風車ビルだより

今は風車のない風車ビルからの風だより

サイダーハウスルール

2008年10月04日 | 本/映画
「サイダーハウスルール」というジョン・アーヴィングの長編小説がある。
中絶が違法であった時代の孤児院を舞台に堕胎(多分abortionを中絶ではなく堕胎と訳している)をテーマに人の<役に立つこと>を問う。青年の成長物語でもある。
映画化されマイケル・ケインが老堕胎医として怪演といっていいような演技を見せている。小説は、中で度々言及されるディケンズやブロンテの小説の如く饒舌で長いしろものだが、映画のほうはすっきりとしてなかなかの出来だ。もっとも映画はかなりはしょっているので?となる部分もある。好みはあろうが観て損をしたと思わない映画だ。原作、映画共に悪くない。

共和党の副大統領候補のペイリンは、自身も五人の子持ちで中絶に絶対反対の立場だという。美人だしとてつもなくエネルギッシュで頭が良く有能なのだろう。こういう人材がさっと出てくるところが、アメリカの底力だ。世襲議員が首相のたらいまわしをするところとは違って、、、。
だけどペイリン候補が才気ある人であればあるほど、もぐりの医者に救いを求める女達のことがわかるのだろうか、と思ってしまう。いやそんな優しさを「政治家」に求めるのは間違いかもしれないけれど。