仏典、聖書、ジョージ・アダムスキー氏により伝えられた宇宙精神文明(空=言葉=天の父=宇宙の英知=真如=法・ダルマ=灯明)

ワクチン薬害、祈りの科学的研究、人体構成分子によるオーソモレキュラー医学、医学の大罪、太陽系惑星文明の科学的証拠

大明呪、真言密教、キリスト教の比較

2016年10月22日 20時02分13秒 | 想念の力、般若心経、仏教
大明呪、真言密教、キリスト教の比較

(A)般若心経の大明呪と真言密教の対比

(1)真言密教の加持に関する書籍・ネット情報

呪文、マントラ(真言)と言うと、密教を思い浮かべる人が多いと思います。
密教の真言宗などでは僧侶が「加持(加持祈祷)」を行って、加持の依頼者である病人の病気を治すことができると言われています。
ネット検索をすると、加持について書いておられる真言宗の僧侶の方がおられますし、アマゾンを検索すると、真言宗の何人かの学者や僧侶の方の本がヒットします。

例えば、弘法大師空海直系の高野山真言宗の僧侶の方では、織田隆弘大僧正の著書がアマゾンで数多くヒットします。
織田隆弘大僧正は、真言による癌の治癒などの成果を著書に書かれているため、調査のために大僧正の本を10冊買って読んでいます。

織田隆弘大僧正は密門会という会派を結成され、サイトが下記のアドレスにあります:
http://mitsumonkai.na.coocan.jp/
(織田隆弘大僧正は故人であり、今は門弟の方が運営されています。私は密門会の会員ではありません。本とネットの情報を知っているだけです。)


織田隆弘大僧正と門弟の方々の活動に関しては、丸山ワクチンを調査・紹介された新聞記者の中山道治氏による調査報告の本が出版されています。
一般向けの調査報道の専門家が広範な取材をされてまとめられているため、この本から読み始めた方がわかり易いと思います。
『真言密教の奇跡―ガンも加持で治る (ノン・ブック) 新書 – 1984/9 中山道治 (著)』

織田隆弘大僧正の述べられている真言密教の呪文(真言)の現実的な効果に関しては、癌をはじめとする難病が数多く治った実例が多数あり、真言(呪文)が現実的な効果を持つことが実証されていると著書に書かれています。
もし関心がおありでしたら、密門会のサイトや織田隆弘大僧正の著書をご覧下さい。

例えば、織田隆弘大僧正の著書
『如来の不思議―真言易行道の奇跡』
『難病を救う真言密教―密教の哲理と加持力の実証』
に効果が書かれています。

一般に公開されている部分の密教をわかり易く解説している織田隆弘大僧正の著書
『正純密教入門』のp.123「難病に対する加持の効果」の章には、
大僧正の加持による治病を経験された3人の医学博士(田原一重、吉田弘安、花田二徳の3博士)の証言が掲載されています。
(密教の秘密にされている部分は著書には書かれていません)


(2)真言密教の加持の方法(ただし書籍に公開されている部分のみ)

(a)大日如来への祈り「オン アビラウンケン」
全て公開されている顕教の大乗仏教とは異なり、密教は師から弟子へ伝授する「秘密教」であり、その内容が一般大衆には秘密にされ、教団内部の僧侶だけに伝授されてきました。
このため、その内容や価値に関しては、我々のような密教の僧侶でない一般市民が詳しく研究することは非常に難しく、関わりにくいものがあります。

織田隆弘大僧正の加持の方法に関しては、著書に一部が公開され、
『難病を救う真言密教―密教の哲理と加持力の実証』p.123に
『いま病気に悩む者のために、これを救うにアビラウンケンの念誦の中に慈悲心を湧かし、救病に努め観想すれば利生は速疾に現れる』
と書かれています。
p.227からの解説では、大僧正は1回の行で「オン アビラウンケン」を30分~2時間唱えるように書かれています。

