全日本ラリー選手権第4戦「ARK RALLY 洞爺」は、
7月4日から6日の日程で北海道内でも有数の観光地である洞爺湖周辺の林道を使用して
開催されました。
これまでもフラットな路面に北海道らしいハイスピードコースから
チャレンジングなテクニカルセクションまでバリエーション豊富なステージが揃うことから、
ドライバーから大きく支持されてきた当ラリーですが、
今年もデイ1は洞爺湖北側の3つの林道を2ループ、
デイ2は西側の3つ林道も2ループ走る構成となっていました。
また、ループ間には2度のギャラリーステージを2本挟み、
トータルで71.62kmのスペシャルステージがラリー車を待ち受けていました。
競技は、金曜日のまだ明るさが残る18時30分にスタート。
この日はギャラリーステージ1本だけのスケジュールのために、
本格的な勝負は翌日の林道からとなります。
通常、グラベルラリーではスタート順が早い方がステージ上にある砂利が抵抗となって
不利になりがちですが、今回のラリーではラリー車が巻き上げる埃が凄く、
一概に後方ゼッケンが有利とはいえない条件となっていました。
一夜明けた土曜日、オープニングステージからスパートを見せたのは
SUBARU WRX STIの新井敏弘選手/竹下紀子選手組でした。
SS3のベストタイムで2位に上がったSUBARU WRX STI 5ドアの
勝田範彦選手/足立さやか選手組をSSごとに引き離していきます。
結局、新井選手/竹下選手組はデイ1では6つのステージを制して、
2位勝田選手/足立選手組に15.2秒のリードを奪いました。
ここまで3戦、勝利の女神から見離されていた感のあった新井選手/竹下選手組でしたが
デイ2に入ってもそのスピードは衰えず、
「ハイスピードセクションではWRX STIの運動性能が活きて、アドバンテージが得られました」
と会心の走りで全日本ラリー選手権本格復帰後初の優勝を手にしました。
JN5クラスでは、AWD勢を向こうに回してFRのSUBARU BRZを駆る
SS2でトラブルによりペースダウンした前走車の巻き上げる埃に遮られ
遅れてしまいましたが、SS3のベストタイムでトップを奪うとあとは余裕の"一人旅"。
デイ2では「ライバルたち(のタイム)を見ながら、無理のないペース」で走り切り、
2005年にSUBARUインプレッサでラリー北海道を制して以来の
全日本ラリー選手権勝利となりました。