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喜べ

祈れ、感謝せよ! (by モーセ神父)

10/20

2014年10月19日 | キリスト教
キリスト教歳時記293  10月20日
B今日の福音
マタ26:26-29【主の晩餐(マコ14:22ー26、ルカ22:15ー20、Iコリ11:23ー25)】一同が食事をしているとき、イエスはパンを取り、賛美の祈りを唱えて、それを裂き、弟子たちに与えながら言われた。「取って食べなさい。これはわたしの体である。」また、杯を取り、感謝の祈りを唱え、彼らに渡して言われた。「皆、この杯から飲みなさい。これは、罪が赦されるように、多くの人のために流されるわたしの血、契約の血である。言っておくが、わたしの父の国であなたがたと共に新たに飲むその日まで、今後ぶどうの実から作ったものを飲むことは決してあるまい。」


C今日の暦
1949年 戦没学生の手記『きけ わだつみのこえ』刊行
1985年 成田空港、開港後7年して、成田市で極左集団と警視庁機動隊が衝突。機動隊59名が負傷、デモ隊241名が逮捕される。


W今日の言葉
※感謝をささげ(エウカリスティオ)。動詞。 ここから名詞エウカリスティアがつくられ、「聖体」を意味するようになった。
 実際この個所で聖体が制定され、またそれを行う者の任命、つまり叙階の秘跡が制定された。
※契約の血  旧約ではいけにえとなる動物の血によって調印された(出エジ24:5-8)。新約ではイエスの血によって調印される。


Pワンポイント   聖体
 「(Iコリ11:23-26)わたしがあなたがたに伝えたことは、わたし自身、主から受けたものです。すなわち、主イエスは、引き渡される夜、パンを取り、感謝の祈りをささげてそれを裂き、『これは、あなたがたのためのわたしの体である。わたしの記念としてこのように行いなさい』と言われました。また、食事の後で、杯も同じようにして、『この杯は、わたしの血によって立てられる新しい契約である。飲む度に、わたしの記念としてこのように行いなさい』と言われました。だから、あなたがたは、このパンを食べこの杯を飲むごとに、主が来られるときまで、主の死を告げ知らせるのです」。
 「(日本カトリック教会ミサ第二奉献文)主イエスはすすんで受難に向かう前に、パンを取り、感謝をささげ、割って弟子に与えて仰せになりました。『皆、これを取って食べなさい。これはあなたがたのために渡されるわたしのからだ(である)』。食事の終わりに同じように杯を取り、感謝をささげ、弟子に与えて仰せになりました。『皆、これを受けて飲みなさい。これはあなたがたのために渡されるわたしの血の杯、あなたがたを多くの人のために流されて、罪のゆるしとなる新しい永遠の契約の血(である)。これをわたしの記念として行いなさい』」。
 聖体はイエスの制定の言葉どおり、イエスの体そのものと理解される(実体変化)。けっしてイエスの体のようなものではない。しかしプロテスタントの理解は分かれる。
 ルター派: パンとぶどう酒としての実体は保たれたまま(パンはパンに過ぎない、それらの内に、共に、下に主の体と血が実在する。
 ツィングリ:パンとぶどう酒の外観のもと、イエスが単に形見として現存する。記念としての存在のみである。ただのシンボルであり、霊的なもので、単なる宗教儀式。
カルヴィン:パンとぶどう酒はイエスが自ら人間に体と血を授けるための手段。キリストの現存は客観的で現実的な存在

10/19

2014年10月18日 | キリスト教
キリスト教歳時記292  10月19日
B今日の福音
 ヨハ13:22-30 弟子たちは、だれについて言っておられるのか察しかねて、顔を見合わせた。イエスのすぐ隣には、弟子たちの一人で、イエスの愛しておられた者が食事の席に着いていた。シモン・ペトロはこの弟子に、だれについて言っておられるのかと尋ねるように合図した。その弟子が、イエスの胸もとに寄りかかったまま、「主よ、それはだれのことですか」と言うと、イエスは、「わたしがパン切れを浸して与えるのがその人だ」と答えられた。それから、パン切れを浸して取り、イスカリオテのシモンの子ユダにお与えになった。ユダがパン切れを受け取ると、サタンが彼の中に入った。そこでイエスは、「しようとしていることを、今すぐ、しなさい」と彼に言われた。座に着いていた者はだれも、なぜユダにこう言われたのか分からなかった。ある者は、ユダが金入れを預かっていたので、「祭りに必要な物を買いなさい」とか、貧しい人に何か施すようにと、イエスが言われたのだと思っていた。ユダはパン切れを受け取ると、すぐ出て行った。夜であった。


C今日の暦
1745年 スウィフト帰天(1667年-)。アイルランド生まれの作家。牧師。当時の政治や宗教界を風刺する『桶物語』、古代と近代の優劣を論じた『書物戦争』、当時の社会や人間を風刺した『ガリバー旅行記』など。
1936年 魯迅没(1881年-)。中国の作家。裕福な家に生まれたが、祖父の失脚で貧窮を体験。日本で医学を志したが、中国人を救うのは文学による精神改造と考えた。帰国後『狂人日記』『阿Q正伝』など記す。中国左翼作家連盟を指導。「魯迅の方向こそ、中国新文化の方向(毛沢東)」。
1957年 日ソ共同宣言。国交回復するが北方領土問題は棚上げにされた。


W今日の言葉   弟子たちの一人で愛しておられた者
 「4月18日W ペトロ、ヤコブ、またヤコブの兄弟ヨハネ」の3人をイエスは大切にしていた。そのうちでも特に愛していたのはヨハネであり、イエスは昇天後、母マリアをヨハネに委ね、母子のように接するよう命じる(ヨハ19:26-27)。


Pワンポイント  パン切れを浸して与える
 友情のしるし。しかしユダはそれさえも感じ取ることができない。サタンが入ったからである。イエスは「しようとしていることをしなさい」と促して、サタンにそそのかされて行動することをユダに許す。こうしてこそ神の計画は実現する。イエスにとって試練となるものであるが。
 マタイは「イエスを裏切ろうとしていたユダが口をはさんで、『先生、まさかわたしのことでは』と言うと、イエスは言われた。『それはあなたの言ったことだ』(マタ26:25)」と記す。この時は弟子皆がまさか自分のことかと疑い尋ねたのではあるが、ユダの発言にイエスは特に注意を与えた。ユダはもうすでに裏切る自覚を持っていたから。

