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喜べ

祈れ、感謝せよ! (by モーセ神父)

8/8

2014年08月07日 | キリスト教
キリスト教歳時記220  8月8日
B今日の福音
 ルカ15:11-24【「放蕩息子」のたとえ】また、イエスは言われた。「ある人に息子が二人いた。弟の方が父親に、『お父さん、わたしが頂くことになっている財産の分け前をください』と言った。それで、父親は財産を二人に分けてやった。何日もたたないうちに、下の息子は全部を金に換えて、遠い国に旅立ち、そこで放蕩の限りを尽くして、財産を無駄使いしてしまった。何もかも使い果たしたとき、その地方にひどい飢饉が起こって、彼は食べるにも困り始めた。それで、その地方に住むある人のところに身を寄せたところ、その人は彼を畑にやって豚の世話をさせた。彼は豚の食べるいなご豆を食べてでも腹を満たしたかったが、食べ物をくれる人はだれもいなかった。そこで、彼は我に返って言った。『父のところでは、あんなに大勢の雇い人に、有り余るほどパンがあるのに、わたしはここで餓え死にしそうだ。ここをたち、父のところに行って言おう。「お父さん、わたしは天に対しても、またお父さんに対しても罪を犯しました。もう息子と呼ばれる資格はありません。雇い人の一人にしてください」と。』そして、彼はそこをたち、父親のもとに行った。ところが、まだ遠く離れていたのに、父親は息子を見つけて、憐れに思い、走り寄って首を抱き、接吻した。息子は言った。『お父さん、わたしは天に対しても、またお父さんに対しても罪を犯しました。もう息子と呼ばれる資格はありません。』しかし、父親は僕たちに言った。『急いでいちばん良い服を持って来て、この子に着せ、手に指輪をはめてやり、足に履物を履かせなさい。それから、肥えた子牛を連れて来て屠りなさい。食べて祝おう。この息子は、死んでいたのに生き返り、いなくなっていたのに見つかったからだ。』そして、祝宴を始めた。


C今日の暦
○聖ドミニコ司祭(1170-1221年)。スペインの司祭。小さな城の城主の息子。アルビ派の異端に対し、説教と模範的生活(粗末な服で裸足で歩くなどの清貧)によって対抗し、成果を上げた。司祭の教育レベルが低く、教え導くことができなかったため、神学を学ばせ模範的生活を送らせるため説教者修道会(ドミニコ会)を創立した(そこからはアルベルトやトマス・アクィナスが出ている)。フランシスコと共に活躍した。
1945年 ソ連、対日宣戦布告。戦争終結のため日本は特使を送ろうとしたが、ポツダム宣言を拒否したと、宣戦布告。
1968年 和田寿郎教授による日本初、世界で30例目の心臓移植手術。10月に死亡。移植される側は本当に死んでいたのか、移植された側はそれほどの病気だったのかが疑問として残され、ただ和田の功名心のためとの疑惑が残った。このため日本で再開されたのは31年後となった。
1973年 金大中事件。後に韓国大統領となる金大中が東京都内のホテルから拉致され、8月13日ソウルの自宅で発見される。
1974年 ウォーターゲート事件でニクソン大統領が辞任とフォード副大統領の大統領昇格を公表。
1990年 湾岸戦争: イラクがクウェートの併合を宣言。


W今日の言葉   憐れに思う  スプランクラゾマイ σπλαγχνιζομαι(ギリシア語)
 「はらわた痛む」ほど深い共感を示す言葉。聖書で12回しか出てこない特別な言葉。イエスか、神の心情をあらわす文脈の中でのみ使われる。(マタ9:36、マタ14:14、マタ15:32、マタ18:27、マタ20:34。マコ1:41、マコ6:34、マコ8:2、マコ9:22。ルカ7:13、ルカ10:33、ルカ15:20)


Pワンポイント
 「放蕩息子のたとえ」で有名だが、「二人の息子を持つ父の話」のほうがよく意味を表している。父は神、弟は徴税人や罪人、兄はファリサイ派や律法学者である(ルカ15:1-2)。
 生きているうちに財産を分けてもらうことは、それだけで罪深いこと。父の死を願うようなことだった。
 豚はユダヤ人は飼わない(→4月13日P)。豚を飼うとなれば、ユダヤ外の異邦人の地に逃れていたことになる。しかも豚の食べるいなご豆さえ彼は食べることができなかった。
 我に返るとは「自分自身の中に戻る」こと。これができたことが救いの始まりだった。息子は一所懸命言い訳を考える。しかし父の方が先に息子を見つけ出し、かけよって、抱き、接吻した。息子の言い訳を何も聞かないうちに。父の行動は非常識的でもある。ここで神の愛が際立つ。
ここで指輪とは権威であり相続人の証し。履物は自由人であることを象徴する。服といいどれもサイズがあるのだから、弟息子のためのものを残しておいたことが分かる。

8/7

2014年08月06日 | キリスト教
キリスト教歳時記219  8月7日
B今日の福音
 ルカ15:8-10【「無くした銀貨」のたとえ】「あるいは、ドラクメ銀貨を十枚持っている女がいて、その一枚を無くしたとすれば、ともし火をつけ、家を掃き、見つけるまで念を入れて捜さないだろうか。そして、見つけたら、友達や近所の女たちを呼び集めて、『無くした銀貨を見つけましたから、一緒に喜んでください』と言うであろう。言っておくが、このように、一人の罪人が悔い改めれば、神の天使たちの間に喜びがある。」


C今日の暦
1622年 ドン・フィリッポ・フランシスコ支倉常長(はせくらつねなが、1571年-)帰天。安土桃山時代~江戸時代初期の仙台藩士。伊達政宗の家臣。 1613年フランシスコ会士とともに慶長遣欧使節団(→1月28日C)を率いてメキシコを経て、スペインに行く。王フェリペ3世に通商開設と宣教師派遣を求める伊達の書を渡したが(→2月17日C)、交渉は不成功。ローマで貴族に列せられた。キリシタン禁制のため日本入航は難しく1620年帰国したが、不遇だった。遠藤周作『侍』のモデル。
1941年 タゴール没(1861年-)。 インドの詩人 、思想家。『ギーターンジャリ』でノーベル文学賞。インド、バングラデシュ国歌の作詞・作曲者で、タゴール国際大学の設立者でもある。ガンディーの独立運動を支持し、ロマン・ロランやアインシュタインと親交、東西文化の融合にも努めた。
1942年 第二次世界大戦、アメリカ軍がガダルカナル島に上陸(第1次ソロモン海戦)。6月5日ミッドウェー海戦とともに米軍による反撃が始まり、戦況は悪化をたどることになる。


W今日の言葉   ドラクメ銀貨
 ギリシアの通貨。1ドラクメは1日分の賃金に相当。 銀貨10枚というのは、結婚の際つなぎ合わせたコインを持参するという習慣があるという説も。
 神のあわれみを教えるためのたとえの2つ目。 ①見失われた羊 ②なくした銀貨 ③放蕩息子
 ここでは銀貨であるから、銀貨は回心することも、感謝することもあり得ない。神はただ一方的に探し求め、そうして見つかれば大喜びする。


