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不来庵書房 裏庭倉庫

不定期更新・内容雑多・未確認情報散在
基本的に、小生の琴線に触れたニュースを集めただけです……
雑記・雑感も少々。

《異例の特別扱いも…》橋本環奈紅白司会に抜擢、撮影中に約50日不在もOK…『おむすび』最…

2025-03-21 | ドラマ
2024年度の朝ドラは、個人的には刺さらなかったようです。

『虎に翼』はまあ、世間的には名作と言われているようですが、視点が極端に現代過ぎて違和感が。

『おむすび』は、プロデューサーとシナリオライターが「ハシカンちゃんのギャル姿、ウケるんじゃね?」「いーねー、ついでに阪神淡路大震災と東日本大地震とコロナ禍混ぜると涙もとれて数字アップ!」なんて安直な打ち合わせでもあったのでは?というくらいテキトーで雑なつくりに見えたのがアウトでした。
最初の『あまちゃん』カバーな海ポチャで白けた方も多い模様。むしろあのギャグ路線の方が数字アップにつながったのでは。

歴代視聴率最低は間違いないようで、大河と異なり配信で見ている層が多いわけでもない様子です。

『あんぱん』、大丈夫でしょうか……


dmenuニュースより
http://topics.smt.docomo.ne.jp/article/jisin/entertainment/jisin-https_jisin.jp_p_2448104?fm=d

橋本環奈朝ドラ後初連ドラで天才医師役役作りでレイヤー入れて髪バッサリバディ役に三浦翔平

2025-03-04 | ドラマ
なお現在アニメ版が放映中らしいです>天久鷹央

はしかんさんでホントに大丈夫かなぁ?というのが1つ。
『おむすび』は脚本も大概ですが演出も???なところが目立つので、はしかんさんに大きな問題があるわけではないのですが(『ちむ』の黒島結菜氏よりはかなりマシだと思う)、大味噌がついてしまったのは否めませんし。

もう一つは、原作ありドラマをきちんと作れるのか?という不安。テレ朝なので日テレみたいに◯人的な作りはしないと思いますし、はしかんさんも原作ファンのようですので酷いことにはならないと思いますが、『セクシー田中さん』の件で大分厳しい目線も増えているでしょうし。

実写化は色々難しいので(例えばアニメ化なら好きに容姿を作れますが、実写化は演者さんとかけ離れた造形は困難)、良い方向に転ぶとよいのですが。


NHK大河「べらぼう」女郎の“裸死体シーン”に賛否…「光る君へ」で掴んだ女性ファンの離脱…

2025-01-07 | ドラマ
さて始まりました『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』。

ちょっと攻め過ぎじゃないかな?という趣旨の記事をネタに考えてみたりします。

そもそも蔦屋重三郎、吉原で商売していたことは隠れもない史実なので、吉原の描写は避けて通れません。
このご時世、吉原を単に華やかでキレイなところ、という描写でも炎上するでしょうし、投込寺に放り込まれたことも史実なので致し方ないところかとは存じます。
…まさか投げ込み寺のシーンで、遊女の亡骸役にセクシー女優さんを使うとは思いもしませんでしたが。
身ぐるみ剥がれた姿を見せるのにあまり抵抗のなさそうな女優さんと言うとセクシー女優さんになる次第ではありますが、どのみち死体役ならオリエント工業さんあたりの製品(寂しい男性のお供のお人形)でもよかったのでは、と思ったり思わなかったり。

冒頭の火災で、お稲荷様(ナレの綾瀬はるかさん:今回は花魁姿で出演(しっぽ付))のキツネ像をお歯黒溝に放り込むのは何とも(絶望した遊女が身投げする場所ですし)。
なお、現在の吉原(特殊浴場街)の街路も当時を踏襲しているらしいので、訪れる価値はありますが……女性には若干訪問しづらい場所かもしれません(男性もまあ、そっち目的かと勘ぐられそうな場所なので歴史散策には若干不向き)

御老中様(田沼意次)が国益という言葉を使ったのも若干?ではあり。ただ、警動を行うことで宿場が寂れ商いが衰えると国益(彼の立場を考えると、御公儀の益、と言った方がより適切な気はします)にならない、という論法は彼の言いそうなことではありました。
(ちなみに私娼として取り締まられた女性は吉原に送られるので、供給過剰になりお茶ひきが増える=作中でも描写された、まともに食事も取れない女郎さんが激増することにもなり。楼主たちが警動を積極的に願わない理由の一つ)

平安の雅に対する江戸の粋が始まるのはもう少し後なので、これで引いて視聴を止めるとちょっともったいないなぁ、とは思います。

さてこの後どうなるやら……


「光る君へ」惟規の幻?為時のことを“若様”いとの“老い”にネット悲痛&涙腺崩壊

2024-12-16 | ドラマ
『光る君へ』完走。
これも大河、と一年間堪能しました。
以下、最終回雑感。

いとさん、多分為時パパが「若様」だったころから仕えていると思われるので、より惟規くんと混同しがちなのかも知れません。
往年、祖母の妹さん(大叔母)を見舞いに行ったときに、私のことを「**ちゃん」と父の名前で呼ばれたことを思い出しました。健在とはいえボケが結構進んでいるので、いとさんの介護はちょっと大変かも知れません。

