仏典、聖書、ジョージ・アダムスキー氏により伝えられた宇宙精神文明(空=言葉=天の父=宇宙の英知=真如=法・ダルマ=灯明)

ワクチン薬害、祈りの科学的研究、人体構成分子によるオーソモレキュラー医学、医学の大罪、太陽系惑星文明の科学的証拠

光の医学: 太陽光療法と紫外線

2024年09月14日 19時12分00秒 | 太陽療法 日光は強い味方

光の医学: 太陽光療法と紫外線

 

https://www.amazon.co.jp/dp/4531080998?ref=ppx_yo2ov_dt_b_fed_asin_title

光の医学: 光と色がもたらす癒しのメカニズム

ジェイコブ リバーマン (著), Jacob Liberman (原名)

「光の治癒力」の知られざるメカニズム――光と色の織りなす未来の医学

“光治療”のパイオニアとして新分野を開拓しつつある著者が、光・色と心身との相関関係を医学的に解明。

がん・精神障害・視覚障害の治癒や学習能力の向上への効果を論じた野心作。

 

*光は、視覚としてだけではなく「栄養」としても「摂取」され、眼から脳神経系へと送られる

*蛍光灯などの人工光は、光のスペクトルがアンバランスであり、心身の病気の大きな原因となる

*日光などの自然光を浴びたり、各人に不足している色を照射したりすると、生体リズムは安定し、心身のバランスが見事に回復する

*光と色による治療は、学習能力の向上から、がんの治癒にいたるまで、驚異的な効果がある

 

著者について

光と色彩、視覚、治療効果の相関関係に関する研究の第一人者。1973年、ジョージア大学にて視力測定法の博士号(O.D.)を取得。また86年には、光を用いた治療法「フォトセラピー」(光療法)の先駆的業績により学術博士号(Ph.D.)も取得。実業家やオリンピック選手を含む15,000人以上の人々の身体的・心理的トラウマの治療で多くの実績をあげ、高い評価を得ている。光治療の教育機関シントニック・オプトメトリー・カレッジの学長、光治療用機器の普及会社ユニバーサル・ライト・テクノロジー社の社長を務める。

 

出版社 ‏ : ‎ 日本教文社 (1996/6/20)

発売日 ‏ : ‎ 1996/6/20

言語 ‏ : ‎ 日本語

単行本 ‏ : ‎ 280ページ

ISBN-10 ‏ : ‎ 4531080998

ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4531080991

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第11章

紫外線は 是か非か

 

何百万年にもわたり、地上の生命は常に日光の影響を受けて進化した。人々はいつも自分と太陽との 結びつきを感じ、認識していた。古代文明は太陽の影響をよく知っていたので、人々は太陽を神と見な し、その恵みに日々感謝した。 しかし不幸にも、時代は変わってしまった。私たちは人工光をつくり出 す方法を発見した結果、太陽との本能的な結びつきを次第に失ってしまった。かつては神と見なされて いた太陽も、最近では数多くの罪に加担していることがわかり、今では武器を持った危険な存在である とさえ考えられている。人々は警告を受けているのだ。「注意しなさい。 いつも太陽から眼を背けて、 身を守りなさい」と。

 

日光についてのあるがままの真実とは何だろう? 「紫外線」(UV) という語ですぐさま、がん、白内 障、老化、シワが思い浮かぶのはなぜか? 米国の人口の五〇パーセント以上が、紫外線をほとんど通 さないレンズのついた眼鏡、もしくは日光を通さない眼鏡をかけている。

 

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最新のプラスチックレンズはUV四〇〇と呼ばれ、紫外線をまったく通さない。 紫外線の九八パーセントを遮ることができると臨床 的に確かめられている目薬さえある。日焼けローションにしても、日焼け防止ファクター (SPF)の六、 一〇、さらに一五でさえ、すでに紫外線を適切に遮断しているとは見なされていない。 「完全に保護するのにはSPF二五と三〇がすすめられている。

 

しかしこうして紫外線を遮ると、身体の防御機能がきわめて弱くなるかもしれないのだ! 光生物学 者であるジョン・オット博士の指摘によると、眼から入る紫外線は免疫系を刺激する。大量の紫外線が 有害なのは間違いない。 しかしオット博士によれば、日光に含まれる程度の微量ならば、「生命を支え る栄養素」の役割を果たしているので効果が大きいのである。科学は行きすぎているのか。 紫外線の害 を呼ぶことこそ、科学がこの五〇年で犯した大失策の一つなのかもしれない。

 