今日の祈り  タゴール『ベンガルの祈り』
危険から私を守ってくださいと
祈るのではありません。
危険の中にあっても
怖れることのないようにと祈るです。

悲しみや心の痛みの最中にある私を
慰めて下さいとは願っていません。
悲しみから立ち上がる力を下さいと
お願いしているのです。

追いつめられた時にも
崩れおれることのないように
世間的な失敗、挫折を繰り返しても
それらが取り返しのつかないものだと
考えることがないように助けて下さい。

私を救いに来て下さいと
祈っているのではありません。
打ち克つ力が欲しいのです。

私の荷を軽くして
楽にして下さらなくてもいいのです。
重荷を担う強さをお与えください。

8/6

2014年08月05日 | キリスト教
キリスト教歳時記218  8月6日
B今日の福音
ルカ15:1-7【「見失った羊」のたとえ(マタ18:12ー14)】徴税人や罪人が皆、話を聞こうとしてイエスに近寄って来た。すると、ファリサイ派の人々や律法学者たちは、「この人は罪人たちを迎えて、食事まで一緒にしている」と不平を言いだした。そこで、イエスは次のたとえを話された。「あなたがたの中に、百匹の羊を持っている人がいて、その一匹を見失ったとすれば、九十九匹を野原に残して、見失った一匹を見つけ出すまで捜し回らないだろうか。そして、見つけたら、喜んでその羊を担いで、家に帰り、友達や近所の人々を呼び集めて、『見失った羊を見つけたので、一緒に喜んでください』と言うであろう。言っておくが、このように、悔い改める一人の罪人については、悔い改める必要のない九十九人の正しい人についてよりも大きな喜びが天にある。」


C今日の暦
○主の変容(→5月26日B)  主の変容は受難の40日前に起こったという伝承に基づき、十字架称賛の祝日(9月14日)の40日前であるこの日に祝われるようになった。またコンスタンチノポリスを陥落させたトルコ軍がヨーロッパに侵攻したところ、ハンガリーがベオグラードで食い止めた。この勝利の報を教皇カリクストゥス3世が聞いたのがこの日だから、ともいわれる。ルター派教会では灰の水曜の直前の日曜に祝われる。
1623年 ウルバヌス8世着座(-1644年)。教皇領は最大に。1632年ガリラヤ裁判、1643年ヤンセン『アウグスティヌス』を断罪(→4月7日P ヤンセニズム)。南米でのイエズス会の宣教とそのあり方を保護。中国と日本へのイエズス会による宣教の独占を撤廃、すべての修道会の宣教師に宣教の道をひらいた。
1612年 江戸幕府がキリスト教禁教令発布。
1945年 広島に原爆投下(ウラニウム型)。午前8時15分、米軍B-29爆撃機「エノラ・ゲイ」による。一瞬のうちに14万人が死亡し、市街は壊滅。


W 喜ぶ (ルカ福音書における)
 「その子はあなたにとって喜びとなり、楽しみとなる。多くの人もその誕生を喜ぶ(ルカ1:14)」。 「わたしはガブリエル、……喜ばしい知らせを伝えるために遣わされた(ルカ1:19)」。 「あなたの挨拶のお声をわたしが耳にしたとき、胎内の子は喜んでおどりました(ルカ1:44)」。 「わたしの魂は主をあがめ、わたしの霊は救い主である神を喜びたたえます(ルカ1:47)」。 「主がエリサベトを大いに慈しまれたと聞いて喜び合った(ルカ1:58)」。 「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる(ルカ2:10)」。 「その日には、喜び踊りなさい。天には大きな報いがある(ルカ6:23;真福八端)」。 「七十二人は喜んで帰って来て、こう言った。主よ、お名前を使うと、悪霊さえもわたしたちに屈服します(ルカ10:17)。」 「しかし、悪霊があなたがたに服従するからといって、喜んではならない。……イエスは聖霊によって喜びにあふれて言われた(ルカ10:20-21)」。 「小さな群れよ、恐れるな。あなたがたの父は喜んで神の国をくださる(ルカ12:32)」。 「群衆はこぞって、イエスがなさった数々のすばらしい行いを見て喜んだ(ルカ13:17)」。 「→8月7日B(ルカ15:9-10)」。 「いなくなっていたのに見つかったのだ。祝宴を開いて楽しみ喜ぶのは当たり前ではないか(ルカ15:32)」。 「ザアカイは急いで降りて来て、喜んでイエスを迎えた(ルカ19:6)」。 「弟子の群れはこぞって、自分の見たあらゆる奇跡のことで喜び、声高らかに神を賛美し始めた(ルカ19:37)」。 「喜びのあまりまだ信じられず、不思議がっているので、イエスは、『ここに何か食べ物があるか』と言われた(ルカ24:41)」。 「イエスを伏し拝んだ後、大喜びでエルサレムに帰り、絶えず神殿の境内にいて、神をほめたたえていた(ルカ24:52-53;ルカ福音書末尾)」。


Pワンポイント
 ファリサイ派や律法学者は、「自分たちは迷った羊ではなく99匹の羊」と自信を持ってとらえただろう。しかし神は悔い改めの必要のない正しい99匹を差し置いて、迷った一匹を探しまわる。そして見つけた時は大喜びをする。神の喜びとはそのようなものなのだ。だからこそイエスは、迷ったもの、罪人を探し続ける。けっして切り捨てない。「あなたがたの父が憐れみ深いように、あなたがたも憐れみ深い者となりなさい(ルカ6:36)」。

8/5

2014年08月04日 | キリスト教
キリスト教歳時記217  8月5日
B今日の福音
 ルカ14:25-33【弟子の条件(マタ10:37ー38)】大勢の群衆が一緒について来たが、イエスは振り向いて言われた。「もし、だれかがわたしのもとに来るとしても、父、母、妻、子供、兄弟、姉妹を、更に自分の命であろうとも、これを憎まないなら、わたしの弟子ではありえない。自分の十字架を背負ってついて来る者でなければ、だれであれ、わたしの弟子ではありえない。あなたがたのうち、塔を建てようとするとき、造り上げるのに十分な費用があるかどうか、まず腰をすえて計算しない者がいるだろうか。そうしないと、土台を築いただけで完成できず、見ていた人々は皆あざけって、『あの人は建て始めたが、完成することはできなかった』と言うだろう。また、どんな王でも、ほかの王と戦いに行こうとするときは、二万の兵を率いて進軍して来る敵を、自分の一万の兵で迎え撃つことができるかどうか、まず腰をすえて考えてみないだろうか。もしできないと分かれば、敵がまだ遠方にいる間に使節を送って、和を求めるだろう。だから、同じように、自分の持ち物を一切捨てないならば、あなたがたのだれ一人としてわたしの弟子ではありえない。」
 ルカ14:34-35【塩気のなくなった塩(マタ5:13、マコ9:50)】「確かに塩は良いものだ。だが、塩も塩気がなくなれば、その塩は何によって味が付けられようか。畑にも肥料にも、役立たず、外に投げ捨てられるだけだ。聞く耳のある者は聞きなさい。」


C今日の暦
1895年 エンゲルス没(1820年-)。ドイツ、マルクス(→3月14日C)と共にマルクス主義を創設。イギリスの父の関係した会社を手伝う中、産業資本主義下の労働者階級の状態を観察した『国民経済学批判大綱』。ドイツ帰国後、マルクスと共に『共産党宣言』を発表。マルクス主義の基礎理論、労農運動を分析した書物が多い。ドイツ革命に敗北後イギリスんに移り、1864年第1インターナショナルなど国際労働運動の指導にあたる。
1962年 南アフリカ共和国の黒人解放運動指導者ネルソン・マンデラ逮捕される。国家反逆罪で終身刑となり、1990年の釈放まで獄中で過ごす。
1963年 アメリカ・ソ連・イギリスの3ヵ国がモスクワで部分的核実験禁止条約に調印(地下を除く大気圏内、宇宙空間および水中における核爆発を伴う実験を禁止)。
1966年 人民日報に、劉少奇打倒を示唆する毛沢東の論文が掲載される。
1975年 前日クアラルンプールで日本赤軍がアメリカとスウェーデン大使館を占拠、52名が人質となった。日本政府は犯人の要求に応じ、超法規的措置で服役・拘置中の左翼活動家5人を釈放(2人は拒否した)。