別記事で倫子様に「もう隠していることはない?」と問われたまひろさんが、最大の爆弾?である賢子のことを伏せたことが賛否両論とかありましたが、まあ母親としてはリスク回避のために当然の行動でしょう。

居眠り左大臣を叱責する関白頼道殿下。ようやく貫禄がついてきたか。

賢子さん、宮様の乳母に大抜擢。大弐三位爆誕のシーンでした。直後、「私は光るおんな君」などと逢瀬を重ねていたりしますが、まさかおかーさんの書いた物語を恋愛マニュアルに使っていたりしないでしょうねぇ。

長年大納言をやっていても、全然見識が深まっていない道綱さん(そりゃ、ご母堂が『右大将道綱の母』の名で百人一首にのるわけだ)。大臣の地位のおねだりをすげなく断る弟・道長様のほっぺをむぎゅーとしながら「嫌いにならないで」と迫ると、「嫌いになりませんよ」と道長さんも答えるほっこり場面でした。道隆・道兼両兄上のように権力闘争していた仲でもない上、道綱さんどうも「兄より優れた弟などいない!」的な変なプライドはなさそうなので、殺伐とした関係にはならなかったのでしょうか。

もう一人、前大宰権帥・隆家さんも為時邸に。いい具合に脂気が抜けた感があります。
でも、子孫は結構大暴れしていたり(源義朝と組んだ藤原信頼)。

なぜか菅原孝標女ことちぐささんに『源氏物語』の読み聞かせを受けるまひろさん(作者様)。直後に訪れたききょうさんとの話からすると、まひろさんてば彼女に自分の正体を伏せているような様子。
二人とも全国民必修の名作を残しているのですが、さすがに老境にさしかかると執筆意欲も枯れてきたようで。
自作の和歌集を娘・賢子に手渡すまひろさん、いろいろ区切りをつける気分なのでしょうか。

『栄花物語』を倫子様に見せる赤染衛門先生。すっかり媼に。自作が『枕草子』や『源氏物語』のように残るでしょうか?と自信なさげでしたが、心配せずとも全文が21世紀まで伝わる名作ですから。

彰子様・頼道くんたち次世代のゴッドファミリー会議。あのお人形さんみたいな少女がよくもまあご成長なさったもので・・・なお、お二人ともかなりの長寿。

いよいよ死の床に伏す道長様。法成寺の阿弥陀様と五色の糸で手を結び、とは史実の再現でしたね。倫子様がまひろさんに「妾になって」と頼むのは、やはり一番深くつながっている女性はまひろさんだと認めた故か。「ソウルメイト」と言っていたかと思いますが、そんな感じですかね。

死の床にある道長様のために、少しずつ二人の間にあった出来事をハッピーエンドに変えつつ物語として語るまひろさん。雪が降りつもるような時期まで、結構長期間語っていたようです。多分、二人以外には全くわからない、紫式部最後の、藤原道長のためではなく幼なじみの三郎のためだけの物語。

安らかに旅立った道長様、お供するように倒れた行成さん。F4生き残りの2人が「あいつ(行成)は道長のことが大好きだったからなぁ」としんみり和歌を交わし合うのもよかったですが、実資さんが日記(『小右記』)に二人の最期を記してひっそり涙するシーンがよかったです。

第一話から為時邸の軒先に下がっていた鳥かご、まひろさんが下ろそうとしたらついに崩壊。推定50年前後軒先に下がっていた勘定ですから、むしろよく保っていたものだと思います。
いとさんの恍惚シーンはここ。平然と惟規さんになりきる為時さんもよし。旅に出ようかというまひろさんに「姫様、連れて行ってくだされ」と懇願する乙丸老人。そういえば、宣孝さんと結婚してからはお方様呼びだったのが久しぶりの姫様呼びですね。

ラスト、漂泊の旅に出るまひろさん。そこに通りかかる双寿丸ら騎馬武者の一行。大鎧を着て戦支度で、これから東の方へ向かう由。
「嵐が来るわ・・・」とつぶやくまひろさん。この頃、前九年の役まではまだ時間がありますが、あちこちで小規模ないくさは多発していた模様。
(追記:平忠常の乱では、とのこと)

ちなみに、大河ドラマで言うと時代順に次は『炎立つ』。続いて『平清盛』『草燃える』『源義経』『鎌倉殿の13人』と続くかと。

『鎌倉殿の13人』も傑作でしたが、『光る君へ』もまた傑作かと。登場人物の多くが百人一首採録というのも大きいでしょう。
紫式部・大弐三位母子、清原元輔・清少納言父子、赤染衛門、右大将道綱母、和泉式部、大納言公任、儀同三司母……

さて、来年の『べらぼう』。予告編だけでしたが、過大な期待はしないでおくとします。


「光る君へ」涙と感動のクランクアップ秘話吉高「パーンともらい泣き」ウイカ「いつも来てくれ…

2024-12-03 | ドラマ
意外に視聴率が低めだったようで(という点を論って「失敗」扱いの言論もちらほら)はありますが、きちんと大河していたなぁ、と思う作品ですね。

