囲碁漂流の記

週末にリアル対局を愉しむアマ有段者が、さまざまな話題を提供します。初二段・上級向け即効上達法あり、懐古趣味の諸事雑観あり

その一言、訊くべからず

2021年07月06日 | 雑観の森/芸術・スポーツ

 

 

 

黙ってダメを詰めて数えましょう

 勝負は土俵を降りるまで分からない

 「土俵際のうっちゃり なるか ならぬか」 の巻】

 

 

 

先般の「研究碁会場」でのこと


黒は初段のHさん

白は二段のYさん

白優勢のまま最終盤に至り

Yさんが

「ありませんね?」

と尋ねた

 


研究目的の碁であるので

わたしが「待った」をかけた

「ここまで打ったら

黙って

ダメを詰めて

整地し

数えましょう」

と申し上げたのである

 


この局面

白番でダメを詰めると

黒のスミの石に

手入れが必要かどうか

それが問題だったのである

 


双方が最善手を打てば

手無し(手が生じないで黒生き)

と思われる局面ではあった

さて、

手入れをするか

しないのか

 


黒が手入れをせず

白が手を付けたとする

黒がマズイ受け方をすれば

セキか、コウになる

最悪は全滅となる

 


「ありませんね?」

と聞かれれば

わたしなら

返事をしない

これはマナー違反ではない

「碁の時間」の限りにおいて

聞く方が間違っているのだ

 


「はい」と答えるか

「(手が)あります」と答えるか

(そんなマヌケな話があるとしたら)

返事をすれば勝敗にかかわる

大問題なのである

 


昭和の頃は

専門家の碁もトラブルが絶えなかった

いま、そんな言葉を発するプロは

絶滅・皆無である

 

 

 

 

 

 

◆手入れ問題が生じた例

打ち込み十番碁第1局(1948年)
黒 本因坊 岩本 薫
白 八 段 呉 清源

終局時、「白1目ないし2目勝ち」と発表された。数日後、「白1目勝ち」と訂正された。半目勝負で、手入れの有無によって勝敗が分かれる。呉は手入れを拒否したが、囲碁規約の整備を条件に半目負けを受け入れた。同じ局面が11年後、呉と高川格本因坊との対局でも現れた。ちゃんとダメを詰め、整地し、数えれば、何の問題もなし、とわたしは思うのだが。ちょっと気取って、かなり昔のプロのマネ(今となれば間違っている作法)をするアマが多い。

 


コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (fumi-bow1956)
2021-07-06 11:19:14
ブログ管理人のひとりごと。囲碁も相撲も、勝てば良いというワケでもあるまいに。
返信する
Unknown (goo19888888)
2021-07-10 08:46:24
奥が深いですね、、、
返信する

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