W今日の言葉    父、母、妻……を憎め
 イエスはこうも言っている。「わたしよりも父や母を愛する者は、わたしにふさわしくない。わたしよりも息子や娘を愛する者も、わたしにふさわしくない(マタ10:37)」。  「どんな召し使いも二人の主人に仕えることはできない。一方を憎んで他方を愛するか、一方に親しんで他方を軽んじるか、どちらかである(ルカ16:13)」。  「父母を敬え、また、隣人を自分のように愛しなさい(マタ19:19)」。
 これらから考え合せると、文字通り「憎め」というのではなく、「一方を愛するためには、他方を軽んじろ」の意味。つまり「より少なく愛せ」の意味であることが分かる。近東人は比較級を表すのにしばしば対立する概念を用いた。
※塩(→6月2日W)


Pワンポイント  弟子であるために
 イエスは弟子であるために十字架を背負う覚悟を求める。弟子であるには、苦難と犠牲がつきものだからである。簡単なものではない。
 塔を建てる前に費用をよく計算してから建築に取りかかる。戦いに出ようとする王は勝ち目があるかよく考えて出陣する。そのように、イエスの弟子であるには、自分の持ち物を一切捨てるほどのリスクがかかる。それを十分知った上で、イエスに従うべきである。
 そのようなものであるが同時に、イエスに自分の人生を委ね切り、十字架を負う覚悟をしたときには、イエスは共にいて、必ず良い方に導き助けてくださる(→6月11日W 軛)。

8/4

2014年08月03日 | キリスト教
キリスト教歳時記216  8月4日
B今日の福音
 ルカ14:15-24【「大宴会」のたとえ(マタ22:1ー10)】食事を共にしていた客の一人は、これを聞いてイエスに、「神の国で食事をする人は、なんと幸いなことでしょう」と言った。そこで、イエスは言われた。「ある人が盛大な宴会を催そうとして、大勢の人を招き、宴会の時刻になったので、僕を送り、招いておいた人々に、『もう用意ができましたから、おいでください』と言わせた。すると皆、次々に断った。最初の人は、『畑を買ったので、見に行かねばなりません。どうか、失礼させてください』と言った。ほかの人は、『牛を二頭ずつ五組買ったので、それを調べに行くところです。どうか、失礼させてください』と言った。また別の人は、『妻を迎えたばかりなので、行くことができません』と言った。僕は帰って、このことを主人に報告した。すると、家の主人は怒って、僕に言った。『急いで町の広場や路地へ出て行き、貧しい人、体の不自由な人、目の見えない人、足の不自由な人をここに連れて来なさい。』やがて、僕が、『御主人様、仰せのとおりにいたしましたが、まだ席があります』と言うと、主人は言った。『通りや小道に出て行き、無理にでも人々を連れて来て、この家をいっぱいにしてくれ。言っておくが、あの招かれた人たちの中で、わたしの食事を味わう者は一人もいない。』」


C今日の暦
○聖ヨハネ・マリア・ビアンネ司祭(1786-1859年)。フランス、リヨンで生まれる。
 貧しい家庭に育ち父に反対されたが20歳で神学校に入る。しかし教育を受けたこともなかったので、落第を重ねる。奇跡的に合格し、司祭叙階。その後小さなあるスの村に送られ41年を苦行と愛の内に過ごす。親のない子どもの施設を作ったが、経済的に苦しく、食物を2回祈りによって増やしたことが証言されている。彼の評判はやがて全欧に広がり、ゆるしの秘跡を受けるために、何百人と人々が集まり、毎日18時間告解部屋で過ごした。忘れた罪、隠している罪、口にしていない罪を指摘し、信者をゆるし、励ました。
70年  ローマ帝国軍がエルサレムの第二神殿を破壊。
1789年 国民議会がアンシャン・レジーム(絶対王政期のフランスの社会・政治体制)の廃止を採択。


W今日の言葉    宴会
 メシアが来たときの神の国の恵みと幸福を、ユダヤ人は大宴会にたとえた(「万軍の主はこの山で祝宴を開き、すべての民に良い肉と古い酒を供される。それは脂肪に富む良い肉とえり抜きの酒(イザ25:6)」)。
 中近東では、宴会に出席する客は前もって招待されており、準備が出来ると2回目の知らせが来た。このとき出席を断ることは甚だしい無礼と考えられ、ましていつでもできるようなことを言い訳にするのはさらに大きな侮辱である。
 ここで招待するのは父なる神またイエス。僕はイエスまたは預言者と使徒。いろいろ現世的な幸いに執着して招きを拒むのがユダヤ人。そこでユダヤの町の中の「広場や路地」にいる、ファリサイ派から見捨てられた貧しい人などが呼ばれた。
 最後に町の境の外へ通じる「通りや小道」から無理やりに異邦人が連れて来られた(「見よ、わたしは戸口に立って、たたいている。だれかわたしの声を聞いて戸を開ける者があれば、わたしは中に入ってその者と共に食事をし、彼もまた、わたしと共に食事をするであろう(黙示3:20)」)。


Pワンポイント  ビアンネ
 ああ司祭とはいかに偉大なものでしょう。司祭は自分がいかなる者であるかを知るなら、死んでしまいます。
 神は司祭に従います。司祭が二言唱えると、主はその声に答えて天から下り、小さなホスチアの中に入るのです。
 叙階の秘跡がなけれぼわたしたちには主がいなくなります。主を聖櫃におさめるのは誰でしょうか。司祭です。
 生涯の初めにあなたの霊魂を迎え入れてくれるのは誰でしょうか。司祭です。
 あなたの霊魂に糧を与え、旅路を歩む力を与えてくれるのは誰でしょうか。司祭です。
 神の前に立ち、イエス・キリストの血によって最後の洗礼を受ける準備をしてくれるものは誰でしょうか。司祭です。いつも司祭です。
 そして、霊魂が(罪のために)死んだとき、彼を立ちあがらせ、平安を取り戻させてくれるのは誰でしょうか。それも司祭です。
 …神のほかには、司祭がすべてです。…司祭は天において初めて自分がいかなる者かを知るのです。
 地上で司祭がいかなる者であるかを知るなら、死んでしまいます。それは恐れのゆえにではなく、愛のゆえにです。・・・・
 司祭がいなければ、主の受難と復活は何の役にも立ちません。・・・・
 地上であがないのわざを続けるのは司祭です。・・・・
 だれも扉を開く人がいなければ、家が金塊で満たされていても何の役に立つでしょうか。司祭は天の宝を開く鍵をもっています。
 扉を開くのは司祭です。司祭はいつくしみ深い神の執事であり、神の善の管理人です。・・・・
 司祭なしに小教区を20年間放置するなら、人々は獣を礼拝することになるでしょう。・・・・
 司祭は自分のためにいるのではなく、あなたがたのためにいるのです