今回、刀伊の入寇などという日本史教科書でも数行しか記述のない事件が扱われましたが、実は外国軍が日本本土(本州・四国・九州)に攻め込んできた事件としては他には元寇と薩英戦争&四カ国艦隊下関砲撃事件、あとはWW2くらい、という大事件でもあります。
大宰権帥・隆家さんの武将っぷりが見事でした(史実では甲冑つけて敵陣に鏑矢射掛けたりはしなかったらしいのですが、本作唯一の合戦シーンですからこれくらいは許容範囲かと)。
それにしても、周明さん……南無南無。今回放映前半でデス・ノボリ立てまくってましたからねぇ……

本作全体として、かなり大胆に脚色しても時代考証警察(笑)が突っ込もうにもツッコミネタが無い時代なので、のびのび作れた一面はあるかもしれません。
この点では、来年の『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』はさぞ難しかろうなぁ、と思ったりします。将軍の秘事から庶民の日常生活までありとあらゆる記録が(完全とは言いませんが)残っている時代ですから、敢えてドラマ重視で史実と外したところにもツッコミが雨あられ、となる可能性が。

摂政・藤原道長と藤式部、こと、三郎とまひろが幼時からの知り合いで、若い頃には理無い仲、という設定は中々効いていたように思います。
『尊卑分脈』にも紫式部について「藤原道長妾」とあったりする次第で、否定し切ることもできないという点がポイント。

『枕草子』『源氏物語』『栄花物語』と、平安女流作家三作品揃い踏みな点も見事。
赤染衛門先生、道長さまの栄華を描くよう発注されたとは言え、村上天皇の時代ではなく宇多天皇の時代まで遡るとは、実際には発注主たる源倫子様の栄華を書くつもりなのでしょうかね。とある方が「編集さんが漫画家さんに1話読み切りの話を持ちかけたら、漫画家さんが次の打ち合わせで全15巻描き下ろしのプロットを持ってきた」なんて例え方をしていましたっけ。

余談ながら、今回大河ドラマ館3施設を巡りましたが、昨年の家康絡みよりはちょっと展示が寂しい感が。甲冑やら旗指し物やら、陣中グッズで割増できる武士絡みとの差でしょうかね。
来年の大河ドラマ館、江戸東京博物館だけでなんとかなってしまうかもしれません。というより、大河ドラマ館を作るにしても、江戸博の収蔵物に足す要素って撮影グッスしかないぞ多分。

後2回の放映。道長さまの御最期がどのように描かれるのか・・・



「光る君へ」ネット反響“新解釈”道長「望月の歌」まひろへの返歌「虚しさ抱きながら」大石静…

2024-11-25 | ドラマ
いよいよ終幕が見えてきた『光る君へ』。
道長の、あまりにも有名なあの和歌が前回詠まれたわけですが。

世上、「得意の絶頂にある驕り高ぶった和歌」といった心象ではなかったかと思いますが、その割にあの『小右記』では全然非難されていない謎の和歌でした。実資さん、得意の絶頂とばかり自慢げに詠っていたら多分「先例なき驕慢」くらいには書きそうですから、案外史実でも本来はこんな感じのしんみりした歌だったのかもしれません。

今回、F4こと若い頃からのお仲間たちが出てきました。ちょっとした流行病や、道長の兄弟(道長本人、道隆兄上ら)がかかった飲水の病(糖尿病)からの体調悪化でお亡くなりになってもおかしくない中、当時としては稀有なことだと思います。
ポロの後のボーイズトークから既に30年くらい。思えば遠くに来たものです。

『源氏物語』執筆完了。今回は明らかに区切りの回でした。
彰子様の側仕えも娘の賢子さんに交代。あのお母さん(藤式部)の娘なら、と、宮の宣旨さん他女房衆も割と好意的だったような。越後弁(えちごのべん)、後の大弐三位のデビューでした。

まひろさん、道長様にはっきりと「帰ってきたとしても、ここで終わりでございます」野郎はズルズルと引きずりがちだからなぁ(女性が引き摺らないというわけでもないですが)
道長様とのあれこれ、まひろさんの中で『源氏物語』と一緒に色々踏ん切りがついたのでしょうね。道長さんとまひろさんの恋物語として見た場合のラストでした。

道長様の出家シーンが柄本佑さん渾身の自毛による剃髪シーンって、気合い入り過ぎでしょ、と思ったり。
頼通殿の若輩振りが、昨年大河の秀忠さん(演・森崎ウィンさん)と被ったり。


最後の方は旅に出たまひろさん。お供は乙丸さん。第一話からお側仕えしているはずなのですが、そうするとどう考えてもアラカン以上。実に壮健でいらっしゃる。
そういえば須磨帰り・明石帰りとは、原文で『源氏物語』を読もうとして最初の方で挫折する人を揶揄って言う言葉だったかと。それにしても、須磨の浜では推定アラフィフでインドアな女性としては中々ワイルドな走りっぷりでした。

