囲碁漂流の記

週末にリアル対局を愉しむアマ有段者が、さまざまな話題を提供します。初二段・上級向け即効上達法あり、懐古趣味の諸事雑観あり

3子局/江戸の名人の場合

2021年07月05日 | 【カベ突破道場】 全局

 

お待たせいたしました

いつもの懐古趣味にて

お江戸の名局の登場です

いにしえの名人の技を

とくとご覧くださいませ

 

 

 

勝負を急がず、ゆっくりと差を詰める

 下手打ちの見本、大きな緩攻でリズムを奪う の巻】

 


193手完、白中押し勝ち

 

 

三子 屋良里之子

白  本因坊道知

 


白はアキスミではなく

星へのカカリから打ち始める

この趣向が黒の動揺を誘い

白の緩急自在の打ち回しに

黒が次第に追い詰められていく

 

▲名人は、アキスミではなく、白1と星にケイマガカリ

黒2と手抜きで反発したものの、白に両ガカリされ、腰砕けの感あり

 

▲定石を外して黒に自力で考えさせ、結局は動揺を誘発する結果に

 

▲白17とアテて形を崩し、断点をはっきりさせて白19と補強

黒のヨミ筋を外し、石のリズムを狂わせるのが、上手の態度である

黒の直線的な打ち方に比べ、白の柔軟さが目立ち

中盤には大きく形勢が傾いていく(以下、略)

 

 

 

本因坊道知(どうち、元禄3年~享保12年) 生国は江戸。本因坊道策門下、五世本因坊、名人碁所。法名は日深。道知は、実力十三段とされる元祖棋聖・道策の実子であったとの説もある。十三歳から御城碁に出仕していた道知だが、二十歳の頃には琉球国中山王の貢使随員・屋良里之子に三子置かせて快勝している。将棋も六段格で、七段上手・因理に香落ちで勝った際には、観戦していた大橋宗桂、安井仙角らから「盤上の聖」と絶賛された。

 

 



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