教育のとびら

教育の未来を提言 since 2007
presented by 福島 毅

哲学講座を行う意義

2021-03-29 | 生き方・働き方改革

4月から哲学講座を行うご案内を過日行ったところなのですが、去る3月27日に「生きるための哲学 体験講座」を先行して行いました。

中畑講師からの話の中で、哲学することにまつわるキーワードとして、「大前提・当たり前の探求」というようなお話がありました。

私たちは、例えば資本主義や代表制の民主主義を”今の当たり前”として捉えているから、それが普通の生活にも染み付いている。しかしよく考えると、色々な矛盾や制度疲労を起こしていて、すでに今の世の中には合わなくなってきた部分がある。その ”そもそもを疑ってみる”ということは進化という意味で常に必要なことかもしれません。

もちろん、色々な制度やシステムをゼロリセットして全てを熟考していたら時間は足りませんし、日々の生活も回りません。しかし、ちょっと余裕のある時間を、そうしたことの思索に使うことは有効なことのように思います。

例えば、ギリシャ時代には奴隷制度があり、隣国との戦争に勝つと負けた国は奴隷をさし出すことになるのが慣例だったそうです。これ、現代社会に照らしてみたら、「やってはいけない、ありえない事」になるわけです。


あるいは、例えば300年先の未来人が地球に訪れてみたとき、「貨幣制度をまだ使っていて、貧富の差がこんなにあるなんて、ありえないよー」と思うかもしれないわけです。

ギリシャ時代の奴隷制を使っていた当時の人にとっての常識は、今の常識でないように、今、私たちが使っている文明の当たり前は、将来の地球人にとっては全く未発達なものである可能性は十分あると思います。

社会は、私たちが創造してきたものであるがゆえに、将来の社会を変えていけるのもまた私たちです。

しかし、変化や改革に必要なのは、今の当たり前を疑う事・・・
これは 哲学風に言えば、「魂の正義に照らしておかしいと思うことに思いを馳せて、対話する」というところから始まるかもしれません。

4月から始まる「生きるための哲学」は、単なる過去の思想家・哲人の歴史を振り返るだけの”お勉強”ではありません。まさに皆さんと対話しながら、みなさん個人の、あるいは社会構造・システムをじっくり内省する装置でもあるのです。


そうしたことに関心のある方の参加をお待ちしています。
詳しいご案内はこちらです。
https://resast.jp/events/543354

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