当然ながら、宮仕えを辞した後の紫式部について詳しいことはあまりわかっていませんので、オリジナル展開でも差し支えないわけですが、太宰府まで旅をするとは中々アグレッシブ。
周明さんと再会するようですが、一体どうなるやら。

次回、刀伊の入寇。予告で見た隆家さん?随分ワイルドにおなりで。
今回大河唯一?の大規模な合戦シーンとなるでしょうから、どう描かれるものか楽しみではありますが、何もまひろさんを戦場のど真ん中に放り込まなくても良さそうなものですが・・・


グラディエーター2で見るローマ帝国衰亡史(※盛大にネタバレ注意)

2024-11-21 | ドラマ
グラディエーター2、観てきました。


映画『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』公式サイト

巨匠リドリー・スコット監督が贈る伝説的名作『グラディエーター』の続編!映画『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』大ヒット上映中

映画『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』公式サイト

結論から言いますと。
前作でローマ帝国の描写に痺れた人は必見。
前作ファンはとりあえず見るべし。

なお、今作公開直前の予習として、今年(2024年(令和6年))10月中旬に前作の4Kリマスター版が上映されていた模様。

以下、若干長めですが前作の復習を兼ねて紀元2世紀末のローマの事情をば。時あたかも中国では三国志演義の時代のほんの少し前、日本は多分邪馬台国の時代です。
『グラディエーター 4Kデジタルリマスター』10/11(金)~10/24(木)期間限定劇場公開

『グラディエーター 4Kデジタルリマスター』10/11(金)~10/24(木)期間限定劇場公開

巨匠リドリー・スコット監督が贈る伝説的名作『グラディエーター』の続編!映画『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』11月15日(金)劇場公開

映画『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』公式サイト

前作はマルクス・アウレリウス帝の治世最末年のA.D.180年から始まります。世界史で「五賢帝」を習った覚えのある人も多いと思いますが、その最後の最後くらい。
(ちなみにヤマザキマリ『テルマエ・ロマエ』シリーズは紀元130年代、五賢帝の3人目・ハドリアヌス帝の治世が舞台です)
作中での時間経過は1年あるなしくらいに描写されますが、史実では192年に暗殺されるまで12年余りコンモドゥス単独の治世が続きます。
…まあ、この辺は創作上の歴史改変ということで流すとして、前作『グラディエーター』の時代は間違いなくローマ帝国最盛期なのです。賑わってはいても決して荒廃してはいない、古代ローマ屈指の「佳き時代」。


「現代人は戦争についてあまりに無知ではないか」リドスコ監督が『グラディエーターII』を語る!3作目の構想も? | BANGER!!!(バンガー) 映画愛、爆発!!!

リドリー・スコットが『グラディエーターII』を語る!第73回アカデミー賞作品賞受賞作『グラディエーター』(2000年)は、古代ローマを舞台に…

BANGER!!!(バンガー) 映画愛、爆発!!!

前作DVDのコメンタリーでは、ルシアス皇子の実の父はマクシマスではないことになっていたような…ですが、ディレクターズカット版で描写が付け加えられ、今作では明確にルッシラ皇女とマクシマスの子ということに。ローマ上流階級にはありがちな話だったらしいのですが、なんだかなぁ。

それはともあれ、前作は悪の皇帝・コンモドゥスがコロッセオでマクシマスに斃され、マクシマスもローマを共和制の国に戻すのだと遺言して、故郷スペインの麦畑を麦の穂に触れながら歩いて愛する妻子の元へ去り……なエンディングだったのですが。

実際にはコンモドゥスの死後、「五皇帝の年」と呼ばれる大混乱を経てセプティミウス・セウェルスが即位、セウェルス朝が始まります。しかし、これがまた……
 セウェルス朝初代のセプティミウス・セウェルスはアフリカ出身、もっといえばカルタゴ出身の軍人・元老院議員から皇帝になった人です。彼の子孫に比べればまだしも人格だけはまともな皇帝でしたが、その出自(カルタゴ人ですから、アメリカで言えば日系など東アジア系かロシア系2世が大統領になったようなものかと)と即位時の事情から元老院とは敵対関係にあり、自らの権力基盤とした軍を富ませることに執心して軍事費が激増し、それにより民衆は重税にあえぐことになります。彼はシリアの太陽神ヘリオガバルスの神官の娘と結婚したのですが、どうもこの妻、ユリア・ドムナの血がよろしくなかったようで・・・
 セウェルス朝2代目がカラカラとゲタ。本作の皇帝ですね。
日本ではカラカラ大浴場と、美術室にあるデッサン用石膏像
で、認知されていると思われます。美大出身の愚妻曰く、本作のカラカラのビジュアルが上記の石膏像のイメージとかけ離れすぎていて……とか。

実はこのカラカラ、コンモドゥスを凌ぐ暴君として有名でもあります。『ローマ帝国衰亡史』を著したギボン曰く「人類共通の敵」。アントニヌス勅令でローマ市民権を全属州民に付与、と聞くとプラスイメージかもしれませんが、実際には税収不足を補うための手段だったりします。弟のゲタ(作中では、まだしもまともなゲタがカラカラをフォローしているような描写でしたが、実際にはお互いに単独統治を望み憎しみ合っていた模様)を母親の前で殺して正当防衛と嘯くわ、ゲタ殺害の顛末をからかった詩が流行った属州エジプトのアレキサンドリアに出向いて、「話を聞くぞ」と寛大な様子を見せたカラカラ帝に感心した無辜の市民が多数集まってきたところを軍に命じて2万人以上を屠るという大虐殺をするわ、……これ以上詳しい話はギボンの著作をどうぞ。

