本の医療は、金もうけ主義の狂気の世界です。
『風邪より超こわい風邪薬』です。
普通の風邪薬でもこんなに超怖いのですから、他の薬、例えば脳・心臓・免疫系などに作用する強力な薬は、もっと怖いものです。
中には、癌を作り出すものもありますし(コレステロール低下剤のスタチンや中性脂肪低下剤のフィブラート、血圧降下剤のARBやCa拮抗剤)、死亡リスクを高める薬も数多くあります(例えばアスピリン)。
その全容は、浜六郎理事長の著書を参照して下さい:
ひとめでわかる のんではいけない薬大事典 浜六郎 | 2017/6/27
「薬のやめ方」事典 浜六郎 | 2017/3/19
アメリカで起きた世界最大の薬害事件であるメルク社のバイオックス事件では、心筋梗塞の副作用の被害者20万人以上、死者12万人でした。
バイオックスのメーカーのメルク社は、心筋梗塞の副作用の事実を長年に渡り隠し続けて販売を続け、被害者の数を大幅に増やしました。
これは、害作用を隠して売り続けて金もうけをして、ばれたら損害賠償金を払った方が安上がりで儲かるという経営層の悪魔の計算が背後にありました。
また、規制当局のアメリカ食品医薬品局FDAの研究員が、バイオックスによる心筋梗塞による死者の増加の事実を確認して公表しようとしたところ、FDAの高級官僚がそれを脅迫して妨害し、その研究員を解雇しました。
これは、国家機関であるFDAが、メーカーとグルになって金もうけをしていた国ぐるみの犯罪が原因です。
この事実は、アメリカ議会の「United States Senate Committee on Finance アメリカ上院財政委員会」で証言され、
『Testimony of David J. Graham, MD, MPH, November 18, 2004』
https://www.finance.senate.gov/imo/media/doc/111804dgtest.pdf
欧米では大々的に報道されて大騒ぎになりましたが、日本ではほとんど報道されていません。
バイオックスは、日本ではあるメーカーが臨床試験のフェイズIIIをやっている最中で、市販はされていませんでしたが、日本での臨床試験中の被害者に関して情報がありません。フェイズIIIは最大1000人程度で大規模ですから、被害者が出ている可能性もあります。
このように、新薬の臨床試験は、かなり怖いものもあります。関わらない方が身のためです。
初めて人に薬物を投与する新薬の臨床試験のフェイズIは、原則として健康な男性で行なわれ、参加者には高い報酬が支払われますから、大学生などが何も知らずにアルバイトで参加しています。
ところが、これで死者が出ている事例もあります。
『治験薬服用後に飛び降り死 てんかん発作の薬、副作用か
2019年11月30日 朝日新聞
厚生労働省は29日、製薬大手エーザイの新薬の臨床試験(治験)に参加した、健康な20代男性がてんかん発作を抑える治験薬をのんだ後に死亡したのは、薬の副作用による可能性が否定できないとの調査結果を発表した。
厚労省によると、男性は6月、安全性などを確認する第1段階の試験に参加。東京都内の病院に入院し、10日間、治験薬を毎朝1回のんだ。その後、3日間経過観察をしたが、その時はめまいや眠気、吐き気のほかは異常は見られなかったという。
しかし、退院したその日に再び来院し、入院中に幻視や幻聴があったと訴えた。病院で診察した医師は、受け答えがはっきりしていたことなどから経過観察とした。だが、その翌日、電柱によじのぼり、飛び降りて死亡した。
男性は精神科の通院歴はなく、健康状態は良好だったという。販売されている類似の薬には自殺企図などの副作用があることから、厚労省は「治験薬で類似の事象が発生する可能性は否定できない」とした。』
この死亡事件の公式報告書は、次のアドレスにあります
https://www.mhlw.go.jp/content/11123000/000571933.pdf
薬機発第 1127020 号
令和元年 11 月 27 日
厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長 殿
独立行政法人医薬品医療機器総合機構
理事長 藤原 康弘
調査結果報告書
令和元年 7 月 31 日付け薬生薬審発 0731 第 2 号により依頼のありました下記治験について、調査を行い、結果を取りまとめましたので、以下のとおり報告いたします。
記
治験成分記号:E2082
実施計画書識別記号:E2082-J081-001
治験依頼者 名:エーザイ株式会社
治験実施医療機関名:医療法人相生会 墨田病院
調査担当部:新薬審査第三部、信頼性保証部
このように、新薬の臨床試験は、かなり怖いものもあります。関わらない方が身のためです。命をかけたアルバイトはやらない方がいいと思います。
