クレイモアたちは、妖魔を倒すことを自らの存在理由と認識して、その「正義」のために忠実に働く。
組織はそのようにクレイモアたちを洗脳する。そしてクレイモアたちはその目的の限りにおいて、組織に忠誠を尽くす。
ゆえに、仲間を思う気持ちは、その徹底した個人主義とは裏腹に、徹底した利他主義として顕現する。
覚醒した仲間は、それゆえに、クレイモアたちに、自らが抱える矛盾を厳しく突きつける。覚醒者は斬殺しなくてはならないが、仲間は、自らの命をも顧みず、救わねばならない。
半覚醒は、組織にとっても組織に敵対するルブルにとっても不都合な真実だ。
覚醒しても人の意識を保持できることの証だからである。
クレア、ラファエラ、ジーン、テレサ、ガラテア、深淵のリフル、イースレー、ルシエラ、イレーネ、オフィリア、アリシア、ベスさえも、根底に人の意識を残している。
人の意識を残しながら、身体の一部を覚醒させたり、限界を超えても戻ったり、あるいは戻したり、組織の洗脳を解いて人間らしく生き直す決意をしたり、家族を渇望したり、パートナーのために命を投げ出そうとしたり、姉妹を救うために苦痛の痕跡を刻んだり、兄を思う気持ちをよみがえらせたり、などなど。
実は、覚醒しても、人としての意識は消え去りはしないし、人に戻ることさえも可能性があることを示唆している。
組織の回収部隊長ダーエは、むしろ人ならざる存在に思える。組織の目的は、悪魔の製造にも見られるように、あくまで非人間的なものであり、真の意味で、覚醒者のそれである。
徹底したニヒリズムに貫かれて、ルシラファ融合覚醒体を理想の姿と認識している。
「それまでは生き延びてみせろ」(ガラテア)
組織は、あくまでも掃除屋である。クレイモアたちが生き残るための戦いに全てをかけるのに対して、組織の目的はそれを超えたところにある。
つまり、絶滅。
それこそが組織の目的であり、存在理由である。
絶滅のためにこそ最強の武器たらん戦士を生み出す。
そこに人としての意識はない。非人情、非情の世界にすら、生命はある。だが、生命を根こそぎ掃討すること(かつてリガルドが、イースレーに命ぜられたことだが)。ただその一点にのみ組織の目的はある。
偽造通貨の行使と同根の認識の問題がここに潜んでいる。
偽造通貨と認識しているだけでは足りず、行使の目的という主観的超過要素をも認識していなければ、偽造通貨行使の罪は成立しない。超過した要素の認識こそが違法要素なのである。
認識という主観要素は、非難可能性の根拠であるべきだが、ここでは、それこそが違法要素となると見立てざるをえない。
組織を、広く一般の組織に置き換えて考えてみても、類似の問題は常に起こりうる。組織に忠実に働いただけでは足りず、人道への認識がなくてはならないというのは、ヤスパースの考えだが、ナチス戦犯の断罪には、権力行使の目的への不認識こそが違法とされたのであった。
組織の命令に違背して行動できる期待可能性は、自死という選択が許されている以上、きわめて厳格ではあるが、ないとはいえないのだ。
現に、クレアもテレサもガラテアもミリアたちも離反している。
テレサが消極的に逃亡という形を取ったのに対して、ミリアは組織の壊滅を意図した。(これはルブルの思惑通りなのではあるが)。
龍族との戦いという裏があるにせよ、上位組織同士の争いもまた、最終目的は絶滅にある。それゆえ、クレイモアは、7年の時を経て、公的領域に突入したと見ているわけだ。
紛争は、境界を接するところに発生し、境界以前には、個体数の増加と、それに伴う土地への需要拡大がある。やがて境界を接した時、必然的に紛争は発生し、個体数が減少する。冷たい傍観者の眼差しは、それを見届けざるを得ない。それが組織の眼差しだ。
(避けられない)それ(=絶滅)までは生き延びてみせろ。