本に公開されている情報だけから推測すると、織田隆弘大僧正の加持の方法は、大日如来が病人の病気を治して下さると僧侶が心から信じて「オン アビラウンケン」を唱え続けて依頼者の病気を治す方法であると推定されます。
この場合、呪文(真言)「オン アビラウンケン」の持つ意味は「大日如来が病気を治して下さる」になりますから、事実上、「オン アビラウンケン」と唱えることは、「大日如来が治して下さる」と唱えることと同じ意味になると推定されます。

実行方法とメカニズムは非常に単純であり、基本的には巽先生の「大明呪(治る、治る) + 南無観世音菩薩(観世音菩薩様が観音力で助けて下さる)」と類似しているようです。
ただし、密教は一般には秘密にされているものですから、この本には書かれていない秘密の方法がある可能性もあります。
それは、密教の僧侶にならないと分かりませんので、一般市民は研究できず、密教は不可解な部分が残りますので困っていますがどうしようもありません。


(b)阿弥陀如来への祈り「南無阿弥陀仏」
織田隆弘大僧正の著書『同体大悲』のp.114には、「終戦後前後の1年間は、阿弥陀様の世界を大日如来と同じ世界と感じて、南無阿弥陀仏と唱えて病人を全て治した」と書かれています。
大日如来の真言「オン アビラウンケン」だけではなく、「南無阿弥陀仏」と唱えても同じ効果があることを織田隆弘大僧正が経験され、僧侶の自力ではなく、如来の絶対他力による治病・願望成就が加持の真の姿であると書かれています。
この場合は、「南無阿弥陀仏」と唱えることは、「阿弥陀如来様が治して下さる」と唱えることと同じ意味になると推定されます。

南無阿弥陀仏と唱えると、極楽往生だけを思い浮かべるのが普通ですが、阿弥陀如来様には48の本願があり、その中には現世利益が多く含まれることが仏説無量寿経に説かれています。
南無阿弥陀仏と唱えることによる極楽往生は第18願であり、次のように説かれています:
『私が仏になるとき、あらゆる人たちが、私の至心をよりどころに、往生まちがいないという思いから、ただ念仏を申す身となるように育てます。それでも私の国に生まれることが出来ないようなら、私はさとりを開きません。ただし、五逆の罪を犯したり、仏の正しいみ教えを謗ったりする人だけは除きます。』

浄土真宗は、これだけを信者に教え、現世利益は否定していますので、阿弥陀如来様の本願の大部分を無視しています。これで本当に阿弥陀如来様やお釈迦様の教えを信者に教えていることになるのでしょうか?

健康や病気治しに関連する阿弥陀如来様の本願は、例えば次のようなものがあります。
第26願「私が仏になるとき、国中の菩薩が、那羅延のような、どんなことにも負けない堅固な身を得ることが出来ないならば、私はさとりを開きません。」
第41願「私が仏になるとき、他方の国土の菩薩達が、我が名を聞いて、仏のさとりを得るまで、体が完全で不自由でないようできないなら、私はさとりを開きません。」

菩薩とは、観世音菩薩様や弥勒菩薩様のような如来と同格の菩薩だけを意味するのではなく、凡人がさとりを求めたいと思えば菩薩ですから、我々のような在家の仏教研究者も広い意味では菩薩です(Wikipedia 菩薩を参照)。
ですから、阿弥陀如来の第26願と第41願は、南無阿弥陀仏と唱えることによる阿弥陀如来様の神通力による凡人の病気を治すという現世利益であると考えられます。

織田隆弘大僧正の真言密教の方法と、巽先生の「般若心経(大明呪)+観音経(南無観世音菩薩)」の方法は、『如来への祈りによる加持により治ると信じる』という基本的部分は同じであり、達成できる成果も同じであると思われます。


(c)高野山真言宗の織田隆弘大僧正も観世音菩薩様を重視
南無観世音菩薩という真言に関しては、巽先生と同様に高野山真言宗の織田隆弘大僧正も、この真言を唱えることによる観世音菩薩(正法明如来)による加持の価値を認めて観音力に関する著書も書いておられ、私も読んでいます:
『観音開運法―実体験が明かす「念彼観音力」の不思議! 新書 – 2006/12 織田隆弘(著)』

