『一枚の絵画と詩』
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『牛乳を注ぐ女』1658~60年
ヨハネス・フェルメール(1632~1675)
今回、フェルメールについて調べていて、光の画家、光の魔術師といわれるフェルメールのポワンティエ(点てい技法)やフェルメール・ブルーといわれる青色について知った私です。
そんな、実際の絵に接したことのない私が、フェルメールについて語るのはおこがましいですが、デスプレイを通してみることが多い現代、フェルメールの絵は一枚の写真のようです。
でも、この一枚の絵 『牛乳を注ぐ女』の1660年のオランダのとある建物の中の一室の出来事の迫真のリアリティには、目を見張ります。
フェルメーは妻カタリーナと11人の子供との生活は大変だったと思うのですが、フェルメールにとって一枚の絵を描くとは、「絵画とは、単なる技巧ではなく、さまざまな知識をもとに現実をより昇華したものとして表現する崇高な仕事である」と。
『一枚の絵画と詩』のすべての画家に言えることではありますが、万物に対する愛の現れがこの『牛乳を注ぐ女』のように、見る者を至福な世界に誘うのでしょう・・・・。