作中でもゲタと並んで「まともじゃない」雰囲気を醸し出すべく、前作コンモドゥスのようなメイクをしていましたが、コンモドゥスが名君に見えるくらいメチャクチャな暴君だという知識がないと、何だあの白塗りのひ弱なバカ殿は?で終わってしまいます。実際、日本語による各種映画サイトのレビューではカラカラが何者か分かっていない書き込みがほとんどです(それはそれで、作中描写のみで評価することでもあるので正しくはあります)。
多分一般的な日本人だと、古代ローマについてはヤマザキマリ『テルマエ・ロマエ』『プリニウス』くらいしか一般向けの認知がない(塩野七生『ローマ人の物語』シリーズを読破するような人種は、筋金入りの歴史マニアに違いないのでこの際おきます)ので、無理もないと言えば無理もありません。

そこで、今作におけるローマの描写ですが、24年間のCG技術の発展により更に描写はグレードアップしています。そして、注意深く観察すると、前作には明らかに「なかった」ものがあります。夜、ローマの路地、コロッセオの近くにも転々と焚き火する人々が。
そして、主人公ハンノ(ルシアス)が剣闘士として馬車に詰め込まれて移送されているところにもお恵みをと寄ってくる、乞食な人々。
そう、今作のローマは明らかに前作からの16年間で衰えているのです。

思えば前作、西暦2000年の頃はアメリカも元気でした。格差はあれど2024年現在ほど分断感があったわけではなし、テロとの戦いが始まるは翌年、パクス・アメリカーナの最盛期といってよかった時代です。
あれから24年、依然経済力と軍事力は世界一なれどアメリカ国内での人種間の対立や階層間の対立は手で触れば血が出そうなくらいに先鋭化し、溢れる不法移民が種々の問題を引き起こしているとされ、多様性を言い立てるWokeな人々が言葉狩り表現狩りに邁進し、SNSはかえって人々の分断を助長する。今作でのローマの描写はそこに通じるものがあります。

さて、ようやく今作の話です。三国志演義なら赤壁の戦いの頃のお話。日本だとそろそろ卑弥呼が出てくる頃かな。

本作の年代は詳らかではありませんが、作中で前作の16年後であることが示されます。前作の出来事が182年のコンモドゥス暗殺未遂事件をベースにしていると考えると、単純に計算すると198年ということになります。しかし、それではカラカラ・ゲタ兄弟の父帝、セプティミウス・セウェルスの治世前半に当たってしまいます。といって192年、史実でのコンモドゥス帝の没年から16年後では208年。カラカラ帝の即位年は209年なので、16年の数え方によってはギリギリですが、今度はルッシラ皇女がルシアス皇子を落ち延びさせた時点で12歳、という描写が怪しくなります。マルクス・アウレリウス帝が亡くなった180年にルッシラとマクシマスが結ばれたことにしないと辻褄が合わなくなりますが、前作での作中時間の経過が何とも怪しくなります。
というのも前作の前半、コンモドゥス帝が凱旋式を挙行した時にルシアス皇子が出迎えているのですが、ルシアス君はラストまでほとんど成長が見られないので作中でのルシアス君の時間は1〜2年の経過と考えないとこちらも矛盾が生じます。実は180年にコンモドゥスが父帝を弑し奉り、その罪をマクシマスに擦りつけてから、マキシマスがローマへプロキシモ一座と共にやってくるまで10年経っていた、という解釈もなくはないのでしょうが……

冒頭の、軍艦と城塞都市との交戦から始まる戦闘シーンは前作同様圧巻でした。前作がローマ軍団による野戦での大会戦を描いていることへの対比でしょうか、海戦と攻城戦になっています。流石に前作冒頭のゲルマン人との戦闘シーンほどの衝撃はありませんが、見ごたえは十分。
アカシウス将軍(ルッシラ皇女の後添)も筋の通った漢として描かれています。ルッシラ皇女は年月を経てもお美しい(役者さんも同じコニー・ニールセンさん)のですが、やろうとしていることは前作のほぼコピー。
※無粋な史実をいいますと、ルッシラ皇女は182年に起きたコンモドゥス帝暗殺未遂事件に関与して追放、後に処刑されています。彼女の息子もカラカラ帝に殺されていたりします。
……最初の剣闘シーン、ヒヒとの戦いは減点材料。24年前はCGフル合成が無理だったため本物のトラを使ってリアリティ満点でしたが、今作はなまじCGが”使えてしまった”ために却って現実感を損ねていました。これは今作中、コロッセオの中でチラッと出てくるトラかライオンと思しき猛獣も同様。ヒヒだかクリーチャーだかわからんアレだけはなんとかならなかったものだろうか……
ちなみにコロッセオに水を張ってガレー船を浮かべ、海戦を再現したのは史実で、完成当初にそのような演目があった記録もありますが、後年セリを設けて水密が保てなくなったため、カラカラの頃にこれができたかどうかは調査不足で何とも言えません。
※とはいえ前作クライマックスで、コンモドゥスとマクシマスがセリで闘技場のアリーナに登場していたので、それを考えるとセリの部分をローマンコンクリートで塞いで置かない限り水密的に無理があるのでは……
流石に闘技場プールの中へサメを放したのは演出過剰な気がしますが、まあ絶対に不可能とも言えないので(苦笑)
それよりも、宮殿内の池に錦鯉っぽい魚が泳いでいる方が気になる人がいるかもしれません。