8/3

2014年08月02日 | キリスト教
キリスト教歳時記215  8月3日
B今日の福音
 ルカ14:12-14 また、イエスは招いてくれた人にも言われた。「昼食や夕食の会を催すときには、友人も、兄弟も、親類も、近所の金持ちも呼んではならない。その人たちも、あなたを招いてお返しをするかも知れないからである。宴会を催すときには、むしろ、貧しい人、体の不自由な人、足の不自由な人、目の見えない人を招きなさい。そうすれば、その人たちはお返しができないから、あなたは幸いだ。正しい者たちが復活するとき、あなたは報われる。」


C今日の暦
435年 エフェソ公会議で異端とされたネストリウス(→6月22日C)に、東ローマ皇帝テオドシウス2世が国外追放を命じる。ネストリウスはエジプトへ移る。
1899年 私立学校令公布。文部省、公認の学校から宗教上の儀式と教育を禁止(1947年3月まで施行される)。
1918年 米騒動発生。富山県の漁師の妻約200人が米屋に押し掛ける。これが報道され全国に飛び火。
1967年 北京空港事件。紅衛兵や日本人留学生「日本人紅衛兵」らが、中華人民共和国より帰国しようとした紺野純一(『赤旗』北京特派員。『人民日報』の招待で駐在)、砂間一良(日本共産党中央委員、元衆議院議員。中国共産党中央委員会の招待で滞在)の両名を監禁し、集団で暴行を加え、瀕死の重傷を負った。文化大革命、毛沢東思想に否定的だったため、日中友好を破壊しようとすると断定された。


W今日の言葉  報われる
人間の報いでなく、神からの報いを求めることが大切である。神が報いてくださるのだから、どんな人間も大事にできる。その報いとは、永遠の命(→2月12日)に入ることである。
「キリストの弟子だという理由で、あなたがたに一杯の水を飲ませてくれる者は、必ずその報いを受ける(マコ9:41)」。
「正しい人たちが王に答える。『主よ、いつわたしたちは、飢えておられるのを見て食べ物を差し上げ、のどが渇いておられるのを見て飲み物を差し上げたでしょうか。いつ、旅をしておられるのを見てお宿を貸し、裸でおられるのを見てお着せしたでしょうか。いつ、病気をなさったり、牢におられたりするのを見て、お訪ねしたでしょうか。』そこで、王は答える。『はっきり言っておく。わたしの兄弟であるこの最も小さい者の一人にしたのは、わたしにしてくれたことなのである。』(マタ25:37-40)」。(→12月17日C)


Pワンポイント
 私立学校は官公立学校に比較して低位の評価であり、教育は国家の重要事業で、私学はその一部を代行しているに過ぎず、厳格な監督が必要と見られていた。明治中期以降、外国人経営による私立学校が増加したが、ミッションスクールが多く含まれた。教育勅語中心の教育を進める当局にとり、危惧すべきものと映り、宗教教育に枠をかけようとした。
 私立学校令と同時に「文部省訓令第12号(宗教教育禁止令)」が公布された。これにより宗教教育・活動が学科課程・課程外を問わず禁じられた。そのため、制限や干渉を受けながらも正規の中学校・高等女学校となるか、徴兵猶予や上級学校進学権といった特典を返上してでも宗教教育を続けるか、といった選択を迫られた。後者の道を選んだ青山学院(メソジスト派)は、特典を喪失した後、生徒の中退や転学が相次ぎ、窮地に立たされた。

8/2

2014年08月01日 | キリスト教
キリスト教歳時記214  8月2日
B今日の福音
 ルカ14:7-11【客と招待するものへの教訓】イエスは、招待を受けた客が上席を選ぶ様子に気づいて、彼らにたとえを話された。「婚礼に招待されたら、上席に着いてはならない。あなたよりも身分の高い人が招かれており、あなたやその人を招いた人が来て、『この方に席を譲ってください』と言うかもしれない。そのとき、あなたは恥をかいて末席に着くことになる。招待を受けたら、むしろ末席に行って座りなさい。そうすると、あなたを招いた人が来て、『さあ、もっと上席に進んでください』と言うだろう。そのときは、同席の人みんなの前で面目を施すことになる。だれでも高ぶる者は低くされ、へりくだる者は高められる。」


C今日の暦
257年 教皇ステファヌス1世帰天(254年-)。デキウス帝の迫害下、信仰を捨てた信徒が教会へ戻ることを望むときどうすべきか。教皇はキプリアヌスと共に、教会に戻ったものには洗礼の有効性を認め再洗礼の必要がないと全教会に指示した(アフリカ諸教会はしたがわなかった)。またローマ司教の優越性を主張した。
1869年 明治政府が身分制度を再編。大名・公卿を「華族」、武士を「士」と「卒」、農・工・商を「平民」とする。
1939年 レオ・シラードらがルーズベルト米大統領に核開発を促すアインシュタインの署名入り書簡を送る。マンハッタン計画のきっかけとなる。
1990年 イラクがクウェートに侵攻。国連安保理は即時無条件撤退を求める決議を採択。


W今日の言葉 へりくだる、けんそん
 悩みにあり貧しいことも表した。イスラエル民族は、神がエジプトの奴隷状態から救い出したことを忘れないようにした。神は苦しめられ、悩む謙そんなものを必ず救う。この神があって初めて民族も成り立つ。
 人間関係ばかりでなく、神の前でへりくだることが何より大事である。つまり人間は神に造られ救われたものだから、神の前で誇るべきものは何一つない。人に対し誇るべきことはあっても、神の前では誇るべきことはない。だからこそ誰に対しても、神の前にあるかのようにへりくだる。それが聖書的な謙そんで、そのような心で生きることを神は望む。
 「高く、あがめられて、永遠にいまし、その名を聖と唱えられる方がこう言われる。わたしは、高く、聖なる所に住み、打ち砕かれて、へりくだる霊の人と共にあり、へりくだる霊の人に命を得させ、打ち砕かれた心の人に命を得させる(イザ57:15)」。
 「主はその腕で力を振るい、思い上がる者を打ち散らし、権力ある者をその座から引き降ろし、身分の低い者を高く上げ、飢えた人を良い物で満たし、富める者を空腹のまま追い返されます(ルカ1:51)。」
 ところで神の子に何よりも謙そんの姿を見ることができる。イエスは自分を「柔和で謙遜な者だから、わたしの軛を負い、わたしに学びなさい。そうすれば、あなたがたは安らぎを得られる(マタ11:29)」と述べた。
 何より「キリストは、神の身分でありながら、神と等しい者であることに固執しようとは思わず、かえって自分を無にして、僕の身分になり、人間と同じ者になられました。人間の姿で現れ、へりくだって、死に至るまで、それも十字架の死に至るまで従順でした。このため、神はキリストを高く上げ、あらゆる名にまさる名をお与えになりました(フィリ2:6-8)」。


Pワンポイント   だれでも高ぶる者は低くされ、へりくだる者は高められる
 ルカ18:14、マタ23:12でも繰り返される格言。神が人間にそのように接する。
 「権力ある者をその座から引き降ろし、身分の低い者を高く上げ、飢えた人を良い物で満たし、富める者を空腹のまま追い返されます(ルカ1:52-53;マリアの賛歌)」。

