お気楽海外生活 → 帰国して子育て中

イギリスボランティア留学&アフリカオーバーランドツアーの後はアメリカ移住。今は日本で子育て中です。

目次

ブログを始めて2年が経過しました。
最初はイギリスにいる間の身内への近況報告だったんだけど、今は単なる趣味です。
ブログって書くのはラクなんだけど、ホームページと違って読み難いのが玉に瑕。
ということで、2周年記念に目次なるものを作ってみました。
なんとなくテーマ性のあるものはまとめて見れるようにしてあります。


 イギリスボランティア留学
2005年の話です。
行くぞ!と決めてから実行するまで。
行ってからの日記なんかはこちらをご覧下さい。


 イギリスアルバム
イギリス滞在中に行った国内旅行。
パスポートがなかったから国外に出られなかったんだよね~。
これだけ行ってもまだまだ行きたい場所があるのが不思議。
 アフリカキャンプツアー
当初予定していた欧州周遊は寒さのため却下。
南下してアフリカに行ってみました。
当時はいっぱいいっぱいだったけど、思い返すととても楽しかった。


 アフリカアルバム
最初は写真もここにアップしてたんだけど、途中で4travelを知ったのでそっちに変更。
多少だぶってる写真もあったりして。
 アメリカ生活
アメリカに引っ越すまでと、引っ越してからの話。
日々のどうでもいい日記以外の記事に、テーマ別にリンクしてあります。


 アメリカアルバム
アメリカの国内旅行アルバムリンク集。
一応アルファベット順になってます。
メキシコとか混ざってるのは、国内感覚で行けちゃうから。


ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命

2024-07-09 19:50:10 | 映画とか本とか
先日久しぶりに一人映画に行ってきました。
そこで予告編を見てびっくり。
アンソニー・ホプキンスが映画に出てる!!!
新作じゃん!!!
もちろん、見に行きましたとも。


 ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命


ナチスが迫りくるプラハから、陸路を使って子供たちを助けた方の実話です。
退職してボランティア活動に精を出しているニッキー(アンソニー)は、
孫(ひ孫ではない)が生まれるのを機に古い書類などを整理し始めます。
どうしても手放せなかった鞄の中には、昔救った子供たちの記録がありました。

馴染みに新聞社に持ち込むも、難民は記事にならないと見もしない。
友人の紹介で別のところに持ち込んだら、そちらは価値をわかってくれた。
実話なので最後まで書いちゃうと、最終的には国民的おバカな娯楽番組の粋な計らいで子供たちと再会します。


ニッキーの仕事があまりに事務的で書類山盛りでびっくりした。
写真とパスポートを準備して、完璧な書類(もちろん手書き)を準備。
里親を見つけて、保証金として一人50ポンドも準備して、ようやくビザを申請。
ビザが出たらようやく電車に乗せられる。
果てしない書類仕事と、里親探しと、募金集め。

印象的だったのは「ordinary people」という言葉。
どうしてそこまでするの?仲間内でそういう話になった時、「ordinary people」ならそうするだろ、とニッキーは言います。
「私もordinary peopleだ」「私もordinary peopleよ」「「私もordinary peopleだ」


ニッキーの家が豪華でした。
イギリスであんなに大きなガラスのはまった家って、あまりないイメージ。
しかもプールもついてる!
これだけ大きいからこそ、再開した子供たちがその子供や孫を連れてきても遊べるんだね。

アンソニーを見に行ったけど、ヘレナ・ボナム=カーターも素敵でした。
ニッキーのお母さん役で、ニッキーと一緒にビザ獲得のために奮闘します。
この二人の関係性もとっても素敵でした。


年を取ったニッキーがたまたまいいところに持ち込んだから史実が残ったけど、こんな風に歴史に残らずにユダヤ人を救った人も沢山いるんだろうなぁと考えちゃいました。

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ルピシアお茶の福袋2024夏

2024-07-09 19:29:41 | ふる日記
いい感じに年末年始の福袋がなくなってきたので、買ってみました。
ルイボスはあんまり好きじゃなかったんですが、飲んでたら好きになってきました(笑)。
ということで、ディーバッグは前回と同じく梅。
リーフティーは前回よりグレードアップして竹を購入。

2024夏福袋 梅【14】
ティーバッグ ノンカフェイン・ローカフェイン・ハーブ(フレーバード含む)


紅茶3種、ルイボス3種、ハーブティー2種で8種80杯。
紅茶は一番好きなマスカット入ってなかったので、減ってきたら買おう。
前回おいしなーと思ったピッコロが入ってて嬉しい。
フレーバーついてないけど、オーガニックルイボスもおいしかった。
ハーブティーは・・・あまり好きじゃない・・・甘くして飲もう。

・5406 デカフェ・サクランボ
・5400 デカフェ・アールグレイ
・5407 デカフェ・アップルティー
・9226 ルイボス ポワール
・9000 オーガニック ルイボス ナチュラル
・9202 ピッコロ
・9504 ジンジャー&レモンマートル
・9502 スウィートドリームス!


2024夏福袋 竹 【02】リーフ 紅茶(フレーバードなし)


値段が上がると、量が増えるというより質が上がるってどこかで読んだけど、本当にそうだった。
高級そうな30g入りのが4つも入ってました!(笑)
2024年物が出てくるから、2023年物を福袋に入れるんだねぇ。
なかなか手が出ないものが入ってると嬉しいなー。
2023年物は賞味期限が近いから、とっておかずにどんどん飲もう。

・1338 ダージリン セカンドフラッシュ ブレンド 2023
・1729 ドゥーム二 クオリティー 2023-OR271
・1730 アッサム プレミアム クオリティー 2023
・1327 バダンタン 2023-DJ75
・2645 ウバ ハイランズ クオリティー 2023
・5110 ベルエポック
・4301 ディクサム・ブロークン
・5113 ティーブレイク
・5101 アフタヌーンティー
・2646 エズラビ クオリティー 2023
・4401 ニルギリ


夏場は水出ししてます。
フレーバーティーは水出しすると香りがしっかりしておいしい。
お湯で淹れると、冷める頃には香りも飛んでるからねぇ。
冷める前に飲めばいいんだけど、なかなか・・・気が付いたら冷めてる。
フレーバー付ルイボスは、なぜだか水出しイマイチでした。


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アンドロイドとWindowsでクイック共有

2024-05-01 22:17:06 | ふる日記
アンドロイドで撮った写真をPCに移したい。
そんな時は物理的にケーブルでつなぐか、クラウド経由でDLしてました。
が、iPhoneのエアドロップみたいな機能があるじゃん!と気づいたのが先日。
アンドロイドからPCにメールを送り、リンクからアプリをインストールしました。

アプリを開いてgoogleアカウントにログインしないといけないんだけど、アプリが見つからない。
検索しても出てこないのに、インストールされたプログラム一覧には出てくる。
一体どこにいったんだ???

