境界線を越えたら、楽になるのだろうか。
越える勇気も勢いも足りないまま、
境界線に沿って進んでいくと、
他の境界線と交わるところに辿り着いた。
この点は、どこに繋がっているのだろうか? . . . 本文を読む
外の方が中よりも明るければ、
外界の景色がはっきり視える。
内の方が明るくなれば、
自分の内面がはっきり感じられる。
外界を視ているのがボクならば、
内界を視ているのは誰だろう?
キミなのか、
それともボク自身なのか。 . . . 本文を読む
美しいものを眺めるのが大好きなボクは、
勿論美しいものに憧れ、その在り様に憧れる。
何故、美しいものに憧れるのか。
自分が美しくなることの代償ではなく、
美しいものは矢張り美しい、と、
ボクにも信じさせてくれるものがある、と、
確信する為。 . . . 本文を読む
道が混んでいるなら、みんながいるってことだ。
だからって、それを選ぶのは変だ。
道が空いているなら、通り易いってことだ。
けど、良いところはそれだけかも知れない。
ボクか、或いはキミか。
道を決めるのは、誰か? . . . 本文を読む
ある朝目覚めると、ボクは半分になっていた。
カフカも驚くくらいの突然。
そこで半分になったボクは、何処かに行ってしまった半分を探しに行くことにした。
何故、探すのかって?
理由なんて要らないさ、必要だから探すんだ。
ともかく、そんなわけで、ボクはあちこちを探し廻った。
ボクの行きそうなところを、ボクの行かなそうなところを。
長い間探しても見付からず途方に暮れたボクに皆は、新しいのを . . . 本文を読む
現実の自分が如何に低くとも、
手を伸ばすことが肝心だ。
理想の姿が遥かに高くとも、
上を見続けることが大切だ。
手を伸ばして跳躍すれば、
見上げても届かないあの空にも。
思い切り飛び上がれば、
天高く輝くあの星たちにまで。 . . . 本文を読む
黙々と、
唯黙々と働く姿は美しい。
人間の為すことに過ぎないそれに、
人以外の何物かの力を感じ、
ボクは唯畏敬する。
人は自然の一部であり、
自然もまた人の一部である。
自然を司ることとはつまり、
自身を司ることでもある故に、
唯ひたすらに淡々と働く、
その姿に美しさを覚える。 . . . 本文を読む
アナタがボクに掛けた言葉は、
深く深く、ボクの心を縛り付ける。
脆弱な心はその戒めを解くこと適わず、
心が凍り付く様を他人が眺めるかのように、
唯眺めることしかできない。
誰が溶かしてくれるのだろう?
ボクはいつ、内から溶かすのだろう?
逃れられない熱量が欲しい、
絶対的なルクスで照らし出して欲しい。
誰か、 . . . 本文を読む
訳も無く、涙が零れることがある。
何故だろうかと訝しく思い、
心の深奥まで理由を探しに行く。
何も無いように見えて心の奥には、
鋭い棘が、深く深く刺さっている。
棘は細く、表の傷は治っているから、
刺さったことも忘れているのだ。
その棘はボクを蝕み、
ゆっくり殺そうとする。
しかし目を遣ることで、
霜が陽射しを浴びるように、
棘はゆっくり、ゆっくり溶けていく。 . . . 本文を読む
心地良い疲労感がボクを包み込み、
春の陽射しが彼方へと意識を誘う。
悪魔の誘惑か、天使の誘いか、
砂人がボクの目を狙ったものか。
考える暇も無く急速に、
ボクは安らかな眠りに落ちる。 . . . 本文を読む
窓に月が映っている、
美しく煌々と光る月が。
その輝きは美しいけれど、
幾ら追い掛けても絶対に掴めない。
まるで幻想のようだけれど、
確かにそこに存在する。
真っ直ぐ追ってはいけないものもある、
真っ直ぐ追っているだけでは。
旅人はオアシスを真っ直ぐ求めるが故、
蜃気楼に惑わされるのだから。
月に到達した人は、
やはり地球は青かった、と言った。
大地の上で幾ら渇望しても、 . . . 本文を読む
軽い気持ちで腰掛けるキミは、
自分の座る椅子が小さな、
小さな悲鳴を上げることを知らない。
勢いよく座り込むキミは、
質量よりもその運動量が破壊的で、
椅子が捻れ捩れることを知らない。
無自覚なその振る舞いは、
いつの日か椅子を粉々に砕き、
幽鬼の如く新たな犠牲を求め彷徨う。 . . . 本文を読む
大切な人以外はどうでも良かった。
だから、何でも受け入れられた。
大切な人ができてボクは我が儘になった。
自分のことを受け入れて欲しい、
そんな思いは素敵なことだけれど、
その気持ちが強過ぎて相手を受け入れない、
ボクのそんな愚かさはあの人を窮屈にした。
今のボクなら、キミを受け入れられる。
今のボクなら、あの人を受け入れられるだろうか。 . . . 本文を読む