8/1

2014年07月31日 | キリスト教
キリスト教歳時記213  8月1日
B今日の福音
 ルカ14:1-6【安息日に水腫の人をいやす】安息日のことだった。イエスは食事のためにファリサイ派のある議員の家にお入りになったが、人々はイエスの様子をうかがっていた。そのとき、イエスの前に水腫を患っている人がいた。そこで、イエスは律法の専門家たちやファリサイ派の人々に言われた。「安息日に病気を治すことは律法で許されているか、いないか。」彼らは黙っていた。すると、イエスは病人の手を取り、病気をいやしてお帰しになった。そして、言われた。「あなたたちの中に、自分の息子か牛が井戸に落ちたら、安息日だからといって、すぐに引き上げてやらない者がいるだろうか。」彼らは、これに対して答えることができなかった。


C今日の暦
○聖アルフォンソ(リゴリ)(1696-1787年)イタリア、ナポリの騎士階級。法学博士、弁護士。
社交界で活躍しながらも神の声を感じ、司祭になる。キリスト教に無知な市民に驚き、一つの町や村に半月か1ヶ月滞在しては、朝から晩まで説教して回った。それに協力する司祭たちとレデンプトール(贖い主)会を設立し、信者のため書物を記した。厳しすぎることも優しすぎることも退け、倫理神学の書も著わして大家となった。
1834年 植民地を含むイギリスの全領土で奴隷廃止法発効。1840年の同日に奴隷が解放される。
1920年 「世界黒人権利宣言」が、ガーヴィー指導の万国黒人改善協会の第1回国際大会で採択。
1944年 ワルシャワ蜂起勃発(ドイツ占領下でのポーランド国軍が蜂起。ソ連が呼応せず、結果徹底して破壊され22万人が死す)


W今日の言葉   安息日だからといって    (→3月3日W 安息日②)
「偽善者たちよ、あなたたちはだれでも、安息日にも牛やろばを飼い葉桶から解いて、水を飲ませに引いて行くではないか(ルカ13:15)」。


Pワンポイント  病気を癒やす
 カトリックの7つの秘跡の中に病者の塗油がある(他に洗礼、堅信、聖体、ゆるし、結婚、叙階)。(→1月27日W 洗礼)
 これはマルコ福音「十二人は出かけて行って、悔い改めさせるために宣教した。そして、多くの悪霊を追い出し、油を塗って多くの病人をいやした(マコ6:12,)」。そしてヤコブの手紙「あなたがたの中で病気の人は、教会の長老を招いて、主の名によってオリーブ油を塗り、祈ってもらいなさい」に基づきます(ヤコ5:14)」に基づく。
 病気が治ることを約束するものではない。しかし病人に聖霊の恵みを与え、神への信頼を深めさせ、悪魔の誘惑や死への恐れに対抗する力を与え、病苦に耐えるだけでなく、これと戦う力を与えるものである。霊的な救いに役立つ場合には、身体に健康を回復させ、また必要ならば罪のゆるしが与えられる。
 塗油を受けるには、病気または老齢のため危険な容態にある、危険な病気のため外科手術を受ける、長期療養中、老齢によって体力が著しく減退している人などがあげられる。意識がもはやない場合でも「まだ意識があったとき、少なくとも暗黙のうちに病者の塗油の秘跡を望んでいたと思われる場合」秘跡は授けられならない。
 生死にかかわるかどうかは関係なく、病状が悪化した場合に繰り返して秘跡を受けられる。物心ついている子どもも受けられる。
 敬老の日の集まりの際、参加した高齢者全員に秘跡を授けている教会もある。65歳以上なら誰でも(病人でなくても)この秘跡にあずかれるからである。
 なお以前は『終油』と呼ばれ「この世を去るかもしれないとき、永遠の命への道を開く秘跡」と考えられていたが、改められた。教皇フランシスコも積極的に病者の塗油を受けることを勧めている。
 なお非信者の健康の回復を信者が願う場合、秘跡としての病者の塗油は授けることはできない。その人のためにミサを依頼し、教会で祈ることができる。

7/31

2014年07月30日 | キリスト教
キリスト教歳時記212  7月31日
B今日の福音
 ルカ13:31-33【エルサレムのために嘆く】ちょうどそのとき、ファリサイ派の人々が何人か近寄って来て、イエスに言った。「ここを立ち去ってください。ヘロデがあなたを殺そうとしています。」イエスは言われた。「行って、あの狐に、『今日も明日も、悪霊を追い出し、病気をいやし、三日目にすべてを終える』とわたしが言ったと伝えなさい。だが、わたしは今日も明日も、その次の日も自分の道を進まねばならない。預言者がエルサレム以外の所で死ぬことは、ありえないからだ。


C今日の暦
○聖イグナチオ(ロヨラ)司祭  (1491-1556年)
 北スペインの城主の子として生まれる。30歳まで騎士として放蕩の生活をする。大砲の弾でけがを負い、退屈しのぎにそれしかなかった聖人伝を読み始め感銘を受ける。世間的な望みと神の誘いの両方に引かれるが、神に従うことの方に根本的な平安を感じ、神に従う道を選ぶ。この時の体験が『霊操』となる。苦行と祈りに励み31歳でラテン語の勉強を始め司祭を目指す。スペインとフランスの大学で学ぶ中、ザビエルらと出会い、グループを作り「イエズス会」に発展していく。
1932年 ドイツ議会の選挙が行なわれ、国家社会主義ドイツ労働者党(ナチ党)が230議席を獲得し第一党となる。
1941年 ヘルマン・ゲーリングがSSナンバー2のラインハルト・ハイドリヒに、ユダヤ人問題の最終的解決の計画を速やかに提出するよう指示。
1944年 サン=テグジュペリ、地中海上空で行方不明(1900年-)。フランスの作家。 受験に失敗し軍隊に。軍隊で事故を起こし除隊。事務員になるが、数字が苦手で辞める。車のセールスをするが、契約は一件。婚約も破棄される。27才暗闇の危険な砂漠地帯を飛行する郵便配達となり、欧州-南米間の飛行航路開拓に携わる。38才招集され飛行偵察隊に。作家となるため亡命生活を送るが、44才使命を感じ偵察隊に。銃撃を受け戦死。『夜間飛行』『星の王子さま』。
1969年 教皇パウロ6世、史上初めてアフリカを訪問。
1886年 リスト帰天(1811年-)。ハンガリーの作曲家、ピアニスト。在世フランシスコ会員。『ハンガリー狂詩曲』


W今日の言葉    終える  τελειοω
 「成し遂げる」「使命を果たす」「完成する」
 「祭りの期間が『終わって』帰路についたとき、少年イエスはエルサレムに残っておられたが、両親はそれに気づかなかった(ルカ2:43)」。
 「わたしの食べ物とは、わたしをお遣わしになった方の御心を行い、その業を『成し遂げる』ことである(ヨハ4:34)」。
 「この後、イエスは、すべてのことが今や『成し遂げられた』のを知り、“渇く”と言われた(ヨハ19:28)」。
 「しかし、自分(=パウロ)の決められた道を『走りとおし』、また、主イエスからいただいた、神の恵みの福音を力強く証しするという任務を果たすことができさえすれば、この命すら決して惜しいとは思いません(使徒20:24)」。