よくよく調べたら、GoogleのQuick Shareはマイクロソフトストアにないんだって。
(だからリンクをわざわざメールする必要があったのね)
ストアからインストールしたアプリじゃないから、アプリ一覧に出てこないのかも?
仕方ないからProgram Fileの中を探したら、ありました。

C:\Program Files\Google\NearbyShare

これさえ見つけちゃえば、立ち上げてログインするだけ。
毎回開くの面倒すぎるので、スタート画面にピン止めしました。


と、ここまでやって思ったんだけど、アンドロイドをWindowsをつないどけばこれって不要だった?
なんとなく抵抗あって、つないでないんだよね。
PCからSMSなんか送らんし、と思って。
まあいいや・・・とりあえず不便が1つ解消されたし、これ以外の不便は今のところ思いつかないので。
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ゴースト・ボーイ

2024-04-07 14:04:56 | 映画とか本とか
12歳で脳感染症から植物状態になり、3年後には意識を取り戻した男性の自伝。
なんか、すごい人ってイメージで読み始めたら、ちょっと違いました。
耐えるしかないので耐え続け、ようやくコミュニケーション手段を得る。
子供時代をすっぽり抜かして、大人として人生をスタートしているも同然で、
とっても怖がりで純粋な様子が伝わってきました。

暑い寒い愛してる、そんな簡単なことを伝えたいという思いは叶い、現実はさらにその先へ。
複雑な人間関係、社会に徐々に入り込んでいくものの、なかなか適応できない。
何かを選択したことはないし、当たり前に健康な人が当たり前に思うことが分からない。
みんながほめてくれるけど、どうしてだろう?と理解できない。
意識だけあった9年間は、周りの人がどう思ってどういう関係にあるか分かったのに、
自分がその中に放り込まれて当事者になるとさっぱり分からない。
とまどいながらも成長していく様子が書かれていました。


 ゴースト・ボーイ | マーティン・ピストリウス, ミーガン・ロイド・デイヴィス, 長澤 あかね


1988年1月(12歳)にのどの痛みを訴えたのが始まり。
数か月後には何も食べなくなり、ついには人の顔も分からなくなる。
16歳くらいで意識が戻り始め、19歳になるころには完全に回復していた。
1994年にネルソン・マンデラが大統領になったことはぼんやりと、
1997年にダイアナ妃がなくなったことははっきり覚えている。

幼いころの記憶は失っていて、意識を取り戻した時点からの記憶しかない。
それでも家族という概念を理解したり、言葉の意味が分かったり。
脳機能の一部は生きていたということかな?

意識を取り戻しても体は動かず、周囲の人には気づいてもらえない。
22歳の頃には肺炎で死にかけ、死により「煉獄から解放」されたいと願う。
介護施設の職員からは虐待され、人生と取り戻した後も悪夢に苦しむ。

2001年7月(25歳)、この人、意識があるかも?と気づいたスタッフの進言により検査を受ける。
ノートパソコンを買ってコミュニケーション手段を得る。
2003年には週に1回、医療センターでボランティアで働き始める。
コンピューター関連に強く、修理しているのに驚き。
すぐに有給職員(週1日)となる。
働き出して4か月でスピーチを行うなど、目覚ましい変化が生じる。

2005年には犬を飼い始める。
コミュニケーションセンターで週3日、学術研究所でコンピューター技師として週2日働く。
この頃、大学の過程を修了する。
2007年にはコミュニケーションセンターをやめ、学術研究所の常勤へ。
大学で学位を取ろうとしたら、まず高校を卒業しろと言われて戸惑う。
別の大学をトップクラスで卒業したばかりなのに、今更高校?とショックを受ける。
特別扱いではなく社会の一員として普通に扱われている感じがした。
コミュニケーション手段を得てたった6年で。
2008年4月(32歳)、結婚して英国へ移住。
現在はすっかり力強くなって、車いすレースの選手になっているようです。

10年間の植物状態から回復し父親に 南ア男性が半生語る - BBCニュース

マーティン・ピストリウスさんは10年以上「閉じ込め症候群」となり、コミュニケーションが一切取れなくなった。

BBCニュース

 


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脳を鍛えるには運動しかない!

2024-04-07 13:37:14 | 映画とか本とか
すごくおもしろかったけど、多少専門性が高いのと頁が多いのとで、時間かかった。
運動すると脳にいい物質が脳内でも体内でも出て、体内で出た物質は脳に入り込んで働く。
運動は健康にも学習にも精神安定にもいいよ!というお話でした。
2009年の本なので現在では新しい知見も出ていそうだよね。

運動をすると心臓から血液がさかんに送り出され、ベストの状態になる。
動かない生活は脳も殺してしまい、実際に脳は縮んでいく(こわっ!!!)。
ニューロンは運動によって生まれ、環境からの刺激を受けて生き残る。

そもそも人類は農耕民族として定住する前は狩猟を行っていたわけで、
体は運動するように出来ているというのがすごく説得力ありました。
「元来、わたしたちは体を動かすようにできていて、そうすることで脳も動かしている」
そうだよね、血糖値を上げるホルモンは沢山あるけど、下げるホルモンはインスリンだけ。
それも人類の長い歴史の中では飢餓状態になることはあっても、飽食はなかったからだもの。

 脳を鍛えるには運動しかない! 最新科学でわかった脳細胞の増やし方 | ジョン J.レイティ, エリック ヘイガーマン, 野中 香方子

第一章 革命へようこそ

アメリカのある校区で0時間目として朝運動を取り入れたところ、
生徒たちの成績はあがり、肥満率は下がり、精神的にも安定して暴力事件は減少。
心拍数計を取り入れた新しい「フィットネス」としての体育。
健康でい続けるための体育。

足が遅い子には、もっと頑張れ!と早く走らせていた体育教師が、
その子の心拍数系を見てびっくり、めっちゃ頑張ってるじゃん!!!というのが印象的。
誰よりも頑張ってたんだ、と思うんだよね。

これ、日本でもぜひ取り入れてほしい!!!
こういう概念で体育をやってくれれば、運動に対する認識が育ち、
生涯を通して役に立つ授業になると思うんだよね。
そして運動が出来ない子も、劣等感を抱かずに済む。
ダンスの授業でコミュニケーションを学ぶのもおもしろかった。