密門会サイトの観世音菩薩の関連記事は、以下のものがあります
・「観音開運法」復刊、平成19年1月、織田隆深
http://mitsumonkai.na.coocan.jp/prefaces/preface200701.html
・南無観世音菩薩、平成22年6月、織田隆深
http://mitsumonkai.na.coocan.jp/prefaces/preface201006.html
・観世音菩薩、我となり、我を救いたもう、平成26年6月、織田隆深
http://mitsumonkai.na.coocan.jp/prefaces/preface201406.html

(d)真言密教の方法を身につけるのは時間的・金銭的に困難
織田隆弘大僧正の方法は密教ですから、著書には公開せずに秘密にされている部分があり、出版物から秘密の部分を把握することはできません。

実際に身につけるには、密門会の会員になり実技講習会を6回程度受けて、実技を直接伝授してもらわないとできるようにはならないだろうと『真言密教の奇跡―ガンも加持で治る(中山道治著)』に書かれていますので、普通の人が直ぐに簡単にできる方法ではありません。
(密門会の講習会の概要は、例えば織田隆弘大僧正の著書『同体大悲』に紹介されています)

ちなみに、私のように密門会の講習会が開催される東京・大阪から遠い地方に住んでいる者が講習を6回受けるとして試算すると、交通費や宿泊費なども含めると60万円近い費用と6年間余りの年月が必要になりますので、仕事に従事しているサラリーマンでは日程調整が難しく簡単に習得できるものではありません。
この状況では今直面している苦しみを自分で直ぐに解消することはできず、真言密教の能力のある僧侶に加持を依頼することになり高額なお布施が必要です。
真言密教の有能な僧侶が近くにおられれば良いのですが、私の住んでいる地域には真言宗の僧侶はおられません。


(e)真言密教の僧侶による加持には多額の費用がかかる
密教の真言宗などで僧侶が加持(加持祈祷)を行って、加持の依頼者である病人の病気を治す場合は僧侶へのお布施が必要です。
ある本によれば、1回の加持祈祷では5千円から3万円程度、長期加持の場合、1ヶ月間の加持の契約で3万円、1年間長期契約で24万円と書かれていますが、僧侶によって金額は大きく異なり、僧侶による長期加持にはかなりの金額の金がかかります(総額で100万円程度になる場合もあるそうです)。

エミール・クーエ氏の自己暗示でも実行期間は3ヶ月程度かかるものがあると本に書かれていますし、巽先生の大明呪でも、難しいものは3ヶ月から1年程度かかるものもありますが(これらの方法で直ぐに治る場合もあります)、これらの方法は自分が実行するものであり、僧侶の加持に対するお布施はありませんから金はかかりません。
(神戸の直道会で行われている般若心経の講座を受講される場合の現在の受講料金は私の方では分かりませんので、直接お問い合わせになって下さい)

(f)遠距離でも作用
真言密教では、遠く離れた場所、例えば東京から遠く離れた四国にいる人でも、僧侶による加持により病気が治る例が報告され、加持には距離は関係ないと織田隆弘大僧正の著書に書かれています。

巽先生たちのグループは、写真フィルムを感光させる念写を研究されました。
念写に関しては、直道会関係者の原田君事氏のサイトをご覧ください。
昭和55年7月19日の東京直道会・羽村栄園氏による念写では、神奈川県から兵庫県養父郡八鹿町”豊楽寺”への遠隔念写が行われています。
この2地点は、直線距離で約450km離れています。
想念が約450kmも離れている遠距離でも届き、写真のネガを感光させるエネルギー・力を持つ証拠です。
この証拠は、真言=言葉=想念が遠く離れている人や物に作用する力があることの証拠になると思います。