本作におけるラスボス、デンゼル・ワシントン御大演じるマクリヌス(現在のアルジェリア出身)は、史実ではカラカラ帝の近衛隊長を務めていました。その後皇帝の猜疑を買い、カラカラ帝が暗殺された際に彼の関与が噂された人物です。剣闘士上がりの人物というわけではなく、文官として出世した人物ですがまあそこは置きます。
カラカラ帝の死後、彼はローマ史上初めて元老院議員の経歴を持たない騎士身分出身者としてローマ皇帝に即位します。カラカラ帝によって(彼のペットのサルと一緒に)執政官(コンスル)に任命されるシーンは、一応史実を踏まえていると言えなくもありません。また、彼がカラカラ帝を殺害するシーンも、史実の脚色としてはありな範囲でしょうか。

クライマックスシーンでマクリヌスはルシアス(ハンノ)と剣闘の末討たれます。しかし、前作と異なりもはやローマの名誉も正義も見い出せない世の中。
ラストシーンでルシアス(ハンノ)が「教えてくれ、父上」と嘆きますが、マクシマスも答えようがない嘆きでもあります。

というのもマクリヌスの死後、次の皇帝はカラカラ帝の母方の従兄弟の子、ローマ帝国史上燦然と輝く超弩級歴史的変態にして超絶美少女な男の娘皇帝ヘリオガバルス(エラガバルス)なのです。
あまりにも変態度が過ぎて、LGBTQの権利を尊重するべしとするWoke仕草な流れから再評価が進んでいるという(英国の某博物館では彼に関する展示を「彼女」として女帝扱いにしたそうな)、ヲタクの妄想的要素山盛り詰め込み過ぎで頭痛が起こるような人物ですが、シンプルに当時の価値観で判断するならもうHENTAIの一語に尽きます。
※意外なことに、政策だけで判断すると今日の観点からは評価に値する先進的な政策(特に貧民対策などで)を行っている比較的まともな部類の皇帝ではあります。とはいえ、先入観をリセットした上で女性としてみてもこれはちょっと……な性的放縦振りが酷すぎる上、あまりにも度々法によらず愛憎を優先させてお気に入りの女性を裏切った男性を恣意的に処刑していたりするので、女性君主としてみても暴君と評して差し支えない君主です。
*なお、彼の行状を細かく記すと誇張と思われる部分を省いてもR18、特色ピンクの薄い本でしか描けない世界になってしまいますので省略。ちなみに、男の娘絡みの18禁同人誌で描かれているようなアレコレは現代文明の利器を用いたものを除き、おおよそ全てのシチュエーションをこなしているそうな(呆)

それはもう、ハンノ(ルシアス)でなくとも「どうしたらいいんだ、教えてくれ、父上(マクシマス)」と言いたくもなろうという展開が待っている次第。
加えてヘリオガバルスが彼についていけなくなった人々により惨殺された後、従兄弟のアレクサンデル帝が軍経費を削減して軍の反乱により殺されると「三世紀の危機」「軍人皇帝時代」とされる内乱に突入するという救われない結末へ。これを収めたのは本作ラストから約70年後、ディオクレティアヌス帝が即位して専制君主政(ドミナートゥス)を確立させ、「ローマは共和制の国です」という建前をほぼ粉砕してのけた後のことになります。
(なお、そうはいっても一応共和制の建前は残ったようでして、東ローマ帝国では9世紀以降その滅亡まで「デーモス(市民)」という官職名の役人が皇帝即位を寿ぐという儀式があったそうな・・・)

と、ここまで書いてみての感想。
ひょっとして、マクシマス・ルシアス父子、暴君を弑するのは良いが却って事態を悪化させているのではなかろうか……まさにアメリカ合衆国が他国の混乱に介入した時の仕草かもしれないと思えば、意外にアメリカ的価値観を忠実に反映した映画なのかもしれません。

大量離脱?橋本環奈『おむすび』失速は“ギャル”のせいか“脚本”か…巻き返しのカギは麻生久…

2024-10-14 | ドラマ
朝から現実は見たくねぇ(生業上、ギャルな年代に接しているため)
と零したら、愚妻には笑われましたが。

うん、『おむすび』のギャルサーの子たち、確かに全然楽しそうじゃないんですよね。
見ていて共感できない(年齢のせいでしょう(苦笑))にしても、楽しそうな雰囲気は伝わるのですが、今更ギャルサー?と周りから冷たい目線に晒されて恥ずかしい、と言わんばかりの雰囲気。
福岡市、というより博多の人口なら、時代的にもう少しギャルな娘さんがいそうなものですが・・・・・・