第二章 学習

脳の学習は運動により促進されるという、専門用語たっぷりのちょっと難しい話。
これを読みながら、体を動かせない天才、スティーブン・ホーキング博士を思った。
ALSを患いながらもその頭脳は冴えまくっていた人。
めっちゃすごいな、と改めて思った。

脳内の信号の80%はグルタミン酸とγ‐アミノ酪酸(GABA)が担っているが、
セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンなどの神経伝達物質や、
「因子」と呼ばれる分子グループも重要な働きを担う。
脳由来神経栄養因子(BNDF)は、ニューロンを育てる肥料のような役割をする。
何かを学習するには長期増強(LPT)と呼ばれる動的メカニズムにより、
ニューロンを強化することが欠かせない。
学習を繰り返すことでシナプスが増え、結合は強化される。
この変化を「シナプス可塑性」といい、BNDFはここで中心的な役割を果たす。

運動はBDNFは増やし、BDNFはニューロンの機能を向上させ、成長を促し強化する。
BNDFはシナプス近くの貯蔵庫に蓄えられ、血流が盛んになると放出される。
その際に体内の多くのホルモン(※下記)が招集され、そのプロセスを手助けする。
・IGF-1(インスリン様成長因子)
・VEGF(血管内皮成長因子)
・FGF-2(線維芽細胞成長因子)
運動するとこれらの成長因子が血液脳関門を通過し、脳内でBDNFと協力して、
学習に関わるメカニズムを活性化させている。

感覚刺激と社会刺激の多い環境で暮らすと、脳の構造と機能は変化し、重量も増す。
猫の片目を閉じたまま育てると視野皮質が明らかに委縮した。
脳は、使うか失うかだ。

第三章 ストレス

ストレスは体の均衡を脅かすもので、体はそれを克服するか適応するか。
椅子から立ち上がることをストレスとは思わないが、生物学的にはストレス。
失業しそうなときのストレスとは比べ物にならないが、体と脳の同じ回路を活性化させる。
ニューロンは「よい」要求と「悪い」要求を区別しない。
コルチゾールが多いと、ストレス以外の新しいことを記憶しずらくなるだけでなく、既存の記憶へのアクセスも阻まれる。

ストレスによる警報が出ると偏桃体はメッセージを発信し、副腎が異なる段階で異なるホルモンを分泌する。
ノルアドレナリンが交感神経を伝わって副腎を刺激し、アドレナリンが分泌され、心拍数と血圧が上がり、呼吸が早くなる。
同時に、ノルアドレナリンと副腎皮質刺激ホルモン放出因子(CRF)によって運ばれた信号は、
視床下部でメッセンジャー(神経伝達物質)に渡され、下垂体を刺激して副腎の別の部分を活性化させる。
ここでは、ストレス反応にとって二番目に重要なホルモンであるコルチゾールが分泌される。
この一連のリレーはHPA軸と呼ばれ、ストレス反応メカニズムにおいて重要な役割を担っている。
H:Hypothalamus(視床下部)
P:Pituitary(下垂体)
A:Adrenal gland(副腎)

ストレスと同じように、コルチゾールもいいか悪いかではない。
少々ならなら記憶を回路につなぐのに役立つが、多すぎると邪魔をする。
あまりに多いと、ニューロン同士の結合をむしばみ、記憶を破壊してしまう。
シナプスの結合は切断され、樹状突起は委縮し、細胞は死に、ついには海馬もしなびてしまう。

コルチゾールはピーク時にはニューロンの材料となるたんぱく質を増産させる。
その結果樹状突起も受容体も大きくなり、シナプスは太くなる。
その強くなったニューロンが生存にかかわる記憶を強化し、その回路内のニューロンをほかの要求から遮断する。
本来1個のニューロンは、いくつもの記憶の一部になることができるが、脳がストレスを感じているときに入ってきた情報は、記憶になろうとしてもニューロンの大半が遮断されているので自分用の回路にニューロンを取り込みにくい。
慢性ストレスのせいでコルチゾールが多い状態が続いていると、新しい情報が頭に残らなず、うつ病の人はものを覚えにくい。
海馬のニューロンがそのグルタミン酸機構をフル回転させ、それほど重要でない刺激を遮断してしまう。

筋トレと脳の共通点。
筋トレによって傷ついた筋肉は、修復する時により強力になる。
ニューロンもいったん壊れて、より丈夫に作り直される。
運動はニューロンの回復プロセスのスイッチも入れる。

運動するとインスリン受容体が増え、血糖がよりうまく利用され細胞は強くなる。
運動中、脳の中で血液の流れが前頭葉から大脳辺縁系へシフトする。
大脳辺縁系には、偏桃体と海馬がある。
運動するとIGF-1が増えてインスリンがグルコースの量をコントロールするのを助ける。
IGF-1は海馬の中でLPTを促進してニューロンの可塑性を高め、新生を促している。
FGF-2とVEGFにより脳の中で血管網が拡大され血流もスムーズになる。
BNDFの分泌量も増え、これらの因子が協力しあって脳の活動を活発にし、慢性ストレスの有害な影響に対抗する。
心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)はHPA軸にブレーキをかけ、脳の騒音を沈めて体のストレス反応を直接抑える。

第四章 不安

有酸素運動をすれば不安がたちまち解消されることは昔から知られている。
運動すると筋肉の緊張がゆるみ、脳に不安をフィードバックする流れが断ち切られる。
体の方が落ち着いていれば、脳は心配しにくくなる。
不安障害患者の偏桃体は、危険と安全の区別がつかない。
運動が不安に作用するのは、主にANPの働きによるものと考えられている。
激しい運動だけが、不安による肉体的な興奮に対する感受性を和らげる。

筋肉が働き始めると、脂肪を分解して脂肪酸が作られ、血液中に放出された遊離脂肪酸はトリプトファンと結合していたアルブミンを奪い取る。
身軽になったトリプトファンはBBBを通り抜け、脳に入っていき、セロトニンの構成材料になる。
運動によって増えたBDNFもセロトニンを増やし、安心感を高める。
また、運動はGABAの分泌やANPの生成も促す。
ANPはBBBを通り抜け、海馬の受容体にくっついてHPA軸の活動を調整する。
ANPは脳内でも青斑核や偏桃体のニューロンで生成・分泌される。
青斑核も偏桃体も、ストレスと不安に関してい重要な役割を担っている。

