仏典、聖書、ジョージ・アダムスキー氏により伝えられた宇宙精神文明(空=言葉=天の父=宇宙の英知=真如=法・ダルマ=灯明)

ワクチン薬害、祈りの科学的研究、人体構成分子によるオーソモレキュラー医学、医学の大罪、太陽系惑星文明の科学的証拠

光の医学: 光 奇跡をもたらす自然の医療  SAD(季節性情動障害)など

2024年09月14日 19時10分53秒 | 太陽療法 日光は強い味方

光の医学: 光 奇跡をもたらす自然の医療  SAD(季節性情動障害)など

 

https://www.amazon.co.jp/dp/4531080998?ref=ppx_yo2ov_dt_b_fed_asin_title

光の医学: 光と色がもたらす癒しのメカニズム

「光の治癒力」の知られざるメカニズム――光と色の織りなす未来の医学

ジェイコブ リバーマン (著), Jacob Liberman (原名)

“光治療”のパイオニアとして新分野を開拓しつつある著者が、光・色と心身との相関関係を医学的に解明。

がん・精神障害・視覚障害の治癒や学習能力の向上への効果を論じた野心作。

 

*光は、視覚としてだけではなく「栄養」としても「摂取」され、眼から脳神経系へと送られる

*蛍光灯などの人工光は、光のスペクトルがアンバランスであり、心身の病気の大きな原因となる

*日光などの自然光を浴びたり、各人に不足している色を照射したりすると、生体リズムは安定し、心身のバランスが見事に回復する

*光と色による治療は、学習能力の向上から、がんの治癒にいたるまで、驚異的な効果がある

 

著者について

光と色彩、視覚、治療効果の相関関係に関する研究の第一人者。1973年、ジョージア大学にて視力測定法の博士号(O.D.)を取得。また86年には、光を用いた治療法「フォトセラピー」(光療法)の先駆的業績により学術博士号(Ph.D.)も取得。実業家やオリンピック選手を含む15,000人以上の人々の身体的・心理的トラウマの治療で多くの実績をあげ、高い評価を得ている。光治療の教育機関シントニック・オプトメトリー・カレッジの学長、光治療用機器の普及会社ユニバーサル・ライト・テクノロジー社の社長を務める。

 

出版社 ‏ : ‎ 日本教文社 (1996/6/20)

発売日 ‏ : ‎ 1996/6/20

言語 ‏ : ‎ 日本語

単行本 ‏ : ‎ 280ページ

ISBN-10 ‏ : ‎ 4531080998

ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4531080991

 

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第10章

光 奇跡をもたらす自然の医療

太古の史実に基づく時代から現在まで、循環的あるいは周期的パターンが、あらゆる動的な系の機能の調整に不可欠であるということを人々は認識している。 おそらくは私たちの世界を超えたレベルに端を発するのだろうが、こうしたサイクルはこの世界に存在する他のあらゆる動的な系にも影響を与えている。段階的あるいはドミノ的に全宇宙のサイクルが私たちの世界に影響を与え、そしてそれが太陽系に、太陽系が地球へと次々に影響を与え、さらに下って地球の気候、季節、生息動物へ、はては原子の中の一番小さい粒子にまで影響を与える。 あらゆるものはこのように全体的に結びついているので、 どんなものでも他のすべてのものに影響を与える。このプロセスから逃れられるものはいっさいない。 こうした前置きを述べるのは、私たち人間の生活サイクルがいかに周囲のサイクルと関連しているの かをよりよく理解してもらう基盤を広げたいからである。例えば、季節は何を表すのか? それぞれの 季節の営みは私たちの生活にどう影響するのか? もしも私たちが本当に宇宙の一員であると考えられるなら、私たちの生活様式は自然と同調すべきではないのか? 私たちが宇宙とうまく同調できないと どうなるのか?

 

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ヒポクラテスの時代からよく知られているように、人間は動物同様に、日単位と季節単位の特定のリ ズムを持つ。実際、ヒポクラテス自身このことを重視しており、医学を志す者は手始めに、季節の変化 とそれに伴って動物や人間に生じる変化を充分に知るべきだと唱えている。季節の変動を理解してはじ めて、それに伴う生理学的な変化や感情の変化をよく理解できるのである。例えば、心にも体にも特定 の異常が広く認められるのは秋であり、人間の生殖能力は夏にピークを迎えると思われる。

こうした全宇宙にわたって起こる変化が、あらゆる生体に影響を与えると私は信じている。 動植物 は、春に目覚め、夏に成長・成熟し、秋に衰え、冬に休息する。人間もまったく同じように季節に対応 しているはずである。私たちが季節にどう対応するかを考えてみよう。 春には大掃除をして再スタート したくなる。日常生活から離れて時間をとり、何にも妨げられずに成長したり発展する機会を手に入れ たときに、私たちは無邪気なサマーキャンプのときの心理を経験する。秋の美しさを味わいながらゆっ くり散歩する。 厳しい冬の間は寒さと静けさを感じる。