今年度前半の朝ドラが大河ドラマ並に重厚でしたからねぇ(個人的には全くハマらなかったので当ブログでは全く触れていませんでしたが、世間的には傑作の部類であることは認識しています)。
落差が激し過ぎて脱落した人も多いのでは。
……流石に『ちむ』よりはマシかと。あれはもう、想像力に乏しいであろうヒロインの高校生時代の妄想で片付ける以外処置のしようがなかった……


続『響け!ユーフォニアム3』

2024-07-16 | ドラマ
さて、本作について追記。正直なところ、まだ気持ちの整理がついていないままです。

ユーフォ奏者の末端&社会人でもコンクールに奏者として出るという重病人(笑)故に、色々と思うこともありまして。
(指揮で出たことも1回だけ)

原作改変の見事な例ではあるが賛否両論という本作、とりわけ第12話。
3年間北宇治高校で頑張っていた主人公・黄前久美子さんと、吹奏楽の強豪・清良女子(モデルは明らかに精華女子、同校は高校吹奏楽界の極超名門)からこの春転校してきた黒江真由さんの、全国大会におけるソリ(Soli。単奏、ソロと違い他の楽器も重要な役割を果たしている。今回はトランペット(高坂麗奈)とのデュエット)の座をかけたオーディションについて、原作小説では久美子部長・アニメ本作では真由嬢が担当となる、というあらすじです。

原作者・武田綾乃先生も公認の変更ですし、久美子部長たちが1年生当時トランペットソロの座を3年の中世古香織さんと麗奈嬢が争った故事のセルフオマージュ(誰がどう聴いても麗奈嬢の方が上、ただし3年だから香織嬢が吹いても多分文句は出ないし全国にも行けただろう、という程度の差)でもあります。1年のときは再オーディションの後の部員の挙手(アニメ第1作では、香織嬢には当時2年の吉川優子さんだけ、麗奈嬢には久美子嬢だけが挙手)でも決まらず、香織嬢が自ら辞退する形になりました。
今回は部員の投票は全くの同数、最後に麗奈嬢の一票で決まる、という展開。聴いてみても真由嬢の方が技術的に正確なのですが、久美子嬢くらい吹けていればあとは好みの問題と言っても角は立たないと感じます。
・・・作中、このシーンはブラインド・オーディション(海外一流オケでも採用、これにより女性奏者の採用が格段に増えたといういわくがあったり。斯界に女性だから落とされる、というジェンダーギャップが実在した傍証ともなった)で行われましたが、毎日合奏やパート練習で音を聴いている2人の部活内オーディションにどこまでブラインドの意味があったのだろう、と、思わなくはないです・・・

作劇上、麗奈嬢が真由嬢を選んだ方がよりドラマとして「正しい」のかもしれませんし(麗奈はん、あんたはんが1年生のとき香織先輩にやったことやろ、と言われても抗弁できないでしょうし、実際その後泣きシーンが・・・・・)、各キャラの設定や性格に沿うのはこちらの方なのは理解はできます。が・・・・・・

ええ、何も創作世界のクライマックス直前でまで現実世界で普通に起きているようなアレコレを見せられなくてもいいじゃないか!と、叫びたくなりました。
(本番直前にキミ、Aさんと交代ね。とか、コンクール当日のチューニング室で「そこの部分、今日は吹かなくていいよ」と言われるとか。ま、自分の腕前のせいなのでそこに文句をつける気はないのですが、悔しい気持ちになるのは仕方なかろうと)

おそらく、この変更に納得できていない人の中には『響け!ユーフォニアム』という作品の解像度が高すぎて痛い、という人も結構いるのかもしれません。高校時代吹奏楽部員だった大人たちで、その後も楽器を吹き続ける人は恐らく数%。サンプル数が少ないことは承知で私の高校時代の先輩後輩を数えると、確実に10%を切ります(私の代限定で言うと2割超え、但し元々の人数が前後の代に比べ極端に少ない(卒部時1桁))。コンクールに血道を上げることなく楽しくゆるく活動していた人たちもいるでしょうが、全国大会出場を真剣に目指していたような吹奏楽部にいた人たちは、『響け!〜』の描写のどこかが心の古傷を抉るのかもしれません。
・・・・・・高校時代、吹奏楽部だったけれどコンクールとは無縁に活動していた愚妻はこの展開を「大変ねぇ」で済ませていました。私の反応がかなり過敏に見えたようです・・・・・・
・・・・・・なお先輩(男性)の場合、先輩の息子さんも吹奏楽部だったのですが、息子さん高校3年生のときの県予選前に「父さん、最後のコンクールに出る気持ちってどうだった?」と訊かれ、言下に「代表になって支部大会、全国大会に出ることしか考えていなかったから最後のコンクールなんて思って出たことはない」と答えたとか。先輩が高校時代の頃の鬼の上級生っぷりを思い出すと共に、県大会突破から10年単位でご無沙汰な母校の凋落(と言ったら失礼かもしれないが)振りに涙したものです・・・・・・

