国民民主党の前原誠司元外相が17日の衆院予算委員会の集中審議で、中国海警局に武器使用の権限などを付与した海警法について菅義偉(すが・よしひで)首相と論戦を交わした。海警法に関し、「中国が『法の支配』への今までの考え方を変えるかもしれない」と迫る前原氏に対し、首相も「わが国の強い懸念を中国にしっかりと伝えたい」と応じた。
「中国に遠慮する必要はないですよ」
前原氏は海警法に対する首相の見解について、強い口調で答弁を求めた。
茂木敏充外相が「海警法であろうと、他の法律であろうと、わが国の主権を有する海域で中国の国内法に基づき、管轄権を行使することは日本の主権を侵害する」と述べたが、前原氏はなおも首相に対し、「国際法違反の懸念があると明確におっしゃいませんか」と答弁を求め、首相から「国際法との整合性から問題がある」と引き出した。
さらに、前原氏は尖閣諸島(沖縄県石垣市)についても「中国は本当に尖閣を取りに来ているという前提で物事を考えないといけない」とした上で「絶対に日本の固有の領土を守るためには国の資源を総がかりでしっかり対応するという国家の意思を中国に示すことが大事だ」と畳みかけた。
首相も「切れ目のない対応を十分行うため、引き続き大型巡視船の整備や自衛隊の能力向上を図り、わが国の領土・領海・領空を断固として守るという方針のもと、冷静かつ毅然(きぜん)と対応したい」と強調した。 産経新聞