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独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 PMDAの添付文書サイトの風邪薬「PL配合顆粒」の情報
https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/1180107D1131_2_02/?view=frame&style=SGML&lang=ja
PL配合顆粒
作成又は改訂年月
**2019年7月改訂(第20版,薬生安通知等に基づく禁忌・使用上の注意の項の改訂)
*2019年6月改訂
日本標準商品分類番号
87118
日本標準商品分類番号等
再評価結果公表年月(最新)
2014年4月
薬効分類名
総合感冒剤
承認等
販売名
PL配合顆粒
販売名コード
YJコード
1180107D1131
承認・許可番号
承認番号
22100AMX00816
薬価基準収載年月
2009年9月
販売開始年月
1962年2月
貯法・使用期限等
貯 法
遮光・室温保存(光により着色することがあるので注意すること。)
使用期限
外箱等に表示(使用期間5年)
規制区分
劇薬(分包品を除く)
組成
有効成分(1g中)
サリチルアミド 270mg
アセトアミノフェン 150mg
無水カフェイン 60mg
プロメタジンメチレンジサリチル酸塩 13.5mg
添加物
乳糖水和物,トウモロコシデンプン,塩化ナトリウム,白糖,含水二酸化ケイ素
性状
性状・剤形
白色の顆粒剤である。
警告 1. 本剤中のアセトアミノフェンにより重篤な肝障害が発現するおそれがあるので注意すること。 2. 本剤とアセトアミノフェンを含む他の薬剤(一般用医薬品を含む)との併用により,アセトアミノフェンの過量投与による重篤な肝障害が発現するおそれがあることから,これらの薬剤との併用を避けること。[「過量投与」の項参照] |
**禁忌(次の患者には投与しないこと) 1. 本剤の成分,サリチル酸製剤(アスピリン等),フェノチアジン系化合物又はその類似化合物に対し過敏症の既往歴のある患者 2. 消化性潰瘍のある患者[本剤中のサリチルアミドは消化性潰瘍を悪化させるおそれがある。] 3. アスピリン喘息又はその既往歴のある患者[本剤中のサリチルアミドはアスピリン喘息を誘発するおそれがある。] 4. 昏睡状態の患者又はバルビツール酸誘導体・麻酔剤等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者[本剤中のプロメタジンメチレンジサリチル酸塩は,昏睡状態の増強・持続,中枢神経抑制作用の増強や麻酔剤の作用時間の延長を来すおそれがある。] 5. 閉塞隅角緑内障の患者[本剤中のプロメタジンメチレンジサリチル酸塩が有する抗コリン作用により眼圧が上昇し,症状を悪化させることがある。] 6. 前立腺肥大等下部尿路に閉塞性疾患のある患者[本剤中のプロメタジンメチレンジサリチル酸塩は抗コリン作用を有し,排尿困難を悪化させるおそれがある。] 7. 2歳未満の乳幼児[「小児等への投与」の項参照] 8. 重篤な肝障害のある患者[本剤中のアセトアミノフェンにより肝障害が悪化するおそれがある。] |
効能・効果
感冒若しくは上気道炎に伴う下記症状の改善及び緩和
鼻汁,鼻閉,咽・喉頭痛,頭痛,関節痛,筋肉痛,発熱
用法・用量
通常,成人には1回1gを1日4回経口投与する。
なお,年齢,症状により適宜増減する。
**使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
- 肝障害,腎障害のある患者[本剤中のアセトアミノフェンの代謝が遅延し,肝障害,腎障害を悪化させるおそれがある。]
- 出血傾向のある患者[本剤中のサリチルアミドにより血小板機能異常を起こすおそれがある。]
- 気管支喘息のある患者[本剤中のサリチルアミドにより喘息を悪化させるおそれがある。]
- アルコール多量常飲者[肝障害があらわれやすくなる。(「相互作用」の項参照)]
- 絶食・低栄養状態・摂食障害等によるグルタチオン欠乏,脱水症状のある患者[肝障害があらわれやすくなる。]
- 開放隅角緑内障の患者[本剤中のプロメタジンメチレンジサリチル酸塩が有する抗コリン作用により眼圧が上昇し,症状を悪化させることがある。]
重要な基本的注意
- サリチル酸系製剤の使用実態は我が国と異なるものの,米国においてサリチル酸系製剤とライ症候群との関連性を示す疫学調査報告があるので,本剤を15歳未満の水痘,インフルエンザの患者に投与しないことを原則とするが,やむを得ず投与する場合には,慎重に投与し,投与後の患者の状態を十分に観察すること。