紫外線の種類

日光(数多くの異なる光線から成る)には、紫外線が大量に含まれる。 紫外線はその波長に応じて、 近紫外線(UV-A)、中紫外線(UV-B) もしくは遠紫外線(UV-C)に分類される。 近紫外線(三二 〇~三八〇ナノメーター)は、可視光スペクトルの紫色の端とじかにつながっており、人の日焼けに関 わっている。中紫外線 (二九〇~三二〇ナノメーター)は、ビタミンDの合成やカルシウム等のミネラ ルの吸収を活性化していると考えられる。 遠紫外線 (一〇〇~二九〇ナノメーター)は、太陽のオゾン層でほとんどが吸収されてしまうが、殺菌力があり、細菌、ウイルスおよび他の感染性の病原菌を殺 す。今日では、どの紫外線に人があたっても有害と見なされている。 例えば、米国の食品医療品局の放 射線部門の実験室では、すべての蛍光灯に紫外線を吸収するプラスチックの特製カバーがかけられてい 当局では、局内で働く人々がほんの少しでも「死の」光線を受けなくてすむようにしているわけだ。

 

太陽と紫外線療法

太陽系で一番強力な栄養素である日光は、そんなにも危険なのであろうか? 太陽による治療法は、 ヨーロッパでは二〇世紀初頭から一九三〇年代にかけてかなり一般的となり、ギリシアの太陽神ヘリオスにちなみ「ヘリオセラピー」(太陽療法)と呼ばれた。

 

この療法の名高い実践者であるオーギュスト・ロリエ医師は、スイスアルプスの高地にある都市リヨ ンで、ヘリオセラピーの病院を開業している。彼は、太陽の治癒作用が目に見えない紫外線のおかげだ と考えている。ロリエ博士は、海抜一五〇〇メートルの所に病院を建設した。博士は、高地がお気に入 りである。なぜなら、「高山の空気は透過性がよいため日光をよく通し、大気層で日光が吸収されない」 からだ。博士は、できるだけたくさんの紫外線を受ければ患者にとって最良の結果が得られることを知 った。この病院で信じられないような成果をあげたので、博士はこの手法を著述した『太陽による治療』 (La Cure de Soleil)を出版した。7

 

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結核は日光で治療できる病気の一つで、その患者の多くは完治する。しかしながら、患者がサングラ スをかけて治癒作用のある紫外線を遮ってしまうと、太陽の効能がなくなることを、一人の医師が発見した。

太陽による治療作用がある病気はその他に、大腸炎、貧血症、痛風、膀胱炎、動脈硬化、慢性関 節リューマチ、湿疹、ニキビ、疱疹、狼瘡、座骨神経痛、喘息、腎臓病、やけどがあげられる。

同じ時期に、シンシナティ大学のジョージ・スパーチ教授は、紫外線を「調整」するという離れ業を やってのけた。当時紫外線研究の世界的な権威と考えられていた博士は、ビタミンDを牛乳の中に入れ たり、日焼けや殺菌その他いろいろなことに利用するため、紫外線を自在に調整できる装置を開発し た。一九三〇年代中頃までは、日光浴と紫外線治療が感染性の病気に最も有効な治療だと認識されてい たのである。

ところが一九三八年にペニシリンが発見されると、科学はこぞって医薬の新しい世界に殺到した。薬 が大きなビジネスになった。 太陽療法は哀れにもインチキ万能薬と考えられるようになり、一握りの人 人を除いてはまったく忘れ去られた。

 

紫外線の効用

しかしながら、光による治療の話にはもう一つ、いまだ充分には語られていない側面がある。紫外線が健康に限りない恵みを与えてくれることを、たいていの人は知らない。

次のことを考えてみて欲しい。

 

1 紫外線はビタミンDの合成を促進する。一方、ビタミンDは食物からカルシウムや他のミネラルを吸収するのに不可欠である

ロバート・ニアと彼の同僚は、年輩者のグループを対象にして研究を行った。日光を余分に浴びることで食事からカルシウムを摂取する能力が向上するかどうかを評価するためである。全員が、 一日に約二〇〇IUのビタミンDを食事から摂る。 フルスペクトルの光(紫外線を含む)のもとで 生活する人々と、通常の室内の光(紫外線を含まない)で生活する人々とにグループ分けして評価 した結果、紫外線をまったく受けないグループはカルシウムの摂取量が二五パーセント減り、紫外 線を受けるグループは一五パーセント増加した。つまり、紫外線を受けるグループは紫外線を受け ないグループより、食事からカルシウムを四〇パーセント多く吸収したのである。

 

2 紫外線は血圧を下げる

紫外線にあたると、健康な人も高血圧の人も血圧が下がることが一九〇〇年代初頭にはじめてわ かった。実際、たった一度紫外線による治療を受けただけで、高かった血圧が劇的に低下するとい う研究例もあり、その効果は五~六日続くことがわかっている。

