goo blog サービス終了のお知らせ 

From Planetarium

名古屋市科学館プラネタリウムのスタッフから、さまざまな話題を紹介します。

南極老人星

2008-02-16 19:19:42 | planetarium
200802 今月(2008年2月)のプラネタリウム一般投影テーマは「南極老人星」です。2/13の中日新聞朝刊にも記事が掲載されましたので、この図を見た方もいらっしゃると思います。
 南極老人星と呼ばれた、りゅうこつ座のカノープスはなかなか見えない事が特徴の星。だからこそ、もし見えたら長生きできるとか、祝いの宴までされたくらいに、おめでたい星です。真南の地平線までスカッと晴れていて、地平線まで見通せるところでしたら、ぜひ探してみましょう。最も高くなる時刻を図に書いておきました。1日4分づつ早くなっていきます。その時刻の15分前くらいから探すのがコツ。飛行機じゃない光る点が見え、しばらくすると向かって右(西)にゆっくり動いて行けば正解です。
 なお、この図は中部地方でのイメージです。北の地域の方はごめんなさい。緯度分低くなるので、東北以北は図形的に不可能です。南の方は緯度分高くなりますので有利です。もしこの星を見にでかけるという方は、とにかく南へ、海岸へ、というのが王道です。

Dscn0851 さて、先日テレビ塔の地上100mスカイバルコニーに行ってきました。一つ下のスカイデッキはガラス張りで暖かいですが、バルコニーは、金網なので、寒い寒い。でも目的は夜景じゃなくて「南極老人星」ですから、ガラス1枚でも無い方が良い訳です。
 写真はスカイデッキから見た南の夜景です。小さい四角の範囲を拡大すると下の写真になります。こうして見ると真南は、久屋大通からちょっとずれていますね。
 さて同じ構図で撮影した3枚の写真から計算した南中時のカノープスの位置は、星印の場所です。この日の南中時刻は21時6分。21時で閉館ですので、そこまで撮っている訳にはいかなかったのです。正直、怪しい人でしたね。一人ででかいバッグを持って、脇目も振らずに最上階へ直行し、昇ったら南しか見てなくて、金網に張り付いて、ばしゃばしゃ写真撮って、ぎりぎりまで粘って、、。

20080207_2 あいにく真南方向にはセントレア(中部国際空港)があり、離発着する飛行機がかなりまぎらわしいです。そこで、ビルから当たりをつけてみるのが良いです。快晴で地平線まで雲一つないときで、双眼鏡でなら見つかるでしょう。肉眼では不可能ではありませんが、かなり難しいです。遠視?の筆者も、正直確信はできませんでした。
 他のタワー系もチェックはしているのですが、21時30分までいられる東山タワーはガラス越しなので、写真にはなんとか写りましたが、やはり肉眼はダメでした。名古屋駅のミッドランドスクエアは周囲のビルが明るすぎて見えなかったとの報告を若手スタッフから受けています。その点、街中ですが、ガラスではなく、直に空を見る事ができ、真南にさほど眩しいビルのないテレビ塔は、もし名古屋市中心部でこの難関にチャレンジするとすれば、他に比べると確率が高いと思います。これで長生きするのも大変なのですね。まずはプラネタリウムでご覧くださいませ。