FOUNTAIN of knowledge

話題は心理学、東洋医学、アニメ、オタク考証、等。たまには経済や法律とリンクした色々なねたも。

「終章」劇場版「新世紀エヴァンゲリオン」の心理学的分析「一人称の人類補完計画」

2005-02-13 19:12:10 | アニメ考証
本稿で最後です。クライマックスです。「人類補完計画」で「綾波レイ」は何を?

ターミナルドグマで「碇ゲンドウ」は人類補完計画の発動。「心の壁を解き放て。欠けた心の補完。。。。。そしてユイの元へ行こう」
三人目の綾波は「碇ゲンドウ」のわがままな計画を見事に跳ね返してくれます。「私、あなたの人形じゃない」と。

この行動のキーワードは「メランコリー親和性性格の綾波レイ」。
そして
「私はあなたじゃないもの」「碇君が呼んでいる」綾波レイは碇シンジを選択しました。根拠は前回でたっぷり説明しました。

リリスと綾波レイとの融合で「巨大綾波」に。ゼーレによる「人類補完計画」の儀式は初号機ですでに開始。

人類の心の壁が解き放たれ、「人類補完計画」発動。しかしアダムの元妻リリス=巨大綾波はゲンドウやゼーレの思惑を見事砕いてくれます。
なんと
「人類補完計画」の鍵を「碇シンジ」にゆだねるのです。ダダをこねていたまるで小学生の「碇シンジ」に。

アニメ第弐拾六話の題名「世界の中心でアイを叫ぶけもの」でしたね。成層圏を越えて「巨大綾波」と「初号機」は対峙するのです。
人類の心の壁が取り払われ「世界の中心」の「アイ」とはまさに「碇シンジ」彼自身が一人称になるのです。
ユイの言葉「今のレイはあなた自身の心。あなたの願いそのものなのよ」。碇シンジが世界の中心で「アイ」を叫びだすのです。

人類の形而下の部分が存在を失い「まごごろ」をもった「碇シンジ」は神と等しき存在となり「世界の中心」の「アイ」になるのです。

あとは「真実」「現実」「夢」「虚構」など色々な言葉が出てきますが「レイ」と「シンジ」とのやりとり、つまり「アイ」の自問自答なのです。シンジの言葉で言えば「僕って何なの?どんな存在なの?」

そして「全てが一つになって心の壁が取り払われた世界」でシンジの言葉「でも、これは違うと思う」の一言で「人類補完計画」が後退する。
「レイ」「カヲル」「ユイ」の言葉の中であくまでも「シンジ」が一人称。
これは世界の中心で「シンジ=アイ=一人称」が「まごころ」を大切にしながら自分自身に問いかける「アイ=私」の「こころ」の物語なのです。

作者は観客一人一人がもう一度自分自身の「アイ」を「碇シンジ」に置き換え、「真実」「現実」「夢」「虚構」など観客それそれの心の中を見つめなおしてほしいと言っているのかもしれません。

この物語の答えは「アイ=私」をもつ観客の数だけ存在すると思えます。

「もしあなたが真剣な気持ちで綾波レイに世界をゆだねられたら?」

「「終章」」

最新の画像もっと見る