巽先生の大明呪では、行方不明の人を呼び寄せたりした例が数多くありますので、大明呪が遠隔地に作用することは証明されています。


(g)一般人は般若心経の大明呪だけで十分でしょう

(g1)密教の僧侶ではない一般の者には般若心経の大明呪だけで十分
私が読んだ織田隆弘大僧正の加持の本は10冊だけですから、全てを読んでいるわけではありません。しかし、織田隆弘大僧正の加持をまとめた本には、般若心経の大明呪を使用した呪文(真言)は全く書かれていませんので、真言密教の加持には般若心経の大明呪は使われていないと思います。
他の宗派と同様に、般若心経それ自体を唱えることは行なわれていますが、大明呪を使った加持は行なわれていないと思われます。他の宗派と同様に、真言密教でも空と大明呪は正しく解釈されていないと思われます。

我々のような在家の仏教研究者の場合には、お釈迦様が地球市民の苦の解消のために説かれて一般に公開されている「顕教」の大乗仏教の範囲内で、般若心経の大明呪(巽先生の方法によるもの)と、南無観世音菩薩という真言を唱えることによる観世音菩薩による加持で十分であると考えられます。

般若心経の大明呪は、お釈迦様や観世音菩薩(正法明如来)様により般若心経や大般若経で「無上呪」「無等等呪」と説かれ、これは「これより上のものはない呪文」「これに比べられるものはないほど優れた呪文」という意味であり、最も優れ最も強力であることが如来により保証されています

また、大明呪は「能除一切苦(全ての苦しみを取り除く能力を持つ)、真実不嘘(真実であって嘘ではない)」とお釈迦様や観世音菩薩(正法明如来)様により保証され、現実的な効果(現世利益)を生み出します。
このため、密教の僧侶ではない一般の者には般若心経の大明呪だけで十分であると思われます。
(詳しくは、ブログ記事『想念の力: 一切の苦しみを除く般若波羅蜜多「大明呪」の調査』を参照。補足1に要約を記載)

大明呪に関しては、巽先生の著書とサイトをご覧になれば実行方法が書かれており、直ぐに誰でも実行できます。
多額の金や長い年月の特別な修行は全く必要ありません。
3歳の子供でも直ぐに実行可能です。むしろ子供の方が素直で肉体の細胞の復元力も強いため、早く成果を出せます。年齢が高いと、人体の細胞の復元力が弱体化しているため、修復に時間がかかります。


(g2)第三者の祈りによる効果
真言密教の加持は、病気になっている本人ではなく、他人である僧侶が金銭的な報酬をもらって祈って治す方法です。

巽先生の方法は、病気の場合は原則として病人本人が大明呪を行じます。
しかし、家族、つまり配偶者や子供などが行じて治った例もあり、著書『実践・般若心経: 大明呪の活用法』の第5章に紹介されています。

重松昭春氏の著書『無明の闇を照らす般若心経』p.189でも、重松氏の般若心経の講演を聞かれた息子さんが母親の肺癌のために大明呪を行じることにより、母親の末期の肺癌が治癒した例が紹介されています。
これは、真言密教の僧侶が仲介者として加持を行なう場合と同じ構図であり、真言密教と大明呪が基本的には同じメカニズムで効果を出していることの証拠であると思われます。

ノーベル賞受賞者のアレクシス・カレル医師のフランスのルルド(キリスト教の聖地、病気の奇跡的治癒で有名)に関する報告でも似たような例があります(キリスト教の治病に関しては(B)キリスト教を参照)。

重松昭春氏の著書『無明の闇を照らす般若心経』p.191人間 この未知なるもの「奇蹟は実在する」には、アレクシス・カレル医師の言葉が書かれています:

「この現象(注: 病気の治癒)が起こるのに欠かせない条件としては、祈りがあるだけである。しかし、患者自身が祈る必要はないし、宗教的信仰をもつ必要さえない。その病人のまわりの誰かが祈りの状態になるだけで十分である。
この事実には深い意味がある。それは心理的な働きと肉体の働きの間には、まだ本質がわからないある関係が現実に存在することを示している。」