過去作と同じく、多分恐らく近日中に劇場版が制作されるだろうと思いますが、soliについてこの辺どう処理するのかが観物ではあります。

それにつけても、中の人(声優さんはもちろんですが、この場合は各キャラの演奏担当の方たち)の演技がすごいなぁ、と改めて思ったり。


何を今更な『響け!ユーフォニアム』

2024-07-09 | ドラマ
一週間ほど時期を外していますが、アニメ第3期が終わったので。

『悔しくて死にそう』と悔し涙に暮れていても周囲が誰も理解してくれなかった少女が、仲間たちと共に『嬉しくて死にそう』と歓喜の涙を流すに至るまでの物語。
主人公の親友たる高坂麗奈嬢を中心においてみれば、そういう物語ではないかと。

高大社会人と吹奏楽を続け(社会人時代は結構ブランク多め)、大学&某市民吹奏楽団でユーフォ、高校時代にはユーフォ兼ドラムメジャーやってた身からすると、解像度が高すぎて“痛い“物語でしたから、若干ですが避けていた感はあります。
自分の愛機より年下のメンバーに「『響け!ユーフォニアム』、リアルですよね」と話しかけられた時に、「いや、僕からすると先輩がアノ方とコノ方で、後輩がカレとアレだよ?同輩はアイツとソイツ。察してくれや」と答えてかなりドン引き気味に同情された覚えがあります。
(楽団の長老格が高校時代実際に1つ2つ上の先輩(アノ方&コノ方先輩)だったメンバーや1つ下の後輩だったメンバー(カレとアレ)、元団員だった市内オケで吹いている同輩(アイツとソイツ)、という組み合わせ。ちなみにソイツさん(現役当時はコンミス)以外は男性、先輩と後輩はキャラ濃過ぎ・・・・・・)
なお、私の高校時代ですと入学当時は男子の方が多く、私の学年で男女同数、1つ下の学年から女子優勢に。学年全体でも男女比2:1でしたけれど、多分30代後半以下の年代の吹奏楽部経験者には想像が難しいくらいには男子比率高めでした。さらに遡って中学時代なら男女比1:2でしたっけ。

1期〜3期、及び劇場版各編を通して見て、黄前久美子部長の性格はまあ、ユーフォ吹きにありがちかも知れません。高坂嬢はホルンにもいそうなタイプで、トランペット吹きとしてはクラシック寄りな感じ(ジャズ・ポップス向きな性格には見えない)。塚本秀一くんはトロンボーンにありそうな性格なので、ホルンから転向して正解だったかも。

第1期・第2期(1年生編)に比べると随分と演奏シーン少なめでしたが、基礎練や合奏練習を延々見せられても経験者以外は喜ばないでしょうから(苦笑)とはいえ府大会と関西大会の自由曲のさわりくらいは聴きたかったかも知れません。特に、久美子部長と真由ママの演奏の違い。

第1期から一貫して、滝先生の指導はかなりリアルなので(全国大会高校の部に複数回出場経験のある指導者の方に振っていただいた印象と比較して)、本気で上位大会を狙っていた学校の出身者には色々クルかも知れませんね。
メタな話をすると、演奏担当のプロの皆さんの演技(演奏)、芸が実に細やかでした。

ちなみに2017年度吹奏楽コンクール全国大会で課題曲I(『スケルツァンド』)を演奏したのは現実では中高大一、全部門通しても6団体だけ。金賞は文教大学のみ、高校の部では平商業(東北代表)の銅賞1校だけ。この年の課題曲の中では難曲でした。一般に技術的に高度とされる課題曲Ⅴ(2017年は『メタモルフォーゼ〜吹奏楽のために』)よりも少ない次第。自由曲の『一年の詩〜吹奏楽のための』も難しい割に曲調的に金賞を取りづらそうな曲なので、よくまあ北宇治高吹奏楽部&滝先生は攻め切ったものだと思います。

ラストは黄前先生の挨拶で締めます。3期第1話冒頭の職員室で映し出された机上は、実は2024年4月の横前先生の机だった、という演出。教員生活3年目?な黄前先生、わりと板についた感じ。担当教科は何なのでしょう(松本美智恵先生は滝先生と同じく音楽らしいのですが、1学年7クラスの高校で音楽科が3人というのもちょっと多過ぎると思いますので)
多分滝先生が顧問を続けているのだろうと思いますが2015年度着任から数えて10年目に突入、京都府教育委員会の人事方針はどうなんでしょうかね。某県教委は実績のある顧問でも原則7年、最大9年で情容赦なく移動させますが(しかも後任についての配慮はほとんど無し)。

麗奈嬢はまだまだトランペットの修行中、葉月嬢と緑嬢は就職したらしいですが楽器を続けているのかどうかは不明。
麗奈嬢、滝先生に告白したいと語っていましたが果たして「滝麗奈」と名乗る日は来るのだろうか(早くしないと滝先生、本当におぢいちゃんになってしまうぞ)。
それよりは塚本久美子先生の登場の方が先な可能性が高そうです(秀一くんが久美子ちゃんを逃してしまわない限りにおいて)。