Pワンポイント イエズス会 Societas Jesu(Society of Jesus)
 1534年イグナチオが同士6人と共にパリのモンマルトルの丘に集まり誓約を立て、1540年に教皇の認可を受けた司祭修道会。
 1773年解散させられたが(7月21日P)、1814年に復興し、最大の修道会として今に至る。
 キリストを理想像としてイエスの名をそのまま使い「より大いなる神の栄光のために」を標語とする。修道服、共同の祈りを廃止し、組織的な教育と指導を施した。 カトリック信者の刷新と、プロテスタントに押されがちな地方で信仰を固め、全欧規模で高等教育を一手に引き受けた。またアメリカ、日本(1549年、ザビエル)、中国(1583年、マテオリッチ)、インドに信仰を伝える大きな役割を果たした。 宗教改革に対抗する目的はなかったが、結果としてその中核的役割を果たした。
 現在2万6千の会員を抱え、6千人が宣教地で働き、150の大学などを経営している。日本では上智大学、六甲学院、栄光学園を経営し、広島教区で宣教。

7/30

2014年07月29日 | キリスト教
キリスト教歳時記211  7月30日
B今日の福音
 ルカ13:22-30【狭い戸口(マタ7:13ー14、21ー23)】イエスは町や村を巡って教えながら、エルサレムへ向かって進んでおられた。すると、「主よ、救われる者は少ないのでしょうか」と言う人がいた。イエスは一同に言われた。「狭い戸口から入るように努めなさい。言っておくが、入ろうとしても入れない人が多いのだ。家の主人が立ち上がって、戸を閉めてしまってからでは、あなたがたが外に立って戸をたたき、『御主人様、開けてください』と言っても、『お前たちがどこの者か知らない』という答えが返ってくるだけである。そのとき、あなたがたは、『御一緒に食べたり飲んだりしましたし、また、わたしたちの広場でお教えを受けたのです』と言いだすだろう。しかし主人は、『お前たちがどこの者か知らない。不義を行う者ども、皆わたしから立ち去れ』と言うだろう。あなたがたは、アブラハム、イサク、ヤコブやすべての預言者たちが神の国に入っているのに、自分は外に投げ出されることになり、そこで泣きわめいて歯ぎしりする。そして人々は、東から西から、また南から北から来て、神の国で宴会の席に着く。そこでは、後の人で先になる者があり、先の人で後になる者もある。」


C今日の暦
1837年 モリソン号事件。日本人漂流民(音吉ら7人)を乗せたアメリカ商船を、三浦半島沖で、日本側砲台が砲撃。
 (「1月18日C」から続く)薩摩の漂流民4人らがマカオに届けられ同胞と対面した。マカオから那覇をへて、日本へ向かったが砲撃にあいマカオに戻った。その後音吉はアメリカ、上海と移り、アヘン戦争にイギリス軍人として従軍。1854年長崎での日英交渉のため来日し通訳を務め、福沢諭吉と会う。帰国の誘いがあったが、上海にすでに基盤があり断った。その後、シンガポールに渡り英国に1864年帰化。1867年病死。
(『春名徹 にっぽん音吉漂流記』『三浦綾子 海嶺』の題材となる →10月12日C)。


W今日の言葉   狭い戸口から入るように努めなさい(→「3月19日W 門」)
 「救われる人が多いか、少ないか」。そんなことを考えるよりも、まず自分自身の救いについて真剣に考えるようイエスは求めた。
 神の国に入ろうとは思っていても、狭い戸口から入ろうとしないため、多くの人が神の国に入れないでいる。
 なぜなら神の国の戸口がいつまでも開いていると思っているから。あるいはもうすでに、自分は戸口の内側にいると安心しきっているから。
 しかしイエスを知り、教えを聴いたことがあるというだけでは救いの保証にならない。イエスの呼びかけに応答し、回心し、福音を信じ、自分を明け渡すことが大事である。確かに救いは恵みとして与えられる。しかし何の努力もしないで救いがやってくるのをただ待っている、というのも違う。
※不義を行う者ども、皆わたしから立ち去れ   「悪を行う者よ、皆わたしを離れよ(詩編6:9)」。
※後の人で先になる者があり、先の人で後になる者もある(→「4月21日W 異邦人の道に行ってはならない」「5月16日W イスラエルの家の失われた羊のところにしか」)


Pワンポイント  救われる者は少ないのでしょうか
 「いと高き方は、どんなに長期間、世に住む人々のことを寛大に耐えられたことだろう。それも彼らのためではなく、あらかじめ定められた時のためである(エズ7:74,ラテン語)」。
 「わたしも、約束した新しい創造を行うときに、わずかしかいなくとも救われる人たちのことを喜ぶだろう。彼らは今やわたしの栄光を優先させ、今やわたしの名をたたえるようになったからである(エズ7:60,ギリシア語)。

7/29

2014年07月28日 | キリスト教
キリスト教歳時記210  7月29日
B今日の福音
 ルカ13:10-17【安息日に、腰の曲がった婦人をいやす】安息日に、イエスはある会堂で教えておられた。そこに、十八年間も病の霊に取りつかれている女がいた。腰が曲がったまま、どうしても伸ばすことができなかった。イエスはその女を見て呼び寄せ、「婦人よ、病気は治った」と言って、その上に手を置かれた。女は、たちどころに腰がまっすぐになり、神を賛美した。ところが会堂長は、イエスが安息日に病人をいやされたことに腹を立て、群衆に言った。「働くべき日は六日ある。その間に来て治してもらうがよい。安息日はいけない。」しかし、主は彼に答えて言われた。「偽善者たちよ、あなたたちはだれでも、安息日にも牛やろばを飼い葉桶から解いて、水を飲ませに引いて行くではないか。この女はアブラハムの娘なのに、十八年もの間サタンに縛られていたのだ。安息日であっても、その束縛から解いてやるべきではなかったのか。」こう言われると、反対者は皆恥じ入ったが、群衆はこぞって、イエスがなさった数々のすばらしい行いを見て喜んだ。


C今日の暦
1890年 ゴッホ没(1853年-)。オランダの画家。フランスで活躍。印象派と日本の浮世絵の影響を受け、強烈な色彩と大胆な筆触により、独自の画風を確立した。『ひまわり』『糸杉』『からすのいる麦畑』


○聖マルタ(1世紀)
 ベタニアに住むラザロとマリア(→4月3日W マグダラの女と呼ばれるマリア)ときょうだい関係にある。
 イエスがベタニアの家を訪れた時、食事の準備に精を出していて、ついイエスの足元に座って話を聞くのに夢中になっているマリアと、マルタの忙しさに気をとめないイエスをとがめたことがあった。「主よ、わたしの姉妹はわたしだけにもてなしをさせていますが、何ともお思いになりませんか。手伝ってくれるようにおっしゃってください(ルカ10:40)」。
 またラザロが死に墓に葬られて4日もたって、やっとイエスが来られた時、「もしここにいてくださいましたら、わたしの兄弟は死ななかったでしょうに。しかし、あなたが神にお願いになることは何でも神はかなえてくださると、わたしは今でも承知しています(ヨハ11:21-22)」と訴えた。また「あなたが世に来られるはずの神の子、メシアであるとわたしは信じております(ヨハ11:27)」と告白した。
1858年 日米修好通商条約調印。領事裁判権(領事が本国の規定で自国民の裁判を行う)が規定され、関税自主権が否定された。外国人居留地内の信教と礼拝の自由、聖堂建築を許可。 日本の主権が制限されたと尊王攘夷運動が激化することになった。


W今日の言葉 病の霊  病気の霊(口語訳)
 ここで悪霊によって病が引き起こされたと指摘されている。ユダヤ人は一般に病気は悪魔の仕業ととらえていた。実際そのようなこともあっただろう。 「悪霊はこの子にけいれんを起こさせて泡を吹かせ、さんざん苦しめて、なかなか離れません(ルカ9:39)。」
 しかし全般的には、病は必ず悪霊によるものではない(→7月3日P 病気や不幸の原因)