季節が私たちに伝えるメッセージはとても重要である。 春は復活のときであり、夏は充実のときであ る。秋は今しも衰退に向かう成熟をはっきりと表し、冬は古いものを払拭して新たな出発の土台をつく る自然の道筋である。春と夏は外面化すなわち成長、運動、結実の時を定義し、つくりだす。一方、秋 と冬は内面化すなわち徐々に歩みをゆるめ、静かに内省し休息する時を促す。

 

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一年のうちでも特に冬は、私たちが家の中にこもると同様、心の内にこもるときである深い感情 がわき起こり、 家族の絆が再び強まり、そして気持ちの表れや決意の機が熟する天然の舞台装置であ る。冬こそ深く内省し、〈心を癒す 自然の時期である。 あたかも自然は、私たちが人生の一部を費やし て周囲の状況や心の内を探るマスタープランを握っているかのように見える。 冬は、私たちが魂の闇の 側面にふれることによって内面的な成長を遂げるのを自然によって助けられる一年に一度のときなのだ が、残念なことに、今では多くの不安に悩む憂うつと悲しみのときになってしまっている。

 

SAD(季節性情動障害)という状態

 

冬の訪れに伴って気分や意気込みが一般に衰えたり低下したりすることは、何千年にもわたって広く 知れわたっている。冬特有の寒さと日の短かさに反応して内面にいくらか変化を感じる人々がほとん どだが、衰弱にいたるほど重いうつ病の引き金となったり、時には自殺にまで至りかねないような変化 を経験する人々も多い。 過去十年間、国立精神衛生研究所の研究者は、冬から春にかけて訪れる激しい 気分の動揺やうつ病によって起きる情緒不安定について述べている。うつ病で苦しむ多くの人々と違っ て、こうした情緒不安定の人々(女性は男性の四倍)は、睡眠不足や食欲不振にはならない。そのかわ り、食べすぎ (特に炭水化物)や眠りすぎとなり、セックスに興味がなくなり、体重が増加し、内気に なることが多く、一般に人格に変化が現れる。まるで彼らは冬眠状態に入っているか、一時的に繭の中で生活しているといってよい。熊になったような気がすると語る体験者もいる。

 

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この病気が科学的にとりあげられたのはつい最近のことであるが、全米で推定約二五〇〇万人がこの 症状の影響を感じており、今では「季節性情動障害」(SAD)と呼ばれている。ここ一〇年ばかりで 医学的関心事になったこの病気に、現在そんなにたくさんの人々が苦しんでいることなどあり得るのだ ろうか? 一九八一年にはじめてその症状を鑑定してSADと名づけたノーマン・E・ロゼンタール博 士によると、この病気はとてもありふれているので、症状は正常な状態として受けとめられてしまって いるという。

 

SAD(季節性情動障害)の悲しみを光で治す

この症状を患う人々は実際<日光不足〉で苦しんでおり、ほんの少し日光を生活に取り入れるだけでお おいに救われることが今日明らかにされている。J・F・コーバンは、一八一五年に次のように書いて いる。

人間の志気に及ぼす光の影響はとても大きい。医者は悲しんでいる人々や弱者には太陽光を処方 するとよい。適度な運動をしながら取り入れれば、活気が戻る。イングランドやドイツの金持ちは、 フランスやイタリアの南部に行って、憂うつと呼ばれるすぐれない気分を癒すし、少なくとも単調でほとんど変化のない気候から抜け出すのだ。

 

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この病気とその治療の根底となる生理学的なメカニズムを説明するために、松果体の機能をここで再 びとりあげる。脳の中枢深くに位置する松果体は、とても重要な器官として、体の生命機能の調節に大 きな役割を担っている。 科学文献には、人間の松果体は他の種に比べて別の機能をも持つと述べられて いることが多いが、松果体の機能はおおかたの生物で変わらないと私は確信している。 もしも相違が あるとすれば、私たちの生活では人工照明が多く使用されていることと、私たちが環境とふれあうこと が少ないこととによって生じるのであろう。 松果体は、思春期の訪れを調節し、眠りを誘い、気分に影 響を与えるといった事実に加え、体の光度計や光タイマーとして働き、体内の機能を組織化し、外部の 自然環境と同調させる。 松果体はもともと周囲の光の変化に支配されているので、室内外で人工照明を 広く使用することによって、私たちは松果体の機能を人為的にそこなっていることが多い。

 

もう一つ松果体の機能のとても重要な側面をあげると、私たちの生理機能や心の状態に与える松果体 の影響が、松果体のホルモンであるメラトニンの、日々のリズミカルな分泌によって仲介されている点 である。メラトニンの分泌は夜に最も多く、日中最も少ない。 メラトニンが持つ毎日の規則的なリズム の重要性がはっきりと認識されたのは、一九八〇年になってからである。 この年、アルフレッド・リュ イとトーマス・ウェアの両博士が、夜間に明るい光をあてるとメラトニンが正常に分泌しないことを発 見した。彼らの発見によって、メラトニンの周期的な特性が説明されたばかりか、メラトニンの分泌が日中の光に抑制され、夜の闇によって促進されることが証明された。

 