アレクシス・カレル医師は
「必要なのは祈りだけ。患者本人が祈らなくて良い、患者本人の宗教的信仰はいらない。病人の周囲の誰かが祈りの状態になれば十分である。」
と述べており、真言密教や大明呪による治癒と同じ現象がキリスト教の聖地ルルドでも起きていることが分かります。
このように、真言密教、般若心経の大明呪、キリスト教は同じメカニズムで病気の治癒を起こすと考えられます。

アレクシス・カレル医師が、「それは心理的な働きと肉体の働きの間には、まだ本質がわからないある関係が現実に存在することを示している」と述べているように、現代科学は、心の作用に関して解明していない部分があり、その部分は仏教やキリスト教に説かれている部分であると思われます。


(B)キリスト教との対比

キリスト教の聖書にはイエス・キリストと弟子が非常に数多くの病気を治した例が記録されています。
例えば、マタイによる福音書には次のように書かれています:

『4:23イエスはガリラヤの全地を巡り歩いて、諸会堂で教え、御国の福音を宣べ伝え、民の中のあらゆる病気、あらゆるわずらいをおいやしになった。
4:24そこで、その評判はシリヤ全地にひろまり、人々があらゆる病にかかっている者、すなわち、いろいろの病気と苦しみに悩んでいる者、悪霊につかれている者、てんかん、中風の者などをイエスのところに連れてきたので、これらの人々をおいやしになった。
4:25こうして、ガリラヤ、デカポリス、エルサレム、ユダヤ及びヨルダンの向こうから、おびただしい群衆がきてイエスに従った。』

巽先生や織田隆弘大僧正の治病の方法は、イエス・キリストの次の教えを思い起こさせます。

マルコによる福音書
『11:22イエスは答えて言われた、「神を信じなさい。
11:23よく聞いておくがよい。だれでもこの山に、動き出して、海の中にはいれと言い、その言ったことは必ず成ると、心に疑わないで信じるなら、そのとおりに成るであろう。
11:24そこで、あなたがたに言うが、なんでも祈り求めることは、すでにかなえられたと信じなさい。そうすれば、そのとおりになるであろう。』

マタイによる福音書
『7:7求めよ、そうすれば、与えられるであろう。捜せ、そうすれば、見いだすであろう。門をたたけ、そうすれば、あけてもらえるであろう。
7:8すべて求める者は得、捜す者は見いだし、門をたたく者はあけてもらえるからである。
7:9あなたがたのうちで、自分の子がパンを求めるのに、石を与える者があろうか。
7:10魚を求めるのに、へびを与える者があろうか。
7:11このように、あなたがたは悪い者であっても、自分の子供には、良い贈り物をすることを知っているとすれば、天にいますあなたがたの父はなおさら、求めてくる者に良いものを下さらないことがあろうか。』

キリストのこの教えは、
『神を信じ、神になんでも祈り求めることは、すでにかなえられたと信じなさい。そうすれば、そのとおりになるであろう。』
『求めよ、そうすれば、与えられるであろう。・・・天にいますあなたがたの父はなおさら、求めてくる者に良いものを下さらないことがあろうか。』

という内容ですが、これは、キリスト教の「神」「天の父」を、仏教の「大日如来」や「阿弥陀如来」に置き換えれば、織田隆弘大僧正の方法そのものだと思われます。
「観世音菩薩」に置き換えれば、巽先生の方法そのものです。

私が調査したように、仏教の「空」はキリスト教の「天の父」に相当しますから、大明呪は「空」すなわち「万物の創造主」「宇宙の英知」=「天の父」に祈り求めることになり、大明呪はキリストの教え「求めよ、そうすれば、与えられるであろう」の実践のための呪(真言)を教えていると私は考えています。
もちろん、与えて下さり、願いをかなえて下さるのは、「空」すなわち「万物の創造主」「宇宙の英知」=「天の父」であり、これは他力であると思います。

このように、病気の治癒などの願望成就の観点では、大乗仏教(般若心経の大明呪)、真言密教、キリスト教は同じメカニズム、つまり神仏による加持(他力)であり、それは同時に、物理的に実在する「宇宙の英知」が人の祈りをかなえる力を持つことを示していると思われます。


注意1: 仏教に見られる心霊主義

仏教や密教の僧侶の中には心霊主義を信じている人も非常に多く存在します。
この点が仏教関連の学者や僧侶の本や記事を読む際に注意すべき点です。
心霊主義は誤りであると私は考えていますから、そのような説明を受け入れるつもりはありません。



注意2: 密教は仏教なのか?

