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喜べ

祈れ、感謝せよ! (by モーセ神父)

9/20

2014年09月19日 | キリスト教
キリスト教歳時記263  9月20日
B今日の福音
 マタ22:29-33 イエスはお答えになった。「あなたたちは聖書も神の力も知らないから、思い違いをしている。復活の時には、めとることも嫁ぐこともなく、天使のようになるのだ。死者の復活については、神があなたたちに言われた言葉を読んだことがないのか。『わたしはアブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神である』とあるではないか。神は死んだ者の神ではなく、生きている者の神なのだ。」群衆はこれを聞いて、イエスの教えに驚いた。


C今日の暦
○聖アンデレ金と同士殉教者   韓国は中国に使節を派遣していたが、使節をとおしキリスト教書物が入ってきた。それを読んだ一人が、1784年使節に加わり北京で受洗、帰国した。こうして信者により教会が指導され、4千人の信者が育まれたが、迫害された。1836年パリ外国宣教会の司祭が入国。信者が9千人を超えると徹底した迫害が始まった。1839、1846、1865年と多くの人が殉教した。アンデレ金は初の韓国人司祭。
1378年 フランス人枢機卿が独自に教皇選挙を行いクレメンス7世が選出されアヴィニョンに居住。教会大分裂が始まる。
 教皇グレゴリウス11世は、1377年にアヴィニョンからローマに帰還し(→1月17日C)、1378年3月27日に帰天。教皇ウルバヌス6世が同年選出されローマに居住したが、イタリア人枢機卿を増やすなどした。これに反発したもの。
1951年 詩人・峠三吉(1917-1953年)が『原爆詩集』をガリ版刷りにより発行。
           序
     ちちをかえせ ははをかえせ / としよりをかえせ
     こどもをかえせ       / わたしをかえせ わたしにつながる
     にんげんをかえせ      / にんげんの にんげんのよのあるかぎり
     くずれぬへいわを      / へいわをかえせ


W今日の言葉 天使のようになる(→1月24日W 天使)
 もはや死から解放され、神と深くつながるようになる。子孫を残すためという意味での結婚の必要もなくなる。
  「神は死んだ者の神ではなく、生きている者の神なのだ。すべての人は、神によって生きているからである(ルカ20:38)」。
 しかし霊的な存在のみになるわけではない。


Pワンポイント   「わたしはあなたの父の神である。アブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神である(出エジ3:6)」
 太祖が死んでも神はまだ彼らの神である。神は生きるものの神で、死者の神でないので、人間を死の状態にいつまで置くことはない。必ず復活させる。
しかも人間は体をもつものとして創造されたから、体のない人間など考えられない。体も栄光の朽ちない体に復活させられる。
 「主なる神は、土(アダマ)の塵で人(アダム)を形づくり、その鼻に命の息を吹き入れられた。人はこうして生きる者となった(創世2:7)」

9/19

2014年09月18日 | キリスト教
キリスト教歳時記262  9月19日
B今日の福音
 マタ22:23-28【復活についての問答(マコ12:18ー27、ルカ20:27ー40)】その同じ日、復活はないと言っているサドカイ派の人々が、イエスに近寄って来て尋ねた。「先生、モーセは言っています。『ある人が子がなくて死んだ場合、その弟は兄嫁と結婚して、兄の跡継ぎをもうけねばならない』と。さて、わたしたちのところに、七人の兄弟がいました。長男は妻を迎えましたが死に、跡継ぎがなかったので、その妻を弟に残しました。次男も三男も、ついに七人とも同じようになりました。最後にその女も死にました。すると復活の時、その女は七人のうちのだれの妻になるのでしょうか。皆その女を妻にしたのです。」


C今日の暦
1952年 アメリカ法務長官、『ライムライト』プレミアのためロンドンに向かっていたチャップリンのアメリカ再入国を禁止、事実上国外追放(レッドパージ)。
1999年 教皇ヨハネ・パウロ2世、旧ユーゴスラビア連邦を訪問。極端な国家主義を捨て、国家の独自性と文化の保持を平和的に訴える。
2010年 ジョン・ヘンリー・ニューマン(1801-1890年)枢機卿列福。イングランドの神学者。国教会の司祭だったが、フランス革命の影響を受けた啓蒙思想に反発。神学の研究を進めるうち、カトリック教会に惹かれ転会。信徒への尊敬と理解を示し、信徒の教育を重視した。


W今日の言葉
※「ある人が子がなくて死んだ場合、その弟は兄嫁と結婚して、兄の跡継ぎをもうけねばならない」
 レビラト婚と呼ばれる。イスラエルの家系を絶やさないための規定。
 「兄弟が共に暮らしていて、そのうちの一人が子供を残さずに死んだならば、死んだ者の妻は家族以外の他の者に嫁いではならない。亡夫の兄弟が彼女のところに入り、めとって妻として、兄弟の義務を果たし、彼女の産んだ長子に死んだ兄弟の名を継がせ、その名がイスラエルの中から絶えないようにしなければならない(申命25:5-6)」。
※サドカイ派
 ユダヤ人の一党派。ソロモン時代の大祭司サドク(II列王2:35)またはヘブライ語「サディク(正しい人)」に由来。
 祭司族の流れをくみ、名誉ある地位を占め、上級祭司中心に貴族、大土地所有者、金持ちから成っていた。政治的には日和見主義だった。社会の各層から集まったファリサイ派や、ユダヤ主義の熱心党と対立していた。
 教義的には、成文化されたモーセ五書のみ信じる。死者の復活や天使の存在を否定した。
 現状に大きな問題を感じないので、死後の報いや復活など認める必要はなかったのである。また律法厳守を厳しく言わず、ギリシア文化を受け入れた。


Pワンポイント  復活はないと言っているサドカイ派(→4月26日W 死者の中から生き返った)
 サドカイ派はもともと復活を信じていないので、肉体的なことから非合理性を指摘して、復活思想をとるにたりないものにしようとした。
 ところでファリサイ派は復活を信じた。
 イエスの復活を主張するパウロは、ファリサイ派とサドカイ派の意見の相違を利用して、最高法院で取り調べを切り抜けたことがあった。
 「パウロは、議員の一部がサドカイ派、一部がファリサイ派であることを知って、議場で声を高めて言った。『兄弟たち、わたしは生まれながらのファリサイ派です。死者が復活するという望みを抱いていることで、わたしは裁判にかけられているのです。』パウロがこう言ったので、ファリサイ派とサドカイ派との間に論争が生じ、最高法院は分裂した。サドカイ派は復活も天使も霊もないと言い、ファリサイ派はこのいずれをも認めているからである。そこで、騒ぎは大きくなった。ファリサイ派の数人の律法学者が立ち上がって激しく論じ、『この人には何の悪い点も見いだせない。霊か天使かが彼に話しかけたのだろうか』と言った(使徒23:6-9)」。