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この発見と他の診療医の観察記録 やいくつかの予備研究で得られた肯定的な結果に基づき、二人は一つの基本的な仮説を立てた。 明るい 人工光を用いて冬の昼間を長くすれば脳は春と錯覚するので、冬の日中が短いために起こるうつ病を軽 減できるはずだと考えたのだ。この仮説は、メラトニンの分泌が動物の季節的なリズムを調整してお り、さらに視床下部 (光の情報が眼から届く場所の一つ)がうつ病に悩む人の不調な機能の多くを支配 する役割を果たしているとの知見に基づいている。

こうした形のうつ病が存在することと、彼らが提案した治療の有効性とを確認するため、ウェア博士とロゼンタール博士は、季節特有の症状が現れる人々を捜し始めた。何千もの症例を再検討した結果、 該当する人々の実に全員が、自分たちの最初の予備研究の患者と同じ症状を示していることがわかっ た。さらに広範な研究をすべきときが訪れていたのである。

最初の対照研究は、季節的にうつ病が現れる患者の二グループについて行われた。各グループは一日 六時間ずつ二週間、明るいフルスペクトル光か、うす暗い黄色の光のどちらかで治療を受ける。両グル ーブはその後二週間、これまで治療で受けたことのない光源をあてられる。この研究は二重盲方式[訳 註・誰が投薬や治療を受けているかを被験者にも研究者にも知らせないで医療効果を調べる方法]で計画されたので、計画 にたずさわった研究者以外は、患者の光治療がどういう順番になっているのか誰一人として知らなかっ た。おまけに患者は、どの光源が治療用なのかも知らなかった。

 

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結果は感動的だった。明るいフルスペクトル光をあてるとあらゆる患者に改善効果が表れたが、うす暗い黄色の光をあてても誰一人として効果があがらなかった。うす黄色は太陽を連想させるというのに である。 フルスペクトル光を受けた患者の中には、まるで冬眠から引きずり出されたようだとか、すば らしい豊かな気分で普段の生活に戻れそうな気がすると語ってくれる者もいた。

 

この最初の研究の結果、SADの存在とその効果的な治療法が確立されただけでなく、治療に新しく 全体的なアプローチが生み出された。このアプローチは、精神医学の分野にとどまらず、今では広く利 用されている。現在まで、明るいスペクトル光で治療したときの抗うつ効果が各国の数多くの対照研究 によって科学的に実証されており、SADには効果抜群の治療と考えられている。これまでの研究をふ まえると、SADと明るいフルスペクトル光の治療に関しては、一般に次のようなことがいえよう。

 

・SADとは、情緒不安定であり、ひどく心が動揺したり気力がなえたりして、毎年決まった時期 にうつになるといった特徴を持ち、冬に始まり春にはおさまる。北方に住む人ほど冬のうつ病にか かりやすい。 例えば、フロリダ州サラソタでは住民のわずか八・九パーセントだが、ニューハンプ シャー州ナシュアでは住民の三〇パーセントにものぼる。SADはもともと二〇歳~四〇歳の成人 特有のものだが、この病気で苦しんでいる子どもも見つかっている。子どもたちは短気になり、疲 れやすくなり、悲しい気分に陥る上、集中力と学力の低下を伴うことが多い。

 

・こうした症状は男性よりも女性に多く見られ(四対一の割合)、過食、睡眠のとりすぎ、体重の増加、性欲の減退が起こり、免疫の機能が低下することもよくある。

 

・SADになる理由の一つにメラトニンの分泌過剰が考えられる。これは、冬になると日が短くなったり、日光の量が減るためである。

 

・作用の正確なメカニズムはわかっていないが、眼を通じて明るい光で治療すると、SADやもっと軽度ないわゆる「冬のうつ」に苦しんでいる人々の八〇パーセント以上に対して、めざましい抗う つ効果のあることが確認されている。

 

・治療に使う光の量がたいへん重要な鍵となり、一定量を照射すると生理学的な効果があがることが認められている。

a 明るい光にあたると、その時間帯にしては異常に高い血液中のメラトニンレベルがただちに下がる。

b.治療を受ける時間帯によって体内の生物時計が進んだり遅れたりするので、睡眠パターン、体温、ホルモン分泌などの日単位のリズムに影響を与える。

体内の生理学的機能のこうしたタイミングを変化させることが、光治療がこの病気に効果をあげる 基本となるはずだ。

 

・SADの治療で最も汎用性の高い光源は、四〇ワットのフルスペクトル蛍光管を六個使ったもの で、約二五〇〇本のロウソクの明るさに相当する(夏の陽射しの約四〇分の一の明るさ)。専門的 にいうと、これは二五〇〇ルクスの照度にあたり、一ルクスはほぼロウソク一本に相当する。現在 新たに出まわっている光療法の器具を使えば、一日一時間半照射するだけでよい。

 

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近い将来、携帯用の器具が出まわれば、患者はひさし帽のように頭にかけて、治療を受けながらでも動きまわれる ようになるだろう。SADの治療で評価されている最新の技術は、コンピュータ制御による装置で、 しだいに「夜明け」になったり、「黄昏」になったりシミュレートできるように工夫されている。

