福沢諭吉の著書「学問の教え」の中に「世話の字の義」なる項目あり。福沢先生曰く、世話の字に二つの意味あり、一つは保護の義なり、一つは命令の義なり。保護とは人の事に付き傍らより番をして防ぎ護り、あるいはこれに財物を与えあるいはこれがために時を費やし、その人をして利益をも面目をも失わしめざるように世話をすることなり。命令とは人のために考えて、その人の身に便利ならんと思うことを指図し、不便利ならんと思うことには意見を加え、心の丈を尽くして忠告することにて、これまた世話の義なり。
上記のように、先生は、「世話をすること」をこのように定義して、世話をしていたのであろう。