第五章 うつ

本を書かれた当時、イギリスではうつの治療の第一歩として運動が勧められていたが、
アメリカでは運動がうつの治療に用いられることはほとんどなかった。
今はどうなっているのかな?
日本で、うつの治療に運動ってやってるのかしら。

うつとは、人生のつながりやニューロンのつながりが蝕まれており、運動はそうしたつながりを元通りにする。
習慣的に運動するようになると、脳のドーパミン貯蔵量が増えるだけでなく、受容体を作る酵素が生成され、「報酬中枢」にある受容体そのものが多くなる。
ストレスホルモンのコルチゾールが多いと、海馬のニューロンは死んでしまう。
抗うつ剤は効き目が出るまで3週間かかるのも珍しくないが、それはニューロン新生にほぼ同じ期間がかかるからかも。

抗うつ薬はボトムアップ方式で作用する。
脳の下位組織である脳幹に働きかけ、その影響が辺縁系に伝わり、最上位の前頭前野に及ぶ。
抗うつ剤の効果がまず体に現れるのはおそらくそのためで、悲しい気分が薄れるより先に、体にエネルギーが満ちてきたように感じられる。
認知行動療法と心理療法などのセラピーは、トップダウン方式で前頭前野から下位組織まで波及していく。
まず思考を修正して「学習された無力感」に向き合えるようにし、希望がもてない悪循環から抜け出せるようにする。

運動は一度に両方向からうつを攻められる。
体を動かすことにより脳幹が刺激され、エネルギーと情熱と関心とやる気が湧き上がってくる。
前頭前野ではセロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリン、BDNF、VEGFを調節し、自己概念を変化させる。
脳全体の化学反応を調節して、信号を正常に戻し、がんじがらめの状態にある前頭前野を開放する。
うつには強めの運動(高用量)の方が効果がある。
体重1ポンドあたり8をかけると、高用量の運動として週に消費すべきカロリーが分かる。
目安としては、中程度の有酸素運動を毎日30分ほど続けるとよい。

第六章 注意欠陥障害

1994年にADHDの著書がベストセターになったと書いてあり、日本はADHDについて20年くらい遅れてるのかも?と思った。
ADHDの人は、著者によると「現在にとわられる人」。
大学入試のための勉強のような長い目で見て価値のある作業より、すぐに満足感を得られる作業を好む。
長期目標に焦点を合わせられないので、やる気がないように見えるのだ。

注意システムの調整においてドーパミンとノルアドレナリンが主導的な役割を果たしているので、運動によりADHDの症状が緩和されるのはこの2つの神経伝達物質が増えるためだと言える。
定期的に運動すると、脳の特定部位に新しい受容体が生まれ、ドーパミンとノルアドレナリンのベースラインを上げることが出来る。

第七章 依存症

規則正しい運動や生活は、脳を活発にし、薬物から気持ちをそらし、大脳基底核を再プログラミングして別の行動につながる回路を作る。
運動すると偏桃体が落ち着きを取り戻し、ドーパミンが放出されて禁断症状が楽になる。
完全に依存症を断ちたいのであれば、週に5日30分のハードな有酸素運動というのが最低ライン。
運動するとD2受容体が生成され、報酬システムのバランスが回復する。
また、自分に否定的なイメージをもっている人にとって、体から脳へ気持ちを切り替えることで、かつてないやる気がわいてくる。

エンドルフィンは脳内のモルヒネ様物質であり、エンドカンナビノイドはマリファナ様物質。
どちらも体内で自然に作られ、麻薬と同じ効果があり、等しく痛みを緩和する。
エンドルフィンと違って、エンドカンナビノイドはBBBをすんなり通り抜けられる。
運動により2つのエンドカンナビノイド(アナンダミドと2アラキドノイルグリセロール)が体と脳で作られる。
それらは血流で全身に送られ、脊髄の受容体を活性化させ、苦痛のシグナルが脳に届かないようにする。
狩りをつづけることで生じる筋肉や関節の痛みをしのぐために進化した。

第八章 ホルモンの変化

運動すると血液中のトリプトファンのレベルが上がり、それにともなって脳内のセロトニン濃度が上がる。
また運動にはドーパミン、ノルアドレナリン、BDNFのようなシナプス伝達を調節する物質のバランスを整える効果もある。
多くの変数を安定させることにより、運動はホルモン変化がもたらす心身の反応をトーンダウンさせている。

エタノールを摂取した母ラットから生まれた子ラットはニューロンの申請率と可塑性が際立って低かったが、子ラットが運動するようになると脳ダメージは正常な状態に修復された。

女性ホルモン低下による不調に対抗するために。
少なくとも週に4日、心拍数を最大の60~65%に上げる運動(戸外に出て早足で歩いたり、ジョギングやテニスをしたり)をすることが推奨される。
そしてできればそれを1時間は続ける。
骨粗しょう症を予防するために、週に2回筋力トレーニングをする。

PMSに悩まされている若い女性は、週に5日有酸素運動を上記のレベルで行うことを推奨。
そのうち2日(連続ではない)はスプリント(全力疾走)のような激しい運動を組み込むと更によい。
負荷の高い運動が、イライラ・不安・うつ・情緒不安定といった症状に劇的な効果をもたらす。

第九章 加齢

1 心血管系を強くする
①血管新生により詰まりを防ぐ
運動して筋肉を収縮させるとVEGFやFGF-2などの成長因子が放出され、ニューロンの申請や結合を促すほか、分子の連鎖反応を誘発して内皮細胞を作らせる。
内皮細胞は血管の内壁を形成する細胞で、新たな血管を作るのに欠かせない。
そうして生まれた血管は脳の各領域でライフラインとなっている血管ネットワークを拡張し、さらに予備のルートも作って血管が詰まるのを防ぐ。
②一酸化窒素により血管が拡張し、より多くの血流が流れる
③血流増加により脳の動脈が硬くなるのを予防する
④運動は血管のダメージをいくらか修復する
脳卒中を起こした人やアルツハイマーの患者でさえ、有酸素運動をすると認知テストの成績が上がる。
運動は若いうちに始めるのがベストだが、いくつでも初めて遅すぎることはない。

2 燃料を調整する
加齢によるインスリンは低下し、燃料となるグルコースが細胞に入りにくくなる。
血液中にグルコースが増えると、細胞内にはフリーラジカルにような老廃物が生まれ、血管が傷つき、脳卒中やアルツハイマー病になる危険性を高める。
全てのバランスが整っているとき、インスリンはアミロイド斑の蓄積を防いでいるが、インスリンが減ると斑の蓄積が進み、炎症も促され、周囲のニューロンが傷つけられる。
運動はIGF-1を増やし、全身のインスリンが調節され、脳ではシナプスの可塑性が高まる。
運動することで余剰の燃料が消費されると、高血糖のせいで減少していたBDNFが、またさかんに供給されるようになる。