 

3 紫外線は心臓の力を高める

トゥレイン医科大学のレイモンド・ジョンソン博士は、二〇人に紫外線を照射してみた。その結果、二〇人中一八人について、平均三九パーセントも心臓血液搏出量が増加した! つまり、心臓 が強化されて、より多くの血液が送り出されたのである。

 

4 紫外線により、心電図(EKG)の読みとりやアテローム性動脈硬化症者の血液分析表のデータが改善される

脳のアテローム性動脈硬化を患っているロシア人の患者一六九人が紫外線治療を受けた研究例がある。 一年の追跡調査の結果、患者は全員脳の循環がよくなった。彼らは仕事に復帰したり、気分 がよくなったと語っている。同じような結果が他の研究でも得られている。

 

5 紫外線はコレステロールを減らす

高血圧と関連のある循環器障害の患者に、紫外線を照射する実験が行われた。最初の照射後二時 間で、患者の九七パーセントは、血清中のコレステロールレベルが約一三パーセント低下した。し かも、そのうち八六パーセントが、二四時間後もこのレベルを維持していた。心臓病に関わる他の 脂肪(グリセリンの一~三個の水酸基が脂肪酸と結合してできるエステル)が、紫外線を照射され ると減少することも特筆すべきである。おそらく、コレステロールを分解するために、体が紫外線 の助けを必要とするからであろう。

 

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6 紫外線は体重の減少を助ける

戸外で飼われる家畜は、屋内で飼われる家畜ほど簡単に太らない。このことは多くの研究で確認されており、紫外線にあたると動物は体重が減る。

この効果の原因は、紫外線が甲状腺を刺激し、甲状腺が代謝を活性化させてカロリーを燃焼するという事実によるものと考えられる。

一九三〇年 代にスイスのヘリオセラピストは、患者が何ヵ月も運動していないのに彼らの筋肉が発達し、肥満 が非常に少ないということに気づいた。同じような結論を、ゼイン・カイム博士も著書『日光』の 中で述べている。

 

7 紫外線は乾癬の治療に効く

国立乾癬財団 (the National Psoriasis Foundation) は、この皮膚病の患者に紫外線をあてると八〇パーセントが回復すると報告している。

 

8紫外線は他の多くの病気にも効く

紫外線は、数種の結核性細菌を含む感染性の細菌を殺すのにとても有効であることが発見されて いる。一九三三年、FH・クラドセンは著書 『光療法』 (Light Therapy) の中で、紫外線で治療 した一六五種の病気を列挙している。

ロシア人やドイツ人は、鉱夫の黒塵症(ロシア人医師は、 血流が労働者の肺から粉塵を取り除くのは紫外線だと信じて疑わない)や、学校とか仕事場に多く 見られる感染症と戦うため、日常的に紫外線を使用している。重い喘息患者が紫外線治療を受ける と、楽に呼吸できるようになったとの報告例もある。

 

9 紫外線は性ホルモンの分泌レベルを高める

ボストン州立病院での研究で、アブラハム・マイアソン博士は、紫外線によって男性ホルモンが一二〇パーセントまで増加することを突きとめた。紫外線は女性ホルモンの分泌レベルも高める。

別の医学実験によると、発情ホルモン(エストロゲン)の急激な吸収ピークは、危険であって不必 要だといわれている紫外線領域(二九〇ナノメーター)内にあることがわかっている。この発見は、 女性が紫外線にあたると発情ホルモンがきわめてふえることを示している。

 

10紫外線は大切な皮膚のホルモンを活性化する

ノースカロライナ大学の研究者は、ソリトロール(皮膚中のホルモン)が松果体ホルモンのメラトニンと連携して働くことによって、日光と闇に対する体の反応を調整することを明らかにした。 ソリトロールはビタミンD3の一種と考えられ、メラトニンとは逆に、心の状態の変化、二四時間 周期のリズム、季節的な再生を生み出す働きをする。 紫外線に活性化されてつくられたソリトロー ルは、体の免疫系だけでなく、調節中枢の多くに影響を与える。彼らの発見によって、日光と人間 の健康との結びつきが説明しやすくなると思われる。

 

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それでもやはり---紫外線は有益か、有害か?