10/18

2014年10月17日 | キリスト教
キリスト教歳時記291  10月18日
B今日の福音
 ヨハ13:18-20 わたしは、あなたがた皆について、こう言っているのではない。わたしは、どのような人々を選び出したか分かっている。しかし、『わたしのパンを食べている者が、わたしに逆らった』という聖書の言葉は実現しなければならない。事の起こる前に、今、言っておく。事が起こったとき、『わたしはある』ということを、あなたがたが信じるようになるためである。はっきり言っておく。わたしの遣わす者を受け入れる人は、わたしを受け入れ、わたしを受け入れる人は、わたしをお遣わしになった方を受け入れるのである。」
 ヨハ13:21【裏切りの予告(マタ26:20ー25、マコ14:17ー21、ルカ22:21ー23)】イエスはこう話し終えると、心を騒がせ、断言された。「はっきり言っておく。あなたがたのうちの一人がわたしを裏切ろうとしている。」
 マタ26:22-24 弟子たちは非常に心を痛めて、「主よ、まさかわたしのことでは」と代わる代わる言い始めた。イエスはお答えになった。「わたしと一緒に手で鉢に食べ物を浸した者が、わたしを裏切る。人の子は、聖書に書いてあるとおりに、去って行く。だが、人の子を裏切るその者は不幸だ。生まれなかった方が、その者のためによかった。」


C今日の暦
○聖ルカ福音記者(1世紀)  ギリシア人の家に生まれ、医者をしていたが(コロ4:14)、アンティオキアでキリスト教徒となる。パウロの第2,3回目の旅行に同行し(使徒16:10、使徒20:6)、パウロが逮捕された時も共にいた(IIテモ4:11)。福音書と使徒言行録を書き、イエスが生まれた次第を詳しく記すことから始めて、パウロがローマに赴くまでの初代教会の出来事までをも記した。
1009年 ファーティマ朝のカリフ・ハーキムの命によりエルサレムの聖墳墓教会が完全に破壊。
1908年 イエズス会が再来日。横浜に上陸。
1931年 トーマス・エジソン没(1847年-)。アメリカの発明家、起業家。
 1914年研究施設が火事に。実験道具や資料など持ち出そうと指揮を執ったが時すでに遅し。当時の金額で500万ドルの損害を被る。すべて燃える光景を眺めながら、家族を呼び告げた。「こんなに大きな花火大会はまず見られない。とにかく楽しめ」。集まった記者に「自分はまだ67歳でしかない。明日からさっそくゼロからやり直すつもりだ。今まで以上に立派な研究施設をつくればいい。意気消沈している暇はない」
1976年 森有正帰天(1911年-)。哲学者、フランス文学者。初代文部大臣森有礼の孫。祖母は岩倉具視の娘。パリ大学で教鞭をとり、日本語と日本思想を論じた。『パスカルの方法』『バビロンの流れのほとりにて』


W今日の言葉    わたしのパンを食べている者が、わたしに逆らった(ヨハ13:18)
 フランシスコ会訳「わたしのパンを食べているものが、わたしに向かってかかとを上げた」
 「わたしの信頼していた仲間、わたしのパンを食べる者が威張ってわたしを足げにします(詩編41:10)」。
※わたしはある(→6月27日W)


Pワンポイント 一緒に手で鉢に食べ物を浸し
 ユダヤ人はパン、肉、野菜など一つの鉢に入ったソースに浸して食べる。

10/17

2014年10月16日 | キリスト教
キリスト教歳時記290  10月17日
B今日の福音
ヨハ13:9-17 そこでシモン・ペトロが言った。「主よ、足だけでなく、手も頭も。」イエスは言われた。「既に体を洗った者は、全身清いのだから、足だけ洗えばよい。あなたがたは清いのだが、皆が清いわけではない。」イエスは、御自分を裏切ろうとしている者がだれであるかを知っておられた。それで、「皆が清いわけではない」と言われたのである。さて、イエスは、弟子たちの足を洗ってしまうと、上着を着て、再び席に着いて言われた。「わたしがあなたがたにしたことが分かるか。あなたがたは、わたしを『先生』とか『主』とか呼ぶ。そのように言うのは正しい。わたしはそうである。ところで、主であり、師であるわたしがあなたがたの足を洗ったのだから、あなたがたも互いに足を洗い合わなければならない。わたしがあなたがにしたとおりに、あなたがたもするようにと、模範を示したのである。はっきり言っておく、僕は主人にまさらず、遣わされた者は遣わした者にまさりはしない。このことが分かり、そのとおりに実行するなら、幸いである。


C今日の暦
○聖イグナチオ(アンチオケ)。(-107年) ペトロの2代あとの司教としてアンチオケを治めた。野獣の餌食となるためローマに護送された。その途中寄港した町などで各教会に7の手紙を送った。キリスト、教会の構造、キリスト者の生活について教えた。(→2月23日C)
 「私が猛獣の餌食になるようにさせてください。そうすれば神と一致できます。私は神の小麦です」。
○神嘗祭(日本) 天皇が、その年の新穀を天照大神に奉納する祭
前539年 新バビロニア王国を倒したペルシャ国王キュロス2世がバビロンに入城。バビロンに移住させられていたユダヤ人を解放。
1596年 スペイン船サンフェリペ号が土佐浦戸港に漂着、積荷を秀吉が没収し、フランシスコ会士が逮捕される(→2月5日)
1849年 ショパン没(1810年-)。ポーランド作曲家。外敵により滅亡に瀕した祖国への愛国心を持ちながら、1831年パリで居住を始めた。サンドとの生活の中、円熟した作品を残す。ポロネーズやマズルカでポーランドの民族性を表現。
1880年 マルマン神父の指導により、孤児、貧困家庭の要保護乳児の養育をめざし、長崎で子供部屋を創立。
1905年 津田梅子(→8月16日C)らが日本基督教女子青年会 (YWCA) を創立。
1929年 東京公教大神学校開校式
1933年 アインシュタインがナチスから逃れるためアメリカ移住。
1973年 アラブ石油輸出国機構 (OAPEC) の緊急閣僚会議で原油生産削減、供給制限を決定。第1次オイルショックの発端。
1979年 マザーテレサ、ノーベル平和賞受賞(→9月5日C)


W今日の言葉    足だけではなく、手も頭も
 ペトロはイエスの行為をただの清め程度に思っていた。だから足だけでなくても頭と言い出した。実際、招待された客は出かける前自宅で全身を洗い、招待席に着く前に足だけ洗った。
 しかしイエスはその行為によって、十字架による罪を洗い清め、罪をゆるすことを想定していた。


Pワンポイント   体を洗ったものは、全身清いのだから、足だけ洗えばよい
 体を洗った(洗礼を受けた)ものは、足だけ洗えば(ゆるしの秘跡を受ければ)よいと暗示しているという説もある。