3 肥満を防ぐ

4 ストレスの閾値を上げる
運動は過剰なコルチゾールによる腐食を抑えることが出来る。
コルチゾールは慢性的なストレスから商事、心と体を蝕み、うつや認知症を導く。
運動はニューロンを強化し、過剰なグルコースやフリーラジカル、興奮性の神経伝達物質であるグルタミン酸に対抗できるようにする。

5 気分を明るくする
より多くの神経伝達物質、BDNF、より強いニューロンの結びつきは、うつや不安によって起きる海馬の委縮を予防する。
また、多くの研究により、いつも朗らかな気持ちでいると認知症になりにくいことが実証されている。

6 免疫系を強化する
ストレスと老化は、免疫力を弱める。
運動は2つの重要な方法によって免疫力を直接強くする。
第一にほどほどの有働で抗体とリンパ球が活性化される。
第二に、運動すると免疫系のバランスが回復されて、炎症を抑え病気を食い止めることが出来る。
傷ついた組織を修復する細胞を活性化させるのも免疫系の仕事だ。
この働きが低下すると傷が悪化し、炎症が慢性化する。50を過ぎると健康診断でCRPが検査されるようになるのはそのためだ。
CRPがあるということは、心血管系の病気やアルツハイマーのおもな要因となる慢性的な炎症が起きている証拠だ。

7 骨を強くする
8 意欲を高める
9 ニューロンの可塑性を高める

有酸素運動
週に4日、30分から1時間、最大心拍数の60~65で運動する。
それに加えて、週に2日は最大心拍数の70~75%で20~30分運動する。
※大人の最大心拍数は220から自分の年齢を引いた値

筋力
週に2日、ダンベルかトレーニングマシンを使った筋力トレーニングを無理のない重さで、10~15を1セットとして3セットする。

バランスと柔軟性
週に2回、30分程度
ヨガ、ピラティス、空手や柔道、ダンスなど

第十章 鍛錬

週に6日、なんらかの有酸素運動を45分~1時間する
そのうち4日は中強度でやり、あとの2日は高強度で短めにする
・低強度(ウォーキング) 最大心拍数の55~65%
・中強度(ジョギング) 最大心拍数の65~75%
・高強度(ランニング) 最大心拍数の75~90&¥%

ウォーキング
血流が増すとセロトニン、BDNF、その他の栄養因子が生成される。
体の脂肪が多すぎると、筋肉はインスリン抵抗性を持つようになり、そのせいで脂肪がますます蓄積し、IGF-1の産生は減る。

ジョギング
中強度の運動をすると、体は脂肪だけでなくグルコースも燃やすようになり、筋肉組織はストレスによって微小断裂を起こす。
脳細胞の内側では中強度の有働が引き金となって代謝系の掃除屋ともいうべきたんぱく質や酵素が放出され、フリーラジカルやDNAの断片、そのまま放置すると細胞の破壊をもたらす炎症因子を始末する。
鼓動を打つ信金でANPが合成され、血流にのって脳へ運ばれ、ストレス反応を緩和し雑音を減らす。
中強度の有酸素運動をした後で爽快な気分になるのは、痛みを鈍らせるエンドルフィンやエンドカンナビノイドのほかに、ANPが増えるからでもある。

ランニング
体は完全に緊急体制に入り、かなり強く反応する。
高強度の上限(90%)あたりで、代謝は有酸素から無酸素に切り替わる。
筋肉は組織内に蓄えていたクレアチンとグリコーゲンを乱暴なやり方で燃やし始め、筋肉には乳酸が蓄積する。

中強度と高強度の重要な違いのひとつは、最大心拍数に近づき、特に無酸素運動の域に達すると、下垂体からヒト成長ホルモン(HGH)が放出されることだ。
HGHは腕にいいエンジニアで、腹部の脂肪を燃焼させ、筋肉組織の層を作り、脳の容量を増やしている。

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お金がなくても平気なフランス人お金があっても不安な日本人

2024-03-24 10:08:10 | 映画とか本とか
ニュースアプリでおもしろいエッセイがあったので、原本を読みました。
気になる書き方があったので見たら、2003年の本でした!
そりゃ足りない配慮もあるわ。

 お金がなくても平気なフランス人お金があっても不安な日本人

昔の本なので、今はどれくらい変化してるのかな?というのも気になるところ。
コンビニも、当時はないってことだったけど今はありそうだよね。

第一章 お金を出さずにあるモノで、心豊かな生活
第二章 自分を知っているからわかる、いるモノ、いらないモノ

お金がないのは当たり前。
それを貧しく思うか普通に思うかは心がけ次第。
日本は、プチ贅沢が沢山あるからついつい手が出ちゃうんだよね。
フランス人はそういうことはしないようです。
でも、日本に来たフランス人は欲しいものがありすぎて貧乏になった気がするらしい。
それって、日本社会にいる我々は終わってるじゃん・・・。
お金って十分持ってるとはなかなか思わないけど、それってこういうことなのかもね。

第三章 貯金とマイホームは時間をかけて

エパーニュ・ロジュモンという住宅貯金がフランスにはある。
それは、住宅購入のための資金を銀行で積み立てるということ。
積立期間が長いと銀行から融資を受けやすくなるシステム。
借りる本人の職業や頭金の額よりも、銀行で地道に積立した実績が高く評価される。
これってすごくない?日本にいたら、業種や年収によって住宅ローンの査定受けそうだけど、
フランスは全然違って、もっと当たり前にお金を貸してくれるんだ。
職業によって違うのが当たり前の社会に住んでいるので、衝撃でした。

第四章 お金をかけずに楽しいバカンス

成人したら家を出る、これがフランスの常識。
成人したら学生でも金銭的には独立する、だから学生は貧乏。
アパートの屋根裏に住んでる学生が、カップルになったら同棲のため引っ越す。
その家に誰かを招待することによって、一人前認定される。
お招きの文化は、ただの文化じゃなかったんだね。
カップル社会ってのがおもしろいです。

個人主義の国だけど、バカンスは意外と集団行動らしい。
交通費・宿泊費・食費がパックになったものが多く利用されている。
そうすると一緒になった人同士で仲良くなるので、ツアーの後も交流が続く。
当時は写真交換会なるものが開かれていたらしい。
今はほとんどデジタルだから現像することないし、すぐシェア出来る。
もう写真交換をネタに集まることもしてないのかな?
ディズニーは子供の遊び場って書いてあったけど、今もそうなのかしら。