マイケル・ターマン博士とその共同研究者によって開発されたこの新しい装置は、患者が寝ている 間に作動させることができるので、忙しいスケジュールの時間を割かなくてすむ。現在では、自然 の光の変化にきわめて近い状況をつくり出すことができるようになった。

 

・治療に一番ふさわしいタイミングや時間は患者によって異なるが、夜よりも朝に照射する方が一般 的には効果が大きい。一日一時間半から四時間の治療を受ければ効果があがり、照射量は、個人、 居住地、気候、季節によって異なる。治療効果をあげるためには、当該者に不足している光の量に 応じた時間分を毎日照射するのが肝要である。

 

・一度受けただけでこの治療のはっきりとした効果を感じる人もいるが、効果が目に見えるまでにはふつう二日から四日かかる。一方、二日間でも治療を怠ると症状が元に戻ってしまうことが多い。

 

・治療は、患者からおおむね好意的に受け入れられているが、一時的には眼精疲労や頭痛、イライ ラ、睡眠障害といった副作用も時々見られる。今までのところ長期にわたる副作用はいっさい認め られていない。

 

 

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いわゆる「季節性活力症候群」 (seasonal energy syndrome 冬のうつ病や夏の心の乱れ)の治療に、色のついた眼鏡が効果的だと報告している精神科医もいる。彼らは、秋と冬のうつ病には赤色の眼鏡がよ く、春と夏の心の乱れには青緑色の偏光眼鏡が効果的であることを発見した。

 

明るい光の利用によりSADの治療にすばらしい成果が得られたこととはまた別に、この明るい光を他の分野に適用する研究も進められている。季節に関係なく生じるうつ病に関する最近の対照研究で、 ダニエル・クリプケ博士の率いるカリフォルニアの研究グループが、明るい光で夜間に三時間治療する と、わずかではあるが統計的に有意にうつ病がおさまることを発見した。明るい光を、例えば過食症な ど、症状が季節的に悪化する摂食障害の患者の治療法に利用するといった可能性も評価されている。

アルコールや麻薬の解毒にも、明るい光が効果的だという新しい証拠もある。 オーストリアの神経科医や 精神科医の研究班は、極度の禁断症状を示す二〇人のアルコール依存症者をテストした。その結果、二 日間明るい光を照射すると、気分、集中力、記憶が正常な状態に向かい、抗不安薬の必要量も未治療グ ループのわずか一〇から二〇パーセントですむことがわかった。この分野での研究はまだ始まったばかだが、禁断症状が軽くなる症例が多くなるであろう。

明るい光を利用してアルコール依存症の一部を治療することは比較的新しいことであるが、光とアル コール依存症との関連は今に始まったことではない。一九七一年七月三〇日付の「サイエンス」誌でアービング・ゲラー博士は、いくらか偶発的な実験から得られたと断りながらも大変興味深い発見につい て報告している。さまざまな形のストレスをネズミに与えてアルコール依存症が進む様子を評価してい る時、平日は明らかにふつうの水を好んでいたネズミがなぜか週末にかけてアルコールを飲みたがることに博士は気づいた。調査の結果、実験室の照明のオン・オフのタイミングをコントロールする自動タ イマーのスイッチがうまく作動していないことがわかった。 その結果、ネズミは週末、闇の中に置かれ ていたのだった。

 

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ネズミがアルコールを飲みたがるのはストレスによるのか暗闇のせいなのかを見極めるために、博士 は別の実験を行った。その結果はきわめて重大である。真っ暗闇の状態に置かれ、それ以外はまったく ストレスを受けていないネズミは、純粋な水よりもアルコールの含まれる水をいつも飲みたがることが わかった。 この知見をさらに確認するために、博士はさらに実験を重ねた。

松果体が暗闇の中でメラトニンを生成することを確認した博士は、通常の明暗のサイクルの状態に置 かれてストレスをまったく受けていないネズミにメラトニンを注射して、その効果を評価することにし た。今度は通常の明暗のサイクルで飼われているのに、メラトニンを注射するだけで、ネズミは純粋な 水よりアルコールの混じった水を欲しがることがわかった。

ゲラー博士の実験結果から、光量の減少とアルコール依存症の進行には大きな関連があることが明らかになった。 同じ様な関連は、化学的に見て別のタイプの依存症にもあてはまるだろう。

 

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性的機能障害を光で治す

現在、光治療を性的機能障害に利用することが医学的に検討されている。 よく知られているように、自然の環境のもとで生きている動物の繁殖はすべて季節に基づいており、眼にする光の量で生殖の状況 が決まる。実際、性的な能力を維持するために、種によって眼に入れなければならない特定の光の量が 決まっている。 松果体(体の光度計)はメラトニンの分泌によって周囲の光の量を知らせるので、メラ トニンがあらゆる動物の種の生殖生理機能に大きな影響を与えているのは明らかであり、このことは人 間においてもほぼ同じである。

現在では、人間の性的な生理機能が松果体の影響を受けていることが認められている。メラトニンの 量が多いと(通常、日が短いことに対応) 性的な生理機能が抑制され(性ホルモンの量が減り、性的成 熟が遅くなる)、一方、量が少ないと(通常、日が長いことに対応)逆の効果を与える。そういうわけ で、おびただしい量の人工光を使っている高度先進諸国(北アメリカ、西ヨーロッパ、日本)では、子 どもたちが往々にして思春期を早く迎えるのかもしれない。