10/16

2014年10月15日 | キリスト教
キリスト教歳時記289  10月16日
B今日の福音
 ヨハ13:1-8【弟子の足を洗う】さて、過越祭の前のことである。イエスは、この世から父のもとへ移る御自分の時が来たことを悟り、世にいる弟子たちを愛して、この上なく愛し抜かれた。夕食のときであった。既に悪魔は、イスカリオテのシモンの子ユダに、イエスを裏切る考えを抱かせていた。イエスは、父がすべてを御自分の手にゆだねられたこと、また、御自分が神のもとから来て、神のもとに帰ろうとしていることを悟り、食事の席から立ち上がって上着を脱ぎ、手ぬぐいを取って腰にまとわれた。それから、たらいに水をくんで弟子たちの足を洗い、腰にまとった手ぬぐいでふき始められた。シモン・ペトロのところに来ると、ペトロは、「主よ、あなたがわたしの足を洗ってくださるのですか」と言った。イエスは答えて、「わたしのしていることは、今あなたには分かるまいが、後で、分かるようになる」と言われた。ペトロが、「わたしの足など、決して洗わないでください」と言うと、イエスは、「もしわたしがあなたを洗わないなら、あなたはわたしと何のかかわりもないことになる」と答えられた。


C今日の暦
○聖マルガリタ・マリア・アラコクおとめ(1647-1690年)。フランス人。観想会シスター。当時ヤンセニズム(→4月7日P)のため神は、厳しく、愛がなく、人間が近づけない、裁判官としての恐ろしい神が強調され、人間は聖体拝領をする価値のないものとみなされた。それに反し、真の神とは、愛に渇き、人間との交わりを求め、拝領を望む、人間となられた神。そのことを教えるためイエスはアラコクに、愛に燃え、茨の冠に囲まれた心臓の姿を示、「これほど人間を愛した心臓を見よ。この愛の苦痛をしのんだこの心臓を。それなのに人々は愛に対し、冷淡と忘恩をもって報いる」と語られた。また木曜夜に聖体の前で1時間祈る聖時間、またみ心の祝日を定め、それを記念する初金曜日の祝いと聖体拝領を人々に勧めた。こうしてイエスのみ心の信心が広まり、聖霊降臨後第2週の金曜日が「イエスのみ心」の祭日と定められている。
1311年 ヴィエンヌ公会議開始(神殿騎士会の解散、フランシスコ会清貧論争)
1943年 戸塚球場で学徒出陣壮行早慶戦が行なわれる。
1978年 教皇ヨハネ・パウロ2世選出(→10月22日P)
1991年 教皇ヨハネ・パウロ2世、ブラジル先住民に謝罪


W今日の言葉
※この世から父のもとへ移る   十字架による苦しみと死を経て、栄光に入る、その御自分の時をいよいよ迎えることになったことを知った。
※世にいる弟子         広い意味ではキリスト信者全体。
※この上なく愛し抜かれた    「終わりまで(最後の瞬間まで)愛し抜かれた」の意味合いも。
※神のもとから来て、神のもとに帰ろうとしている  神からすべて任された神の独り子は、すべて成し遂げて、神のもとに帰る。
  「御父は御子を愛して、その手にすべてをゆだねられた(ヨハ3:35)」。
  「あなたは子にすべての人を支配する権能をお与えになりました。そのために、子はあなたからゆだねられた人すべてに、永遠の命を与えることができるのです(ヨハ17:2)」。
  「すべてのことは、父からわたしに任せられています。父のほかに、子がどういう者であるかを知る者はなく、父がどういう方であるかを知る者は、子と、子が示そうと思う者のほかには、だれもいません(ルカ10:22)。」
※後で、分かるようになる    聖霊が降臨したときに、初めて深い意味を理解する(ヨハ14:26)


Pワンポイント 過越祭の前のこと
 ヨハネの使っている暦によればそのようになる。

10・15

2014年10月14日 | キリスト教
キリスト教歳時記288  10月15日
B今日の福音
 ルカ22:24-30【いちばん偉い者】また、使徒たちの間に、自分たちのうちでだれがいちばん偉いだろうか、という議論も起こった。そこで、イエスは言われた。「異邦人の間では、王が民を支配し、民の上に権力を振るう者が守護者と呼ばれている。しかし、あなたがたはそれではいけない。あなたがたの中でいちばん偉い人は、いちばん若い者のようになり、上に立つ人は、仕える者のようになりなさい。食事の席に着く人と給仕する者とは、どちらが偉いか。食事の席に着く人ではないか。しかし、わたしはあなたがたの中で、いわば給仕する者である。あなたがたは、わたしが種々の試練に遭ったとき、絶えずわたしと一緒に踏みとどまってくれた。だから、わたしの父がわたしに支配権をゆだねてくださったように、わたしもあなたがたにそれをゆだねる。あなたがたは、わたしの国でわたしの食事の席に着いて飲み食いを共にし、王座に座ってイスラエルの十二部族を治めることになる。」


C今日の暦
○聖テレジア(イエスの)おとめ教会博士(1515-1582年)。 スペイン、アビラで生まれる。カルメル会に入り、初め18年は病などのため霊的に冷淡な時期を過ごしたが、鞭打たれたイエス像を見つけ回心。会の改革に着手し、昔ながらの貧しくく厳し祈りを中心とした姿に戻した。男子カルメル会にも十字架の聖ヨハネをとおして影響を与えた。自らの神秘体験を者を著わした。
1582年 高山右近、秀吉により、播磨明石に移封
1793年 マリー・アントワネット(国王ルイ16世王妃、37歳)が革命裁判で死刑判決。
1815年 ナポレオンがセントヘレナに流刑になる(→5月5日C)。
1894年 ドレフュスがドイツのスパイ容疑で逮捕。ユダヤ系陸軍大尉、ドイツに情報を売ったとされた。軍内で無罪と分かったが、威信と反ユダヤ主義のため事件を隠ぺいしようとした。再審運動がおこり国を二分した。最終的にドレフュスは復権。この事件を記者として取材したヘルツルは、ユダヤ人に対する差別・偏見を目の当たりにし、ユダヤ人国家建設を目的とするシオニズムを提唱することに(→5月2日C)。
1940年 チャップリン(1889-1977年)監督・主演の映画『独裁者』初公開。
     チャップリンはイギリス生まれの映画俳優と監督。アメリカに渡って皮肉と哀愁を盛り込んだ喜劇を自作自演した。アメリカの反共主義の風潮を逃れ、1953年からはスイスに移住した。『黄金狂時代』『街の灯り』『モダン・タイムス』『殺人狂時代』
1962年 アメリカがキューバを海上封鎖し、核ミサイル配備のためのソ連船の入港を阻止。キューバ危機の始まり。
2002年 北朝鮮に拉致された日本人5人が帰国。


