専門的な知見がないので何とも言えない点はありますが。
アマ○ンで怪しい日本語の解説付きで通販されている電化製品や、百円ショップの生活雑貨なら、「所詮は中国製だし(笑)」で済むのですが、命のかかる問題ですしね。
往年、父の知人で大手メーカー勤務の方に、
「サンプルは完璧だが、検品をしっかり行わないと平気で石を混ぜてくる(本物の、タダの石ころ)」
「品質が安定しない」
などと中国製品に関するお話をいただいたことがあります。
品質は、例えば工作機械の進歩などである程度安定化可能なのかも知れませんが、検品に対する態度は治っていないのかも知れません。
「急速に発展する中国経済!」に目が眩んでしまい、改革開放経済本格化以前の、人民服を来た一般庶民が一斉に自転車で移動する・・・・・・というイメージを、上海などの超近代都市の光景に粉砕されたショックで判断力を麻痺させてしまうとどうなるか、という一例かも知れません。
(QRコード決済なんて、明らかに技術的には退歩ですしね(端末コストを下げられるという利点はあります)・・・・・・Felicaの反応速度が異次元すぎるのですが)
日本だと、第二次大戦で敗戦した直後くらいまでは品質の低さで知られていたわけですが(『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で、マイクが「日本製なら↑」・ドクは「日本製かぁ↓」なんてシーンもあったような。世代の差で、日本製がクールだと思っている80年代ティーンエージャーと、日本製が安かろう悪かろうだった頃をよく知るおぢさんとの差ですね)。
各企業で徹底的な品質管理(朝鮮戦争で米軍のMILSPECに適合する製品を納入しなければならなかったこともきっかけ)が行われ、それが実を結ぶのは60年代末以降のことになります。
・・・・・・その頃だと、管理職や経営陣は旧日本軍の兵器のお粗末さ(小銃ですら粗製濫造と言われてしまう恐ろしい事態。銃として信頼して使えないなら、そりゃ銃剣つけて肉弾突撃が一番確実です)を肌で知る身なので、「兵器さえまともなら!」という悔しさを抱えていたことも一因かと。
さてまあ中華製品、一昔前ほど当たり外れな印象ではなくなってきました(検品の大切さは徹底されてきたのだろうか)。
日本でも品質を下支えしてきた町工場の職人さんが次々と高齢で後継者なしにリタイヤし始めて久しいですし・・・・・・
と言いたいところですが、実のところ日本でも対策を進めている中小企業が多いので(当然のことですが)、心配した程ではなかったりします(中華製品他、外国製品に淘汰されてしまった領域も結構ありますけれど)
でも、ちょっとした所に中華製品のまだまださは現れてしまうんですよね。
例えば十徳ナイフ(マルチツール)。スイスの老舗・VICTRINOX製とよく似た中華ナイフがお値段半分以下で売られているわけですが、数ヶ月使い続けると色々ガタが出てきたり、そもそも僅かに擦れたりします。
VICTRINOXでは絶対にそんなことはない(ラフな扱いで曲がったりした場合を除く)ので、登山用品店ではVICTRINOX等老舗の製品しか置いてありません。
中華製Euphoniumも試奏させてもらったことがありますが、YAMAHAやWilsonの仕上げに比べると細かいところに難があったり。
(音程取りにくいとかまでは腕前的に即座に判別できない(元々小生の音感があまりよろしくないとも)が、吹き込んだときに限界に達する(音割れしたりする)のがやや早い気はします)
多分、顧客が満足していただける製品を作るにはどうしたらいいか?を考えるときに、顧客満足度の諸要素を数値化したものだけ見ているようなところがあります。例えて言えば、受験参考書だけで勉強して世界史Bのセンター試験で190点代を取れるけれど、ゼミで行う歴史に関する深い議論には全然ついていけない、といったようなものかと。