 

月経周期が正常な女性では、夜間のメラトニンレベルは排卵時に最低となり、月経時にピークを迎え る。視床下部性無月経 [訳註・視床下部からの黄体形成ホルモンへの刺激が不充分なために起きる」のために月経のな い女性は、長期間にわたりメラトニンレベルが異常に高い。メラトニンは女性の排卵を抑制するばかり か、男性の精液の生成も抑制する。メラトニンの生成を抑えるのは光なので、光療法は、男女双方の性 的な生理機能に影響を与える異常をなくすためのとても簡単な非侵襲性の方法といえよう。私はこの分 野における光治療の価値を個人的にも立証できる。検眼に来た患者の眼の疾患を治療すると、私が診た 女性の多くは、判で押したように月経周期が正常になったし、何カ月もなかったのに正常な月経を経験するようになった人まで現れた。

 

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メラトニンについてきわめて興味深い発見がもう一つある。メラトニンは成長を抑制するのである。 ある種の乳腺腫の女性では、夜間のメラトニン分泌量が異常に低い。毎日メラトニンを投与された動物 ではそうした腫瘍の進行はずっと遅くなる。 もしある種の腫瘍の成長をメラトニンが抑制するならば、 メラトニンは直接光によって影響を受けるので、光を使えば腫瘍の進行をくい止めることができるはず である。光が生殖の生理機能や腫瘍の進行に果たす役割はようやく理解されるようになったばかりでは あるが、将来への応用は測り知れない。

 

体内の生物時計をリセットする

交替勤務者や不眠症の人、時差に悩む人にも近い将来朗報がもたらされるであろう。最新の研究によ れば、私たちに眠るときと目覚めるときを知らせてくれる体内の生物時計は、明るさと暗闇にきわめて 敏感であることが示されている。診療の見地からすると、タイミングよく眼に光を当てると、体内にも ともと備わっているタイマーをリセットするのに役立つ。それによって、睡眠障害を是正したり、交替 勤務者が新しいスケジュールに適応したり、旅行者が時差ボケを軽減したりするのを助ける。現在評価 中の光の利用法は、アルツハイマー病患者に特有な睡眠障害の是正である。この病気は年輩者に多いが、 彼らは日頃平均しても健康な人のたかだか半分しか陽にあたっていないので、光にあたるのが減った結果、睡眠と覚醒のサイクルに混乱が起きて苦しんでいるものと考えられる。

 

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今のところ光療法がこの病 気にうまく対処できると考えられている。患者が夜間に充分睡眠をとることができれば、昼間の認識能 力も改善されるであろう。古いイタリアの諺にいわく、「太陽の届かない所に医者が行く」。

空港と最新のジェット機を例にこの最新技術を考えてみよう。 飛行中、機内の照明がこうこうと照っ ていたり、自分の座席近くの照明がついているときには、窓の日除けを下ろすように指示する。 これだ けで時差ボケはおおいに減るだろう。また、空港には飛行前後に旅客を診療するための大きな部屋を用 意する。 時差ボケは過去のものとなっていくだろう。こうした手法が広まるには今しばらくの時間がか かるだろう。昨今の長距離旅行者に対して研究者はいくつかの提言をしており、以下のことを守れば、 昼と夜を利用して一日三時間までは体内時計を調節できる。26

 

・東まわり・西まわりを問わず、出発前、飛行中、到着後は、特に朝の光(午前一〇時頃まで)にあ たらないこと。 溶接工用のゴーグルが望ましいが、濃い黒色のサングラスがあれば充分である。 少 なくとも一〇時まではサングラスをかけ、急に陽が射し込まないように窓の日除けを下ろしておく

・同日中の午後と夕刻には努めて光にあたるようにすること。飛行中は明るい光があたる窓側の席が

よい。

・午後の飛行中には日除けを下ろしたり、映画を見たりしないこと。

 

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光と歯科医療

歯の治療における最先端技術として、光で硬化させた、天然の歯の色に非常に近い複合材の利用があ る。銀の充填物(有毒と考える人が多い)の使用は、 この新しい技術が進むにつれて減っていくと思われる。

今日の歯科医の治療は、以前よりずっと簡単で速い。 典型的な充填物の場合、虫歯の部分を取り除い た後は「コーキン」タイプの手持ち器具を使って治療した箇所に複合充填材を注入する。 歯科医か助手 かが当該箇所に可視光ビームをあてると、光で活性化する性質を持った複合材が硬化する。こうして、 機能的にも見た目にも非常に満足のいく治療ができる。

 

光の針

今後の光療法のもう一つの可能性として、鍼の分野での利用があげられる。 では、ツボを刺激する のに何千年もの間主に針だけを使ってきたが、近年ではパルス電流や超音波、高周波、さらにごく最近 ではレーザー光線を利用して同様の効果をあげている。いまだ多くの鍼治療師が針を使っているが、レ ーザー光線の利用が一般的になりつつある。 ソビエトで進歩したこの技術は、ツボを低エネルギーのレ