こうしたことは紫外線が健康に良いと結論している何百にも及ぶ研究例のほんのわずかにしかすぎな いが、医学的には、紫外線が健康に有害であるというのがこのところずっと定説になっている。何百万 年もの間、人間は太陽のもとで進化をとげてきた。そして太陽には紫外線が含まれているのである。し かし現在では、神が過ちを犯したのかもしれない、だから紫外線は〈すべて〉有害なのだと、科学者は決めつけている。時代の移り変わりは実に速い。今世紀初頭に書かれた多くの論文には、紫外線を通す窓 は健康によいと書かれている。しかし一九九〇年になると、同様の論文には紫外線を遮ることしか書か れていない。

 

オット博士は、過度の紫外線は健康に良くないとはじめて唱えた人物だが、 その彼にしても「生命を 養い、健康な免疫系を維持するためには、最小限の紫外線が必要である」といっている。さらに「日光 のあらゆる波長は有益である」ともつけ加えている。 これは、出産時に酸素を与えすぎると、赤ん坊の 眼が見えなくなることが起こるのと同じようなものだと彼は考えている。 しかしながら、彼は次のよう に語る。

 

酸素が健康に有害だから酸素なしで生きるべきだという結論に飛びつくとしたら、それは馬鹿げ ていよう。しかし、まさしくこうした論法が紫外線ではまかり通っている。 片手を炉の中に入れ ば、やけどをするだろう。だからといって、暖房を完全に無くして家を絶対零度にしろということ にはならない! みなさんに、ビタミンやミネラルとまったく同じように光が 「栄養素」 であるこ とを理解して欲しい。少量の紫外線にあたることは、少量の活力栄養素と同じくらい人間にとって 重要なのである。

かつて人々は、化学物質や栄養素はその百万分の一ですら健康に影響するという考えを笑ったも のだ。 少量ならどれだけの量であってもまったく影響がないと考えていた。ところが今では、一〇億分のいくつとか、一兆分のいくつとかでさえ、私たちに影響があると認められている。同じ考え 方が光にもあてはまる。特定の波長の光が「光という食事」からほんのわずかでも失われると、健 康に大きな影響を与えることになるのだ。

これはまさしく、人工光のもとで生活の大半を営んでいる結果として誰もが経験している問題である。

 

室内の光にまつわる問題

日光(紫外線を含む)は人間にとても有益なので、完全に人工光の環境の中で生活したり働いたりし ていると、逆の効果が現れてくるはずである。これを解く鍵となる二つの変数は、照度とスペクトル特 性である。室内の照度はふつう約六〇〇~七〇〇ルクスであり、一方夏の昼間の照度は一〇万ルクスに 達する。しかも日光のスペクトル成分は、家庭、工場、オフィスで実際に使われている一般的な人工照 明と大きく異なっている。

特に、一般の室内の白熱電球は紫外線をまったく発しない。企業によっては、窓ガラスすらシールド(日除け加工)して、少しでも紫外線が入ってこないようにしているところもある。ある外国企業は、 紫外線をまったく発しないことを売り物にした「天然」光の電球を販売している。また、白熱電球から 出る可視光スペクトルはたいていひどくひずんでいて、スペクトルの黄、赤、赤外領域に強いエネルギーピークが出る。

 

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これこそまったく不自然さわまりない。それで家庭の照明は黄色っぽくくすんで見え る。

オット博士は、オレンジ、ピンク、赤の領域の波長の光 白熱電球の波長特性ピークからそれほ ど離れていないーによって、実験動物が脱毛したり、心臓にカルシウムが過剰に沈殿したり、大きく て成長の速い腫瘍ができることを発見した。さらに加えて、動物の細胞がスペクトルの赤や赤外領域に さらされると、細胞壁が破壊されて、有糸分裂(細胞分裂)が止まることも見つけた。 日光はかなりバランスのとれた色のスペクトルからできており、エネルギーピークはわずかに可視光 スペクトルの青緑の領域にかかる。きわめて興味深いのは、青色の波長が白熱電球には最も欠けてい るという点である。

蛍光灯が発する紫外線の量は、蛍光灯のタイプにより異なるが、たいていごくわずかであり、備えつ けのプラスチックのカサや反射板で吸収されるのが普通だ。蛍光灯につきもののもう一つの問題は、水 銀蒸気の放出である。この水銀蒸気によって、スペクトルがひどくひずむ。 オット博士は、このことに ついてはみんな誤った認識をさせられていると考えている。 水銀のピークを照明チャートにとってみれ ば、それこそ百倍ぐらいの高さになるはずだと信じているからだ。 さらに博士は、水銀蒸気によって強 い食物アレルギーが起きる可能性があるという注意書きを、こうした照明器具に添えるべきだと考えて いる。

オット博士の主張はさらに続く。 蛍光灯はどれも、陰極端から低レベルのX線を放出している。テン ジクアオイという植物を蛍光管の端に置いたところしおれてしまったが、管の中央近くに置くとよく育