9/18

2014年09月17日 | キリスト教
キリスト教歳時記261  9月18日
B今日の福音
 マタ22:15-22【皇帝への税金(マコ12:13ー17、ルカ20:20ー26)】それから、ファリサイ派の人々は出て行って、どのようにしてイエスの言葉じりをとらえて、罠にかけようかと相談した。そして、その弟子たちをヘロデ派の人々と一緒にイエスのところに遣わして尋ねさせた。「先生、わたしたちは、あなたが真実な方で、真理に基づいて神の道を教え、だれをもはばからない方であることを知っています。人々を分け隔てなさらないからです。ところで、どうお思いでしょうか、お教えください。皇帝に税金を納めるのは、律法に適っているでしょうか、適っていないでしょうか。」イエスは彼らの悪意に気づいて言われた。「偽善者たち、なぜ、わたしを試そうとするのか。税金に納めるお金を見せなさい。」彼らがデナリオン銀貨を持って来ると、イエスは、「これは、だれの肖像と銘か」と言われた。彼らは、「皇帝のものです」と言った。すると、イエスは言われた。「では、皇帝のものは皇帝に、神のものは神に返しなさい。」彼らはこれを聞いて驚き、イエスをその場に残して立ち去った。


C今日の暦
14年   ティベリウスがローマ皇帝に即位(→12月1日W 皇帝)。
1598年 豊臣秀吉没(1537年-)。織田信長の足軽の子で、信長に仕える。本能寺の変後、明智光秀、柴田勝家を倒し後継者となる。四国、九州征伐を行い、1590年小田原北条氏を滅ぼし天下統一。文禄・慶長の役で朝鮮に軍を派遣するが失敗。太閤検地(課税の基礎)、刀狩り(僧侶、農民から武器を没収)を実施。
1828年 シーボルト(1796-1866年)が、幕府禁制品の日本地図など持ち出そうとしたことが、船の座礁により発覚。出国停止、1年の取調べの後追放。シーボルトは、1823年来日、鎖国時代の対外貿易窓、長崎・出島のオランダ商館医となる。鳴滝塾を開設、西洋医学(蘭学)教育を行った。受講したのは高野長英・二宮敬作・伊東玄朴・小関三英・伊藤圭介ら。
1931年 満州事変。奉天付近の南満州鉄道線路上で爆発事件。自作自演だったが、張学良軍の仕業として、関東軍は満州全土に戦火を広げた。時の若槻内閣は事変の不拡大方針を決定したが、軍は既成事実を作り上げ、満州国建設に向かう。


W今日の言葉 ヘロデ派
 パレスチナの支配者として、ローマ総督ではなく、ヘロデ家による支配を支持する人たち(→1月26日W ヘロデの跡)。ローマの課税に反対。ファリサイ派とは敵対関係にあったが、対ローマ、対イエスでは歩み寄った。
※税金(→1月16日P 当時の税制)。ここではローマに納める人頭税。


Pワンポイント
イエスが皇帝への納税を認めれば、ローマへの服従を認めることとなる。ユダヤ人からは神への裏切りととられ、耐えがたいことだった。
 しかしイエスが納税を拒否するならば、ローマに反逆することとなり、神殿を警備しているローマ兵にすぐ訴えることができる。
 パレスチナの治安はローマ帝国により成り立っており、ユダヤも自治権を委ねられ、ローマ帝国とよい関係を保つことが民族の存続を図る一つの方策でもあった。これに逆らうことは自治権はおろか、民族の存続さえ危機に陥れる。それは歴史が示す(→1月19日 ※イスラエルの簡単な歴史)。
◇ローマ貨幣、デナリオン銀貨には肖像と共に「ティベリウス・カエサル、神的アウグストゥスの子」という称号が刻まれていた。これは十戒の「神のみを神とする」にも「いかなる像も刻んではならない」にも反する。だからそんなものは皇帝に返せとイエスは言った。
 ところで神の像が刻まれたものは、まさに人間である。だから神のものである人間は、ひたすら神に仕え、神への義務を果たさなければならない。 「神は御自分にかたどって人を創造された。神にかたどって創造された(創世1:27)」。
 このイエスの答えに、人々は驚き、反論できるものはだれもいなかった。

9/17

2014年09月16日 | キリスト教
キリスト教歳時記260  9月17日
B今日の福音
 マタ22:1-14【「婚宴」のたとえ(ルカ14:15ー24)】イエスは、また、たとえを用いて語られた。「天の国は、ある王が王子のために婚宴を催したのに似ている。王は家来たちを送り、婚宴に招いておいた人々を呼ばせたが、来ようとしなかった。そこでまた、次のように言って、別の家来たちを使いに出した。『招いておいた人々にこう言いなさい。「食事の用意が整いました。牛や肥えた家畜を屠って、すっかり用意ができています。さあ、婚宴においでください。」』しかし、人々はそれを無視し、一人は畑に、一人は商売に出かけ、また、他の人々は王の家来たちを捕まえて乱暴し、殺してしまった。そこで、王は怒り、軍隊を送って、この人殺しどもを滅ぼし、その町を焼き払った。そして、家来たちに言った。『婚宴の用意はできているが、招いておいた人々は、ふさわしくなかった。だから、町の大通りに出て、見かけた者はだれでも婚宴に連れて来なさい。』そこで、家来たちは通りに出て行き、見かけた人は善人も悪人も皆集めて来たので、婚宴は客でいっぱいになった。王が客を見ようと入って来ると、婚礼の礼服を着ていない者が一人いた。王は、『友よ、どうして礼服を着ないでここに入って来たのか』と言った。この者が黙っていると、王は側近の者たちに言った。『この男の手足を縛って、外の暗闇にほうり出せ。そこで泣きわめいて歯ぎしりするだろう。』招かれる人は多いが、選ばれる人は少ない。」