W今日の言葉    守護者(恩人)
 エジプト、シリアなど多くの王に与えられた称号。


Pワンポイント
 誰がいちばん偉いのか「マコ9:33-37(マタ18:1ー5、ルカ9:46ー48)→5月31日B」でも議論になり、「すべての人の後になり、すべての人に仕える者になりなさい」とイエスは言われた。
 ルカによれば聖体の制定、裏切りの予告の後にまた同じ議論が再び起こっている。食卓の席を巡り議論になったのだろうか。
 イエスは弟子の足を洗い、給仕し、仕えるものとなる。ついには十字架にかかるほどに。弟子も同じ杯を飲むことになる。


10/14

2014年10月13日 | キリスト教
キリスト教歳時記287  10月14日
B今日の福音
ルカ22:14-18【主の晩餐(マタ26:21ー30、マコ14:18ー26、Iコリ11:23ー25)】時刻になったので、イエスは食事の席に着かれたが、使徒たちも一緒だった。イエスは言われた。「苦しみを受ける前に、あなたがたと共にこの過越の食事をしたいと、わたしは切に願っていた。言っておくが、神の国で過越が成し遂げられるまで、わたしは決してこの過越の食事をとることはない。」そして、イエスは杯を取り上げ、感謝の祈りを唱えてから言われた。「これを取り、互いに回して飲みなさい。言っておくが、神の国が来るまで、わたしは今後ぶどうの実から作ったものを飲むことは決してあるまい。」


C今日の暦
1943年 ナチスドイツのソビボル強制収容所で600名が反乱、300名が脱走に成功。捕まることなく生き延びたのは50-70名。映画の題材にもなる。


W今日の言葉   過越祭
エジプトから解放されたことを記念するイスラエルの三大祭りの一つ(→2月19日W祭り)。
 酵母を入れないで焼いたパンを食べる農耕の祭り(除酵祭)があった。大麦の刈入れの初めの日に、つまり多忙な急ぎの時に食された(→5月21日Wパン種①)。これが過越祭と後代結びつけられ、深い宗教的意味を持つようになった。
 過越祭はニサンの月(春)の13日の日没とともに始まる(日没から新しい日が始まる;→2月24日W 日が暮れると)。灯りをつけると、一切のパン種(酵母)を捨てる。
 14日夕刻食事を始める。祝福を祈った後、1杯目のぶどう酒を飲み、手を洗い、祈り、苦菜にハロセス(果実とぶどう酒を混ぜて作ったクリーム状のもの;奴隷として粘土をこねた苦痛の象徴)をつけ、祈りの後食べる。 苦しみのパンと言われる3枚重ねの種なしパンをとり、エジプトでの苦難をしのび、真ん中のパンの半分をしまい、小羊の肉を取り上げて祈る。
 2杯目のぶどう酒を注ぐと、年少者が過越祭の由来を尋ねる。家長が苦菜と肉の説明をする。ぶどう酒を祝祷し、飲み、手を洗い再び祝祷し、詩編113-114を歌う。ハロセスをつけた苦菜をパンに添えて食べ、小羊を食べ、真ん中のパンの半分を取り出して食べる。
 祝杯の杯と言われる第3の杯にぶどう酒をそそぎ感謝して飲む。さらに4度目の杯をあげ、詩編115-118を歌って終わる。
 この過越祭は、エジプトから救われたことを記念するが、同時に、新しい神の民の救いの予型でもある。
  「だから、あなたがたは食べ物や飲み物のこと、また、祭りや新月や安息日のことでだれにも批評されてはなりません。これらは、やがて来るものの影にすぎず、実体はキリストにあります(コロ2:16-17)」。
 続く聖体の制定(マタ26:26-28;10月20日B)により過越を予型としていた救いが地上に実現されることになる。


Pワンポイント
 杯を取って互いに回して飲みなさいとある。1杯目か2杯目の杯のことであろう。この後、小羊を食べる。

10/13

2014年10月12日 | キリスト教
キリスト教歳時記286  10月13日
B今日の福音
 ルカ22:7-13【過越の食事を準備させる(マタ26:17ー25、マコ14:12ー21、ヨハ13:21ー30)】過越の小羊を屠るべき除酵祭の日が来た。イエスはペトロとヨハネとを使いに出そうとして、「行って過越の食事ができるように準備しなさい」と言われた。二人が、「どこに用意いたしましょうか」と言うと、イエスは言われた。「都に入ると、水がめを運んでいる男に出会う。その人が入る家までついて行き、家の主人にはこう言いなさい。『先生が、「弟子たちと一緒に過越の食事をする部屋はどこか」とあなたに言っています。』すると、席の整った二階の広間を見せてくれるから、そこに準備をしておきなさい。」二人が行ってみると、イエスが言われたとおりだったので、過越の食事を準備した。


C今日の暦
552年  仏教伝来(日本書紀による;実際は538年)。百済の聖明王が釈迦の像と経典を欽明天皇に献上。「仏陀の予言にこの法は東方に流れると言われているので、貴国にお伝えする」。 朝廷で警察と祭祀を司る物部氏は仏教に否定的。蘇我氏は開放的で受け入れようとした。二豪族は激しく争い、蘇我氏が勝つ。聖徳太子の時代に仏教は国宝となる。
1307年 フランス王フィリップ4世(→9月7日C)、テンプル騎士団の壊滅と資産の略奪のため会員を一斉に逮捕。
2013年 やなせたかし没(1919年-)。漫画家『アンパンマン』。戦争で飢えの体験を嫌というほど味わう。聖公会の信者との情報もあるが間違いか。


W今日の言葉    小羊(子羊でなく小羊と表記される) アニュス・デイ(ラテン語)
 エジプトで奴隷となっていたユダヤ人。エジプトを出る(出エジプト)最終的なきっかけになったのは、神が初子(人間、動物)をすべて滅ぼしたから。ユダヤ人は小羊をほふり、その血を家の戸口の柱に塗るよう命じられ、難を逃れた。これを記念して今も行われるのが、春の「過越の祭り」。
 イエスが十字架にかかったのは、過越の祭りの前日の金曜午後3時。これは神殿で小羊が祭司によりほふられる時。兵士がイエスの足を折らなかったことも、「小羊の骨を折ってはならない」(出エジ12:46)ことと合致。
 「キリストが、わたしたちの過越の小羊として屠られた」(Iコリ5:7)。イエスはこのわたし(たち)の罪の身代わりとなって、代わりに犠牲のいけにえとされた。 (→5月14日W 供え物)
 「アニュス・ディ」はカトリックのミサ曲の一つで聖体を割く間に「平和の賛歌」として唄われる。日本のカトリック教会での歌詞 「神の小羊、世の罪を除きたもう主よ、われらをあわれみたまえ。神の小羊、世の罪を除きたもう主よ、われらをあわれみたまえ。神の小羊、世の罪をのぞきたもう主よ、われらに平安を与えたまえ」。
※過越の食事を準備(種なしパン、ほふられる小羊、苦い生野菜、調味料、ぶどう酒、あかり)