(1)釈尊は全てを公開された
中村元「仏教入門」春秋社(1991)には、次のように書かれています。

『釈尊が雨季の定住に入られたとき、恐ろしい病いが生じ、死ぬほどの激痛が起こった。
けれども釈尊は、禅定に入ってこの激痛を耐え忍ばれました。
アーナンダは釈尊に近づいて最後の説法を懇請しました。すると釈尊は説かれました。
「アーナンダよ。修行僧らは私に何を期待するのであろうか。私は、内外の区別なしにことごとく法を説いた。まったき人の教えには、何ものかを弟子に隠すような、教師の握りこぶしは存在しない」
すべて自分の知りえたこと、さとったことは、すでにみんなに伝えてあるというのですね。経典の他の個所にも出ていますが、釈尊の教えは日月のごとく輝いている。あらゆる人を照らす、普遍宗教になっているのです。ヴェーダの宗教、ウパニシャッドの哲学がごく一部の限られた人々に伝えられたのと、この点でまったく異なっています。』

釈尊は、地球世界から去られる前に、自分の知りえたもの、悟ったものは隠さずに全て弟子に伝えたと言われましたので、釈尊の全ての教えは大乗仏教までの顕教の経典に書かれており、秘密にされているものはないはずです。
しかし、密教は、基本的に秘密教であり、一般大衆や密教以外の宗派には秘密にされて隠されており、密教の僧侶が師から弟子に伝えるものです。
この点で、釈尊の全ての教えが経典に公開されている大乗仏教と、秘密にされている密教の間に矛盾が生じています。

釈尊の教えで秘密にされているものはないはずですから、本来、釈尊の教えである仏教では、密教という秘密の教えは存在できないはずです。
しかし、現実には密教という秘密教が作り出されており、これは全てを隠さずに公開するという釈尊の意志とは全く違うものですから、密教は本来のお釈迦様の教えである仏教から逸脱している部分があります。


(2)釈尊の説かれた仏教と密教の整合性
密教に関しては、仏教が成立してかなり時間が経過した後に成立したものであり、仏教とは様相が異なり、両者の連続性の根拠が分かり難く、両者の整合性をとるのは困難です。
つまり、密教は本当に仏教なのか、仏教以外のインドの土着の宗教との混合物ではないのかという疑問があります。

この点に関しては、和歌山県海南市の長保寺(天台宗(密教))の僧侶の方が『密教は仏教なのか』という解説を下記のアドレスに書かれていますので関心があればご覧になって下さい。
非常に興味深い解説です。
http://www.chohoji.or.jp/blog/2006/01/blog-post_29.html

備考:
①長保寺は、和歌山県海南市下津町にある天台宗(密教)の仏教寺院。山号を慶徳山と称する。本尊は釈迦如来、開山は性空である。三棟の国宝建築と紀州藩主紀州徳川家歴代の墓所がある寺として知られている。
②ただし、この記事には誤りがあります。この記事には「釈迦牟尼如来を毘盧遮那遍一切処と号す 無量義経が根拠とされている」と書かれていますが、これは無量義経ではなく仏説観普賢菩薩行法経に「その時に空中の声はすぐにこの言葉を説くだろう。釈迦族の聖者の如来を毘盧遮那遍一切処と名付ける。」と書かれています。

兵庫県尼崎市の日蓮宗の広済寺(近松門左衛門の墓のある寺)のホームページには、「密教とは」という記事があり、密教成立の過程、大乗仏教との対比、密教の秘密性の問題点がまとめられています。
http://www.kosaiji.org/Buddhism/mikkyo.htm


