「備後・福山」歴史の街

広島県東部の地域は、古代以降「備後国」と言われていました。その「備後・福山」から郷土の歴史を含めた情報を発信致します。

「二子塚古墳」現地見学会が開催される。

2009-08-23 14:40:04 | 発掘調査説明会
福山市駅家町にある、「二子塚古墳」が国史跡に指定された記念として、

現地で見学会が開催されました。

開始当初は、くもり空でしたが次第に晴れ空にかわり、暑い日ざしとなりましたが

熱心な参加者により、よりヒートアップした感が致しました。

まず主催者側の「福山市文化財協会」土肥会長からあいさつがあり、続いて

全体の説明を「福山市教育委員会文化課」畑信次次長より伺いました。

参加者が約180名近くとなり、一度に見学が不可能なため、班構成で4班に

分けて見学することになりました。

説明の方々は、墳丘全体を手島主事と高田学芸員とで引率され説明を受けました。

石室内は、畑次長が説明されました。

今回の調査で解ったことは、

1.前方後円墳が無くなる7世紀の初頭に、前方後円墳がこの備後地域に築かれた 
 こと。

2.前方部と後円部に石室を持つこと。

3.後円部の石室が長い(墓道を含めると24.7m)こと。

4.柄頭(双龍環頭柄頭)が出土し、誰でも持てない太刀の柄頭であること。



                   (双龍環頭柄頭)

5.周溝を持つ、2段構築の前方後円墳であること。

6.前方部、くびれ部、それぞれに古いタイプの前方後円墳の形式を残すこと。

7.前方後円墳を築く場合に、綿密な計画性を持って築かれていること。

8.石棺の石材は、凝灰岩で兵庫県の竜山石を使用していること。

などなど数多くの新しい発見があり、貴重な古墳であることが判明致しました。

今後、この古墳の保存については、今年の秋に「整備検討委員会」が開催される

予定でその中から方向性が定まるものと伺っています。

地元に居ながら、この様に貴重な古墳だと判明したことは、これからも私たちの

励みともなります。

関係者一同の皆様、また参加された皆様、大変お疲れさまでした。

是非、地域に帰られて、「二子塚古墳」が貴重である意義を

宣伝して頂ければと思います。


    (見学会参加者のみなさん:全体の説明)


  (見学会参加者のみなさん)


  (見学会参加者のみなさん)


  (石室:玄室鏡石)


(古墳の図面)



(後円部中心点)


(玄室:石棺の底石 手前が南 朱が確認)


(後円部 裾の周溝部分)
                                        概略以上

                                     (文責:福之山)

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