C今日の暦
1945年 満州国北安省(現中国黒龍江省)瑞穂村開拓団495名がが集団自決。
1948年 ルース・ベネディクト没(1887年-)。アメリカの文化人類学者。 『菊と刀』『文化の型』。
1980年 ポーランドで独立自主管理労働組合「連帯」が発足。自由な組合活動が認められていない中で成立し、民主化運動において、主導的な役割を担う。ヨハネ・パウロ2世は、政府による「連帯」非合法化に対し憂慮する発言を行い、「連帯」を事実上支持する発言を行った。
2002年 小泉純一郎首相が訪朝。日朝首脳会談が行われ、朝鮮民主主義人民共和国の金正日総書記が拉致事件を公式に認める。


W今日の言葉
「王」は父なる神。「王子」はイエス。「結婚の披露宴」はメシアとして神がイエスを指示したこと。初めから披露宴に「招いておいた客」はユダヤ人。初めの「家来」は預言者。焼き払われた「町」はエルサレム。
 「大通り」は異邦人の住む地(→8月4日W 宴会)。そこに改めて遣わされた「家来」は洗礼者ヨハネや使徒。「王が客を見ようと入って来る」は最後の審判。「礼服を着ない」は回心していない状態。「外の暗闇」は地獄。


Pワンポイント  ベネディクトの文化論
 人間の集団は一定の意思を持ち、集団の意思は誰にも意識されないがその集団を構成する個人の意思を超越する。
 日本文化は外的な批判を意識する「恥の文化」で、露見しなければ思い煩わない。
 欧米文化はを内的な良心を意識する「罪の文化」で、自分の非行が人に知られなくても罪に悩む。

9/16

2014年09月15日 | キリスト教
キリスト教歳時記259  9月16日
B今日の福音
 マタ21:41-46 彼らは言った。「その悪人どもをひどい目に遭わせて殺し、ぶどう園は、季節ごとに収穫を納めるほかの農夫たちに貸すにちがいない。」イエスは言われた。「聖書にこう書いてあるのを、まだ読んだことがないのか。『家を建てる者の捨てた石、これが隅の親石となった。これは、主がなさったことで、わたしたちの目には不思議に見える。』だから、言っておくが、神の国はあなたたちから取り上げられ、それにふさわしい実を結ぶ民族に与えられる。この石の上に落ちる者は打ち砕かれ、この石がだれかの上に落ちれば、その人は押しつぶされてしまう。」祭司長たちやファリサイ派の人々はこのたとえを聞いて、イエスが自分たちのことを言っておられると気づき、イエスを捕らえようとしたが、群衆を恐れた。群衆はイエスを預言者だと思っていたからである。


C今日の暦
○聖コルネリオ教皇(在位251-253年)、聖チプリアノ司教(210-258年)
 コルネリオは教皇になって3年後、ガルス帝により追放され、帰天。
 チプリアノは北アフリカ、カルタゴ(チュニジア)の異教徒の家庭に生まれた。弁護士、修辞学教授で46歳で受洗、同地の司教に。迫害が始まるや棄教証明書を願う信者が続出した。 迫害が終わり「一度信仰を捨てた人を教会はゆるす権利がない」と主張する人(この中に自分を教皇と名乗る者もいた)に反対、教皇コルネリオと共に信者をゆるし、再び受け入れた。ローマの教皇の権威を擁護し、コルネリオ教皇を守った。バレリアヌス帝により追放され、コルネリオが帰天した日に殉教。
1920年 ニューヨーク、ウォール街でイタリアの無政府主義者により馬車に仕掛けられた爆弾が爆発。死者38名、負傷者約400名。世界初の車爆弾を用いたテロ。
1923年 憲兵大尉甘粕正彦が、アナキストの大杉栄と内妻・伊藤野枝(婦人解放家)、大杉の甥・橘宗一(米国籍)を虐殺、井戸に捨てる。 関東大震災のどさくさに乗じ、連行された。大杉の無実が明らかになると、甘粕は軍法会議で懲役10年となるが、3年で出所、満州国の要職に着く。
2001年 「9.11米同時多発テロ」に対し、教皇ヨハネ・パウロ2世は、聖母マリアの支えにより「すべての人が憎しみと暴力への誘惑に屈しないよう」祈る。


W今日の言葉 隅の親石
 石造建築の礎石。隅におかれる重要な石。
  「家を建てる者の退けた石が、隅の親石となった。これは主の御業、わたしたちの目には驚くべきこと(詩編118:22-23)」。
 家を建てる者(指導者)が捨てた石(イエス)こそが、神の国の土台となる。この石に逆らうもの(ユダヤ指導者)は、最終的に、滅びに至る。そして神の国は、ふさわしい実を結ぶ異邦人にいったんは任せられることになる。
  「主は聖所にとっては、つまずきの石、イスラエルの両王国にとっては、妨げの岩、エルサレムの住民にとっては、仕掛け網となり、罠となられる。多くの者がこれに妨げられ、倒れて打ち砕かれ、罠にかかって捕らえられる(イザ8:14-15)」。


Pワンポイント   ぶどう園の歌
 「わたしは歌おう、わたしの愛する者のために、そのぶどう畑の愛の歌を。わたしの愛する者は、肥沃な丘に、ぶどう畑を持っていた。よく耕して石を除き、良いぶどうを植えた。その真ん中に見張りの塔を立て、酒ぶねを掘り、良いぶどうが実るのを待った。しかし、実ったのは酸っぱいぶどうであった。……イスラエルの家は万軍の主のぶどう畑、主が楽しんで植えられたのはユダの人々。主は裁き(ミシュパト)を待っておられたのに、見よ、流血(ミスパハ) 正義(ツェダカ)を待っておられたのに、見よ、叫喚(ツェアカ)(イザ5:1-2,7)」。

9/15

2014年09月14日 | キリスト教
キリスト教歳時記258  9月15日
B今日の福音
 マタ21:33-40【「ぶどう園と農夫」のたとえ(マコ12:1ー12、ルカ20:9ー19)】「もう一つのたとえを聞きなさい。ある家の主人がぶどう園を作り、垣を巡らし、その中に搾り場を掘り、見張りのやぐらを立て、これを農夫たちに貸して旅に出た。さて、収穫の時が近づいたとき、収穫を受け取るために、僕たちを農夫たちのところへ送った。だが、農夫たちはこの僕たちを捕まえ、一人を袋だたきにし、一人を殺し、一人を石で打ち殺した。また、他の僕たちを前よりも多く送ったが、農夫たちは同じ目に遭わせた。そこで最後に、『わたしの息子なら敬ってくれるだろう』と言って、主人は自分の息子を送った。農夫たちは、その息子を見て話し合った。『これは跡取りだ。さあ、殺して、彼の相続財産を我々のものにしよう。』そして、息子を捕まえ、ぶどう園の外にほうり出して殺してしまった。さて、ぶどう園の主人が帰って来たら、この農夫たちをどうするだろうか。」


