【ワシントン=田中宏幸】米バイデン政権は10日、中国産などの鉄鋼、アルミニウムが追加関税を逃れるためにメキシコ経由で 迂回(うかい) 輸入されるのを防ぐ対策を発表した。米国、メキシコ、カナダで生産された製品であることを証明するよう事業者に求める。
トランプ前政権は2018年、通商拡大法232条に基づき輸入鉄鋼に25%、アルミニウムに10%の追加関税を課し、バイデン政権も維持している。
だが、追加関税の適用対象外となっているメキシコを経由した輸入が後を絶たない。米メディアによると、米国は23年にメキシコから約380万トンの鉄鋼を輸入したが、うち13%が中国を含む海外産だった。アルミニウムは10万5000トンで、6%が米国、メキシコ、カナダ以外で精製されていた。
今回の対策では、追加関税の対象外となるには、米国、メキシコ、カナダで溶融・鋳造された鉄鋼だと証明する必要があると定めた。アルミニウムの場合は中国、ロシア、イラン、ベラルーシで一次精製されていないことを示すよう義務付ける。
米国は、中国政府による巨額の補助金で過剰生産された低価格の鉄鋼、アルミニウムが国内に流入することを警戒している。
読売新聞
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