ーザー光で刺激する。いまだ緒についたばかりとはいえ、当初の診療結果によると、レーザー光を使っ その治療は昔ながらの針による治療よりもずっと効果があるそうである。

 

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色は体の生命力

光と色が私たちの健康にもたらす価値を実証した数多くのめざましい人々の業績について研究してき た中で、私が最も感銘を受けた臨床研究者は、その人の生き方が自身の仕事の生きた証となっている人 人である。そのうちの一人、ヘーゼル・パーセルズ博士は、哲学、カイロプラクティック、自然療法の 博士号を持つ。一〇〇歳を超えた今も、彼女はきわめて健康で、ニューメキシコ州アルバカーキで精力 的に診療を続けている。

約四〇年間というもの、パーセルズ博士はホリスティックな治療に色を応用し、常に成果をあげてき た。脳卒中で苦しむ患者に色を使うと麻痺をなくすことができる症例が多く、機能をまったく正常に回 復できることを彼女は発見した。出産時には、ショックや出血を少なくしたり、回復時間を短縮するた めに母体と新生児の両方を色で治療する。こうして成長した子どもたちは、出産時に色の治療を受けて いない子どもたちよりも健康上の問題が少ないことも報告されている。

パーセルズ博士は、色が体の「生命力」であると実感している。 そして病気や疲労の場合には、健康 が回復するまで体内器官の中の色の流れが妨げられていることを発見している。博士によれば、色は体のどんな機能をも変えることができるという。

 

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色によるストレスの解消

光による心理療法のきわめて革新的な利用法が、ニューヨーク州スカスデールの精神科医リチャー ド・フレンケル博士によって開発された。博士は六〇年代初頭から、人間のストレスの治療のために色 の研究を続け、診療に利用している。彼は、二五年にも及ぶ診療経験から、ストレスは心の中で色として 符号化されるとの仮説を立てた。 あらゆる物には色がついているので、私たちの経験は、経験に対する 反応とともに彼のいう「経験の複合」 (Experience Complex) に融合されて、特定の色として心の中で符 号化される、と彼は考えた。 フレンケルにとって、心とはコンピュータ化された色の情報バンクの役割 を担い、それぞれの色の中に、ストレスのあるなしにかかわらず経験を蓄えるものだ。

色屈折 (color refraction) と名づけた手法を駆使して、 フレンケルは、患者がさまざまな色(赤、オレ ンジ、黄、緑、紫、白、 茶色 灰色)にどのように反応するかを調べる。彼はもともと、過去の痛まし い記憶を蘇らせてストレスを起こすのはどの色であるかということに関心を持っていた。 どの色がスト レス反応を呼び起こすのかがわかれば、患者は適切に着色された眼鏡をかけてその色を見ることによっ てストレスの影響を解消できる。日頃この眼鏡をかけていれば、ストレスを生み出す色の影響が視覚的 に打ち消されるので、患者が感じる不安は減るか消える。

 

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特定の色によって生まれるストレスの感じにふれるために彼は、特許を受けた器具「イメージスコープ」と、みずから「イメージ分析」と呼ぶ手法 を用いている。 こうして彼は、色として符号化されたストレス要因を、患者が感じにくくなるようにし ている。

フレンケルの手法は次のようなものだ。色とりどりの電球に囲まれた鏡の中で自分たちの心象に集中 している患者に、浮かんできた感情や記憶をすべて話してもらう。この間に、過去の痛ましい記憶が患者 の心から文字どおり「ほとばしり出たり」、原体験を思わせるような徴候が体に出てくることもよくある という。医師として彼は、 心のストレスを取り除くと病気を減らすことができるばかりか、人間の創造 性を解き放つこともできると信じている。博士は、不安、憂うつ、恐怖、偏頭痛、自殺、コンピュータ 使用に伴う疲労、肥満、麻薬やアルコールの常用などの抑制にも高い成功率をあげている。 彼の仕事は 国連で発表され、ニューヨーク州のリチャードソン&ステアマン社から『ストレスの克服』 (Overcoming レスの克服』(Overcoming Stress) といった仮題で出版が予定されている。

 

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月経前症候群(PMS)の軽減

明るい光による治療が非常に効果的だと思われる身近な症例は、月経前症候群(PMS)である。月経 の始まる約一週間前に、体重増、憂うつ、引っ込み思案、炭水化物を異常に欲しがる、疲労、イライラ というような症状でひどく取り乱す女性が多い。 しかしながら、カリフォルニア州サンディエゴのバーバラ・パリー博士は最近、夕方二時間明るい光の治療を施すと、PMSの症状が好転することを明らか にした。今後さらに研究が必要であるが、こうした結果が得られ始めたことから、明るい光による治療 はPMSに対して、薬物療法よりもずっと効果的な代替療法になる可能性が出てきた。

ある女性が自分の毎月の生理の意味をどう感じているか次に述べている。

 

私は生理のとき、「地に下りていく」とか、「地球に引っぱられる」感じになる。 まるで自分を省みるほら穴に引き込まれていくような感じで、身近の生活体験をどうこなしているか反省したり、 自分の奥底の静けさに耳を傾けたりする。 生理中は、何を学んでいても感情的な気づきによって啓 発され、高められる。無防備で繊細で無垢といった感じがする。