Pワンポイント
 イエスは十八年も病に苦しむこの女性に、創造の御業が破壊され、サタンが支配する世界の悲惨さを見てとった。だからこそ、サタンの支配から一日も早く解放し、創造の本来の姿を取り戻すことこそ、万物の完成を祝う安息日にふさわしいことだった(→3月2日,3日W 安息日)

7/28

2014年07月27日 | キリスト教
キリスト教歳時記209  7月28日
B今日の福音
 ルカ13:6-9【「実のならないいちじくの木」のたとえ】そして、イエスは次のたとえを話された。「ある人がぶどう園にいちじくの木を植えておき、実を探しに来たが見つからなかった。そこで、園丁に言った。『もう三年もの間、このいちじくの木に実を探しに来ているのに、見つけたためしがない。だから切り倒せ。なぜ、土地をふさがせておくのか。』園丁は答えた。『御主人様、今年もこのままにしておいてください。木の周りを掘って、肥やしをやってみます。そうすれば、来年は実がなるかもしれません。もしそれでもだめなら、切り倒してください。』」


C今日の暦
1750年 ヨハン・ゼバスティアン・バッハ帰天(1685年-)。ドイツの作曲家。バロック音楽の重要な作曲家で対位法を駆使した。
ルター派信者で、宗教曲では『マタイ受難曲』『ミサ曲ロ短調』『マニフィカト』『クリスマス・オラトリオ』。『ブランデンブルク協奏曲』『平均律クラビア曲集』『音楽の捧げもの』
 9歳で両親を亡くし、親戚をたらいまわしされた。教会で歌がうまいので音楽を担当することになった。妻も持つが死なれ、再婚した。20人の子どもを持つが、10人が死亡した。
1914年 オーストリア=ハンガリーがセルビアに宣戦布告。1か月前オーストリアの皇太子がセルビアで暗殺されていた。オーストリアの背後にドイツ、セルビアの背後にロシア、イギリスが控え、世界の多数の国が参戦する第一次世界大戦に発展した。
2004年 フランシス・クリック没(1916年-)。イギリスの科学者。DNAの二重らせん構造を発見しワトソンと提唱。1962年ノーベル生理学・医学賞受賞。強く無神論に傾いた不可知論者。
2005年 IRA暫定派が全ての武装活動の停止を宣言。


W今日の言葉   実のならないいちじく
 いちじくの木は実が結ぶまでに長い年月を必要とする。そして6月(初なりのいちじく)と8,9月(秋いちじく)の2回、実がなる。
 ここでは神から恵みを受けながら、なかなか実を結ぶことのないイスラエルを象徴している。そして神の忍耐と辛抱強さが描かれる。
 「悔い改めにふさわしい実を結べ。……斧は既に木の根元に置かれている。良い実を結ばない木はみな、切り倒されて火に投げ込まれる(マタ3:8,10)」。
 「イエスは空腹を覚えられた。そこで、葉の茂ったいちじくの木を遠くから見て、実がなってはいないかと近寄られたが、葉のほかは何もなかった。いちじくの季節ではなかったからである。イエスはその木に向かって、『今から後いつまでも、お前から実を食べる者がないように』と言われた(マコ11:12-14)」。(→9月12日P)
※ぶどう園にいちじくの木を植え  ぶどうの木をいちじくに結び付け支えとするなど、よく見られる植え方
  「わたしと和を結び、降伏せよ。そうすればお前たちは皆、自分のぶどうといちじくの実を食べ(II列王18:31)」。


P生命の起源
 分子生物学(生命を遺伝子・DNAの分子レベルで見つつ、物質機械として捉えなおしていく)でも、生命とは何で、最初の生命がいかに誕生したのかについては、まったく答えられない。生命は複雑なDNAの配列による情報が組み込まれて成り立っている。ちょうど複雑なコンピュータのソフトプログラムのようなもの。このプログラムの配列が偶然にできるというのは、ありうることか。すばらしい小説が、偶然に文字が配列してできるということがありうるだろうか。
 そこで結局、クリックは、生命のもとは、地球外生物が生命の芽を置いていったなどと説明せざるをえなかった。

7/27

2014年07月26日 | キリスト教
キリスト教歳時記208  7月27日
B今日の福音
ルカ13:1-5【悔い改めなければ滅びる】ちょうどそのとき、何人かの人が来て、ピラトがガリラヤ人の血を彼らのいけにえに混ぜたことをイエスに告げた。イエスはお答えになった。「そのガリラヤ人たちがそのような災難に遭ったのは、ほかのどのガリラヤ人よりも罪深い者だったからだと思うのか。決してそうではない。言っておくが、あなたがたも悔い改めなければ、皆同じように滅びる。また、シロアムの塔が倒れて死んだあの十八人は、エルサレムに住んでいたほかのどの人々よりも、罪深い者だったと思うのか。決してそうではない。言っておくが、あなたがたも悔い改めなければ、皆同じように滅びる。」


C今日の暦
1656年 スピノザ、ユダヤ人共同体から破門される(1632-1677年)。オランダのユダヤ人。哲学者。理神論、汎神論に立つ神学者。
 「われわれの精神は、それ自らおよび身体を、永遠の相の下に認識するかぎり、必然的に神の認識を有し、みずからが 神の中にあり、神を通して考えられることを知る(『エチカ』)」
1953年 朝鮮戦争、板門店で休戦協定が調印される。現在に至るまで平和条約は結ばれていない。
 米ソの対立を背景に、南北を分かつ北緯38度線付近で武力衝突。米軍を中心とした国連軍と、中国義勇軍の間で朝鮮半島全域を戦場とした。戦況はめまぐるしく変化した末、こう着し、休戦となった。300万人が死亡。


W今日の言葉    ガリラヤ人の血を彼らのいけにえに混ぜた
 ローマへの反逆を狙ったガリラヤ出身のユダヤ人。彼らが、過越祭の時、神殿で動物の生贄をささげようとしたとき、境内でピラトにより殺害された事件。しかも人々の血が、牛や羊の血と共に混ぜられて祭壇に捧げられた。しかし特定の事件として把握されていない。
 ヨセフスは「ガリラヤ人たちはいつも革新好きで、変革の気があり、騒動することを喜ぶ」と記す。
 ピラトは、35年ゲリジム山に巡礼していたサマリア人を殺害し、パレスチナ総督を免じられている。
※シロアム(→5月7日W ベトザタ(ベテスダ)と呼ばれる泉)


Pワンポイント(→7月3日P 病気や不幸の原因)
 イエスはここでも罪深いから災害にあうと、単純に結びつけることを嫌う。まったく正しい人であっても不慮の災難に見舞われることがある。
 しかし悔い改め(→4月4日W メタノイア)、つまり神に向いて、神の心に沿って歩まなければ、結果、神を否定し(イエスを十字架につけ)、永遠の滅びにいたることも事実である。罪を犯していないと安心している人に、他人事ではないと、同時にイエスも警告している。


ひとやすみ  話すのは
 司祭が部屋の中でひざまずいて、神の前に心から祈っていました。 しばらく経って彼は神に不平を言いました。
「どうして、2人でこうしている時、話すのは私だけなのですか?」
 神は彼に答えられました。
「私たちは2人だけれど、聞くのは私だけじゃないかね」