った。 放出の恐れのあるX線を吸収するために、管の端を鉛のフィルムで包んでやると、管の端に置い たテンジクアオイも正常に育つ。そして博士は、豆についても同じような実験結果を得た。博士は、蛍 光灯が電波も放出すると主張している。ラジオから聞こえる音とは異なり、蛍光灯が発する電波は、あ る周波数に合わせたラジオを照明の近くに置くと空中放電として検出される。こうした観察に基づいて 博士は、蛍光灯の設備を、X線を吸収するために適切に遮蔽したり、発生する電波を逃がすためにきち っと接地するべきだと考えている。

室内の人工照明を検討した博士は、豪華で暖かい感じのする蛍光灯はエネルギーピークがスペクトル のピンク色の領域に近づきすぎているし、 クールホワイト蛍光灯はスペクトルの青~紫色の領域が欠け ているので絶対に避けるべきだと考えている。

くりかえすと、紫外線は、ビタミンやミネラルとまったく同じように栄養素である。紫外線にもビタ ミンCと同様に推奨食事許容量 (RDA) があって然るべきである。ではどうして日光と紫外線はそう した悪評をかったのか? 紫外線は人々をヒステリー状態に追い込んでいる。見識あるはずの科学者た ちがどうしてそんな恐ろしい風潮をつくり出しているのだろうか?

 

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恐ろしい風潮をつくり出した紫外線の研究

一九八一年、リッチモンドのバージニア医科大学で一つの研究が行われた。 その結論に、私はいつも疑問を抱かずにいられない

鎮静剤をうたれたサルのまぶたを金具でこじ開ける。サルの瞳孔を目一杯 広げて、眼に二五〇〇ワットのキセノン光 [訳註・不活性ガスであるキセノンを放電管に充填した高出力の電灯」を一 六分間照射する。この強力な光には紫外線が大量に含まれている。

これはひどいやり方ではないだろう か? 網膜に損傷が認められるとの研究結果が得られているが、これで他にどんな結論が得られるとい うのか。ここでは、現実には決してありえない異常な量の紫外線をサルに照射している。 サルの瞳やま ぶたも、実生活では人間と同じように眼を守るために自然に調節されるはずである。 紫外線を敵視する科学者の主張の一つに、紫外線で白内障ができるというのがある。紫外線は実験動 物の網膜を傷つけるという結論を下したのと同じ類の研究によって、紫外線は白内障を引き起こすとい う結論がよく下される。もちろん、こうした研究で眼は損傷を受けた。彼らは視覚がよくなるとでも思 っていたのだろうか? 動物の皮膚が大量の紫外線で繰り返し焼かれるといった似たような研究も行わ れている。こうして、紫外線が皮膚がんを起こすことを証明しようとしているのだ。科学者たちは、な ぜこうも紫外線を浴びるとがんや白内障ができるといっているのか? 彼らの往々にして非人間的な研 究からはたった一つの結論しか出てこない。すなわち、動物を虐待するこうした研究こそが、がんや失 明、死をもたらすのだ!

この研究がかかえる固有の問題がいくつかある。もっともこれは、米国で行われている動物実験のほ とんどにつきものであるともいえるのだが。第一に、感情を持った実験用の生きものから主体性を奪う ために「実験動物」というレッテルを使っていることである。そうした動物は、まるで慈悲のかけらもない実験に使われたあげく、虐殺されてしまうためだけに生まれてきたかのようである。人間が行うひ どい動物実験は、収容所で行われてきた人体実験とたいして変わらない。さらに、こうした実験に基づい 科学的な結論を下すことは不可能である。 なぜなら現在、そして今後とも、現実にはあり得ない不自 然きわまりない条件下で行われている実験だからである。もしも対象が人間なら、おおいに非難されて 然るべきであろう。その上実験結果が公表されるときに研究の当事者たちはこういう、「私たちの研究 によれば、実験動物においては......」。果たしてこれが人間とどう関係があるのか? 私たちの理解はそ うした実験が行われる以前よりも本当にずっと進歩したのか? 歴史上どの時代どの場所においても、 人間が他の生きものをこのように扱ってよいという法が定められていたり、神のお告げなりがあっただ ろうか? 真の問題とは、私たちにとって何が良いことで何が悪いことかを知るために、他の生きもの を実験したり、傷つけたりする必要があるのか、ということである。おそらく地上で最高の知性を備え た種として、私たちは、こんなことはもうとっくにわきまえているべきではないのか?

 

「私たちは自分で盲目をつくり出している?