組織はそのようにクレイモアたちを洗脳する。そしてクレイモアたちはその目的の限りにおいて、組織に忠誠を尽くす。
ゆえに、仲間を思う気持ちは、その徹底した個人主義とは裏腹に、徹底した利他主義として顕現する。
覚醒した仲間は、それゆえに、クレイモアたちに、自らが抱える矛盾を厳しく突きつける。覚醒者は斬殺しなくてはならないが、仲間は、自らの命をも顧みず、救わねばならない。
半覚醒は、組織にとっても組織に敵対するルブルにとっても不都合な真実だ。
覚醒しても人の意識を保持できることの証だからである。
クレア、ラファエラ、ジーン、テレサ、ガラテア、深淵のリフル、イースレー、ルシエラ、イレーネ、オフィリア、アリシア、ベスさえも、根底に人の意識を残している。
人の意識を残しながら、身体の一部を覚醒させたり、限界を超えても戻ったり、あるいは戻したり、組織の洗脳を解いて人間らしく生き直す決意をしたり、家族を渇望したり、パートナーのために命を投げ出そうとしたり、姉妹を救うために苦痛の痕跡を刻んだり、兄を思う気持ちをよみがえらせたり、などなど。
実は、覚醒しても、人としての意識は消え去りはしないし、人に戻ることさえも可能性があることを示唆している。
組織の回収部隊長ダーエは、むしろ人ならざる存在に思える。組織の目的は、悪魔の製造にも見られるように、あくまで非人間的なものであり、真の意味で、覚醒者のそれである。
徹底したニヒリズムに貫かれて、ルシラファ融合覚醒体を理想の姿と認識している。
「それまでは生き延びてみせろ」(ガラテア)
組織は、あくまでも掃除屋である。クレイモアたちが生き残るための戦いに全てをかけるのに対して、組織の目的はそれを超えたところにある。
つまり、絶滅。
それこそが組織の目的であり、存在理由である。
絶滅のためにこそ最強の武器たらん戦士を生み出す。
そこに人としての意識はない。非人情、非情の世界にすら、生命はある。だが、生命を根こそぎ掃討すること(かつてリガルドが、イースレーに命ぜられたことだが)。ただその一点にのみ組織の目的はある。
偽造通貨の行使と同根の認識の問題がここに潜んでいる。
偽造通貨と認識しているだけでは足りず、行使の目的という主観的超過要素をも認識していなければ、偽造通貨行使の罪は成立しない。超過した要素の認識こそが違法要素なのである。
認識という主観要素は、非難可能性の根拠であるべきだが、ここでは、それこそが違法要素となると見立てざるをえない。
組織を、広く一般の組織に置き換えて考えてみても、類似の問題は常に起こりうる。組織に忠実に働いただけでは足りず、人道への認識がなくてはならないというのは、ヤスパースの考えだが、ナチス戦犯の断罪には、権力行使の目的への不認識こそが違法とされたのであった。
組織の命令に違背して行動できる期待可能性は、自死という選択が許されている以上、きわめて厳格ではあるが、ないとはいえないのだ。
現に、クレアもテレサもガラテアもミリアたちも離反している。
テレサが消極的に逃亡という形を取ったのに対して、ミリアは組織の壊滅を意図した。(これはルブルの思惑通りなのではあるが)。
龍族との戦いという裏があるにせよ、上位組織同士の争いもまた、最終目的は絶滅にある。それゆえ、クレイモアは、7年の時を経て、公的領域に突入したと見ているわけだ。
紛争は、境界を接するところに発生し、境界以前には、個体数の増加と、それに伴う土地への需要拡大がある。やがて境界を接した時、必然的に紛争は発生し、個体数が減少する。冷たい傍観者の眼差しは、それを見届けざるを得ない。それが組織の眼差しだ。
(避けられない)それ(=絶滅)までは生き延びてみせろ。
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