C今日の暦
○悲しみの聖母  聖母はイエスの受難の時、十字架のもとに気丈にも立って(スタバト・マーテル)、イエスと苦しみを共にした。
 マリアはイエスのことで、苦しみも同時に負った。たとえばイエスを神殿に奉献した際、シメオンから逆らいを受け心が剣で貫かれると預言された時(ルカ2:34-35;1月19日)。ヘロデの虐殺を逃れエジプトで亡命生活をした時(マタ2:13-15;1月22日)。神殿に行った帰り3日もイエスとはぐれた時(ルカ2:43-50;1月25日)。  アダムとエバは罪を犯したが、新しいアダム(イエス;6月1日C聖ユスチノ)とエバ(マリア)は共に神への従順の中、苦しみを負う中で、その罪を贖った。
723年 聖徳太子により悲田院設立される。、仏教の慈悲の思想に基づき、貧しい人や孤児を救うために作られた施設。
1911年 岩崎きみ没(1902年-)。赤子のとき母かよに連れられ北海道に。3歳の時母は鈴木と再婚、きみはアメリカ人宣教師チャールス・ヒュエット夫妻の養女となる。鈴木は過酷な生活のため開拓農場を引き上げ、北鳴新報に勤め、ここで野口雨情と親交を持つ。雨情は『赤い靴』を作詞(雨情自身も1908年長女を生後わずか7日でなくし、「シャボン玉」を作詞したとされる)。
 母は、きみがヒュエット夫妻と渡米し幸せに元気に暮らしていると最期まで信じていた。しかし実際はヒュエット夫妻が任務を終え帰国しようとしたとき、結核に冒され、船旅が出来ず、6歳のとき麻布のメソジスト系孤児院に預けられ、9歳で天に召されていた。
1935年 ナチス・ドイツがニュルンベルク法を制定。ユダヤ人の定義(曾祖父にユダヤ人が3人以上いること)を規定し、その市民権を否定。


W今日の言葉
 「地主」は父なる神、「ぶどう園」はイスラエルで実現すべき神の国、「小作人」はユダヤの宗教指導者、「僕たち」は預言者、「わたしの息子」はイエス。 息子(イエス)は町の外に放り出され、殺された。
 「わたしは歌おう、わたしの愛する者のために、そのぶどう畑の愛の歌を。わたしの愛する者は、肥沃な丘に、ぶどう畑を持っていた。よく耕して石を除き、良いぶどうを植えた。その真ん中に見張りの塔を立て、酒ぶねを掘り、良いぶどうが実るのを待った……イスラエルの家は万軍の主のぶどう畑、主が楽しんで植えられたのはユダの人々(イザ5:1-2,7)」。


P 野口雨情作詞
「しゃぼん玉」
しゃぼん玉 飛んだ  屋根まで飛んだ  屋根まで飛んで  こわれて消えた
しゃぼん玉 消えた  飛ばずに消えた  生まれてすぐに  こわれて消えた
風 風 吹くな    しゃぼん玉 飛ばそ

「赤い靴」
赤い靴 はいてた 女の子      異人さんに つれられて 行っちゃった
横浜の 埠頭から 汽船に乗って   異人さんに つれられて 行っちゃった
今では 青い目に なっちゃって   異人さんの お国に いるんだろう
赤い靴 見るたび 考える      異人さんに 逢うたび 考える

9/14

2014年09月13日 | キリスト教
キリスト教歳時記257  9月14日
B今日の福音
 マタ21:28-32【「二人の息子」のたとえ】「ところで、あなたたちはどう思うか。ある人に息子が二人いたが、彼は兄のところへ行き、『子よ、今日、ぶどう園へ行って働きなさい』と言った。兄は『いやです』と答えたが、後で考え直して出かけた。弟のところへも行って、同じことを言うと、弟は『お父さん、承知しました』と答えたが、出かけなかった。この二人のうち、どちらが父親の望みどおりにしたか。」彼らが「兄の方です」と言うと、イエスは言われた。「はっきり言っておく。徴税人や娼婦たちの方が、あなたたちより先に神の国に入るだろう。なぜなら、ヨハネが来て義の道を示したのに、あなたたちは彼を信ぜず、徴税人や娼婦たちは信じたからだ。あなたたちはそれを見ても、後で考え直して彼を信じようとしなかった。」


C今日の暦
○十字架称賛  キリスト者の救いと勝利の希望である十字架を思い起こす祝日。
 313年ミラノ勅令でキリスト教を公認したコンスタンチヌス帝。その母ヘレナが、326年エルサレムを巡礼した(エルサレムは2度のユダヤ戦争によって破壊され、135年にはローマ風の都市へと再開発されていた)。
 ヴィーナス神殿となっていた地で、3本の十字架と釘を発見。瀕死の病人がその中の一本に触れたところたちまち癒され、イエスの十字架とみなされた。そこでその場所がゴルゴタとされることとなった。
 335年9月13日この場所に聖墳墓教会(復活教会)が献堂された。
 この十字架は614年ササン朝ペルシアにより持ち去られたが、東ローマ皇帝ヘラクリウスが629年9月14日取り戻し、自ら教会に納めた。
1881年 長崎、浦上十字架山に絵踏の謝罪のため大十字架を建てる
1959年 ソビエト連邦の宇宙探査機「ルナ2号」が月面の「晴の海」に衝突、月に到着した初の人工物体となる。
1960年 石油輸出国機構 (OPEC) が設立される。
1994年 教皇庁教理省「離婚した信者と再婚した信者による聖体拝領について」書簡発表
 離婚した信者は聖体拝領できる。前婚の配偶者が生きたまま教会法的に無効な結婚をした信者は聖体拝領は許されない。しかしミサにあずかることはいいことで、司牧者は配慮しなければならない。


W今日の言葉   二人の息子
ここでは兄は徴税人や娼婦。弟はユダヤの指導者。
 兄である徴税人たちはいったんは神に背いたが、のちにヨハネが示した義の道に従うべく、回心した。
 弟であるユダヤの指導者は、神に従うと言いつつ、実態は、神に背いた生活をしていた。しかも悔い改めた徴税人(マタイやザアカイ)や娼婦(マグダラのマリア)を目にしつつも、それにならわなかった。