第五章 子育てのエスプリ

教科書の使いまわしって、イギリスでもあったけど本当にいいと思う。
教科書なんて新しいのもらっても年度末には処分するし、ゴミが増えるだけ。
資源の無駄だよなぁと、このシステムを知ってから思うようになりました。

体操服の話でつくづく思ったのは、この同町圧力の高い日本社会は、
教育からできてる一面も大きいのでは、ということ。
そう思ったフランスの話は、学校での体育、体操服の話。
何もルールがなく、「動きやすい服」であれば何でもいい。
パパのトランクスでやる子もいれば、サイクリングパンツを着る子もいる。
これが当たり前の社会と、同じ服装をしてぴしっと並ぶのが当たり前の社会。
少しずれたり、体勢が崩れれば指導される授業。
そんなの、みんなと一緒を求めるのが当たり前になっちゃうよね。
「この違いはちょっとはそっとでは埋まらない」とはまさにその通り。

外面をしつけられる社会っていうのもおもしろかったです。
公共の場でのふるまい方をしっかりしつけられる。
周りの目があるということを意識させられる。
そして、子供を預かるとか、お泊り会が当たり前に開催されるので、
他のおうちで友達の両親のいうことを聞く、守るという貴重な機会。

当時は、男は男らしく、女は女らしくというのが当たり前だったけど、
今はどうなんだろう。
逆に、当時の日本の方が小学校位までは中性的に育てられて、
そこから男女に分かれていくって作者は認識しているようです。
日本にいる身としては、中世的でもないけどなぁと思うけど、
そう感じるほどフランスでの未就学児に対する性差のある扱い、教育、
そんなことが目についたんでしょうね。

週末のブランチはパパの仕事、小さいころからそれを見て当たり前だと思ってるから、
フランス人男性は週末の朝は彼女・妻を起こさず、何ならベッドまで食事を運んでくれる。
それに感動している国際結婚した日本人妻に、フランス人男性はそれくらい誰でもするのよ、
と心の中でつぶやく作者がおもしろかったです。

18歳になれば金銭的に自立しないといけない、ここをを読んでこの本を読みました。
「フランスでは親子の情愛とはちがう次元で、子供も18歳になれば金銭的に自立しなければならない」
なので、日本人留学生とつきあっているフランス人大学生は、彼の金銭感覚が信じられない。
どうして親にお金をもらおうとするの?どうして親は言われるがままにお金を送ってくるの?
「私だけでなく、友達はだれも親の助けをあてになんかしてない」
この違いは大きいなぁ。
日本では仕事を得て自分で稼ぐようになってからが一人前で、
そうなるまでは資金援助するのは当たり前だもの。
理解しあうことは難しいだろうね。

第六章 義理と冠婚葬祭にお金はいらない

フランスにはおかえしという習慣がない。
料理を詰めた容器は空で返ってくるし、日ごろの感謝を込めてプチギフトなんてやり取りしない。
今は分からないけど、結婚する時はご祝儀を現金で包むのではなく、
必要なものリストを登録した場所を教えられて、予算に合う贈り物をそこから選ぶ。
葬儀でも香典を包む文化はなく、かかるのはお花代位。
お花といっても、小さな花束なので3000円程度。

結婚した夫婦への、祖父母からの贈り物の話が素敵でした。
銀のカトラリーのフルセット。
自分が結婚した時にお母さんかららい、57年で2回銀メッキを直して使ってきたもの。
銀メッキって、直せるんだ!?ということにまずびっくり。
誰かを招いた時に使う、132本ものカトラリー。
おばあちゃんたちはもう招くほうになることは少ないから、
これから沢山の人を招くことになる孫にプレゼントなんですって。

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予想どおりに不合理

2024-02-18 14:25:11 | 映画とか本とか
行動経済学者が明かす「あなた子それを選ぶわけ」、というのが副題。
15章からなる400頁程の本です。
1章30頁くらいなので、のんびり読みました。
途中で、人間の行動は「不合理」だけど、それは「予想」出来るとわかってくる。
それでこの題名なのね!とにやっとしちゃった。


1章からいきなりおもしろい。
人間は比較したがりで、こっちのほうがいいなと思って選びたい。
それをよく分かったうえで選択肢を恣意的に設定すると、
簡単にその選択を偏らせることができる。
それをうまく操るのがマーケティングなんだね。
でも、私はその3つの選択肢ならWEB版だけの購読を選ぶよ。
何故ならその辺りの自分なりの価値観は確立してるから。

2章はアンカリングの話。
初めて聞いたけど、それ分かる!そうそう!と納得の連続。
最初の体験とか経験が、その後はベースになるよね。
でも、社会保障番号の下2桁すらアンカーになるのにはびっくり。
人間は理論的に合理的に考えてるつもりでも、そんなことないのか。
そんなもんだと理解して、疑問を持つのが大事なのかな。
恣意の一貫性という言葉がなんか、かっこいい(笑)

3章は無料の魔力。
2円と1円の差は小さいけど、1円と無料の差はびっくりするほど大きい。
ついつい無料を求めちゃうのは私が愚かなわけではなく、人間の習性らしい。
そんなに違うの?と、かなりの驚きでした。

4章は社会規範と市場規範の話。
5ドルもらったら5ドル分働けばいいし、50セントなら50セント分。
でも、報酬なしだったら?
人間性と能力を直に見られる気がする。
それを言葉で表したのが「社会規範」で、金銭に換算するのか市場規範。

5章は2つの規範を掘り下げていきます。
社会規範で動いていたところに市場規範を取り入れるとモラルが崩壊し、
これは困ったと市場規範を取りやめても元には戻らず、
かつてあった社会規範は失われる。
そんなことが保育園のお迎えに遅刻を題材に説明されてました。

「政策立案者は社会規範を弱体化させるおそれのある市場規範を
いたずらに導入すべきではない」

アメリカは大統領選の予備選真っ最中。
トランプさんの言ってることって、まさにこれなのかもと思いました。
社会規範で動いてたとこに、金を払え!と市場規範を当てはめる。
そうやって失われたものは、彼が去った後も元には戻らない。
そんなことを思いました。

6章は性的興奮を例に、大きな感情に支配された自分と冷静な自分について。
冷静な時に、感情的になった自分がどう判断するか予想するのは無理。
この大きな隔たりを埋める、その方法を身につける、
人生にはそれが不可欠だというお話でした。

