接骨院閑話 Ver.2024_01

「しれは迷ひしらねは迷ふ法の道
 なにかほとけの實になるらん」
至道無難禅師の句は健康にも通じるのです。

国民総不健康時代

2024年03月04日 | 現状

私達は大きな勘違いをしてしまった(勘違いをさせられた)ようです。
それは健康や病気は、
医療福祉の専門家の指示指導を聞かなければならない難しいモノと・・・。
然し平成の現在になってハッキリとした事は、
医療福祉の専門家の指示指導(治療(施術)を含む)に真面目に取り組んでも、
大して健康になれない事・・・です。

平成になってからは、
今迄には考えられなかった災害・事故・事件が頻発するようになりました。
マタ政治・外交・経済・環境・教育・各種産業の分野でも、
今迄の価値観や慣習が通用しないのではと思える事も起きるようになりました。
その中には医療福祉問題も含まれていて、
テレビや雑誌に登場する医療福祉の専門家の発言を聞いても、
厚生労働省が発表している資料を見ても、
現在の医療福祉が行き詰っている事は一目瞭然です。
然し新聞やテレビのニュースを見聞きする限りでは、
そんな事はナカナカ伝わってきませんが・・・。

次のグラフは厚生労働省のホームページに掲載されていたモノです。
このグラフから分かる事は、
国民医療費は昭和49年に急な上昇をして以来、
毎年同様の上昇線を辿り現在に至っいる事です。

(一時的に医療費が減少しているのは、
 厚生労働省が医療費抑制策を実施したからで、
 (例えば介護保険の開始等)
 国民皆保険制度の本来の目的である、
 国民保健が向上(病人が減少)したからではありません。)

「厚生労働省:平成20年度国民医療費の概況:国民医療費と対国民所得比の年次推移」より

厚生労働省は国民医療費上昇の理由を、
高齢者医療費と高度先進医療費の増加を、
主な理由として挙げていますが、
この二つの理由は数年来の常套句である事を考えますと、
国は十数年前に病気を治療から予防へと方針を変更して、

2000年(平成12年)に介護保険を開始して医療と介護を分離。
2002年(平成14年)に生活習慣病予防の為に健康増進法を開始。
2005年(平成17年)に国民の健全な食生活を指導する為に食育基本法を開始。
2008年(平成20年)に特定健診・特定保健指導(メタボ健診)を開始。

等と様々な対策を講じてきたのですが、
確かにそれで個人的に一時的には、
多少の改善があるのかもしれませんが、
国民医療費全体から考えると焼け石に水にもならず、
多くの人にとっては、
健康(病気を含む)に要する時間・手間・費用が増えただけの事で、
費用対効果を考えるとあまり効率的ではないのです。

「焼け石に水(やけいしにみず)解説
《焼け石に水を少しばかりかけてもすぐ蒸発してしまうことから》努力や援助が少なくて、何の役にも立たないことのたとえ。
「goo辞書:「焼け石に水(やけいしにみず)」より
https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E7%84%BC%E3%81%91%E7%9F%B3%E3%81%AB%E6%B0%B4/

「費用対効果(ひようたいこうか)」の解説
支出した費用によって得られる成果。「—が大きい」
「goo辞書:費用対効果(ひようたいこうか)」より
https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E8%B2%BB%E7%94%A8%E5%AF%BE%E5%8A%B9%E6%9E%9C/

それは実際に私達の周囲の状況を見ても分かります。

若年者層では、
アトピー性皮膚炎・小児喘息等のアレルギー性疾患・成長痛・姿勢不良(特発性脊柱側彎症)・引き籠もり(不登校)・いじめ等。
現役世代では、
生活習慣病・不妊症・精神的疾患・虐待・ED・DV等。
高齢者層では、
認知症・ロコモ症候群等。
全世代では、
花粉症等のアレルギー性疾患・熱中症・動機不明の犯罪・違法脱法ドラッグ・突然死等。

の困った問題が山積しているのですが、
これ等の困った問題に対して、
専門家は尤もらしい(好き勝手な)発言をしても、
誰一人として有効な対策は講じられず、
一向に解決される事もないのです。

それでは現在が、
良好な健康状態を維持するのに、
どれ程難しい時代なのかと考えてみますと、
確かに西丸震哉先生の、
「41歳寿命説 死神が快楽社会を抱きしめ出した」や、
岡庭昇先生の、
「飽食の予言」等の本を読んでみますと、
私達を取り巻く環境は厳しくなっているようですが、
然しその反面で、
医療福祉に関する制度・施設・情報は嘗てない程に充実して、
社会も嘗てない程に清潔・便利・快適・豊かになり、
私達の健康に対する意識も嘗てない程に高まっていて、
誰もが健やかな生活が送られる条件は揃っていますから、
現在の国民総不健康時代といっても過言ではない状況は、
本来ならば有り得ない事なのです。
私はソウ思っています。

