風車ビルだより

今は風車のない風車ビルからの風だより

年の瀬

2009年12月30日 | 全般
今年もあと今日をあわせても二日。
来年はどんな歳になるのか。

画像はJR福井駅東口。高架は<いつか来るはず>の新幹線の高架になるはずのもの。いったいいつの間にこんなものが出来ていたのか。個人的には北陸新幹線は不要だと思っているのだけれど、、、、これもいったいどうなるのだろう?

夕べは会社の忘年会。今日二人帰省して吉野寿司へ行った。

「通訳ダニエル・シュタイン」 by リュドミラ・ウリツカヤ

2009年12月23日 | 本/映画
今年読んだ本で小説を読んだという気になったのはこの「通訳ダニエル・シュタイン」とベルンハルト・シュリンク 「朗読者」と「帰郷者」だ。どっちも新潮クレスト・ブックスだった。
リュドミラ・ウリツカヤはロシアの作家である。 10代のころには随分と<ロシア文学>を読んだ気がする。ドストエフスキー、トルストイ、ゴーリキー、ゴーゴリ、ショーロホフ、チェーホフ、プーシキン。ビッグネームにひかれ力任せに読みまくっていたのだろう。ソルジェニツィンを面白いとは思わなかった。カラーマーゾフやアンナカレーニナをもう一度読みたいとは思えない。いま読み返してもいいかなと思うのはプーシキンくらいだ。
以来たぶん初めてロシアの作家のものを読む。

ナチが荒れ狂った東欧、ユダヤ人の青年はポーランド人になりすますうちにドイツ人将校の通訳として使われる。そこで仕入れた情報をもとにユダヤ人をゲットーから逃がす。彼もまた追われる身となるが、いくつかの幸運な偶然が彼を生かす。
戦争が終わり、彼はカトリックに帰依し神父になる。
ユダヤ人のカトリック神父、ブラザー・ダニエル、それ自体既に矛盾をはらんだ存在であるらしい
彼はイスラエルに帰還するが、イスラエルはカトリックであるためにユダヤ人として認めない。ダニエルは裁判で国と争うことになる。このあたり、アイデンティティの問題としては非常に重いはずだが、この小説は深追いしない。と言うより主人公ダニエルゆかりの人々(直接的にはほとんど関係がないといっていい人々を含む)の書簡やインタビューが万華鏡のように主人公を照らす。<藪の中>のような手法で書かれた小説だ。
<ブラザー・ダニエル>の生涯は劇的で時系列的に追ってもドラマティックな小説が出来上がるであろう。しかしこの非常に骨太な精神の人物の生はむしろ多様な人々の中でより輝くと理解した作者の慧眼があるのだろう。
ゲットーを逃れ主義に生きた女性、その娘、ドイツ人でありながらダニエルのサポートに半鐘をささげる女性(彼女はアラブ人のカトリック信者と愛し合うのだが、彼には非常に若い頃結婚した縁戚の年上の妻がいるのだ)、偏狭なロシア正教の信者、ヘブライ語で布教しようとするダニエルを認めない宗教関係者、ユダヤ主義者のテロに傷つく若者とその家族、作者自身、ダニエルの子供達への講演、と多彩な方向から照らし出される中から、小柄で輝く少年のような瞳のダニエルの根ざす方向がうかがえる。
同時に彼はどれほどの絶望を見てきたことか!その中で見た希望の原動力はなんだたのか。
この疑問は即ち、私はこれを理解しいえないということなのだ。事実私はイスラエルを、パレスティナを理解するだけの素養はない。<利権>をキーワードに紐解けばそれなりの理解は可能かもしれないのだけれど、キリスト教のユダヤ人、キリスト教徒のアラブ人、はては各セクション間の対立、ロシア正教とカトリックの相容れなさなど到底手に負えるはずのものではないのだった.

民族とは何か、信じる宗教とは何か、国家とは何かとはを問わざるを得ない生き方はしんどい。多様を認めれば済むということでもないのだろう。しかしここにはダニエルという<希望>があるのだ。

ダニエル神父は語学の才の非常に秀でた人である。それが若き日の彼をベラルーシの警察の通訳にし、ドイツ将校の秘書にした。後年、彼がアラブ語もたちまちマスターしたエピソードがあるが、単に語学の才だけでなくどこかで心をつなぐ才もある人だったのだろう、それがナチスの将校とも心通わせ生き延びた原動力なのだろう。そ後からは彼と直接接したイスラエルの人々にも大いに伝わっただろう。
<希望>を感じさせると共に絶望もまたある。彼をして希望は成し遂げられない。原初的なキリスト教の教会が彼の望みだったらしいが、それは実現しない。