UV四〇〇(紫外線カット)のレンズつきサングラスをかけようとのうたい文句にのせられて、私た ちは知らず知らずのうちに失明や眼病の発生を増やすことに加担している。 紫外線の効果を否定する研 究が、誤った前提に立っていた可能性を示す次のような材料が現れた。

 

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ロンドン大学のジョン・マーシャル教授は、「光と眼の老化」という最近の論文で、体は二つの別個 の細胞組織からできていると述べている。一方の組織をつくっている細胞は細胞分裂によっていつも自 力で再生し(角膜、皮膚など)、他方の組織は細胞分裂を行わない細胞(脳、網膜など)からできてい る。分裂する細胞からできている器官は、いうなれば常に再生がきくし、分裂しない細胞からできてい る器官は個体の一生を通じて同じ細胞のままである。

分裂しない細胞組織の例として、マーシャル博士は、特に光受容体(杆状体と円錐体)と網膜の色素上皮細胞をとりあげている。(彼が考えている) 眼の異常は、こうした再生のきかない細胞が個体の一 生を通じて過剰な量の放射(特に紫外線)を吸収している結果が直接現れたものだ、と彼は提言していしかしながら、光は体の生物学的な機能にとても大きな影響を与えているので、体内の個々の細胞の機能にも強い影響を与えているはずである。眼は、脳に光エネルギーを伝える窓であるだけではない。 眼を構成している角膜や網膜が、細胞の機能を刺激したり統制したりするために光エネルギーを直接使っているに違いないのである。

 

事実、二五年前、ジョン・オット博士は、フィラデルフィアのウィルズ眼科病院との共同研究で、顕 微鏡下での低速度撮影を行い、未知の現象に光をあてた。 ウサギの眼の色素上皮細胞を、位相差顕微鏡 [註・透過光あるいは反射光の位相差路長の差を利用した顕微鏡で常用している着色フィルターを通して観 察していたオット博士は、細胞の観察に使うフィルターの色が細胞内で起こる生物学的な反応に強い影響を与えることに気づいた。さらに、こうした細胞に低レベルの紫外線をあてると、細胞分裂を起こす こともわかった。

 

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色素上皮細胞は適切な条件紫外線の存在が必要条件――があれば実際には細胞分裂を起こすの で、マーシャルの説は誤った前提に立っていることが明らかになった。顕微鏡の光源にはたいてい紫外 線が入っていないこと、実験室の照明にも通常紫外線が入っていないという事実からすると、これは当 然のことであろう。 典型的なアメリカ人の屋内生活は、過剰なまでのサングラスの普及と相まって、正 常な細胞分裂に必要な紫外線の照射を妨げている。その結果、黄斑変性といった眼の病気が起こるとも 考えられる。ということは、紫外線がそうした病気の一因になっているというよりも、反対に紫外線が足りないことが原因で病気が起こるのかもしれない。

これでは、繁殖能力がないため絶滅しかかっている種とどこが違うのだろうか? 私たちは自分で盲

目をつくり出しているのではないだろうか?

 

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皮膚がんに関する今日の思い込み

今日、皮膚がん即紫外線と考える人がほとんどである。実質的にこの二つは同類と見なされている。

紫外線とがんに関して公表されている事実をあげると、次のようになる。

 

・皮膚がんが発生するのは、一番太陽にあたる部分顔、首、腕、手に多い。

・皮膚がんは皮膚をさらす人々、特に屋外労働者に発生率が高い。

・動物実験の結果、短期間に標準量以上の紫外線にあたると、皮膚がんが進行する要因になる。 ・慢性的に紫外線を過剰に浴びていると、日焼けが起き、九〇パーセントは皮膚がんになると考えら れている。 皮膚が焼けると遊離基ができるが、これは日焼けによって受ける損傷だけでなく、 皮膚 の老化にも関わっている。放っておけばこの遊離基はDNAを傷つけ、皮膚がんの進行を速める。 なお、この遊離基は、ふつう酵素や数種のビタミン、ミネラルによって抑制されている。

・皮膚の悪性腫瘍は熱帯、亜熱帯地方に多い。

 

皮膚がんについての思い込みを変える

一九八二年八月七日、イギリスの医学誌「ランセット」が、皮膚がんと太陽との関係についての定説を 覆すような記事を載せた。イングランドの衛生学と熱帯医学のロンドン校 (the London School of Hygiene and Tropical Medicine) とオーストラリアのシドニー病院にあるシドニー・黒腫クリニック大学で行わ れた研究で、悪性黒腫は生活様式や職業柄いつも日光に照らされている人々よりも、オフィス労働者に かなり多いことが発見されたのだ。

主要なスタッフの一人であるヘレン・ショー博士は、皮膚がんが進行する危険性が最も低いのは、戸外でよく日光浴をする人々であることを発見した! 一日中蛍光灯の下で室内労働に励むオフィス労働 者は、黒色腫のできる危険性が二倍になる。