Pワンポイント  アンパンマン
 「子どもたちとおんなじに、ぼくもスーパーマンや仮面ものが大好きなのですが、いつもふしぎにおもうのは、大格闘しても着ているものが破れないし汚れない、だれのためにたたかっているのか、よくわからないということです。ほんとうの正義というものは、けっしてかっこうのいいものではないし、そしてそのためにかならず自分も深く傷つくものです。そしてそういう捨て身、献身の心なくして正義は行えませんし、またわたしたちが現在ほんとうに困っていることといえば、物価高や公害、飢えということで正義の超人はそのためにこそ戦わなければならないのです。あんぱんまんは焼けこげだらけの、ぼろぼろのこげ茶のマントを着て、ひっそりと、恥ずかしそうに登場します。自分を食べさせることによって、うえる人を救います。それでも顔は気楽そうに笑っているのです。さてそんなあんぱんまんを子どもたちは好きになってくれるでしょうか。それともやはりテレビの人気者の方がよいですか?(あんぱんまん 1973年あとがき)」。

10/12

2014年10月11日 | キリスト教
キリスト教歳時記285  10月12日
B今日の福音
 ヨハ12:37-43【イエスを信じない者たち】このように多くのしるしを彼らの目の前で行われたが、彼らはイエスを信じなかった。預言者イザヤの言葉が実現するためであった。彼はこう言っている。「主よ、だれがわたしたちの知らせを信じましたか。主の御腕は、だれに示されましたか。」彼らが信じることができなかった理由を、イザヤはまた次のように言っている。「神は彼らの目を見えなくし、その心をかたくなにされた。こうして、彼らは目で見ることなく、心で悟らず、立ち帰らない。わたしは彼らをいやさない。」イザヤは、イエスの栄光を見たので、このように言い、イエスについて語ったのである。とはいえ、議員の中にもイエスを信じる者は多かった。ただ、会堂から追放されるのを恐れ、ファリサイ派の人々をはばかって公に言い表さなかった。彼らは、神からの誉れよりも、人間からの誉れの方を好んだのである。
 ヨハ12:44-50【イエスの言葉による裁き】イエスは叫んで、こう言われた。「わたしを信じる者は、わたしを信じるのではなくて、わたしを遣わされた方を信じるのである。わたしを見る者は、わたしを遣わされた方を見るのである。わたしを信じる者が、だれも暗闇の中にとどまることのないように、わたしは光として世に来た。わたしの言葉を聞いて、それを守らない者がいても、わたしはその者を裁かない。わたしは、世を裁くためではなく、世を救うために来たからである。わたしを拒み、わたしの言葉を受け入れない者に対しては、裁くものがある。わたしの語った言葉が、終わりの日にその者を裁く。なぜなら、わたしは自分勝手に語ったのではなく、わたしをお遣わしになった父が、わたしの言うべきこと、語るべきことをお命じになったからである。父の命令は永遠の命であることを、わたしは知っている。だから、わたしが語ることは、父がわたしに命じられたままに語っているのである。」


C今日の暦
1492年 コロンブス率いるスペイン船隊が西インド諸島に初上陸
1708年 シドッティ神父(1668-1714年;イタリア人)、禁教下の日本に宣教のため、変装して屋久島に上陸。
 ほどなく見つかり長崎、そして江戸に送られる。新井白石の尋問を受け、切支丹屋敷(文京区茗荷谷)に破格の待遇で幽閉された。監視役の老夫妻に洗礼を授けたことが発覚し、地下牢に移され殉教。所持品の「親指のマリア」は重要文化財。新井白石はシドッティとの対話をもとに『西洋紀聞』を執筆。
1999年 三浦綾子(1922年-)帰天。北海道生まれ。小学校教員を勤めたが敗戦により疑問を抱き1946年退職。その後肺結核のため13年間の闘病中にキリスト者の幼なじみに影響を受け受洗。1964年懸賞小説に『氷点』が選ばれる。人間の原罪と愛を追及。『塩狩峠』『海嶺』(→7月30日C)。 結核、脊椎カリエス、心臓発作、帯状疱疹、直腸癌、パーキンソン病など病気を抱えながらに多臓器不全で帰天。


W今日の言葉   イザヤの預言
 「わたしたちの聞いたことを、誰が信じえようか。主は御腕の力を誰に示されたことがあろうか(イザ53:1)」。
 「行け、この民に言うがよい、よく聞け、しかし理解するな、よく見よ、しかし悟るな、と。この民の心をかたくなにし、耳を鈍く、目を暗くせよ。目で見ることなく、耳で聞くことなく、その心で理解することなく、悔い改めていやされることのないために(イザ6:9-10)。」
 「彼(イエス)の栄光を見た」。  「わたしは、高く天にある御座に主が座しておられるのを見た。衣の裾は神殿いっぱいに広がっていた。上の方にはセラフィムがいて、それぞれ六つの翼を持ち、二つをもって顔を覆い、二つをもって足を覆い、二つをもって飛び交っていた。彼らは互いに呼び交わし、唱えた。「聖なる、聖なる、聖なる万軍の主。主の栄光は、地をすべて覆う(イザ6:1-3)。」
「彼らが互いに意見が一致しないまま、立ち去ろうとしたとき、パウロはひと言次のように言った。“聖霊は、預言者イザヤを通して、実に正しくあなたがたの先祖に、語られました。『この民のところへ行って言え。あなたたちは聞くには聞くが、決して理解せず、見るには見るが、決して認めない。この民の心は鈍り、耳は遠くなり、目は閉じてしまった。こうして、彼らは目で見ることなく、耳で聞くことなく、心で理解せず、立ち帰らない。わたしは彼らをいやさない。』だから、このことを知っていただきたい。この神の救いは異邦人に向けられました。彼らこそ、これに聞き従うのです(使徒28:25-28)”」。

10/11

2014年10月10日 | キリスト教
キリスト教歳時記284  10月11日
B今日の福音
 マタ26:3-5【イエスを殺す計略(マコ14:1ー2、ルカ22:1ー2、ヨハ11:45ー53)】そのころ、祭司長たちや民の長老たちは、カイアファという大祭司の屋敷に集まり、計略を用いてイエスを捕らえ、殺そうと相談した。しかし彼らは、「民衆の中に騒ぎが起こるといけないから、祭りの間はやめておこう」と言っていた。
 マタ26:14-16【ユダ、裏切りを企てる(マコ14:10ー11、ルカ22:3ー6)】そのとき、十二人の一人で、イスカリオテのユダという者が、祭司長たちのところへ行き、「あの男をあなたたちに引き渡せば、幾らくれますか」と言った。そこで、彼らは銀貨三十枚を支払うことにした。そのときから、ユダはイエスを引き渡そうと、良い機会をねらっていた。