「月のもの」の訪れにふさわしくない活動にあくせくしていると、イライラがつのり、気むずか しくなり、意地悪くなり、気力がなくなる。それは、おまえは女性の力を無駄づかいしているとい う合図なのだ。 根源 (Source) と呼べるようなものならどんなものからでも女性の力が開花するの を経験し、共有する機会を無駄にしていると教えているのだ。私にとって、毎月の「月のもの」は 女性だけへの授かりもの「子宮」の贈り物、それどころか生命を秘めた贈り物であり、 「無(空)から何かが創造される」のだ――それが、私が一人で「根源」と一緒に創り出したり、夫と ともに生み出したりしたものであっても、他の人々との創造物であっても。

こうした内部の呼び声を育み、それに耳を傾けると、やすらぎや力があふれてくる。とはいえ、いつも一体感や集中力を感じているとは限らない。虚ろでぼんやりとしていることもよくあり、そ んなときは心の中で何が起きているのか、何をしたらよいのか、どこへ行ったらよいのかもわから ない。けれども、よくわからないその気持ちを大事にしているので、安心するし、信頼も生まれる。 冬の訪れを感じるときのように、私はよくPMSを経験する。 活動のペースが落ちた気がして、 自分が何をしていて、何をやり遂げ、今どこにいるのか、無性に確かめてみたくなる。生理が実際に 始まると、冬眠しているような気持ちになることがよくある。冬眠中に見る夢はあざやかで強烈だ。 たくさんの白日夢を見て、ぼうっとなる。ときにはエネルギッシュにもなる。とはいってもテンポ は速くない。どちらかといえば力強くて受動的なエネルギーの中にいるみたいで、そこにいると現 実が大きなスローモーションのように見えて、よくわかるような気がする。 生理が終る頃には再生 の感じが生まれてきて、まるで春の新緑が芽生える中にいるようだ。 そして再び絶頂期に戻る。今 度は「月のもの」の訪れから得た自覚を抱いて。 女性の生理の周期は、季節という大宇宙の中の一 つの小宇宙なのだろうか?

アメリカ先住民の文化の中には、女性の「月のもの」を、力のあふれているときと考えるものが ある。「月のもの」の最中に女性が予見する未来の姿によって、酋長は、部族が次にどこに住んだ らいいか、あるいは部族全体が何を知ればいいかという手がかりを得た。 先住民の女性は、新月が 生理周期の始まりであると信じ、自分たちの生理を新月と一致させることもできた。新月のとき私 が経験するのは、生理中によくある虚ろで「自分でもわからない」感じであり、一方、満月のときは生理の終った後に感じる充実した活力のようなものを味わう。先住民の女性たちは、月の周期と月 経とがしっかりつながるように調整されていたのだろうか。日光と季節との関係と同じように、月 の照らすという特性が女性の生理周期に影響を与えていることを考えると、女性の生理はまさしく 「月のもの」と呼べるのではないだろうか。

 

ライフサイクルとのつながり

明るい光で治療されている、あるいは治療が必要だと認められる特定の健康状態、例えばSAD、性的機能障害、時差ボケなどについては、考慮すべき問題がいくつか残っている。

1こうした健康状態のうちのどれが、未知の症状の徴候ではない、本当の医学的な疾患なのか?

2交替勤務者や時差ボケで苦しむ人の治療として体内の生物時計を操作する際、その治療は本当に 患者の手助けになっているのか、それとも患者がいつか「燃え尽きる」のを先のばしにしているだ けなのか? 長期的な効果はどうなのか?

3周期的に起こる異常の多くは、私たちの体が自然とどの程度調和していないかを教えてくれる合図と考えられないだろうか?

4もともと男性が自分の気持ちを感じたり表したりすることに慣れていないならば、もっと多くの男性にSADやPMSの男性版といった症状が現れるはずではないのか?

5いつも微笑んでいないとか幸せそうに見えないという理由で、自分自身を責めたり、世の中から 裁かれたりしてよいのだろうか? 本当に憂うつな状態に陥っているのだろうか、それとも自分の 気持ちを感じているだけなのか? 動物は冬になると憂うつになるのか?

 

現在、光治療の医学的な応用は、まだ原因ではなく症状を治療する段階であると私は見ている。いわ ゆる精神科医でさえ、心の障害は化学的なアンバランスによるというレッテルを貼っていることが多 い。健康同様、生体の化学反応も精神状態によって影響を受けることに疑問の余地はないが、化学的な アンバランスが(結果であるというよりむしろ)原因であると診断するのがほとんどだとは恐ろしいこ とである。 なぜなら、 患者が被害者意識を持ったり、もうだめだと感じ、癒す力を得られないからだ。 こうした見方は、体の苦痛の原因をたどればたいてい感情の問題に行き着くと認めずに、肉体的な傷や 体のアンバランスや病気が、外傷や遺伝や病原菌の侵入によって起きるということを肯定しているだけ である。光を単なる別種の薬として使う代わりに、心や体や感情や精神といった人間性をすべてひっ くるめて、もっとホリスティックに光を使った方がずっと効果があがるということを、そろそろ医者は その経験から理解してもいい時期である。

