維新・吉村氏が直接「辞職」説得 全会派から辞職要求されるも『続投宣言』
「辞職」するよう直接説得を行った日本維新の会の吉村洋文共同代表は、斎藤知事が「辞職」を否定したこと受け、記者団の取材に対し「自分に非はなかったのか改めて考えて」と語った。
■食い違った元側近との証言 「告発者探し」問題なしと見解
元西播磨県民局長が告発した斎藤知事に関する様々な疑惑を巡っては、内容の一部について知事本人も事実と認めている。
また、百条委員会では、斎藤知事が「告発者探し」を行ったことについて厳しく批判されたものの、斎藤知事は、告発文は『誹謗中傷性の高い』文書だとして、「告発者探し」を『告発された当事者』である片山安孝前副知事が担当したことは「問題なかった」と持論を展開。
元局長を第三者による「外部調査」ではなく内部調査で懲戒処分としたことも「問題ない」と繰り返した。
この他にも側近だった片山前副知事が、百条委員会で「第三者機関で調査を行うべきと幹部が知事に進言していた」と証言したが、斎藤知事は「進言があった記憶はない」と否定し、2人の間で認識が食い違う場面も見られた。
知事の証人尋問を受け、最大会派の自民党は6日、「斎藤知事は道義的責任がある」として、今月12日に辞職を申し入れることを決め、公明党や立憲民主党の県議らでつくる会派など、他の会派もこの申し入れに加わる方向となった。
慎重な姿勢を見せていた維新も9日、斎藤知事に「辞職」と「出直し選挙」を求める申し入れを実施。
また、日本維新の会の吉村洋文共同代表は7日、斎藤知事に対し辞職するよう「直接説得」を行ったという。
吉村共同代表は9日午後、記者団に対し、斎藤知事と話した内容について以下のように答えた。
日本維新の会・吉村洋文共同代表:先週末、土曜日(7日)に話をしました。僕も同じ知事ですから『職員がいる中で、知事という権限を持った、すべての予算権や人事権を持った知事が物を投げる、机を叩くという行為は、やってはいけない』という話もして、そして『これはもし僕がやったらパワハラになるだろう』と思います。
告発文書の中に、自身のパワハラの記述がある以上、やはり早期の行動として、『自分が早期に結論を出すのではなくて、しっかりとその段階で公務員失格や懲戒処分を知事が方向性を決定づけてしまうのは間違った権限執行ではないか』という話を致しました。
そして、なかなか実際には、兵庫県の県政が十分にうまく進んでいない状況があるということを考えれば『間違っていることは素直に間違っていると認めて、謝って、そしてさらに前に進めるということであれば、知事を辞職して県民の皆さんに問うべきではないか』という話を致しました。
■全会派「辞職」要求の異例事態も 『続投宣言』 「自分なりの言葉で懸命に伝えてきた」と知事
維新の決断で、全会派から辞職を要求されるという前代未聞の事態となった斎藤知事は、9日午後、囲み取材に応じ、自身の進退について「県民の皆様に対して、不安を持っておられる方に対して説明していくことが大きな責務」と語り、続投を宣言した。
兵庫県・斎藤元彦知事:私の考えとしては、維新の会の皆様、本当に3年前の選挙以来、大きなお力を頂いて感謝申し上げたいと思います。その維新の会からの申し出というものは、私自身も大変重く受け止めています。
これから私としては百条委員会、これまで2回出席させて頂いて、自分なりの考えや認識を伝えさせて頂きました。
それで県民の皆様に十分伝わったかというと『まだまだ不十分だ』というご指摘もあろうかと思いますけども、自分としては、これまで前回の百条委員会も含めて、自分なりの言葉で懸命に伝えさせて頂いたというつもりではあります。 これから百条委員会、そして第三者機関も続きますので、知事として必要な時にはしっかり出席して、説明をさせて頂くということで引き続き、県民の皆様、そしてこの問題に関心を抱いたり、不安を持っておられる方に対する説明をしていくことが私の大きな責務かなぁという風に思っています。
自分がどういうふうに道を進んでいくかということは自分が決めていくということが大事。調査にこれから知事として対応していくという事と共に、やはり県政にとって県民の皆さんにとって大事な予算、そして事業、これからも一つ一つやらせて頂くということが県民の皆さんにとって私が果たすべきこと。
■「よく考えてもらいたい。自分に非はなかったのか」と吉村共同代表
また、斎藤知事が改めて「辞職を否定した」ことを受けて、同時間帯に囲み取材に応じていた維新の吉村共同代表は「自分に非はなかったのか、よく考えてほしい」と述べた。
日本維新の会 吉村洋文共同代表:斎藤知事におかれては、しっかりとよく考えて頂きたいと思います。本当に自分に非はなかったのかどうか。初期の対応、そこに間違えたところはなかったのか。日々の職員とのやり取りはどうだったのか。改革するうえで色んな背景事情というのはあると思います。
FNNプライムオンライン
いかなる背景事情があったとしても、やはり斎藤知事自身に非がなかったのかどうかはよく振り返ってもらいたいと思います。
県議会では今月19日までに知事が辞職に応じない場合、「辞職」か「解散」を迫る不信任決議案を提出する動きもあり、今後の動向が注目される。
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