7章は先延ばしと自制心について。
かなり前の本なのでデータが古いですが、アメリカ人の貯蓄率低すぎ!
最近のニュースでも、米国のクレカ支払い残高が過去最高だったし、
消費者主義の傾向は変わらないんだろうな。
学生のレポート提出実験はおろしろかったし、考えさせられた。
3つのレポートの締切は①学期末②自分で設定する③教師が設定する。
成績は③>②>①で、これって子育てにも関係ある?
自主性に任せすぎてるかしら、と思ってしまった。

ついつい後にする、分っていても誘惑に負けてしまう。
浪費ブログについてら書いたあとに、書かれた言葉。
「誘惑の瞬間に消費を阻止する方法であって、
起きてしまったあとで不満を言う方法ではない」
まさにその通り!それが出来れば苦労はない。
自制クレジットカードのアイデアはおもしろかった。

この章では作者が輸血かれC型肝炎にかかったことが書かれている。
驚くのはその治療法で、インターフェロンを自己注射してたって!
でも、調べてみたら日本でもやってたらしい。
知らなかった。

8章は所有意識について。
持っている物の価値を高く見積もってしまう。
所有意識が芽生えると、失う恐怖が大きくなる。
一度手にしたものを失うことは耐え難い。

9章は可能性を閉じること、失うことへの恐怖。
たとえゲームでも、選択肢を完全に失うのは抵抗があるらしい。
最終的には損をしても、選択肢を残すことに尽力する。

10章は予測の効果。
ブランドとか、プロの演奏、高級なレストランへの期待値が、
体験や感覚、満足感に影響するのは分かる。
ビールに酢をいれる実験も、そうなりそうだと思う。
でも、プライミングの影響は信じられなかった。
そんなことある!?と衝撃を受けた。

アメリカでは、アジア系アメリカ人は数学と科学が得意。
女性は数学が苦手とういうレッテルがあるらしい。
女学生に対して、性別や人種に関わる質問をする。
これによって、彼女たちは性別や人種を意識するようになる。
質問の後数学の試験を受けてもらうと、
女性であることを意識させる質問を受けたグループは成績が悪く、
アジア系であると意識させる質問を受けたグループ成績が良かった。
そんなことある?ないでしょ!!!と、受け入れがたい感覚が強い。

乱文構成課題でプライミングすることがよくある。
乱暴な単語が多く含まれていたグループは、
丁寧にな言葉が含まれていたグループに比べて、
辛抱強さが足りなくなっていたとか。
高齢者を意識させる単語が含まれていたグループは、
そうでないグループに比べて歩く速度が遅かっくなったとか。
無意識にそんなに影響受けるんだ。
衝撃的でした。

11章は価格の力。
これまた予想以上の効果。
プラセボ効果は知ってるけど、価格による影響がこんなに大きいとは。
同じ薬を定価で買った人と、セール価格で買った人。
効果に満足したのは、定価で買った人でした。

無用な手術に関する実験もおもしろかったです。
この手術、本当に効果があるの?といったことを検証する場合。
倫理の観点から実施するのは難しい。
でも、検証しないまま無用な手術をやり続けることによって、
ある意味犠牲者を出し続けることも倫理的に問題がある。
むずかしいね。

12章は不信の和。
お互い信頼しあって共同作業を行う場合と、信頼がない場合。
共同作業を行うのに不都合があるどころか、共同作業自体成り立たなくなる。
人間社会は、こういうことはやらないよね、やるよね、
という見えない信頼によって成り立っている部分がある。
それを失うことのデメリットをわかっていれば、
会社や政府はこんなことしないんじゃない?といったお話。
なんか、4章以降で話されていた市場規範と社会規範に通ずるものがあった。

13章と14章は品性について。
現金にたいして働く自制心が、それ以外のことにはゆるゆるになり、
不正を働くハードルがぐんと下がるというお話。
会社からボールペンを持って帰ることと、
ボールペンの代金に相当する現金を持って帰ること。
この2つの違いの大きなこと!
現金から離れるごとに不正は働きやすくなる。
これからのキャッシュレス社会、自分たちのこの特性を理解することは重要。

15章はビールと無料のランチ。
無料のランチの話はよく分からなかったけど、ビールの話はおもしろかった。
テーブルで順番にオーダーを取ると品物がばらけるけど、
オーダーを書いてもらう(お互いに何を頼んだかわからない)と、
注文はばらけるというお話。
そして後者の方が注文者の満足度も高い。
ちなみに、ばらけるのではなく同じものを頼む場合もあって、
これはその地域の文化的背景によるようです。
アメリカだとばらけて、香港だと同じものに偏ったらしい。


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行かないならやめればいいのに

2024-02-17 23:58:57 | 出産&育児
習い事といえば週1回。
だいたい月4回。
小学校から中学まで続けているものが1つあります。

徐々に遅刻していくようになり、休むようになり。
起立性調整障害で学校への"遅刻""欠席"が当たり前になったら、
習い事も平気で休むようになった感じです。
さぼりぐせって、あるんだなぁ。
さぽりぐせというより、"当たり前"という感覚の変化かなぁ。

本人が希望するからというので続けてます。
でもさ、出席率が50%位だと思うのよ。

あなたにとって「続けたい」とは?
気が向いたときに行きたいだけ?
やめたら行けなくなるから続けたい?

続けるって、家で練習して、決められた回数通って、
上達して、発表会で実演することでしょ。
家で練習しない、遅刻・欠席がち。
発表会はなんとなく参加してるけど、上達してない。

様々な年齢の子たちと一緒に活動するから、人間力がつくかも。
上達はとっくに諦めてそっちに期待して月謝を払い続けてますが、
参加しなかったら人間力もつかないのよ。
学校以外の居場所があるのも大事だと思うけど、
行けなかったら居場所にもならないのよ。
その居場所、もういらないのかい?

テスト前だからと2回休み、テスト終わったのにまた休み。
来週行っても、今月の出席率は1/4。
無理やりやらせてるわけじゃないのよ。
やめたらって、何回も話してるのよ。

自分の意志でやめないのに、行く気力はない。
気力って、なんだ?

