
沈む前に撮りたいっと、慌ててカメラを取りに自宅へダッシュ。それがこの写真です。クリックすると大きくなります。
こうして月が赤く染まるのは、夕日や朝日と同じ理屈です。太陽からの光は、大気中の窒素分子や酸素分子で波長の短い青系統の光は散らされてしまい青空を作ります。月の場合は月明かりですね。沈む時とか昇る時は、大気の中を長い距離通ってきますから、青系統の光が散乱され尽くしてなくなってしまい、結果として赤っぽく見えるのです。ただし、その分、暗くもなります。太陽の場合、昼間の太陽は眩しいですが、夕日はさほどでもありませんね。その減衰率は月にもおなじだけかかってきますから、たいていの日は月が地平線の近くで赤く染まっている姿は、暗くて見えにくいのです。
昨晩は春にしてはすっきりとした晴れ。そこで地平線間際の月まで、きれいに見えた訳です。当blogでの赤い月の写真を検索してみると下記の二つ。カメラもレンズも同じEOS kiss-D(初代) に、200mmF2.8です。今回は、赤かったですねぇ。
2004年4月9日 2005年9月28日
こういう赤い月が見られるかどうかは、微妙な晴れ具合なので予想しにくいのが難点ですが、きれいに晴れた日の月の入りや月の出は赤い月を見るチャンスとなります。こちらの国立天文台の各地の月のこよみのページで各地の時刻が見られます。こういった計算値は理想的な地平線、水平線での時刻です。そこで、たいていの場合は、月の出は遅れて見えますし、月の入りは早く沈んでしまいます。遅れる方は待っていれば良いですが、沈む方は、その時刻に見るともう沈んでしまっている訳ですから、ちょっと前に準備した方がよいですね。

ところで、この表、ちょっとヘンじゃありませんか? 4/11の月の入りが無いですね。なぜでしょう? これはちょっとした表と日付のイタズラなのです。
上の表を順番に見て行きましょう。4/9の7:07に昇った月は同日22:18に沈みます。そして月の出入りは日に日に遅くなります。そこで翌4/10は8:00に昇り、同日23:27に沈みます。沈む時刻は1時間9分遅くなりましたね。さあ、次です。4/11の9:02に昇った月は、沈む時刻は昨日(4/10)より約1時間遅くなりますから、昨日の23:27に1時間、、、すると日付をまたいでしまいますね。そこで、4/11の9:02に昇った月は、翌日、すなわち4/12の0:27に沈むのです。そして、4/12の10:10に昇った月は翌4/13の1:17に沈みます。。。
というように、日付を基準に表を作ると日付をまたぐことになってしまう日が出てきます。それを防ぐ為には、月の出や月の入りにそれぞれ日付を書けば良いのですが、表としてはややこしくなりますね。さらにあの月がいつ沈んだなんて追いかけて考えるのは少数派なので、その日のうちの月の出と月の入りがわかれば良いと考えれば、このままでよいのです。確かに4/11の24時間の間には、月の入りは無いのですから…。
これを書いている今、空はすっかりかすんでしまっています。今夜はちょっと曇りそうです。おぼろ月すら出番がないかもしれません。