敏感な人は、季節の変動とそれに伴って湧く感情に常に気づいている。実際、こうした変動は、季節 的に起きるだけではなくて、程度を変え、ときには大きくまたときには小さく、一生の間繰り返される。

 

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冬や月経時に起こる変動は、まさしく魂の浄化という意味合いを持つ。もしも浄化の機会がなければ、 次の機会が来るまで感情は見過ごされ、隠されてしまう。感情の発露がないままずっと過ごすことにな れば、心も身体も必ずや破綻をきたしてしまう。さらに、いつもこうして抑えられてしまうと、一日や 一月や季節(例えば、夜、月経、冬など)の中の特定の時期にこうした気持ちが再び起きやすくなり、その結果心配になったり、憂うつになったり、心が乱れたりする。

私がこうした考えをくりかえし述べているのは、近代科学技術の到来、特に電球の発達に伴い、人間 は母なる自然の法則に背いてその恩恵を受けていると考えるからだ。照明についていえば、ある人から 数時間光を奪って別の人に与えるための機会にしかすぎなかったのに、今では誰もが広く利用してい る。照明によって私たちは、啓発の時代から、光がいつ永久になくなるのだろうかといつも気にかけて いなければならない時代へと導かれた。私たちは、第一に自然やその作用とのつながりを、次いで自分 のまわりの人々とのふれあいを、そしてついに自分自身とのふれあいを失った。 こうした状況から生ま れるアンバランスが、自分の内では生命を脅かす病気の形となり、自分のまわりでは環境破壊の形とな って現れている。 自分を新しい病気の犠牲者として治療するよりも、自分の中に答えを探すことを考え るべきだ。

 

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大きいものや小さいものすべてのものの間には明らかに調和がある。これによってカルマの概念が定 義され、「めぐるものは再びやってくる」といった言葉が生まれるのであろう。それはあたかも、私た ちは常に変化を続けるとても大きな状況の一部であり、変わることのない変化の法則に支配されている

かのようである。 この変化の法則は、あらゆる生命にあてはまり、歴史上最古の権威ある書物とされる 「易経」の中で雄弁に語られている。孔子がよく引き合いに出した易経では、生命と成とが、陰と陽、 女と男、縮小と拡大、干潮と満潮などと同じように、いつも変化する対立概念のプロセスである一方、 互いに補い合う力としてとらえられている。 すべての基礎となる変化の法則を理解すれば、犠牲者とし てではなく、参加者や観察者としての視点から人生について知る手がかりを得られる。

 

これぞ英知である。

愛を注ぎ、命を燃やし、

運命や神から授かったものを

受け入れる。

情熱が満ちるのを目にしたら

やくのを速めよ。

手にして暖めたら、

ただちに解き放て。

作者不詳

 

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トルバート・マッカロルは、こうした私の気持ちを著書『生命の歌からのノート』 (Notes From the Song of Life) の「季節」の中で次のように要約してくれている。

 

木は自然の歯車のどこに自分がいるべきかをわきまえている。どこにいても芽を出し、葉をいっばいに茂らせ、熟れた実をつける。 これが木である証なのだ。

人生には四季がある。 四季から逃れようとしないことだ。 芽を出すときに実をつけようとすれば、芽など出やしない。

自然の歌声に耳を傾けよ。 毎年が循環だ。活動のときもあれば、静寂のときもある。 始まりの瞬 間もあれば、終りの瞬間もある。 芽吹く季節もあれば、再生の季節もある。静かに学びなさい。自 然の物語が展開するのを見なさい。鳥や木に目を凝らすのだ。 君と鳥はどこが同じなのかを学びな さい。 木の助けを借りて、自分の居場所を見つけることだ。

一日を知りなさい。 一日にも季節がある。 夜明けが春で、真は夏だ。午後は秋で、夜は冬の訪 れだ。 日ごとこうした循環を味わうことになっているのだ。壁を築いて閉じこもるのはやめなさ い。 一日のリズムに合わせて動くのだ。 明日もまた別の循環があり、別の歯車がめぐってくること をいつも肝に命じていなさい。

息吹はどれも命の循環である。春の甘い息を吸い込みなさい。めぐる夏を胸一杯吸い込みなさ い。 去り行く秋の喜びを味わいなさい。 息づかいが冬ならば、じっとしてぼんやりとしていなさ い。 さあ、また息を吸ってごらん。 いつも新しい始まりと終りがある。

この今の息吹ほど大切なものはない。この今、一日、一年ほど大切なものはない。

あらゆる生命にとっては、どの瞬間も新しい始まりである。まさしく今、あらゆるものの終りを 見ることもできよう。 こうした刹那こそ、あらゆるものにとって新しい始まりなのだ。今この時の 中に飛び込めば、すっかり生き返るだろう。

生命は、海のごとく、数多くの波からできている。どの瞬間、どの日、どの年、どの命をとっても波があるのだ。もしも完全になりたいと心から願うのならば、波と調和すればよいのだ。

 

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