Pワンポイント
 「新共同訳」「フランシスコ会訳」「岩波訳」はこのテキスト。
 しかし「文語訳」「口語訳」「新改訳」では兄と弟の反応が逆になる。つまり兄は「はい」というが結局ぶどう園へは行かない。弟は「いや」というが後悔して結局はぶどう園に行く。
 これは放蕩息子の兄弟の立場の影響(→8月8日,9日)でもあり、兄がユダヤ人で、弟が異邦人を指しているという解釈にもよるものだろう。
 つまりユダヤ人は初めから神に従っているつもりだったが、結局はメシア・イエスを拒み、従わなかった。 異邦人は初め神を知らなかったが、結局はイエスを受け入れ、神に従った。

9/13

2014年09月12日 | キリスト教
キリスト教歳時記256  9月13日
B今日の福音
 マコ11:27-33【権威についての問答(マタ21:23ー27、ルカ20:1ー8)】一行はまたエルサレムに来た。イエスが神殿の境内を歩いておられると、祭司長、律法学者、長老たちがやって来て、言った。「何の権威で、このようなことをしているのか。だれが、そうする権威を与えたのか。」イエスは言われた。「では、一つ尋ねるから、それに答えなさい。そうしたら、何の権威でこのようなことをするのか、あなたたちに言おう。ヨハネの洗礼は天からのものだったか、それとも、人からのものだったか。答えなさい。」彼らは論じ合った。「『天からのものだ』と言えば、『では、なぜヨハネを信じなかったのか』と言うだろう。しかし、『人からのものだ』と言えば…。」彼らは群衆が怖かった。皆が、ヨハネを本当に預言者だと思っていたからである。そこで、彼らはイエスに、「分からない」と答えた。すると、イエスは言われた。「それなら、何の権威でこのようなことをするのか、わたしも言うまい。」


C今日の暦
○聖ヨハネ・クリゾストモ司教教会博士(349-407年)。アンチオケで生まれ、禁欲生活を送り、修道院に入る。397年コンスタンチノープルの司教に選ばれた。キリスト教とキリスト者としての正しい生活を雄弁に説教し、「金の口(クリゾストモ)」と呼ばれた。また貧しい人に食事を与えるなど実践した。 しかし不道徳を指摘された皇帝らに恨まれ、脅され、未開地に追放された。70歳の老齢で衰弱死。
1941年 安藤忠雄誕生。建築家。風の教会(六甲の教会)、水の教会(北海道、結婚式場)、光の教会(大阪、茨木春日丘教会)
1974年 日本赤軍がハーグ(オランダ)のフランス大使館を占拠。オランダ政府が身代金30万ドルを払う。
2007年 先住民族の権利に関する国際連合宣言。先住民の慣習、文化と伝統を守り、差別を禁止することが宣言された。


W今日の言葉 このようなこと
 メシアのようにろばに乗ってエルサレムに入城し(→9月6日P)、人々に迎えられ、神殿で教え、商人を追い出したこと


Pワンポイント 洗礼者ヨハネの証し
かつて洗礼者ヨハネに、ファリサイ派に属する祭司、レビ人が「あなたは、どなたですか」「なぜ洗礼を授けるのですか」と尋ねた(ヨハ1:19,24)。その時洗者は「メシア、エリヤ、あの預言者」でないと否定した。(→2月1日)
 その代わりイエスが洗礼者ヨハネのもとに洗礼を受けに来た時、イエスこそ待ち望んでいたメシアであると証言した。
 「見よ、世の罪を取り除く神の小羊だ。わたしの後から一人の人が来られる。その方はわたしにまさる。わたしよりも先におられたからであるとわたしが言ったのは、この方のことである。……わたしは、“霊”が鳩のように天から降って、この方の上にとどまるのを見た。……水で洗礼を授けるためにわたしをお遣わしになった方が、『“霊”が降って、ある人にとどまるのを見たら、その人が、聖霊によって洗礼を授ける人である』とわたしに言われた。わたしはそれを見た。だから、この方こそ神の子であると証しした(ヨハ1:29-34)」。(→2月2日)
 洗礼者ヨハネを信じるならヨハネが示すメシアを認めなければならない。洗礼者ヨハネがただの人間に過ぎないと言えば、預言者と思っている群衆は不満を持つ。

9/12

2014年09月11日 | キリスト教
キリスト教歳時記255  9月12日
B今日の福音
 マコ11:20-26【枯れたいちじくの木の教訓(マタ21:20ー22)】翌朝早く、一行は通りがかりに、あのいちじくの木が根元から枯れているのを見た。そこで、ペトロは思い出してイエスに言った。「先生、御覧ください。あなたが呪われたいちじくの木が、枯れています。」そこで、イエスは言われた。「神を信じなさい。はっきり言っておく。だれでもこの山に向かい、『立ち上がって、海に飛び込め』と言い、少しも疑わず、自分の言うとおりになると信じるならば、そのとおりになる。だから、言っておく。祈り求めるものはすべて既に得られたと信じなさい。そうすれば、そのとおりになる。また、立って祈るとき、だれかに対して何か恨みに思うことがあれば、赦してあげなさい。そうすれば、あなたがたの天の父も、あなたがたの過ちを赦してくださる。」[もし赦さないなら、あなたがたの天の父も、あなたがたの過ちをお赦しにならない。]


C今日の暦
1629年 江戸幕府が高位・高徳の僧への紫衣の勅許を停止。朝幕関係に深刻な打撃を与える大きな対立となる。
1990年 東西ドイツ再統一


W今日の言葉 立って
 神殿の方を向いて、立って、手を上げて祈るのが、ユダヤ人の祈り方の一つである。
 「あなたのお選びになった都、わたしが御名のために建てた神殿の方を向いて主に祈るなら(I列王8:44)」
 「偽善者たちは、人に見てもらおうと、会堂や大通りの角に立って祈りたがる(マタ6:5)」。
 「税人は遠くに立って、目を天に上げようともせず、胸を打ちながら言った。『神様、罪人のわたしを憐れんでください』(ルカ18:13)」
 またひざまずいたり、座ったまま両手を上げたり、ひれ伏して祈ることもあった。
 「エルサレムに向かって開かれた窓際にひざまずき、日に三度の祈りと賛美を自分の神にささげた(ダニ6:11)」。
 「ダビデ王は主の御前に出て座し(IIサム7:18)」「ユディトは地にひれ伏し、頭に灰をかぶり(ユディ9:1)」


