
いつ入手したものなのか、すでに記憶にない.他のカメラにおまけで
ついてきた個体なのかもしれない.ジャンク品だったので長く専用箱
に放置していた.最近は、カメラの簡単な修理が時折だが、成功する
ようになったので、この「Canonet」~我が家にある初代機の2台目、
もやってみようかと.シャッターの粘りで、絞りが最小値 F16あたり
でしか開かない状態.レンズ前面を分解する.すぐに閉じて組み合わ
された複数の羽根が露出.ジッポーオイルをしみ込ませた綿棒でしず
かに丁寧に軽く清掃を.すると効果はてきめんで、絞りは正常に機能
しはじめる.シャッターを切れば各大きさで開閉するようになった.
トップカバーを外し、露出計や距離計用の窓ガラスなどの養生を行う.
つや消しの黒ペンキで塗装を.多重塗装をする間に、ファインダーの
内部も清掃を.薄くなっていたハーフミラーの交換も.貼り損なって、
空気やゴミが混入.見苦しくなった.しかし二重像はクリアに見える
ようになったので、それで我慢を.ハーフミラーを貼る作業は難しい.
いつも失敗をしてしまう.刻印されたロゴ他の部分には、先日100円
ショップで買ってきた、白のアクリルタイプの絵の具を塗り込むのだ.
はみ出した余計な絵の具は拭い取る.これで見た目もいい感じに….
露出計もたぶんほぼ正常に機能をしている.これで動作も各部異常が
なくなったはずだ.さっそく試写を.当時、爆発的な売り上げを記録
したらしいカメラ.その性能と手頃な値段で.日本のカメラの歴史に
残るだろう名機.もうⅠ台の同型機は外観も機能もなんの問題もなく、
私のお気に入りになっている.この2台目も、うまくメンテナンスが
できたはずなので、もちろん、これからも、ながく使ってゆくつもり.



Canon Canonet
●型式:35mmレンズシャッター式距離計連動
シャッタースピード優先式EEカメラ
●画面サイズ:24×36mm
●標準レンズ:SE45mm F1.9 (4群5枚構成)
●シャッター:コパルSLV、1/500~1秒、B、
セルフタイマー内蔵、BセットTリング使用でタイム露出可能
シンクロ接点はMX切り替えドイツ型ソケット式
●ファインダー:二重像合致式連動距離計と逆ガリレオ式
ビューファインダーを光路内に一体化した一眼式
ブライトフレーム式パララックス
自動補正トリミング・マークファインダー 倍率0.67倍、
視野下部にF1.9~F16までの絞り目盛り、両側に内向きの矢印
メーター指針及び警告マーク付=EE範囲外の時に視野内に表示
●露出計とEE機構:セレン光電池式
クシ歯制御式シャッタースピード優先式EE
測光連動範囲=EV5~17、1/8秒・ F2~1/500秒・F16(ISO100)
●フィルム感度:使用域=ISO10~200 Auto=EE 解除でマニュアル可能
●フィルム装填・給送:裏蓋開閉スプール差し込み式
底部トリガー100度回転による1作動式
●フィルムカウンター:裏蓋開放に連動して自動復帰する順算式
●フィルム巻き戻し:底部折り畳み回転クランク式
●サイズ:140×78×64mm、700g
●当時価格:22080円=アクセサリィなど一式付属 ●発売:1961年