C今日の暦
1962年 第2バチカン公会議第1会期開催
1968年 永山則夫(1949-1997年)が東京で警備員を射殺。11月5日までに京都・函館・名古屋で警備員・タクシー運転手を次々射殺。死刑となる。
 獄中で、読み書きも困難な状態から独学で執筆活動を開始し、1971年に手記『無知の涙』、『人民をわすれたカナリアたち』を発表。印税は被害者遺族へ払われた。1983年小説『木橋(きはし)』。自らの罪を認める一方で、自己の行動を客観的にふりかえるという手法で創作を行い、文壇において一定の地位を獲得するまでに至った。
1996年 東ティモールのカルロス・ベロ司教(1948年-;サレジオ会士)、東ティモールの独立に尽力した業績によりノーベル平和賞受賞。1989年東ティモール人が自決権を行使する機会を与えられていないこと、このままでは民族として死に絶えてしまうことを国連事務総長訴えた。


W今日の言葉   銀貨三十枚
 奴隷一人分の賠償額(出エジ21:32)。銀貨の単位はシェケル。
 「わたしは彼らに言った。『もし、お前たちの目に良しとするなら、わたしに賃金を支払え。そうでなければ、支払わなくてもよい。』彼らは銀三十シェケルを量り、わたしに賃金としてくれた。主はわたしに言われた。『それを鋳物師に投げ与えよ。わたしが彼らによって値をつけられた見事な金額を。』わたしはその銀三十シェケルを取って、主の神殿で鋳物師に投げ与えた(ゼカ11:12-13)。
※大祭司(→6月21日W 祭司長たち)            ※長老(→3月22日W)
※カイアファ(大祭司の在位18-36年)。4代前の大祭司アンナの婿(ヨハ18:13)。


Pワンポイント
イエスの殺害はラザロのよみがえりの奇跡を見て、すでに企てられていた(ヨハ11:45-53、8月26日B)。しかし人々の人気があり、過越祭で人々が集まっている間に逮捕することは、暴動にもなりかねないと、やめようと話し合っていた。しかしイスカリオテのユダのそそのかしによって、過越祭の間に実行することになった。

10/10

2014年10月09日 | キリスト教
キリスト教歳時記283  10月10日
B今日の福音
 マタ25:37-46 すると、正しい人たちが王に答える。『主よ、いつわたしたちは、飢えておられるのを見て食べ物を差し上げ、のどが渇いておられるのを見て飲み物を差し上げたでしょうか。いつ、旅をしておられるのを見てお宿を貸し、裸でおられるのを見てお着せしたでしょうか。いつ、病気をなさったり、牢におられたりするのを見て、お訪ねしたでしょうか。』そこで、王は答える。『はっきり言っておく。わたしの兄弟であるこの最も小さい者の一人にしたのは、わたしにしてくれたことなのである。』それから、王は左側にいる人たちにも言う。『呪われた者ども、わたしから離れ去り、悪魔とその手下のために用意してある永遠の火に入れ。お前たちは、わたしが飢えていたときに食べさせず、のどが渇いたときに飲ませず、旅をしていたときに宿を貸さず、裸のときに着せず、病気のとき、牢にいたときに、訪ねてくれなかったからだ。』すると、彼らも答える。『主よ、いつわたしたちは、あなたが飢えたり、渇いたり、旅をしたり、裸であったり、病気であったり、牢におられたりするのを見て、お世話をしなかったでしょうか。』そこで、王は答える。『はっきり言っておく。この最も小さい者の一人にしなかったのは、わたしにしてくれなかったことなのである。』こうして、この者どもは永遠の罰を受け、正しい人たちは永遠の命にあずかるのである。」


C今日の暦
1945年 政府が日本共産党を合法化、徳田球一ら政治犯439人を釈放。
1963年 部分的核実験停止条約が発効。地下を除く大気圏内、宇宙空間および水中における核爆発を伴う実験の禁止。米英ソ。
1964年 第18回夏季オリンピック・東京オリンピック開会。


W今日の言葉  山羊と羊
 山羊は、自分が救われるのは当然と思っていた。少なくとも落ち度なく生きてきた自信があった。実際、王のような相手には、惜しみなく尽くしてきたし、報いのためなら何でもしたという自信があった。
 羊は思い当たる節もないというほど、報いを期待しない生き方をしてきた。
 キリスト者はイエスにより無償の救いを与えられた。だからこそイエスの愛に応えて、自発的に、当然に、愛の行いを人々に施していく。
※地獄(→6月2日W)
※永遠の命(→2月12日W)
 「多くの者が地の塵の中の眠りから目覚める。ある者は永遠の生命に入り、ある者は永久に続く恥と憎悪の的となる(ダニ12:2)」。


Pワンポイント
 すべての人の内にキリストを見ることが大切と教えられる。
 マザーテレサはこう言った。「わたしは毎日、2つの聖体拝領をします。一つ目は朝、パンの形でミサの祭壇から。そして二つ目は町の中で貧しい人々の中で」。 また釜ヶ崎で働く本田哲郎神父は「イエスは三角公園で食料の炊き出しをする側ではなく、空腹を抱え、列の後ろで自分も握り飯をもらえるかどうか心配しているおじさんたちのそばに一緒に並んでいると思います」と言っている。

10・9

2014年10月08日 | キリスト教
キリスト教歳時記282  10月9日
B今日の福音
 マタ25:31-36【すべての民族を裁く】「人の子は、栄光に輝いて天使たちを皆従えて来るとき、その栄光の座に着く。そして、すべての国の民がその前に集められると、羊飼いが羊と山羊を分けるように、彼らをより分け、羊を右に、山羊を左に置く。そこで、王は右側にいる人たちに言う。『さあ、わたしの父に祝福された人たち、天地創造の時からお前たちのために用意されている国を受け継ぎなさい。お前たちは、わたしが飢えていたときに食べさせ、のどが渇いていたときに飲ませ、旅をしていたときに宿を貸し、裸のときに着せ、病気のときに見舞い、牢にいたときに訪ねてくれたからだ。』