色々言いたいけど、かなーり我慢してますよ。
やめたらってまた話したけど、かなーり抑えて話してますよ。
これもまた、親の心子知らずだな。


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むかしのはなし

2024-02-11 16:18:53 | 映画とか本とか
三浦しおんさんの短編集。
それぞれの短編が、昔話のアレンジです。
元ネタの昔話、知らないやつもあってそれがちょっと悔しい。
あれだけ日本昔話見てたのに!(笑)
旅行のお土産にもらう、各地の民話も好きだったな。
糸でとじられてる本だったけど、結構集めてた。


昔はよくやった作者読みですが、大人になってからはあまりやってない。
何なら作者の名前を気にしていないので、覚えていない。
でも、三浦しおんさんと村山早紀さんはちょっとずつ読みたいと思ってます。


 むかしのはなし 三浦しをん (著)

「ラブレス」かぐや姫
男は30まで生きないとされる家系に生まれた男性の話。
ホストになった彼と、5人の客が出てくる。
お客さんの一人がヤクザの愛人で、彼は追い詰められる。
殺される直前に女性にメールを打ってるんだけど、これ受け取ったら怖いよなぁ。

「ロケットの思い出」花咲か爺
空き巣の男性が昔飼っていた犬がロケット。
ロケットに最後の晩餐をあげられなかったことが心に沈んでいて、
犬の命日には晩飯は食べないというのが印象的でした。

「ディスタンス」天女の羽衣
これが一番気分が悪い短編でしたね。
小児性愛者によるグルーミング、その被害者による語り。
私にとってはそう読み取れました。
父親の弟、つまりおじさんが最低すぎるのに、彼女は彼が大好き。
彼女から見た世界と、周りが心配する彼女の状況の隔たりが大きい。

「入り江は緑」浦島太郎
木星で1年ミッションをこなし、地球に帰ってきたら出発から20年経ってる。
そんな今より進んだ世界のニュースから話が始まるのに、この入り江は普遍性がある。
未来って感じもしないし、過去でも現在でも違和感ない。
ここまで宇宙技術が進んでも、この風景は残ってるんだなって感じ。
3か月後に隕石が衝突すると明かされるけれど、主人公の生活は変わらない。
地に足がついてる、淡々とした様子が描かれます。

「たどりつくまで」鉢かづき
この昔話は全然知らなかった。
メインの登場人物は2人で、タクシーの運転手とそのお客さん。
2人の会話と2人の状況がなんか、私は私って訴えてくる。
3か月後にどうなろうと、それまで私は私のまま生きていく。
お客さんの行動にもびっくりだけど、それをさらっと見てるだけの運転手もなかなか。

「花」猿婿入り
昔話の猿にかけて、猿ににた男性が出てきます。
詐欺みたいに結婚して女性と一緒に救出ロケットに乗る。
語り手はこの女性。
今昔、猿の愛の深さを感じました。
花弁が消える桜を開発するとか、現代の猿は超優秀じゃない?天才だよね。
宇宙ではそんな花がいるよねって考える三浦さんがすごい。

「懐かしき川べりの町の物語せよ」桃太郎
高校生の青春物語だけど、なかなかのドロドロ具合。
モモちゃんのお父さん候補はラブレスの男性っぽい。
ヤクザの娘とその友人が、愛人宅に盗みに入るんだけど、
何故この展開でヤクザからロケットのチケットをもらうんだ?
ヤクザの親分は、自分の分のチケットは確保してたのかしら。
でも、子分連れて行かないと親分として生きていけないよね。
語り手は盗みに入った4人のうちの1人である冴えない男の子。
ヤクザの親分からもらったチケットでロケットに乗り、
いまここにいる理由を後悔しつつかつての自分を振り返る。


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上位3%を目指…す?

2024-02-11 16:02:41 | 映画とか本とか
「読書脳」という本を読みました。
これがすごくおもしろくて、すぐ影響を受ける私は影響うけまくりです。
実際、生活が変わってきた気がします。

 月に7冊読むだけで、読書量において日本人の上位3%に入ることができる

月に5〜6冊読む人は3.2%らしいんですが、このデータをこんな書き方すると、
こんなにインパクトあるんだ。
と、びっくりしたこの文章は「読書脳」に書いてありました。
ちなみに、月に10冊読む人は2%らしいです。

 鉄は熱いうちに打て読書術

ここ10年くらいは、買ったら読まないので借りることが多いです。
買うとそれだけで満足して、なかなか読まないので。
借りるときはだいたい予約します。
予約して、取りに行く。
家に帰るころには「読みたい!」欲がピークを越えている、つまり「鉄が熱くない」状態。
だから借りた本もなかなか読まないのか!まさにこれだな、と思いました。
何ならそのうち読みたい本を登録しているので、そこから予約に回すことも。
冷え切った鉄を打つんだから、なかなか取り掛からないわけだ。

 守破離

娯楽のために読むことが多いけど、たまには勉強することも。
そして仰る通り、初心者向けの入門書より、難しい本を手にしたくなるのよ!
でも、樺沢さんによると初心者向けに書かれた物から取り掛かった方が、
難しい本をすんなり読めるし、理解も深まるということでした。
言われてみればそうだけど、そうかぁ、そうだよなぁ。

そして学びを目的に読む時には、自分の段階と本の目的を一致させることが大事。
それが守破離なんですって。
初心者か、深く学びたいのか、その理論から自分なりに発展させたいのか。
自分にあったものでないと、簡単すぎたり難しすぎたり。
学びが少ないと書かれたレビューがあれば、書いた人はもっと深い本を読むべきだったよね、と。
なるほどねー、いや、当たり前なんだけどなかなか系統立てて言葉にしませんわ。


小説以外はあまり読まないのも、もったいないなと思いました。
例えば悩みがある時。
同じような悩みを持ってた人なんて沢山いるんだから、その人たちが書いた本を読もう。
その人たちからお知恵を拝借しないなんて、損だよね?
といった感じのことが書かれていて、これもまたそうかぁって。
自分で考えて試行錯誤してたどり着くのが一番いいと思ってますが、
ショートカットするのも悪くないし、すればそこから先に時間を使える。
そういう風に考えたことはなかったな。


コテンラジオというポッドキャストを聞いてますが、同じようなことを言ってました。
過去にいた頭のいい人が考えて考えて考えて、書かれた本が世の中にある。
自分の頭じゃそこまでたどり着けなくても、過去の偉人が考えてくれてるから。
これって、数学でも物理でも同じだなぁ。
なんちゃらの法則とか、何もわからないところから発見した人は、
それこそすごい試行錯誤があって仮定→実験を繰り返して、時間も労力も使ってる。
そして発見された一つの式を覚えるだけで、私たちはすっごく楽が出来るうえ、
何かを生み出していくことが出来るんだから。


ふらっと本屋に寄ってみたけど、棚にささってる本のほとんどを知らないんだよね。
これだけ本があるのに、もったいない!
とりえあず、今年の目標は月7冊。
あわよくば10冊読んで上位2%を目指そう。
そして小説以外の本をちょっと増やそうかな。


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