そしてこの有り得ない状況に翻弄されているのは、
私達のような医療福祉の素人だけではなく、
医療福祉の専門家も同様のようです。

例えば国の栄養指導では、

人間の体は栄養状態を維持するために栄養素を摂取するが、その過程には栄養素レベル、食品レベル、食事レベルがあり、一日三食(+間食)を毎日積み重ねていくことで、個々人の食生活が営まれ、その結果が栄養状態として身体に反映されることになる
「厚生労働省:Ⅲ栄養指導」より

と一日三食(+間食)を積み重ねる事が明記されているにも係わらず、
●●●●センセイのように、
一日に一食の方が身体に良いと発言して、
ゴボウ茶を売るお医者サンがいたり、

死後の世界を公式に認めていない現在の医療(医学)業界で、
●●●●センセイのように、
「人は死んでも生きている」的な発言するお医者サンがいたり、

それ以外にも、
現在の医療(医学)業界の考え方や手法に異を唱えるお医者サンが、
以前よりも頻繁に、
テレビや雑誌(本)やネット等で発言するようになったのですが、
これは真偽の程は別として、
個人的には何を思い何を発言しても自由なのですが、
自分の資格や経歴を表に出して、
業界の方針と違う発言をしたり、
本来の医療福祉の業務範囲外の事を、
然も医療(医学)の分野であるかのような発言をするのは、
(「本来の医療福祉の業務範囲外」とは、
 法律の話しではありません・・・後述します。)
それだけ現在の医療(医学)福祉業界が行き詰っている証でもあるのですが、

それよりもコノ事で私達が考えなければならない事は、
このような一部の業者(医療福祉従事者)サンの発言が、
医療福祉に依存している人や、
健康に関心を持ち勉強している人(健康オタクサン)を、
迷わせる一因にもなっている事なのですが、
実際に現在の医療福祉業界が行き詰っているとか、
私達を迷わせる一因になっていると疑う人はいないのです。
それは私達は健康や病気をよく勉強して、
お医者サンの説明を理解し納得できる程の知識を持っても、
お医者サンの説明に疑問を持つ知識は勉強していませんから、
これで健康や病気は、
素人には手が出せない難しいモノと勘違いして、
体調不良(ケガや病気を含む)になった時には自分で判断するよりも、
専門業者サン(かかりつけのお医者サン)に丸投げ(依存)する事が最善策と考え、
自分で何とかしようとする気持ち(自力)を失くしてしまったからだと思います。

ですから自分が今受けている治療や、
実践している生活習慣(「食事」「運動」)の指導や、
それ以外に自分なりに工夫して、
普段の生活に取り入れている何等かの事で、
適切に回復できなくても(治らなくても)、
全て「仕方がない」で受け入れて(自分を納得させて)、
「モシかして自分がヤッている事が、
 体調不良(ケガや病気を含む)の回復を邪魔しているのでは?」とか、
「普段からヤッている事が健康維持の足を引っ張っているのでは?」と、
疑う人がいないのも当然・・・なのです。

今ではそんな人ばかりですから、
一部のお医者サンが、
業界の考えと異なった発言をしていたとしても、
全て他人事(カカリツケのお医者サンが言っていない事)ですから、
全く気にもならないのかもしれませんが・・・。

仮に医療(医学)の理屈では正しかったとしても、
実際に体調不良(ケガや病気を含む)が回復しなければ、
(回復する(治る)という結果が出なければ、)
少なくともその人は、
「何かが間違っている」と考えてみるべきだと、
私は思っています。

そしてそんな時に「何が間違っているのか」を、
一緒に考えてくれるのが、
病気予防が大切だと考えられる現在は、
お医者サンを含めた医療福祉の専門家の仕事だと私は思うのですが、
実際には体調不良(ケガや病気を含む)でも、
通院程度で済んでいる人では、
お医者サンは治療をして(主に薬です)、
検査結果が良ければ「体調は安定している(良くなっている)」と、
見当外れな判断をして、
そこからの回復(治る)は考えず、
管理栄養士サンや理学療法士サン等の専門家も、
治療中(薬を飲んでいる)にも係わらず検査の結果が良ければ、
生活習慣(「食事」「運動」)の指導が効を奏していると勘違いして、
そこからの回復(治る)はあまり考えていないようなのです。
(実際には考えても無理ですが・・・。)

それが今では、
健診検査の結果は良くても実際の体調は良くない人や、
健診検査の結果は良くなっても何時迄も薬を飲み続ける人や、
逆に不快な症状が無く体調に全く問題が無くても、
健診検査で異常が見つかったばかりに治療が始まる人等、
理屈と実際が乖離した人が増えたのではと、
私は思います。

そんな人が増えれば国民医療費が増えるのも当然ですから、
現在の国民総不健康時代ともいえる状況は、
異常でも何でもない(正常)のですが、
これを異常事態(緊急事態)だと考えたであろう国は、
先にも述べましたように、
国民医療費を抑制する為だけの様々な対策を講じたのですが、
所詮は国民医療費抑制だけが目的の小手先だけの修正ですから、
対策はどれも場当たり的なモノでしかなく、
それに私達も翻弄されてしまった結果、
健康や病気は、
今迄以上に訳の分からない難解なモノになってしまったのです。