C今日の暦
長崎くんち 長崎市、諏訪神社の祭礼。10月7日から9日までの3日間催。国の重要無形民俗文化財。「龍踊(じゃおどり)」「鯨の潮吹き」「太鼓山(コッコデショ)」「阿蘭陀万才(おらんだまんざい)」「御朱印船(ごしゅいんせん)」など、ポルトガルやオランダ、中国など南蛮、紅毛文化の風合いを色濃く残したもの。
 キリシタン禁止政策の一環として始まり、長崎奉行は諏訪の神事を長崎一般の神事と認定し、市民は皆氏子となった。くんちの行列はカトリックの聖体行列に対抗したもので、庭見せはキリシタンでないことを証明した名残とされる。
1858年 日仏修好通商条約調印によりカトリック宣教師の再来日
1983年 ビルマ、ラングーンで北朝鮮工作員により韓国要人を標的とした爆弾テロ。21名死亡。
1980年 教皇ヨハネ・パウロ2世、ダライ・ラマ14世と会見。
2012年 パキスタンでターリバーンを批判し、女性の権利向上のために活動していた少女マララが銃撃される。


W今日の言葉  山羊
 パレスチナでは黒いものが多い。飲料とされる乳はほとんど山羊のもので、そこからチーズ、バターも作られる。肉は食用とされ、皮は飲料を入れる革袋にされた。また贖罪の捧げものにも用いられる(レビ4:28)。
 牧羊者は山羊と羊を一緒の牧草地に入れる。羊の食べ残したかたい草を山羊が食べる。夜は羊と山羊は分離される。
※羊(→7月8日W)


Pワンポイント
世の終わりの公審判の時の模様が描かれる。その基準は、イエスがそうであったように、小さいもの(貧しいもの、病のもの、罪を犯さざるを得なかったもの)を大切にしたかどうかである。
 さて、人間が受けなければならない審判には、死後ただちに個人に行われ私審判と、世の終わりにいっせいになされる公審判があるとされる。
 公審判は私審判のもうひとつの側面でもある。個人の問題は同時に全人類、全世界にかかわることでもあるからである。

10/8

2014年10月07日 | キリスト教
キリスト教歳時記281 10月8日
B今日の福音
 マタ25:24-30 ところで、一タラントン預かった者も進み出て言った。『御主人様、あなたは蒔かない所から刈り取り、散らさない所からかき集められる厳しい方だと知っていましたので、恐ろしくなり、出かけて行って、あなたのタラントンを地の中に隠しておきました。御覧ください。これがあなたのお金です。』主人は答えた。『怠け者の悪い僕だ。わたしが蒔かない所から刈り取り、散らさない所からかき集めることを知っていたのか。それなら、わたしの金を銀行に入れておくべきであった。そうしておけば、帰って来たとき、利息付きで返してもらえたのに。さあ、そのタラントンをこの男から取り上げて、十タラントン持っている者に与えよ。だれでも持っている人は更に与えられて豊かになるが、持っていない人は持っているものまでも取り上げられる。この役に立たない僕を外の暗闇に追い出せ。そこで泣きわめいて歯ぎしりするだろう。』」


C今日の暦
451年 カルケドン公会議始まる。キリストの一つのペルソナにおいて神性と人性の両方があると認める。プロテスタントもこの公会議まで認める。
1856年 アロー戦争のきっかけとなる「アロー号事件」。清国官憲が英国旗を掲げた香港船籍の中国人乗員をとらえ、国旗を侮辱した事件を発端。同年フランス人宣教師殺害事件もあり、英仏両国は共同出兵した。これを機にイギリスはさらなる通商上の権利を獲得したかった。
1871年 シカゴ大火。シカゴ中心部を焼失し、死者250人を出す惨事となる。
    アメリカの伝道者ムーディーが、シカゴの自分の教会で、説教をしていた。「イエスをただの大工という人もいる。奇跡をし、権威ある言葉を語った、預言者や教師と言った人もいる。あなたはイエスを何と言うだろうか。あなたはこのイエスを真の神の子、救い主と信じるだろうか」。ここまで語りかけて、イエスを信ずる決心を促さないまま説教を終えた。その夜シカゴを覆い尽くす大火事が起こり、ムーディーは助かった。「どうしてあの時、今一緒にイエスを信じよう。そして天国に行く道を一緒に歩もう」。そう言わなかったのか、生涯嘆き苦しんだ。
1967年 チェ・ゲバラ(1928年-)ボリビアで政府軍に捕らえられる。翌日処刑。 アルゼンチンの革命家。医科大学卒。カストロにメキシコで出会い、キューバに上陸、ゲリラ戦を開始、1959年キューバ革命を成功させ、キューバで要職に就く。今後を経てボリビアでゲリラ活動を指揮。
2012年 山中伸弥ノーベル生理学・医学賞受賞決定。2013年11月、教皇庁科学アカデミー会員となる。受精卵を使用するES細胞と違って、再生医療のための万能細胞を作る際、生命倫理に抵触しないことが評価された。


W今日の言葉   持っている人は更に与えられて豊かになるが、持っていない人は持っているものまでも取り上げられる
  マタ13:12(→4月4日B)、マコ4:25(→4月6日B)、ルカ19:26(→9月3日B)などたびたび繰り返される格言。
  与えられた神の恵みを生かさないものは、与えられたものさえ取り上げられる。


Pワンポイント
 いつも「朝から晩まで働いて、家族を養う金にも困り、何も持っていない、あるのはがらくたばかり」とぼやいている人に、天使が現われて言った。
 「あなたに百万円上げます。その代わり足をください」。「冗談じゃない。この足がなければ立つことも歩くこともできない。百万で足を売れるものか」。「では1千万円あげます。その代わり腕をください」。「この右腕がなければ仕事も、かわいい子どもの頭もなでてやれなくなる。1千万で売れるものか」。「それなら1億円上げます。だから目をください」。「この目がなければ世界の美しい景色も、子どもたちの顔も見ることができなくなる。1億でこの目が売れるか」。天使は言った。「あなたは何も持ってないと言うけれど、お金に代えられない価値あるものをいくつも持っているんですね。しかもそれは全部もらったものでしょう!」

10/7

2014年10月06日 | キリスト教
キリスト教歳時記280  10月7日
B今日の福音
 マタ25:14-23【「タラントン」のたとえ(ルカ19:11ー27)】「天の国はまた次のようにたとえられる。ある人が旅行に出かけるとき、僕たちを呼んで、自分の財産を預けた。それぞれの力に応じて、一人には五タラントン、一人には二タラントン、もう一人には一タラントンを預けて旅に出かけた。早速、五タラントン預かった者は出て行き、それで商売をして、ほかに五タラントンをもうけた。同じように、二タラントン預かった者も、ほかに二タラントンをもうけた。しかし、一タラントン預かった者は、出て行って穴を掘り、主人の金を隠しておいた。さて、かなり日がたってから、僕たちの主人が帰って来て、彼らと清算を始めた。まず、五タラントン預かった者が進み出て、ほかの五タラントンを差し出して言った。『御主人様、五タラントンお預けになりましたが、御覧ください。ほかに五タラントンもうけました。』主人は言った。『忠実な良い僕だ。よくやった。お前は少しのものに忠実であったから、多くのものを管理させよう。主人と一緒に喜んでくれ。』次に、二タラントン預かった者も進み出て言った。『御主人様、二タラントンお預けになりましたが、御覧ください。ほかに二タラントンもうけました。』主人は言った。『忠実な良い僕だ。よくやった。お前は少しのものに忠実であったから、多くのものを管理させよう。主人と一緒に喜んでくれ。』