世界を相手に商売するイスラエルのビジネスからは、それほどの偏狭さは感じないのは距離を置いた関係からだからだろう。どこに<地雷>があるのかはわからないのだが。

冬の若狭  河豚を食いに

2009年12月22日 | 国内旅行
みぞれが降る中で時折大粒のあられが落ちてくる。

土曜の午後から若狭町へ向かう。ここ何年か嶺南へ行く機会は増えているのだが、冬場のこの天候で行くのは初めてだ。
映画「おくりびと」で、山崎努があまりに美味そうに食っていたフグの白子、これを試そうとの企みなのだ。

南条くらいから北陸道が混み始める。路面に圧雪が残っている状態だから当然ながらスピードは出せない。ずるずると遅れていき、敦賀の手前では時速20キロ程度まで落ちた。それでも何とかストップはなく敦賀インターへ。

付近をドライブするくらいの余裕を持って出発したはずだったが、世久見についたころにはすでに日没が迫っていた。

民宿というのは当たり外れの大きいものではあるだろう。雪でキャンセルをくらったとかで、客は私たちしかいない。エアコンをかけているが部屋の中は寒く、床の間の掛け軸は何故か巻緒が前面に垂れているし、ご飯とお茶が美味しくない、など、とかく突っ込みどころが満載だったのだが、肝心の河豚はおいしかった。
というのか実はまともにフグを食べたのは初めてなのだった。
刺身は見た目は華やかだが淡白すぎる。ところがこれに熱が入ると非常にコクのある味わいになるとわかった。揚げたのも網焼きも美味かった。河豚は絞めた後二日ぐらい寝かすのだそうだ。問題の白子だが、タラの白子より脂分はない。その分旨味がある。おくりびとで食べていたのは小さいのじゃないかと、宿の人は言う。確かに食べたのはかなり大きかった。

翌朝、敦賀から下道、河野海岸を北上して帰る。

若狭町食味 海洋パーク付近






三方町気山 宇波西神社 かつては入り江に向かい非常に大きな神社だったのだという。



三方町鳥浜付近 三方湖 対岸に見える建物は縄文博物館


河野海岸 お台場跡付近から西を望む

一番手前が敦賀半島先端、一番奥は丹後半島だろうと思うのだが確証はない。

 

目立たない県の話

2009年12月17日 | 福井県
天気予報通りに初冠雪になった。12月半ばだものこんなものでしょう。

目立たない、知られていない県に福井県は常に上位にランクされるようです。
実際、石川の一部とか、福岡、福島とごっちゃにされたり、という経験はあります。
でもなじみの薄いところというのはあるもので、こっちの地理の知識も大いに怪しいものです。
先日各県にいくつかづつの項目があるはずの表を3つ統合しました。最後になって都道府県にナンバーを振ったら46しかありません。
47都道府県だったと思うのだが、46だったのだろうかと首をかしげました。北海道から沖縄まで、ざっと見なおしましたがなかなかわかりませんでした。
ひとつ足らなかった県は栃木でした。
栃木の皆さん御免なさい。小学校の時の地理のお勉強が足らなかったのでしょう。
これでは福井と福島をごちゃ混ぜにされても文句は言えない、、、、

アルベール・カーン コレクション よみがえる100年前の世界

2009年12月12日 | 本/映画
以前カーンのコレクションをテレビで紹介していたのを見たことがある。
その時は第一次世界大戦時の兵士の日常を写したものが多かったと思う。
これは、その時見た写真の多くも含み、世界各国の人々の姿を切り取った写真集である。

多様であること、多様であることが当たり前であることを人々が正しく認識すれば紛争への抑止力になるはず、というカーンは考えたらしい。そしてそれは恐らく正しいが、それだけでは足らないのだ。
現在、20世紀初頭の世界の人が思いもよらぬスピードでものすごい量の情報が駆け巡る。地球の裏側の国の街角で人々が今何をしているのかを、私たちは居ながらにして見ることができる。カーンやカーンのカメラマンたちのように世界旅行に行く必要がない。それでもそれは紛争への抑止にはなっていない.

カーンのカメラマンたちは当時のヨーロッパから見て辺境の地も歩き、奇妙見えたであろう衣裳の人たちも撮っている。しかし、珍奇なものをあさり歩いているという印象はない。
時代は違うのだろうが、ライデンの民族学博物館で感じたような不快さ、世界の隅々まで行って珍奇なものをかき集めてきてやっていたのだ、とでもいうような臭みは感じない。むしろ、非常に心惹かれるものが多い。