(3)マントラ・ヨーガの影響
空の理法を解説された重松昭春氏が参考書として推薦されている沢辺悟明・沢辺恭一(著)の「仏陀が説かれた真理―付 才能開発法(仏陀の教説の実生活への活用例)」(三学出版(1983/01))のp.249には、
インドのヨーガの後期ヨーガには、
『マントラ・ヨーガ: マントラ(呪文の誦唱)とムドラ(手印による祈念術)によって超能力を会得し、超能力会得によって解脱し得るとする流派』
があることが書かれています。
マントラと印の使用は、密教では最も基本的な行法ですから、密教はインドのマントラ・ヨーガに類似していると考えられます。

インドの宗教のヨーガと釈尊の説かれた仏教ヨーガの類似点と相違点に関しては、沢辺悟明・沢辺恭一(著)の「仏陀が説かれた真理―付 才能開発法(仏陀の教説の実生活への活用例)」のp.247以降にまとめられていますからご参照下さい。
釈尊入滅後には、インドの仏教以外の宗教の信者であった人が仏教の僧侶になり、これらの宗教の考えが仏教に入り込んで混乱を引き起こしている実態も沢辺氏の著書にまとめられています。


(4)占星術の混入
インドのヨーガやヴェーダでは占星術を使用し、人の健康や運命などを占い、インド社会では今現在も行なわれ、結婚や重要な決定を占星術に基づいて行なう場合も多いと言われています。
インドで生まれた密教には密教占星術がありますから、インドの占星術が密教に流入しているのは明らかです。
釈尊は、五蘊と十二因縁により人の性質や生活、苦などを説明されており、星の運行に基づく占星術は説いておられませんから、この点でも密教と釈尊の説かれた仏教は大きく異なっています。

日本では1994年頃~2000年頃にかけて、様々な物の物質化を売り物とし、バガバン(サンスクリットbhagavān、意味は「如来」「神の化身」)と称するインド南部のヴェーダ系の人物のブームが、日本のテレビを中心としたマスコミの派手な宣伝により作り出されました。
ある日本人の書いた数冊の本がマスコミで派手に宣伝されてベストセラーに祭り上げられ、出版物だけで総額10億円くらいの金儲けに利用されました。
その中にはインド占星術による予言も含まれていました。しかし、その本の著者に関するインド占星術の予言は、完全に外れたことが約10年後に知られています。
また、アメリカのレーガン大統領がホワイトハウスにお抱えの占星術師(西洋占星術)を置いていたことは良く知られています。
このように占星術は、世界中で使用されていますが、釈尊は占星術を説いておられませんから、私は占星術を全く信用していません。


(5)密教の問題点のまとめ
密教の問題点は以下のようなものがあると私は考えています
(a)密教には秘密にされている部分があり外部の者には調査不能な部分がある
(b)釈尊の教えは全て公開されており、秘密教の密教と釈尊の説かれた全公開の仏教の間には矛盾がある。釈尊の教えから見れば、本来密教は存在できないのではないか。
(c)密教が秘密にしている理由と目的が不明であり、何が隠されているのか分からないという疑念が伴う
(d)釈尊が説かれていない占星術が密教に含まれている
(e)一部のマニアックな学者が賞賛している後期密教のチベット密教では、性的な力を強調した教えや奇怪な仏像・仏画が作られ異様な様相を呈しているため、後期密教に対する信頼性を持つことはできない
(f)日本でも性的な力を強調した真言立川流が存在していたとされている(詳細な記録は不明)
(g)密教が暴走するとチベット密教や真言立川流になってしまうと推定される
((e), (f), (g)に関しては、織田隆弘大僧正も著書で批判的な論説を書かれており、中期密教の真言密教の健全さを説いておられます)