[ライ症候群:小児において極めてまれに水痘,インフルエンザ等のウイルス性疾患の先行後,激しい嘔吐,意識障害,痙攣(急性脳浮腫)と肝臓ほか諸臓器の脂肪沈着,ミトコンドリア変形,AST(GOT)・ALT(GPT)・LDH・CK(CPK)の急激な上昇,高アンモニア血症,低プロトロンビン血症,低血糖等の症状が短期間に発現する高死亡率の病態である。] - 眠気を催すことがあるので,本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように十分注意すること。
相互作用
併用注意(併用に注意すること)
- 薬剤名等
クマリン系抗凝血剤
ワルファリン
臨床症状・措置方法
クマリン系抗凝血剤の作用を増強することがあるので,減量するなど慎重に投与すること。
機序・危険因子
サリチル酸製剤(アスピリン等)は血小板凝集抑制作用,消化管刺激による出血作用を有する。また,血漿蛋白に結合したクマリン系抗凝血剤と置換し,これらの薬剤を遊離させる。
- 薬剤名等
糖尿病用剤
インスリン製剤,トルブタミド等
臨床症状・措置方法
糖尿病用剤の作用を増強することがあるので,減量するなど慎重に投与すること。
機序・危険因子
サリチル酸製剤(アスピリン等)は血漿蛋白に結合した糖尿病用剤と置換し,これらの薬剤を遊離させる。
- 薬剤名等
中枢神経抑制剤
臨床症状・措置方法
相互に中枢神経抑制作用を増強することがあるので,減量するなど慎重に投与すること。
機序・危険因子
プロメタジンメチレンジサリチル酸塩は中枢神経抑制作用を有する。
- 薬剤名等
アルコール
臨床症状・措置方法
相互に中枢神経抑制作用を増強することがある。
機序・危険因子
プロメタジンメチレンジサリチル酸塩は中枢神経抑制作用を有する。
- 薬剤名等
アルコール
臨床症状・措置方法
アルコール多量常飲者がアセトアミノフェンを服用したところ肝不全を起こしたとの報告がある。
機序・危険因子
アルコールによりアセトアミノフェンから肝毒性を持つN-アセチル-p-ベンゾキノンイミンへの代謝が促進される。
- 薬剤名等
降圧剤
臨床症状・措置方法
相互に降圧作用を増強することがあるので,減量するなど慎重に投与すること。
機序・危険因子
プロメタジンメチレンジサリチル酸塩は降圧作用を有する。
- 薬剤名等
抗コリン作用を有する薬剤
フェノチアジン系化合物,三環系抗うつ剤等
臨床症状・措置方法
臨床症状:相互に抗コリン作用を増強することがある。
更には,腸管麻痺(食欲不振,悪心・嘔吐,著しい便秘,腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等の症状)を来し,麻痺性イレウスに移行することがある。なお,この悪心・嘔吐は,本剤及び他のフェノチアジン系化合物等の制吐作用により不顕性化することもあるので注意すること。
措置方法:減量するなど慎重に投与すること。また,腸管麻痺があらわれた場合には投与を中止すること。
機序・危険因子
プロメタジンメチレンジサリチル酸塩は抗コリン作用を有する。
副作用
副作用等発現状況の概要
再評価結果における安全性評価対象例976例中,副作用は89例(9.1%)に認められた。主なものは,眠気,口渇,胃腸障害等であった。
重大な副作用
- ショック,アナフィラキシー(0.1%未満):ショック,アナフィラキシー(呼吸困難,全身潮紅,血管浮腫,蕁麻疹等)を起こすことがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
- 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN),皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(0.1%未満),急性汎発性発疹性膿疱症(頻度不明),剥脱性皮膚炎(0.1%未満):このような副作用があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
- 再生不良性貧血(0.1%未満),汎血球減少,無顆粒球症,溶血性貧血,血小板減少(頻度不明):再生不良性貧血,汎血球減少,無顆粒球症,溶血性貧血,血小板減少があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
- 喘息発作の誘発(頻度不明):喘息発作を誘発することがある。
- 間質性肺炎(0.1%未満),好酸球性肺炎(頻度不明):間質性肺炎,好酸球性肺炎があらわれることがあるので,観察を十分に行い,咳嗽,呼吸困難,発熱,肺音の異常等が認められた場合には,速やかに胸部X線,胸部CT,血清マーカー等の検査を実施すること。異常が認められた場合には投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
- 劇症肝炎,肝機能障害,黄疸(頻度不明):劇症肝炎,肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
- 乳児突然死症候群(SIDS),乳児睡眠時無呼吸発作(頻度不明):プロメタジン製剤を小児(特に2歳未満)に投与した場合,乳児突然死症候群(SIDS)及び乳児睡眠時無呼吸発作があらわれたとの報告がある1)。
