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誰も知らない認知症;脳のはたらき(知的機能)からみた老人性認知症の予防と介護

老人性認知症の確実な予防方法と認知症高齢者の適切な介護方法をシリーズで解説します。

42 再び「知的機能」(重要)

2018-11-09 13:15:27 | 日記

(お知らせ1;必見のブログです!是非とも閲覧して下さい)
 このブログ「誰も知らない認知症」の読者の方々には「29 高槻さんのブログ」〔2018/08/15〕以降、エイジングライフ研究所副所長の高槻絹子さんのブログ「脳機能からみた認知症」( https://blog.goo.ne.jp/ageinglife )をこれまでに何度もご紹介してきましたが、最近のブログ『「チコちゃんに叱られる」にエイジングライフ研究所のグラフ登場』〔2018/11/8〕を是非とも閲覧していただくようお勧めします。

(お知らせ2;緊急企画です)
 このブログ「誰も知らない認知症」には最近毎週1回のペースで投稿(更新)していますが、上記の「高槻さんのブログ」に刺激された緊急企画として、11月中旬から下旬に予定していた3つのテーマのブログ
 ・42 再び「知的機能」(重要)
 ・43 前頭葉と「心」「意」「気」
 ・44 こころの知能指数
を今日から3回(11月9日、10日、12日)連続で投稿することにしました。


 老人性認知症が「後期高齢期における知的機能(知能)の障害」によって惹き起こされる病態であることを否定する方は皆無であると思います。前回のブログ『41 脳は「1つの脳」(重要)』〔2018/11/07〕で知的機能に関する理解を深められた読者の方々には、引き続き老人性認知症の原因である「知的機能の障害」に関する理解をさらに深めていただき、老人性認知症の確実な予防と認知症高齢者の適切な介護を実践していただくことを願いながら、今回のブログの解説を進めていきたいと思っています。

 このブログの読者の方々が「誰も知らない認知症;脳のはたらき(知的機能)からみた老人性認知症の予防と介護」を初めて閲覧し理解されるまでは、おそらく「認知症=知能の障害=長谷川式」というイメージの中で老人性認知症の予防や介護に向き合ってこられた方々が大多数だと思います。この悲しむべき現状を批判するつもりは全くありませんが、認知症の医療や介護の領域だけではなく一般社会においても依然として「認知症=知能の障害=長谷川式」の発想が定着し続けていることを危惧しています。そして、「長谷川式」はともかく、「知能」が曖昧模糊とした知識やイメージで捉えられている限り老人性認知症の確実な予防や認知症高齢者の適切な介護は実践できないことを、一人でも多くの方々に早く気付いていただきたいと心から願っています。

 幸いにしてこのブログの存在に気付かれた賢明な読者の方々には、「認知症を正しく理解する」ためには「知的機能を正しく理解する」ことが必要不可欠であり、「知的機能を正しく理解する」ためには「知的機能の司令塔(最高次機能)である前頭葉の機能を正しく理解する」ことが必要不可欠であることを、特に強調しておきたいと思います(重要)。



 老人性認知症の原因としての「知的機能(知能)の障害」については、「認知障害」という言葉が医療/介護関係者の間で定着するまでは「記憶障害」という言葉が用いられてきました。そして、昨今の認知症関連の研修会などでも「老人性認知症の病態は単なる記憶障害ではなく認知障害である」と説明されるようになってきました。しかしながら、「認知機能」や「認知障害」という言葉が「痴呆」から「認知症」という用語に転換された背景の一つになったものの、言葉だけが独り歩きしている「認知機能」や「認知障害」の内容は正しく理解されていないと言わざるを得ません。
 さらに、知的機能全体の司令塔である前頭葉機能(統合機能)については、一部の医療/介護関係者の間で「実行機能」や「実行機能障害」という言葉が用いられている現状に留まり、「ワーキングメモリー」や「前頭葉機能」「統合機能」という言葉を見聞きする機会は稀であると言っても決して過言ではありません。

 つまり、「知的機能」や「老人性認知症における知的機能の障害」の理解が不十分な現状が続く限り、老人性認知症の確実な予防や認知症高齢者の適切な介護の実践は不十分な状態が続くという警鐘として、今回のブログのテーマ『再び「知的機能」』について記述してきたつもりです。「老人性認知症の本質的な病態は前頭葉機能(統合機能)の障害である」という『認知症の「事実」』に一人でも多くの医療/介護関係者が気付き、それぞれの医療や介護の現場での実践を通じて実感していただくことを心から願っています。
 そして、老人性認知症の原因としての知的機能の障害が、「記憶(機能の)障害」では説明できず、「認知(機能の)障害」だけでは説明できないことに気付き、老人性認知症の本質的な病態である「前頭葉機能(統合機能)の障害」に目が向けられることを願っています。



 「認知症」を「統合症」(統合機能低下症)と改称すべきであると主張するつもりは全くありませんが、少なくとも「認知症=知能の障害=長谷川式」という図式や「認知症=アルツハイマー=ア※セ※ト」という短絡的な発想(神話?)(都市伝説?)から脱却しない限り、認知症高齢者の著しい増加、認知症高齢者の生活や人権の保護、介護負担の増加や介護者不足の深刻化、医療関連の諸問題(有効な治療法の開発、薬剤の副作用、医療費の増大など)、認知症を取り巻く社会問題(社会保障費の増大、徘徊、交通事故、火災)などの解決策は見通しが立たないのではないかと危惧するばかりです。

【参照】 ・02 知的機能(1)〔2018/05/01〕
     ・03 知的機能(2)〔2018/05/07〕
     ・04 知的機能(3)〔2018/05/09〕
     ・05 知的機能(4)〔2018/05/15〕
     ・23 認知症の「事実」〔2018/07/11〕
     ・41 脳は「1つの脳」(重要)』〔2018/11/07〕

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