たしか今年(2011年)の1月の事だったと思います。プラネドームから深夜に1階の事務所に降りてきた時、新館チームのTさんが「これって何かいいアイデアあります?」って、筆者に声をかけてくれたんです。これ、普通、番号だけで十分のもの。ただでさえ深夜までかかるくらい事務作業が大変な折、プラスアルファを考える。これってホントすごいことだと思うんです。blog復活の第2弾の話題はこれしかないって思ってました。それが、この元素ロッカーなのです。
え、何何?と筆者。だってそういうプラスアルファ、自分は大好きですから。すると四角がずらりと130個。縦5、横26並んでいました。これ、コインロッカーなんだけど、ここに何か描く良いアイデアないですか? おお、こういうのさらに大好きです。しかしこの数は多い。星座なら88だけど、とても足らない。それに科学館共通のエリアだから、星関係じゃなくて、もっと普遍的なものが良いなぁと思いついたのが、周期表でした。最初は一般的な周期表のように水素を左上端、ヘリウムを右上端のまさに周期表をと思ったのですが、数が合わない。それに、それなら展示室に実物入り周期表があります。名古屋市科学館 理工館4F 元素周期表展示
じゃあ、原子番号をロッカーの番号にしちゃったら? と思ったのです。しかしロッカー数は130台。現在確認されている番号は118までだから、、、いや、これは問題ない。「未来の新元素発見のために空けておきましょう!」 ということで、実現に相成ったのです。
その後は化学担当のI学芸員他に相談して、他のアイデアの有無や展示物との整合などを確認して(たとえば117番を表記するかどうか。117は2010年4月9日発表なので、いろんな表に載ってないものもある)現在にいたっています。
もちろん、その時点でこれだけ毎日のニュースに元素名が登場する日々が来ようとは思ってもいませんでした。
この元素ロッカー(公式名称ではないですけど(^_^;))は、事務所のすぐ脇なので、よく様子を見ています。通りかかった見学者の方の「うわ~、元素だ~」という声を聞くたびに、そして関係者の方が「これ良いですね」と言われるたびに(お世辞でも)、思わずニンマリする毎日です。科学館としての展示物でないコインロッカーにも、科学の匂い?をさせたいという新館チームの思いは伝わったのかなって思っています。
そして最初に経緯を書きましたが、これは新館チームのみなさんのおかげでした。簡単に終わらせようと思えば、すぐ済んでしまうことにも、一つ一つ気配りをして、より良い方策を考えること。さらに、独断ではなく学芸員(ちゃんと何人もに聞いてるんです)に聞いて、アイデアを具現化してくださったこと。長年の間にそうでない事例を多々体験してきているが故に、殊の外うれしかったのです。正直、筆者に聞けば事柄(手間?)が増えることは自明なはずなのに…。感謝です。
2012年11月21日 追記 *****
114と116の名前が決まりましたので、ロッカーもめでたく最新版になりました。 解説記事
また、113は9/27に、おめでとう! モードになってます。解説記事
そして今は通常運用になっています。