Pワンポイント
 9月9日Bに続く記事。
ルカにあるたとえを想起させる。 「ある人がぶどう園にいちじくの木を植えておき、実を探しに来たが見つからなかった。そこで、園丁に言った。『もう三年もの間、このいちじくの木に実を探しに来ているのに、見つけたためしがない。だから切り倒せ。なぜ、土地をふさがせておくのか。』園丁は答えた。『御主人様、今年もこのままにしておいてください。木の周りを掘って、肥やしをやってみます。そうすれば、来年は実がなるかもしれません。もしそれでもだめなら、切り倒してください。』(ルカ13:6-9)」。(→7月28日B)
いちじくはイスラエルの人々。園丁であるイエスは3年かけて福音を宣べ伝えた。しかし実りはなく、葉が茂ってみかけばかりだった(マコ11:13)。神殿も強盗の巣(→9月8日W)で、「神の求めるいけにえは打ち砕かれた霊。打ち砕かれ悔いる心を 神よ、あなたは侮られません(詩編51:18)」の警告もむなしく響くだけだった。
 信仰は神への絶対的な信頼。祈りは神への信頼の具体的な現われ。口先では神を敬っているが、実際には神を信頼せず、自分の力を誇りにしていた。イエスはそのような見せかけの信仰を批判する。そして弟子に神への完全な信頼を求める。

9/11

2014年09月10日 | キリスト教
キリスト教歳時記254  9月11日
B今日の福音
 ヨハ12:27-36【人の子は上げられる】「今、わたしは心騒ぐ。何と言おうか。『父よ、わたしをこの時から救ってください』と言おうか。しかし、わたしはまさにこの時のために来たのだ。父よ、御名の栄光を現してください。」すると、天から声が聞こえた。「わたしは既に栄光を現した。再び栄光を現そう。」そばにいた群衆は、これを聞いて、「雷が鳴った」と言い、ほかの者たちは「天使がこの人に話しかけたのだ」と言った。イエスは答えて言われた。「この声が聞こえたのは、わたしのためではなく、あなたがたのためだ。今こそ、この世が裁かれる時。今、この世の支配者が追放される。わたしは地上から上げられるとき、すべての人を自分のもとへ引き寄せよう。」イエスは、御自分がどのような死を遂げるかを示そうとして、こう言われたのである。すると、群衆は言葉を返した。「わたしたちは律法によって、メシアは永遠にいつもおられると聞いていました。それなのに、人の子は上げられなければならない、とどうして言われるのですか。その『人の子』とはだれのことですか。」イエスは言われた。「光は、いましばらく、あなたがたの間にある。暗闇に追いつかれないように、光のあるうちに歩きなさい。暗闇の中を歩く者は、自分がどこへ行くのか分からない。光の子となるために、光のあるうちに、光を信じなさい。」


C今日の暦
1973年 チリでピノチェトがアメリカの秘密支援を受けクーデターを起こす。社会主義政党とはいえ民主的に選ばれていた政権が倒され独裁となる。アジェンデ前大統領は自殺。
2009年 日本カトリック司教協議会「カトリックの聖職者の裁判員辞退について」発表(→5月25日P)
2001年 アメリカ同時多発テロ事件。航空機4機がハイジャックされ行われた最大規模のテロ事件。世界貿易センターと国防総省で三千人が犠牲。犯人はイスラム過激派オサマ・ビンン・ラディンのアルカイダとされる。報復としてラディンが潜伏されるとされるアフガニスタンと攻撃、イラク戦争にもつながった。
2012年 日本政府が地権者から尖閣諸島の魚釣島及び南小島、北小島を20億5千万円で売買契約し、国有化。


W今日の言葉   騒ぐ   ταρασσω
 「心騒ぐ」はフランシスコ会訳では「心はかき乱されている」。ラザロが死んだ時「興奮して(ヨハ11:33)」と同じことば。イエスは人間として動揺し、苦しんだ。
  「わたしの魂は恐れおののいています。主よ、いつまでなのでしょう(詩編6:4)」。
  「なぜうなだれるのか、わたしの魂よ、なぜ呻くのか。神を待ち望め(詩編42:6)」。
※この時(→6月18日P わたしの時)       ※「天から声が聞こえた」(→1月30日W 天から聞こえた)
※「上げられる」(→6月27日P 上げる)     ※「光」(→6月26日P 光と闇) ※「光の子」(→8月10日W 光の子ら)


Pワンポイント   メシアは永遠にいつもおられる
 聖書では次のように暗示されている。
 「あなたの子孫をとこしえに立て、あなたの王座を代々に備える、と(詩編89:5)」。
 「わたしの言葉に従って、あなたはとこしえの祭司メルキゼデク(わたしの正しい王)(詩編110:4)」。
 「ダビデの王座とその王国に権威は増し、平和は絶えることがない。王国は正義と恵みの業によって、今もそしてとこしえに、立てられ支えられる。万軍の主の熱意がこれを成し遂げる(イザ9:6)」。
 「権威、威光、王権を受けた。諸国、諸族、諸言語の民は皆、彼に仕え、彼の支配はとこしえに続き、その統治は滅びることがない(ダニ7:14)」。

9/10

2014年09月09日 | キリスト教
キリスト教歳時記253  9月10日
B今日の福音
 ルカ21:37-38 それからイエスは、日中は神殿の境内で教え、夜は出て行って「オリーブ畑」と呼ばれる山で過ごされた。民衆は皆、話を聞こうとして、神殿の境内にいるイエスのもとに朝早くから集まって来た。
ヨハ12:20-26【ギリシア人、イエスに会いに来る】さて、祭りのとき礼拝するためにエルサレムに上って来た人々の中に、何人かのギリシア人がいた。彼らは、ガリラヤのベトサイダ出身のフィリポのもとへ来て、「お願いです。イエスにお目にかかりたいのです」と頼んだ。フィリポは行ってアンデレに話し、アンデレとフィリポは行って、イエスに話した。イエスはこうお答えになった。「人の子が栄光を受ける時が来た。はっきり言っておく。一粒の麦は、地に落ちて死ななければ、一粒のままである。だが、死ねば、多くの実を結ぶ。自分の命を愛する者は、それを失うが、この世で自分の命を憎む人は、それを保って永遠の命に至る。わたしに仕えようとする者は、わたしに従え。そうすれば、わたしのいるところに、わたしに仕える者もいることになる。わたしに仕える者がいれば、父はその人を大切にしてくださる。」