アルベール・カーンは貧しく生まれ育ったが、巨額の富を稼ぎ富豪となる。しかし世界恐慌で破産し、晩年は不遇であったという。
しかし彼は膨大な資金を写真に注ぎ込んだことを悔いはしなかったのだろうと思う。

imagio MP C 1800

2009年12月11日 | 全般
Faxの複合機の交換です。リコーのイマジオ、大幅バージョンアップ。
FAXは慣れたらもうペーパーレスが当たり前になっていた。A3のカラーコピー、スキャンが出来るのがうれしいな。本当はここにはオーバースペックかと思わないではないのだけれど、いったん便利なものを手にするとなかなか。

子供の名前

2009年12月08日 | 全般
雲ひとつない青空が広がった。
先日生まれた社員の子供の書類を持って自転車で社会保険事務所に行った。
子供の名前は正直読めない。凝っているといえばこった名前なのだろう。でもトシの所為か感覚が合わなくなっているところもあるのだろう、少し馴染めない。
今年生まれた赤ちゃんの名前の一番人気は女の子が凛、男の子が大翔、だそうだ。凛然としたものを女児に求めるのは悪いことではないと思う。でもなんだか名前負けする子が多そうだと思ってしまう。おりんさん、となると時代劇にでもありそうだが、たぶんこの字を当てないだろう。大翔はヒロトと読むそうだが、私には読めなかった。翔は確かに「とぶ」と読めるが「と」と言う音だけとなると無理な気がする。「されどわれらが日々」の柴田翔の名前はカッコイイ名前だと思った覚えがある。でも柴田翔の写真はどういうものか理科の先生にそっくりで、名前はいいが顔は、、、と思った。

自転車だと路地を抜けながら陽だまりに視線を走らせる。
居た・・・・・
零度近くまで冷え込んだ今朝はどこにいたのか、どういう関係の猫たちなのか、一匹だけでも冬を乗り切れるのか。

Printerがひとついかれた

2009年12月05日 | 全般
プリンターが一つ壊れた。どうやっても電源が入らない。あるPCにつないであり、共有設定で使っていた。プリンターは事務所に複数有り、それほど高品位の印刷の出来る機器で無し、文書に印刷なら困らないのだが、このプリンターだけがCD/DVDのラベル印刷ができたのだ。パワーボタンではなくPC側から電源が入る設定で使っていたのに、PCからも直接のスイッチも全く駄目。
修理に持っていき、メーカー送りとなり、最低8000円だって。安いプリンターは出回っているし、よっぽどやめようかと思ったが頼んできた。
近々FAX/コピーの複合機を入れ替える。なんとカラーレザーでA3スキャンが出来るのだ。やった!と思っていたら、小型のインクジェットの思わぬ反乱だ。

画像は近所の路地で見かけた猫さん2匹。日が落ちてからだった。フラッシュを焚かずに露出をあげたのだが、この程度。肉眼だともっと見えたのだが.

てんぷら油火災消火のテレビ放映

2009年12月03日 | 全般
12月の入りは大変いいお天気がふつかつづいたのだけれど、今日は冷たい雨が降る。
昨日、朝の民放でてんぷら油火災の消火を紹介する放送があってので録画して見た。意外に面白い実験もしていたので下記をhttp://blog.goo.ne.jp/eikanblogへアップした


先日、11月30日(月)朝の人気番組「ズームイン!!SUPER」日本テレビ系列で、
キッチンアイの消火シーンが使用され、お酢の消火器として紹介される予定です。
と、お知らせしましたが、放送の都合上か11/30には放映されず、翌々日12/2の放映になってました。
失礼しました。
福井では福井放送で7:35ごろから7:50頃でした。

先日、東京の居酒屋で焼き鳥の火が周囲の油に燃え移り一気に燃え広がり、死者の出た惨事となった火事がありました。これは初期消火に失敗、というより従業員が火を消そうとして水をかけてしまい、水蒸気爆発、一気に火勢が天井まで広がったためでした。油火災に水は禁物、ということを知らなかったのでしょう。もし落ち着いて適正な消火器が使われていたら、あれ程の惨事にはならなかった可能性があります。
街頭でのインタビューでも、てんぷら油から火が出たら?の質問に、マヨネーズを放り込むとか野菜を入れる、とか答える方がいるのに困惑します。
番組の実験でも油に何かを放り込むのはかなり危険です。
消火器がなかったら、先ず鍋に蓋をすることを考えてください。さらに蓋の上から濡らしたバスタオルをかけて、油の温度が下がるまで絶対に蓋を取らないでください。濡れタオルだけだと火勢が強くなっているとかえって危険です。

消火器でもエアロゾルタイプはてんぷら油には効果がありません。
総務省消防庁のHPでも動画付きで警告しています。
http://www.fdma.go.jp/html/life/shokaki/halon.html

食品添加物の成分を使ってできたお酢の消火器キッチンアイのHPはこちらです。
http://www.eikan.co.jp/2p/htm/kicheneye.html