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Meister von Grünfelder

日々の出来事を綴ります。たまにまともなことも書くかも知れません。

脅迫 threatening

2004-01-01 01:54:00 | Poesie
 愛することに慣れ過ぎたボクを叱ってくれ、  それすらも甘えであることを悟らないボクは、  愛を受けることが当然だと思っているくらい傲慢で、  キミの気持ちを考えている、  そう言うことが免罪符になると信じている。 . . . 本文を読む

陽射し dawn to dusk

2004-01-01 01:53:00 | Poesie
 陽光に覚醒を妨げられ呻く、  睡眠という安らぎから遠ざかる苦しみに、  死から生に立ち戻る哀しみに。  射干玉に蠢くものとの戯れは斯くも楽しく、  今宵も寒空を駆け競う。 . . . 本文を読む

顔がない faceless

2004-01-01 01:52:00 | Poesie
 朝起きてシャワーを浴びて気付いた、  腹も胸も腕も肩も胸も鏡に映っているけれど、  ボクの顔だけが映っていない。  心配なので病院に行こうとドアを開けると、  ボクの顔を近所のネコがくわえていた。  あ、とこちらをちらと見て走り去るネコを  追い掛けようとしたけれど、  冬の寒風に諦めることにした。  まあいい、  顔が無くてもキミならボクだって分かるさ。 . . . 本文を読む

シズク wATERdROP

2004-01-01 01:51:00 | Poesie
 さっきまで激しく降っていた雨も、漸く降り止んだ。  道路にもボクの鎖骨にも、たっぷり雨がたまった。  そろそろ雨が上がる頃かと思っていたら、  さっきまで降ってきていたシズクがひとつぶずつ、  空に向かって上がって行く、  まるで時間を巻き戻しているかのように。  気が付いてみると、  雨はすっかり上がっていた。 . . . 本文を読む

無能感 not potential

2004-01-01 01:50:00 | Poesie
 ダメだ、ダメなヤツだ、と言われ慣れると、  気が付けばゴメンなさい、と謝っているボクがいる。  すると、卑屈なヤツだ、とまた罵られ、  ゴメンなさい、とボクもまた謝る。  謝って通り過ぎるなら楽勝さ、と  ボクは一人ほくそ笑む。 . . . 本文を読む

争い conflict of trifle

2004-01-01 01:49:00 | Poesie
 石ころに躓いた奴がいて、  奴は結局自らを殺めることになる。  転んだのを笑った本屋が悪かったのか?  定食の肉を少な目にした調理師の悪意か?  早めに帰宅すると浮気していた妻への愛か?  確実なのは石ころが全ての原因だということ。  石ころは何故、そこにあったのか?  神のみぞ知るというのならば神を呪おう、  奴は最期にそう言ったのさ。 . . . 本文を読む

空虚な日 code V

2004-01-01 01:48:00 | Poesie
 為すべきことを全て為したボクは待ち続けた、  もう夢で指令を受けることもないだろう。  待ち遠しいような気もするし、  このままで良いという気もする、  何かを待っている気もするし、  その実何も待ってはいない気もする。  こうして待っているのが無駄な気もするし、  唯こうして満ち足りている気もする。 . . . 本文を読む

紫 code M

2004-01-01 01:47:00 | Poesie
 紫を掴みなさい、夢でそんな指令を受けた。  ボクは青を目にすることができたし、  赤を耳にすることもできたので、  朝飯前さ、紫を作ればいいんだから。  ところが取り掛かろうとして、はたと思い当たった、  青を手に取ることもできない、  赤を水に溶かすこともできない、  どうすれば青と赤とを混ぜられるのだろう?  初心に返って、青を見に行った。  新鮮な気持ちになって、赤を聴きに行った。  長い . . . 本文を読む

赤 code R

2004-01-01 01:46:00 | Poesie
 赤いものを耳にしなさい、夢でそんな指令を受けた。  それはなかなか難しいもので、  小鳥の囀り、歩む靴音、自動車の走行音、みんな赤とは違う音だ。  困り果て、ぼう、と放心していたら、夕日は赤かった。  夕日の音が聞こえるだろうか、  ボクは耳を澄ませて聴いていた。 . . . 本文を読む

青 code B

2004-01-01 01:45:00 | Poesie
 青いものを目にしなさい、夢でそんな指令を受けた。  それはなかなか難しいもので、  唇、鏡、トマト、ネコ、バラ、みんな青とは違う色だ。  困り果てて天を仰いだら、空は青かった。  そしてボクは旅に出た、青に囲まれる為に。  空と海の青に囲まれる為に。 . . . 本文を読む

本 fastened sheets

2004-01-01 01:44:00 | Poesie
 一枚の紙がある。  絵を描いたり、字を書いたり、印刷したり、  色々なことが出来るのが彼の自慢だけど、  たくさん集まってもやっぱり紙だ。  そんな紙が集まって束ねると本になる。  もう紙じゃない、本だ。  独りぼっちのときと違うことができた。  新しいことができるのが嬉しいけれど、  何よりも、みんなと一緒で気持ちが温かいんだ。 . . . 本文を読む

パーツ parts of my body

2004-01-01 01:43:00 | Poesie
 ボクの口はキミにキスもするけれど、人に唾を吐き掛けもする。  ボクの手は優しく撫でることもあるけれど、人を殺しもする。  ボクの眼は光を受けることもあるけれど、人を睨みもする。  誰だって自分の意にそぐわないことに合うものだけれど、  それが直接なら敏感で、間接なら鈍感なのが人間さ。 . . . 本文を読む

飛行訓練 training days for the sky

2004-01-01 01:42:00 | Poesie
 山の上を影がよぎると、鳥たちは一斉に飛び立つ、  飛ぶものの矜持を高々と掲げ飛び去る巨大な金属の鳥に、  いつの日か自らが追い越すことを夢見て、  風を切って突き進む一番手になろうと力を付けている。  今日こそはと意気込み果敢に挑戦するものは、  何処までも追い続けて力尽き、  だがどこか満足し、羽ばたきを止めて墜ちる。  不幸にも力尽きず山に帰り着いたものが、  弛まぬ努力を続けるものたちに冷 . . . 本文を読む

吊り橋 suspension bridge

2004-01-01 01:41:00 | Poesie
 絶壁に、長い吊り橋が架かっている。  とても不安定な橋で、風が吹けばぐらぐら揺れる。  誰かが渡って行くのを止めたければ簡単なこと、  此方から橋を断てばおしまいさ、  渡っていた奴はもうどうでも良いのだから。  誰かが渡って来るのを止めたければ簡単なこと、  彼方から橋を断てばおしまいさ、  渡っていた奴はもう戻って来られないけれど。  断崖絶壁に掛かる橋に限って、吊り橋だ。 . . . 本文を読む

理由らしい reasonable reason

2004-01-01 01:40:00 | Poesie
 小さい頃から、ボクは天の邪鬼だった。  ああ言えばこう言い返し、人を困らせる、  それはちょっとした楽しみだった。  そんなことが楽しいのかと尋かれれば、  今のボクには分からない。  きっと楽しかったのだろうと思う。  今ではすっかり大人になったボクは、  どうしてと尋かれると、正直に答えられない。  誰もが納得する理由を考えて、言うだけさ。  そうすれば、みんな安心するだろう? . . . 本文を読む