C今日の暦
○日本二百五福者殉教者  1617-32年の間に長崎、江戸、仙台などで殉教した人々。日本の他にスペイン、ポルトガル、韓国、インド、メキシコなど国籍は7か国に及ぶ。女性が14人、少なくとも6人は子ども。(→2月5日P)
1622年 長崎、西坂で宣教師や信徒55名が殉教(元和の大殉教)。宣教師にイエズス会、フランシスコ会、ドミニコ会の司祭9人と修道士。


W今日の言葉 オリーブ山
 エルサレムの小高い東側、キドロンの谷を隔ててある山。エルサレムから900メートル。「エルサレムに近く、安息日にも歩くことが許される距離の所にある(使徒1:12)」。海抜は814メートル。谷底からは120mあるが、エルサレムの高いところからは30mしかない。麓にゲツセマネの園があり、メシアが入る黄金門に通じる。(この黄金門は今はイスラム教の人によりふさがれ、墓が作られ、道も壊されている)
 アブサロムに謀反されダビデが逃げた、ソロモンが異教の祭壇を立てた場所。主の顕れる場所として預言もされていた。「その日、主は御足をもって、エルサレムの東にあるオリーブ山の上に立たれる。オリーブ山は東と西に半分に裂け、非常に大きな谷ができる。山の半分は北に退き、半分は南に退く(ゼカ14:4)」。
 イエスは昼神殿で教え、日が暮れるとオリーブ山に行った(ヨハ8:1-2;6月24日B)。イエスは最後の晩餐の後この山に出かけ(マコ14:26)、ここから昇天した(使徒1:12)。


Pワンポイント
 「何人かのギリシア人」とは、ユダヤ教に改宗した異邦人を言うのだろう。
 「死ねば、多くの実を結ぶ」とあるようにイエス、またイエスに従うものは死んでもそれで終わらない。イエスの死は邦人も含むすべての人のの救いをもたらし、イエスに従うものの死はイエスの復活を証するものとなり、かえって多くの実りをもたらす。

9/9

2014年09月08日 | キリスト教
キリスト教歳時記252  9月9日
B今日の福音
 マコ11:12-14【いちじくの木を呪う(マタ21:18ー19)】翌日、一行がベタニアを出るとき、イエスは空腹を覚えられた。そこで、葉の茂ったいちじくの木を遠くから見て、実がなってはいないかと近寄られたが、葉のほかは何もなかった。いちじくの季節ではなかったからである。イエスはその木に向かって、「今から後いつまでも、お前から実を食べる者がないように」と言われた。弟子たちはこれを聞いていた。


C今日の暦
1831年 バチカン、極東の宣教をパリ外国宣教会に委託し、朝鮮代牧区を設立
1976年 毛沢東没(1893年-)。貧農出身。1921年中国共産党の創立に参加し、農民運動を指導。日中戦争では国共合作し、抗日戦を指導する。その後蒋介石の国民党を破り、1949年中華人民共和国を建国、国家主席となる。影響力低下後、1966年文化大革命を起こし、多くの犠牲者を出す。1972年米日と国交正常化。1976年天安門事件のとき、小平の解任を提案した。


W今日の言葉  いちじく (→7月28日W 実のならないいちじく)
 いちじくは6月と8,9月に実がなる。この時は春であった。
 ぶどうといちじくの木の下で憩うことは、平和と繁栄のしるし(→2月4日B)。
  「人はそれぞれ自分のぶどうの木の下、いちじくの木の下に座り、脅かすものは何もないと、万軍の主の口が語られた(ミカ4:4)」。
  「その日には、と万軍の主は言われる。あなたたちは互いに呼びかけて、ぶどうといちじくの木陰に招き合う(ゼカ3:10)」。
 葉が茂ることで、形だけ儀式が繰り返されることを暗示している。そして実がないことで、ユダヤ教がなんら霊的な実を結んでいないことを意味する。そして義と愛に渇くイエスを、ユダヤの指導者が拒むことを、イエスはいちじくにたとえて憤っている。
 なおイスラエルのおもな作物は、オリーブ、いちじく、ぶどう、大麦(春)、小麦(夏)、なつめやし、ざくろである。


Pワンポイント   パリ外国宣教会(パリミッション)
 フランス語を母国とする司祭の宣教会。
 日本は17世紀以来、弾圧が徹底し布教の術がなかったが、状況が変わり始めたため、1838年にバチカンの布教聖省の委託で、日本へ再宣教の準備を開始した。1844年琉球に入り、日本語を勉強しながら日本入国の機会を狙った。1858年、米・英・蘭・露・仏5か国と修好通商条約を締結し、外国人居留地内に限って教会建設を認めた。これをうけ1859年横浜に、1863年長崎に神父が赴いた。1864年長崎に大浦天主堂を完成しプティジャン神父が初代主任司祭となった。1865年浦上の信者が名乗りを上げた。250年ぶりの信徒再発見となった。
   (→2月5日P ザビエル~禁教~信仰の自由、2月19日P 大浦天主堂)

9/8

2014年09月07日 | キリスト教
キリスト教歳時記251  9月8日
B今日の福音
 マタ21:10-11 イエスがエルサレムに入られると、都中の者が、「いったい、これはどういう人だ」と言って騒いだ。そこで群衆は、「この方は、ガリラヤのナザレから出た預言者イエスだ」と言った。
 マタ21:12-17【神殿から商人を追い出す(マコ11:15ー19、ルカ19:45ー48、ヨハ2:13ー22)】それから、イエスは神殿の境内に入り、そこで売り買いをしていた人々を皆追い出し、両替人の台や鳩を売る者の腰掛けを倒された。そして言われた。「こう書いてある。『わたしの家は、祈りの家と呼ばれるべきである。』ところが、あなたたちはそれを強盗の巣にしている。」境内では目の見えない人や足の不自由な人たちがそばに寄って来たので、イエスはこれらの人々をいやされた。他方、祭司長たちや、律法学者たちは、イエスがなさった不思議な業を見、境内で子供たちまで叫んで、「ダビデの子にホサナ」と言うのを聞いて腹を立て、イエスに言った。「子供たちが何と言っているか、聞こえるか。」イエスは言われた。「聞こえる。あなたたちこそ、『幼子や乳飲み子の口に、あなたは賛美を歌わせた』という言葉をまだ読んだことがないのか。」それから、イエスは彼らと別れ、都を出てベタニアに行き、そこにお泊まりになった。