博士のもう一つの研究によると、オフィスの蛍光灯をあて ると動物細胞の培養液は突然変異を起こすことが示されている。ショー博士は、「オーストラリアとイ ギリスでは、黒色腫が発生する割合は、専門職やオフィス労働者の方が屋外労働者より高い」と結論し た。

さらに、ニューヨーク大学医学校で慎重に行われた二つの対照研究の結果によって、ロンドン校とシドニー大学から寄せられた報告の正しさが確証された。米国の食品医薬品局の生物物理学者であるF・ アラン・アンダーソン博士は、遮蔽されていない蛍光灯の光は、各人が一週間に受ける全照射量の約五 パーセント分に相当すると考えている。影響を受けやすい人にとっては、この量は皮膚がんの発生に充 分であろう。

これらのことから唯一はっきりしたことは、皮膚のタイプによっては太陽に過度にあたることが、が ん発生の主要な要因になるということである。そうすると、解決はきわめて簡単である。 程々にするこ とが鍵となるのだ。日光には、軽く、一定の配慮のもとであたることが安全でもあり、望ましい。高緯 度や赤道近くで暮らす人々は、紫外線レベルが高いにもかかわらず、 実際にはどんなタイプのがんにも かかっていない。そこで、当然他の要因(栄養や生活様式など)も評価する必要性が出てくる。

紫外線の問題は、自分の健康に責任を持とうとしない人々の思い込み以上に誇張されている。病気の 時には人の頭に穴をあけたり、血を抜き取ったり、盲腸や扁桃腺を切り取ったりといった昔ながらの思い込みは、今や現代の心理戦にとってかわってしまった。私たちは、がん、糖尿病、心臓病、エイズ、 麻薬などと戦っている最中である。 こうした状態は、例えば外国のスパイとか外宇宙からやって来た 新しいウイルスのような、外来の悪影響をもたらす勢力によって密かに持ち込まれたのだと人々は信じ ているようである。私たちは今、風疹、ホンコン風邪、南米の麻薬、エイズ菌を持つアフリカのサル、 太陽が引き起こす白内障や皮膚がんなどから攻撃を受けている。こうした異変の原因は、もともと外部 の環境にあるのだろうか、それとも私たちに内在しているのだろうか? ニューヨーク市ではやってい る「ダーティ・エア・アイテス」(dirty-air-itis) 訳註・大都市の空気汚染に伴って起こる炎症」とか、全米で流行の 「ジャンクフード・キャンサー」 (junk-food-cancer) [訳註・栄養に欠けるスナック類やインスタント食品を病的なまでにや たら食べること」の噂を聞いたことがあるだろうか? 子どもの病気「グッド・グレイド・キャンサー」 (good-grade-cancer) [訳註・子どもが良い成績をとりたいと心配するあまり気が病むこと] はどうだろう? 子どもの こういった病気から「ゲッティング・アヘッド症候群」 (getting-ahead-syndrome) [訳註・上昇志向を持ち攻 撃的な姿勢で常に仕事に精を出すあまり、疲労し消耗すること。いわゆるヤッピーに多い」と呼ばれる大人の病気が生まれ てくることに、私たちはようやく気がついた。悪いことに、どの病気にかかっても、心臓発作が起きた り、気が重くなったり、よく頭痛が起きたりする。私たちの暮らす社会には、罪のない外界の諸々の要 因と絶えず戦っている犠牲者がいる。しかし外界は、犠牲者みずからが加担している犯罪の共犯者にす ぎない。

 

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私たちは、いつになったら自分たちの生活状況に責任が持てるようになって、行為は結果をもたらすとわかるのであろうか? 慢性的ないら立ちこそが、現在の多くの問題の元凶ではないのか? 私たち は、ファーストフード、速い車、速く日に焼けること、そして「科学」理論の速やかな証明を必要とし ている。繰り返すが、「私たちを脅かす」外部の何かを悪者と指さしてばかりいないで、私たちは自分 の内部に答えを求めなければならない。

 