因みに2002年(平成14年)に開始された健康増進法には、
次の事が書かれています。

(国民の責務) 
第二条
国民は、健康な生活習慣の重要性に対する関心と理解を深め、生涯にわたって、自らの健康状態を自覚するとともに、健康の増進に努めなければならない。
「電子政府の総合窓口 e-Gov:健康増進法」より

次に責務の意味を調べてみますと、

責任と義務。また果たさなければならない務め。
「goo辞書:責務」より
http://dictionary.goo.ne.jp/jn/123781/meaning/m0u/

と説明されていて、
責務は義務よりも厳しい事がカントナク分かります。
それでは私達は、
どのように国民の責務を果たせばいいのでしょうか?

それが、
テレビや本やインターネット等の健康特集に関心を持ち、
カロリーや栄養のバランスを考えた規則正しい食事をして、
禁煙・禁酒・減塩・糖質制限をして、
定期的に運動(スポーツ)をして、
感染症予防の為に自発的(半ば強制的)に予防接種を受けて、
病気の早期発見の為に特定(メタボ)健診を受けて、
検査の結果に異常が見つかれば、
早期発見早期治療の考えに則ってお医者サンの治療を受ける事等、
私達が正しいと思っている(勉強した)事なのでしょうが、
それが今では行き詰まっているのです。

ですから今の体調不良(ケガや病気を含む)がナカナカ治らない人は、
諦める前に一度治らない理由を考えてみる事も必要なのです。

然し「治らない理由を考える事も必要」だといいましたが、
私達が知っている事は行き詰まった考え方ですから、
それを幾ら勉強したとしても、
体調不良(ケガや病気を含む)が治らない理由を見つける事も、
体調不良(ケガや病気を含む)が治る事も難しいのです。
(これは違う考え方が必要だという事ですが・・・後述します。)

健康増進法が始まってから、
業者(医療福祉従事者)サンが、
「アレをしなさいコレはダメだ」と指示指導している事は、
健康増進法が始まる前から既に行われてきた事が殆どで、
目新しいものは一つとしてないのです。
つまり厚生労働省が健康増進法を開始して、
病気予防や健康増進の為に私達にいっている事は、
昔、業者(医療福祉従事者)サンが、
病気の治療に力を入れていた時と同じ事ばかりで、
それは1974年(昭和49年)から伸び始めた国民医療費を、
一度として減らせた実績のない理屈であり方法だという事です。

(生活習慣病の場合は、
 早期(?)に治療を始めても治らずに、
 何時迄も治療が続く人は多くいます。
 それではこの人達にとって早期発見早期治療の利点は何なのでしょうか?
 万が一の事態(大病化)を回避する事でしょうか?
 それならば早期(?)に治療を始めた人の、
 どの程度の人が万が一の事態(大病化)を回避できているのでしょうか?
 寧ろ「なる確立が分からない万が一(重病化)」を警戒するあまり、
 長く治療(薬等)を続ける事が、
 体調不良(ケガや病気を含む)の回復を邪魔したり、
 新たな体調不良(病気を含む)を引き起こしたりして、
 本来なら必要のない治療費をかけている人もいるのではないのでしょうか?)

私達が病気の治療や予防や健康増進の為にと、
勉強してヤッている事や、
専門家に指示指導されてヤッている事は、
50年間一度として国民医療費を下げた実績のない理屈であり方法ですから、
私達が幾ら熱心に勉強して、
何等かの事を実践したとしても、
それだけで私達の体調不良(ケガや病気を含む)が回復して、
病気予防や健康増進ができるとは考え難いし、
国民保健が向上して誰もが健やかな生活が送られるとも考え難いのです。

然し医療福祉業界は一度作った仕組みを変える事はありませんから、
私達が本当に病気予防や健康増進を考えるのであれば、
今の自分の体調不良(ケガや病気を含む)を通して、
(これは実際に体調不良(ケガや病気を含む)になり、
 それを回復させていく(治していく)事です。)
自力で見直していかなければならないのです・・・が、
実際に自力で見直していく事は、
至難の業(ハッキリといって無理)なのです。

【参考資料】
「厚生労働省:1国民医療費の状況」
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-iryohi/08/kekka1.html
「41歳寿命説 死神が快楽社会を抱きしめ出した」
西丸震哉 著  (株)情報センター出版局 刊
「飽食の予言」
岡庭昇 著  (株)情報センター出版局 刊
「電子政府の総合窓口 e-Gov:健康増進法」
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H14/H14HO103.html
「電子政府の総合窓口 e-Gov:食育基本法」
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H17/H17HO063.html
「厚生労働省:医療制度改革に関する情報 特定健康診査・特定保健指導に関するもの」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/info02a.html

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