C今日の暦
○聖マリアの誕生(→7月26日C 聖マリアの両親) 救い主の母としてマリアは選ばれた。このマリアは罪なきものとして生まれた。
1951年 サンフランシスコ講和条約(日本国との平和条約)調印。連合国は日本国の主権を承認。国際法上この条約の発効により日本と多くの連合国との間の「戦争状態」が終結(→8月15日P)
1981年 湯川秀樹没(1907年-)。 1949年中間子の存在を予言していたことにつき、ノーベル物理学賞が贈られることが決定。「東洋人にノーベル賞は早すぎる」との意識がまだある中、日本人初のノーベル賞受賞。


W今日の言葉
※祈りの家  「わたしは彼らを聖なるわたしの山に導き、わたしの祈りの家の喜びの祝いに連なることを許す(イザ56:7)」。
※強盗の巣  「わたしの名によって呼ばれるこの神殿は、お前たちの目に強盗の巣窟と見えるのか。そのとおり。わたしにもそう見える、と主は言われる(エレ7:11)」。
※鳩 (→1月18日P)       ※ホサナ(→9月6日W)
※幼子や乳飲み子の口に、あなたは賛美を歌わせた。
   「天に輝くあなたの威光をたたえます 幼子、乳飲み子の口によって(詩編8:2-3)」。
   「知恵が、口の利けない者の口を開き、/幼児にもはっきりと語らせたからである(知恵10:21)」。


Pワンポイント 商人を追い出す、商売の家(→2月7日B,P)
 ヨハ2:13-22にあるとおり宣教の初めにも、イエスはこの神殿清めを行った。そして宣教活動の最後にあたり、再度行った。


9/7

2014年09月06日 | キリスト教
キリスト教歳時記250  9月7日
B今日の福音
 ルカ19:39-44 すると、ファリサイ派のある人々が、群衆の中からイエスに向かって、「先生、お弟子たちを叱ってください」と言った。イエスはお答えになった。「言っておくが、もしこの人たちが黙れば、石が叫びだす。」
エルサレムに近づき、都が見えたとき、イエスはその都のために泣いて、言われた。「もしこの日に、お前も平和への道をわきまえていたなら……。しかし今は、それがお前には見えない。やがて時が来て、敵が周りに堡塁を築き、お前を取り巻いて四方から攻め寄せ、お前とそこにいるお前の子らを地にたたきつけ、お前の中の石を残らず崩してしまうだろう。それは、神の訪れてくださる時をわきまえなかったからである。」


C今日の暦
70年  ティトゥス率いるローマ帝国軍がエルサレムを完全に制圧。
1303年 フランス王フィリップ4世がローマ教皇ボニファティウス8世をローマ近郊のアナーニに捕囚(→1月17日C)。
 ボニファティウス8世は、回勅「ウナム・サンクタム」を発し、教皇が宗教上・世俗上の最高権の保持者で、すべての君主も、教皇に服従すべきと宣言した。しかし十字軍時代を通じ国王の力は増大し、一方十字軍の失敗で教皇の権威は揺らいでいた。 フィリップ4世が教会への課税を決め、教会は破門で答えた。フィリップ4世はイタリアに軍を派遣し、生まれ故郷アナーニに逃げ込んだ教皇を捕らえた。アナーニ住民により救出されたが、68歳の教皇はこの事態に怒りと失望で傷心、3週間後に死亡。
 以後もテンプル騎士団(1月13日C)を解散、ユダヤ人を追放し資産を奪う。教皇クレメンス5世をアヴィニョンへ移住させ、教皇権より王権の優位を確立。近世絶対王政が確立していった。
1948年 踊る宗教 (天照皇大神宮教) の教祖北村サヨを中心に老若男女の信者20人あまりが、東京、数寄屋橋公園で狂ったように無我の舞いを踊った


W今日の言葉
※石が叫び出す  メシアの入城と熱狂する弟子や群衆をファリサイ派は黙らせようとするが、イエスは拒む。
 「お前は、自分の家に対して恥ずべきことを謀り、多くの民の滅びを招き、自分をも傷つけた。まことに石は石垣から叫び、梁は建物からそれに答えている(ハバ2:10-11)」。
※神の訪れてくださる時
 神の恵みの時にほかならないが、神に背いている場合には神の罰が下る時にもなりうる。
 「ほめたたえよ、イスラエルの神である主を。主はその民を訪れて解放し(ルカ1:68)」
 「主の訪れのとき、彼らは輝き渡り、 わらを焼く火のように燃え広がる(知恵3:7)」。


Pワンポイント    神殿の滅び
 70年ユダヤ戦争の中の出来事(→2月8日P、4月16日C)。 ローマ軍と同盟ハスモン朝のアグリッパ2世(1月26日W ヘロデの跡)は、ユダヤ人を兵糧攻めにした。投降するユダヤ人を磔にし、聖所に火を放ち、立て篭もったユダヤ人をホロコーストし、神殿を破壊した。現存の「嘆きの壁(西の壁)」は神殿を取り巻いていた外壁の西側。外壁の基礎部分のみが残されている(→1月19日※イスラエルの簡単な歴史)。

9/7の説教

2014年09月06日 | キリスト教
年間23主日 Α【マタ18:15-20 兄弟の忠告】

クリックしてください → 礼拝説教より

 「兄弟があなたに対して罪を犯したなら、行って二人だけのところで忠告しなさい。言うことを聞き入れたら、兄弟を得たことになる。聞き入れなければ、ほかに一人か二人、一緒に連れて行きなさい。すべてのことが、二人または三人の証人の口によって確定されるようになるためである。それでも聞き入れなければ、教会に申し出なさい。教会の言うことも聞き入れないなら、その人を異邦人か徴税人と同様に見なしなさい。はっきり言っておく。あなたがたが地上でつなぐことは、天上でもつながれ、あなたがたが地上で解くことは、天上でも解かれる。また、はっきり言っておくが、どんな願い事であれ、あなたがたのうち二人が地上で心を一つにして求めるなら、わたしの天の父はそれをかなえてくださる。二人または三人がわたしの名によって集まるところには、わたしもその中にいるのである。」