  1. 日光 毎日数時間(少なくとも一時間) 天候の如何にかかわらず戸外で過ごすこと。日陰でも日 除けのポーチでもよい。

 戸外で得られるものは屋内では得がたい。散歩は戸外で時間を過ごすのに 良い方法であり、自然の美しさの中で一息つく時間をとるのも良い。陽射しが強くてまぶしすぎる ほど晴れた日以外は、サングラスや処方された眼鏡、コンタクト、日焼けローションを使わないこ と。眼鏡やコンタクトレンズを外せば、自然の日光の恵みが得られるばかりでなく、視力も回復す るであろう。ただし、眼鏡を外しても見るのに困らなければである。一時間以上日なたにいても良 いが、徐々に長くするように。 決して日なたにいすぎてはいけない。午前一〇時から午後二時の間 は、日にあたるのを避けること。 太陽をじかに見ると眼を傷める。光によって副作用が起こる薬を 服用しているときには、外出前に医師に確認すること。 室内では、できれば開いている窓のそばか、 少なくとも日除けのない閉まった窓のそばに座ること。こうすれば、すべての可視光(もし窓が開いていれば紫外線も)を自然な強さのまま受けることができるし、戸外の景色を見れば眼も心もり ラックスする。

 

2 サングラス 必要な場合でも、淡い灰色のサングラスにするよう心がけること。この色は、他の 色に比べて日光の強さをバランスよく弱めてくれる。ピンク、青、赤といった流行の色はすすめら れない。

 

3 眼鏡 眼鏡の処方が必要なときには、眼科の専門医に紫外線透過レンズのことを尋ねてみるとよ い。これは特注品である。 ただし、白内障で混濁部分を除去した後にはすすめられない。他の眼病 がある場合にも医師と相談すること。

 

4 コンタクトレンズ 色のついたコンタクトは、サングラスと同じように問題が多い。特に、最近 のいろいろな色がついたコスメティックタイプ(美容用)は問題である。見栄えは良いかもしれな いが、眼はきわめてアンバランスな光を受けることになる。茶色とピンク色が最も良くない。眼鏡 やコンタクトレンズの業界はこぞってすすめているが、彼らは光と健康との関係をよく知っている わけではない。コンタクトは、スペクトルのUV-Bの領域を完全に遮る。色のついたコンタクトの 中には中央部が無色のものもあるが、これでもまだ紫外線を遮る。コンタクトレンズ、眼鏡、サン グラスを着用する人は、光に過敏になる。レンズがスペクトルの他の領域同様、近紫外線も遮るか らである。

 

5 紫外線を通すプラスチック窓 家の窓を、ふつうのガラスからこのタイプに取り替えてみてはどうだろう。この窓は、プレキシグラス [註・飛行機の窓に使われている」もしくはアクロライトからでき ており、ともにUVIA(紫外線吸収)とUV-T (紫外線透過)型とがある。おすすめはUVIT型 である。

 

6 日焼けローション―警告 米国の食品医薬品局は最近の報告書で、PABA「訳註・安息香酸の一 種」を含む一七品目の日焼けローションのうち一四品目について、日なたで使用すると発がんの可 能性があると結論している。 PABAは、紫外線カットの目的で多くの日焼けローションに使われ ているが、別の研究によると、皮膚のDNAに遺伝性の損傷を与えることがわかっている。 『日光』 の著者ゼイン・カイム博士は、日焼けローションを日なたで使うと、がん細胞の生成を促すことに なると確信している。ローション内の脂肪分が問題だと彼は主張している。私がすすめる日光浴は、 第一に徐々に日なたにいる時間を長くして、日焼け止めを使わないことだ。 そうすると、適度に肌 が浅黒くなる。三〇分以上照りつける陽射しの中にいなければならない場合とか、色白のままでい たいときには、PABAの入っていない日焼け止めを使う方がよい。

 

科学は誤りを犯したのか?

自然はこうしたことについて何を語っているのだろうか? 研究論文を見ると、人間が自然の日光の もとで進化したという事実にはふれられていないようである。 科学が自然の至高の知恵を理解できないからといって、五〇〇万年にも及ぶ進化を忘れてしまってもよいのだろうか? だから現代になって突 然、紫外線は「危険」であり、絶対避けるべきものだとなってしまうのだ。私たちは紫外線をまるで受 けずに室内で生活している。外出のときには眼鏡、コンタクト、サングラスをかけて、紫外線をほとん ど遮る。一日中働くオフィスでも、紫外線にはあたらない。夜になれば、人工のひどくひずんだ照明を つけるが、やはり紫外線は含まれていない。

一休みして陽射しの中に出るときに、私たちはどうしているだろう? サングラスをかけ、日焼け止 めで皮膚を覆い、この危険な光線に絶対あたらないようにする。自然の陽射しの中に出るときには、ど ういう形にせよ自分を保護してからでないと出かけない人が多い。おそらく、本当に推測ではあるが、 私たちは少し度を超しているのではないのだろうか? 科学が誤りを犯した可能性はないのだろうか?

「日光で最も生物学的に活性的な要素は紫外線である。 紫外線は最適な健康のためには絶対不可欠である。

 

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