(6)庶民に人気のある弘法大師 空海
日本で真言密教に人気があるのは、南無大師遍照金剛という祈りの言葉を唱えたり、四国のお遍路めぐりをする人が多いことから分かるように、弘法大師空海の伝説が大きく関わっているようです。
私が子供の頃に住んでいた地域は、寺は浄土真宗の寺しかない地域でした。
しかし、現実にはそれだけではなく、地域のある山には、弘法大師空海を祀る大師堂があり、年に一度遠くから真言宗の僧侶を招いて加持の儀式が行われていました。
私も祖母に連れられて何度か行ったことがあります。
その地域のお年寄りは南無阿弥陀仏と唱えると同時に、浄土真宗の信者であるにもかかわらず、仏壇の阿弥陀如来像に向かって真言宗の南無大師遍照金剛と唱えておられました。
このように現世利益を否定する浄土真宗の地域でも、一般市民は弘法大師空海を信仰しており、空海は信頼されていました。
また、近くの山には観音堂があり、観世音菩薩が祀られていましたし、大師堂の隣には50体近い地蔵菩薩が祀られていました。
観世音菩薩と地蔵菩薩は、現世利益を授ける菩薩であり、浄土真宗では無視している菩薩(如来)です。
これらは浄土真宗が否定する現世利益を求める地域住民が作っていたものであり、浄土真宗に不満足な人たちが独自に信仰していた証拠です。
一般民衆は、現世利益と浄土往生の両方を求めているのであり、そのことを良くご存知の釈尊は、両方を授ける経典を説かれているのです。
真言密教の将来に関しては、秘密結社的な秘密性をいつまで続けるつもりなのか私には分かりませんが、公開していただかないと内容を理解できないので一般人ではどうすることもできません。



補足1: 想念の力: 一切の苦しみを除く般若波羅蜜多「大明呪」の調査

(A)大般若経は、般若波羅蜜多(彼岸に渡る、つまり願いをかなえ苦しみを解消し涅槃するための如来の智慧)を次のように述べている:
(1)大神呪 (偉大な神というべき呪文)
(2)大明呪 (この世を生きていくための偉大な本格的な智慧の呪文)
(3)無上呪 (これより上のものはない呪文)
(4)無等等呪 (これに比べられるものはないほど優れた呪文)
(5)一切呪王 (一切の呪文の王様)
(6)呪王 (呪文の王様)
(7)大呪王 (偉大な呪文の王様)
(8)大神呪王 (偉大な神というべき呪文の王様)
この内、(1)~(4)は般若心経にも書かれているが、(5)~(8)は大般若経のみに書かれている。

(B)大般若経は、この大明呪を次のように絶賛している:
(1)最尊最勝: 最も尊く、最も勝れる
(2)最上最妙: 最上で、最も不思議なまでにすぐれている
(3)無能及者: その能力は及ぶものは無い
(4)具大威力 能伏一切: 大威力を具え、仏法の力で一切を服従させる力がある
(5)不爲一切之所降伏: これを防ぎ抑えることは一切できない
(6)威神力: 諸仏が目に見えない形で私たちの仏道の歩みを手助けする力、覚りを実現(経験)させるために働きかけてくる力

(C)大明呪の安全性に関しては次のように大般若経は書いている:
(1)不爲自害、不爲他害、不爲倶害
自らに害をなさず、他に害をなさず、ともに害をなさず
(2)能除一切惡不善法、能攝生長諸善法
全ての悪と縁起の世界の良くない存在物を除く。全ての縁起の世界の良い存在物を取り込み生長させる。

補足:般若心経によれば、この呪の実行により、一切の苦が解消し、菩薩が涅槃され、仏陀が無上正等正覚を達成される。

(D)大般若経には大明呪の実行方法「掲諦 掲諦 波羅掲諦 波羅僧掲諦」は書かれておらず、般若心経にのみ書かれている。

(E)般若心経は、般若波羅蜜多である大明呪の実行方法を教えるという特別な位置づけをされており、仏教の核心中の核心である。
補足: 大明呪は、般若心経では一般形「掲諦 掲諦 波羅掲諦 波羅僧掲諦」で書かれており、個々の事例にあわせて変形して使用する。例えば病気を治す場合には「治る、治る、きっと治る」、何かをやりたい場合には「できる、できる、きっとできる」。この真実は、巽直道先生により発見され、60年余りに渡る膨大な事例の実績がある。

以上

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