- 間質性腎炎,急性腎障害(頻度不明):間質性腎炎,急性腎障害があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
- 横紋筋融解症(頻度不明):筋肉痛,脱力感,CK(CPK)上昇,血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので,このような場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
- 緑内障(頻度不明):緑内障発作があらわれることがあるので,視力低下,眼痛等があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
その他の副作用
過敏症注1
0.1〜5%未満
発疹,浮腫,鼻炎様症状,結膜炎
血液
5%以上又は頻度不明
チアノーゼ
血液
0.1%未満
顆粒球減少注1,血小板減少注1,貧血注1
消化器
5%以上又は頻度不明
食欲不振,胸やけ,胃痛,悪心・嘔吐,口渇,消化管出血
精神神経系
5%以上又は頻度不明
眠気,めまい,倦怠感,頭痛,耳鳴,難聴,視覚障害,不安感,興奮,神経過敏,不眠,痙攣,せん妄
肝臓
0.1%未満
肝機能障害
腎臓
0.1%未満
腎障害
循環器
0.1〜5%未満
血圧上昇,低血圧,頻脈
その他
5%以上又は頻度不明
過呼吸注2,代謝性アシドーシス注2,尿閉
その他
0.1〜5%未満
発汗,咳嗽,振戦
注1:症状(異常)が認められた場合には投与を中止すること。
注2:減量又は投与を中止すること。(血中濃度が著しく上昇していることが考えられる。)
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること。
妊婦,産婦,授乳婦等への投与
- 妊婦(12週以内あるいは妊娠後期)又は妊娠している可能性のある婦人には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[サリチル酸製剤(アスピリン等)では動物試験(ラット)で催奇形作用2)が,また,ヒトで,妊娠後期にアスピリンを投与された患者及びその新生児に出血異常3)があらわれたとの報告がある。]
- 妊娠後期の婦人へのアセトアミノフェンの投与により胎児に動脈管収縮を起こすことがある。
- 妊娠後期のラットにアセトアミノフェンを投与した試験で,弱い胎児の動脈管収縮が報告されている4)。
- 授乳婦には長期連用を避けること。[本剤中のカフェインは母乳中に容易に移行する。]
小児等への投与
- 2歳未満の乳幼児には投与しないこと。[外国で,2歳未満の乳幼児へのプロメタジン製剤の投与により致死的な呼吸抑制が起こったとの報告がある。]
- 2歳以上の幼児,小児に対しては,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[小児等に対する安全性は確立していない。]
過量投与
- アセトアミノフェンの過量投与により,肝臓・腎臓・心筋の壊死(初期症状:悪心,嘔吐,発汗,全身倦怠感等)が起こったとの報告がある。
- 総合感冒剤や解熱鎮痛剤等の配合剤には,アセトアミノフェンを含むものがあり,本剤とアセトアミノフェン又はその配合剤との偶発的な併用により,アセトアミノフェンの過量投与による重篤な肝障害が発現するおそれがある。
- アセトアミノフェン過量投与時の解毒(肝障害の軽減等)には,アセチルシステインの投与を考慮すること。
その他の注意
- 本剤中のアセトアミノフェンの類似化合物(フェナセチン)の長期投与により,血色素異常を起こすことがあるので,長期投与を避けること。
- 腎盂及び膀胱腫瘍の患者を調査したところ,本剤中のアセトアミノフェンの類似化合物(フェナセチン)製剤を長期・大量に使用(例:総服用量1.5〜27kg,服用期間4〜30年)していた人が多いとの報告がある。
また,本剤中のアセトアミノフェンの類似化合物(フェナセチン)を長期・大量投与した動物試験(マウス,ラット)で,腫瘍発生が認められたとの報告がある。 - 抗パーキンソン剤(本剤中のプロメタジンメチレンジサリチル酸塩)はフェノチアジン系化合物,ブチロフェノン系化合物等による口周部等の不随意運動(遅発性ジスキネジア)を通常軽減しない。場合によっては,このような症状を増悪,顕性化させることがある。
- 本剤中のプロメタジンメチレンジサリチル酸塩は制吐作用を有するため,他の薬剤に基づく中毒,腸閉塞,脳腫瘍等による嘔吐症状を不顕性化することがあるので注意すること。
- 非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性において,一時的な不妊が認められたとの報告がある。
以下は、安全性に関連しないため省略します