C今日の暦
○ロザリオの聖母  1571年、オスマン・トルコはヨーロッパを征服すべく攻撃を始めた。トルコからヨーロッパを守ることは、政治と宗教が密接だった時代、キリスト教を守ることでもあった。ときの教皇聖ピオ5世はキリスト教軍を、トルコの危険からヨーロッパを守ってくださるよう、ロザリオを唱えるよう信者に勧めた。キリスト教の艦隊はトルコに対し、1571年10月7日、ギリシャの海岸の前にあるレパント湾で海戦を行ない、大きな勝利を得てトルコを退けた。ピオ5世はドミニコ会の修道者だったため、ロザリオの祈りを大事にしていた。レパントの勝利がロザリオの祈りによってもたらされた聖母の助けによるものと信じられ、この日をロザリオの聖母の記念日とし、10月をロザリオの月とした。
1950年 中国人民解放軍がチベットに侵攻。
1950年 マザー・テレサが神の愛の宣教者会を設立。


W今日の言葉 タラントン
 1タラントン=6000ドラクメ=6000デナリオン。 デナリオンが一日の賃金であるから、1タラントンだけでも6000日つまり16年以上の賃金ということになる。
 ルカ19ではそれぞれに1ムナ(1タラントンの1/60つまり100デナリオン、100日分の給与が与えられたことになっている)。
 「タラントンのたとえ」ではそれぞれの人の力に応じて五タラントン、二タラントン、一タラントンと違うものが与えられている。しかし1タラントンでもこのようにおびただしい恵みである。
 人間は神から、これほどの多くの恵み、愛を受け、ゆるされた存在である。それを感謝して受け止め、それに答え、真摯に生きるものにはさらに恵みが与えられる。しかし神からの恵みに気づかず、感謝することもせず、ないがしろにするものは、結果、神からの恵みを無駄にしたまま生涯を終えることになる。
 なおこのたとえからタラントンがタレントとなり、能力、才能を指すこととなった。日本では和製英語として「テレビタレント」などと使われる。


Pワンポイント  ロザリオの祈り
 イエスとマリアの生涯を、主の祈りとアヴェマリアの祈りを10回唱えながら黙想する祈り。ロザリオはバラの冠の意味であり、ドミニコが普及させたとも言われる。
 4つの神秘があり、それぞれに5つの黙想が割り当てられている。の黙想[編集]
   喜びの神秘  ①受胎告知 ②エリザベト訪問 ③降誕 ④主の奉献 ⑤神殿での発見
  苦しみの神秘 ①ゲッセマネの苦しみ ②むち打ち ③いばらの冠 ④十字架の道 ⑤イエスの死
 栄えの神秘 ①復活 ②昇天 ③聖霊降臨 ④マリアの被昇天 ⑤天のマリア
 光の神秘 ①キリストの洗礼 ②カナの婚礼 ③宣教のはじめ ④主の変容 ⑤聖体の制定(最後の晩餐)
 この祈りの助けとするのがロザリオ、コンタツ(ポルトガル語で数えるの意味)。1個の珠(主の祈りを唱える)と10個の珠(アヴェマリアの祈りを唱える)などから成る。

10・6

2014年10月05日 | キリスト教
キリスト教歳時記279  10月6日
B今日の福音
 マタ25:1-13【「十人のおとめ」のたとえ】「そこで、天の国は次のようにたとえられる。十人のおとめがそれぞれともし火を持って、花婿を迎えに出て行く。そのうちの五人は愚かで、五人は賢かった。愚かなおとめたちは、ともし火は持っていたが、油の用意をしていなかった。賢いおとめたちは、それぞれのともし火と一緒に、壷に油を入れて持っていた。ところが、花婿の来るのが遅れたので、皆眠気がさして眠り込んでしまった。真夜中に『花婿だ。迎えに出なさい』と叫ぶ声がした。そこで、おとめたちは皆起きて、それぞれのともし火を整えた。愚かなおとめたちは、賢いおとめたちに言った。『油を分けてください。わたしたちのともし火は消えそうです。』賢いおとめたちは答えた。『分けてあげるほどはありません。それより、店に行って、自分の分を買って来なさい。』愚かなおとめたちが買いに行っている間に、花婿が到着して、用意のできている五人は、花婿と一緒に婚宴の席に入り、戸が閉められた。その後で、ほかのおとめたちも来て、『御主人様、御主人様、開けてください』と言った。しかし主人は、『はっきり言っておく。わたしはお前たちを知らない』と答えた。だから、目を覚ましていなさい。あなたがたは、その日、その時を知らないのだから。」


C今日の暦
1973年 第四次中東戦争勃発(→3月26日P)
1976年 中華人民共和国で江青ら四人組が逮捕され、文化大革命が終了(→11月10日C)。
1981年 エジプトのサーダート大統領が暗殺される(→3月26日C)。
1978年のキャンプ・デービッド合意に基づく平和条約に反対するイスラム復興主義過激派による。
1995年 尊者チマッティ神父帰天(1879年-)。イタリア出身、サレジオ会士として1926年来日。オペラ「細川ガラシア」を作曲。日伊交流にも尽力した。


W今日の言葉   真夜中
 午後6時から午前6時までが夜。ローマ式ではこれを3時間ずつ4つに分けた。ユダヤ式では4時間ずつ3つに分けた。
 ユダヤ式で言うなら真夜中は第2の夜回りで、午後10時から午前2時までとなる。(夜明けは第3の夜回りで午前2時から午前6時)


Pワンポイント  結婚式
結婚式は夜行われた。夕方花婿と付添人は、花嫁を、花婿の父の家に連れてくるために、行列を作っておもむく。
 花嫁側の付添人(おとめたち)は棒のはしに布をまきつけ、そこに油を浸し、ともし火を用意してある。その油は昼の内にからもちろん準備している。花婿の家に行く時、そしてたいまつ踊りのために必要となるからである。
 このたとえでは、遅くなって花婿たちが到着すると、すぐにおとめたちはともし火に火をつけ、花嫁と共に花婿の家に行った。しかし愚かなおとめたちは、油を買いに行くこととなり、結果、花婿の家で催されている祝宴に入ることが許されなかった。
 たとえはランプが信仰。油が愛と善行。眠りがイエス来臨までの期間。婚宴の席が天国。花嫁(信者)を迎えに出る花婿(イエス)はいつ帰ってくるか分からない。