7/26

2014年07月25日 | キリスト教
キリスト教歳時記207  7月26日
B今日の福音
 ルカ12:54-56【時を見分ける(マタ16:2-3)】イエスはまた群衆にも言われた。「あなたがたは、雲が西に出るのを見るとすぐに、『にわか雨になる』と言う。実際そのとおりになる。また、南風が吹いているのを見ると、『暑くなる』と言う。事実そうなる。偽善者よ、このように空や地の模様を見分けることは知っているのに、どうして今の時を見分けることを知らないのか。」
ルカ12:57-59【訴える人と仲直りする(マタ5:25ー26)】「あなたがたは、何が正しいかを、どうして自分で判断しないのか。あなたを訴える人と一緒に役人のところに行くときには、途中でその人と仲直りするように努めなさい。さもないと、その人はあなたを裁判官のもとに連れて行き、裁判官は看守に引き渡し、看守は牢に投げ込む。言っておくが、最後の一レプトンを返すまで、決してそこから出ることはできない。」


C今日の暦
○聖マリアの両親 聖ヨアキムと聖アンナ
 外典「ヤコブの書(2世紀)」に、マリアの両親として名が記される。それによれば、夫ヨアキムはナザレで生まれアンナと結婚した。老齢に達するまで子どもがなく、初めての子を授かることを天使から告げられた。アンナは子供を神に捧げることを約束した。アンナとヨアキムは、エルサレム神殿での祈りのおかげでマリアを授かったと信じており、3歳に達したマリアをエルサレム神殿に奉献した。
1842年 マーシャル生まれる(-1924年)。イギリスの経済学者。需要と供給すなわち限界効用と生産費用の理論。『経済学原理』。
1847年 アメリカの解放奴隷によって建設された西アフリカ、再移住区・リベリアが、憲法を制定して独立を宣言。
1940年 大東亜新秩序、国防国策体制を明記した基本国策要綱が閣議決定。欧米諸国の植民地支配から東・東南アジアを解放し、日本を盟主とする共存共栄の新たな国際秩序を建設。
1945年 イギリス・アメリカ・中華民国の首脳が無条件降伏を求めるポツダム宣言を発表。日本政府は和平交渉の余地を残すため拒否を宣言せず、黙っていることにした。しかし鈴木首相が軍部の圧力ゆえか28日「黙殺する」と発表、ロイターとAP通信では「Reject」と報道。アメリカは原爆使用を、ソ連は参戦することになっていく。
1956年 エジプトのナーセル大統領がスエズ運河の国有化を宣言。イギリス・フランスが反発し、第二次中東戦争(スエズ動乱)のきっかけに。


W今日の言葉
※西、南風  西には地中海。南風は東南の砂漠から吹き付ける。
※今の時   ユダヤ人が待ち望んでいたメシア到来の時。ファリサイ派らはしるしとしての奇跡を理解しない。
※レプトン  ギリシア貨幣の最小単位の銅貨。1デナリオンの1/128(デナリオンは一日の賃金に相当)。ティベリウス帝の名が刻まれている。


Pワンポイント  リベリア建国
 1816年アメリカで設立されたアメリカ植民協会が、黒人解放奴隷のアフリカへの「帰還」を計画。1820年解放奴隷88人を乗せた「エリザベス号」が出港、西アフリカに向かう。1822年上陸し、再移住区を建設。再移住区をLiberty(自由)からとった「リベリア連邦」と命名した。


7/25

2014年07月24日 | キリスト教
キリスト教歳時記206  7月25日
B今日の福音
 ルカ12:49-53【分裂をもたらす(マタ10:34ー36)】「わたしが来たのは、地上に火を投ずるためである。その火が既に燃えていたらと、どんなに願っていることか。しかし、わたしには受けねばならない洗礼がある。それが終わるまで、わたしはどんなに苦しむことだろう。あなたがたは、わたしが地上に平和をもたらすために来たと思うのか。そうではない。言っておくが、むしろ分裂だ。今から後、一つの家に五人いるならば、三人は二人と、二人は三人と対立して分かれるからである。父は子と、子は父と、母は娘と、娘は母と、しゅうとめは嫁と、嫁はしゅうとめと、対立して分かれる。」


C今日の暦
○聖ヤコブ使徒(→2月23日P 使徒の紹介②(兄弟ペア)、3月4日W 十二使徒一覧)
 使徒ヨハネと兄弟(雷の子)で漁師。イエスの従兄弟ヤコブと区別して、大ヤコブと言われる。
  「弟子のヤコブとヨハネはそれ(サマリア人から歓迎されない)を見て、「主よ、お望みなら、天から火を降らせて、彼らを焼き滅ぼしましょうか」と言った。イエスは振り向いて二人を戒められた(ルカ9:54-55)」。
 またイエスが栄光を受けるとき、右と左の座を願ったこともあった。「わたしが飲む杯を飲み、このわたしが受ける洗礼を受けることができるか。」「できます」と言うと、イエスは言われた。「確かに、あなたがたはわたしが飲む杯を飲み、わたしが受ける洗礼を受けることになる(マコ10:38-40)」。(→8月30日B)
 聖霊降臨後、スペインまでいったとも伝えるが、43年頃、ヘロデ・アグリッパにとらえられ、首をはねられた(使徒12:2)。遺体はスペインに運ばれ、899年墓上に大聖堂が建てられた。その周囲にサンチャゴ(聖ヤコブ)・デ・コンポステラ(使徒の野原の)の町ができ、エルサレム、ローマに並ぶ巡礼地となった。映画「サン・ジャックへの道(2005年)」「星の旅人たち(2010年)」
 また711年から1492年までイベリア半島がイスラム勢力下にあった時、ヤコブは国土回復運動(レコンキスタ)の象徴となった。
1261年 ニカイア帝国がラテン帝国からコンスタンティノポリスを奪回し、東ローマ帝国が復活(4月12日C)
1471年 トマス・ア・ケンピス帰天(1380年-)。神秘思想家。『キリストに倣いて』は聖書に次いで最も読まれた本と言われる。日本でも1596年『こんてむつす・むんでぃ』として訳された。「他の者があなたの望むようにならぬといって怒ってはならない。あなた自身もあなたが望むようにはなれぬのだから」
1894年 朝鮮半島豊島沖で日本軍と清軍による海戦が行われる。日清戦争の始まり。
1968年 パウロ6世 回勅『フマーネ・ヴィテ-適正な産児の調整について -』
 「自然法を不断の教えによって解釈し、その法則を守る事を求め、『夫婦行為の一つ一つ』がそれ自体、生命の産出に向けられていなければならないと教えています(11項)」


W今日の言葉  対立して分かれる
 イエスを信じて救われる者と、イエスを拒み続ける者との間に交わりがたい分裂が生じる。それは特に、イエスが自分受ける洗礼と呼ぶ、十字架を境として、よりはっきりする。裁きの火は投じられるからである。それはユダヤ人の共同体の中に、そして同じ家の中にも起こる。
 「息子は父を侮り、娘は母に、嫁はしゅうとめに立ち向かう。人の敵はその家の者だ。しかし、わたしは主を仰ぎ、わが救いの神を待つ。わが神は、わたしの願いを聞かれる(ミカ7:6-7)」。
※受けなければならない洗礼  受難。洗礼には一度死んで新しく生き返るという意味がある。


P  火
 ここで火とは、人々の心を清め、イエスの新しい理想の導く霊的な火。それは特に十字架上から人々の心の中に燃え上がる。