教育のとびら

教育の未来を提言 since 2007
presented by 福島 毅

組織・社会の再発見、再発明 

2022-04-03 | 生き方・働き方改革

4月1日に、こんなイベントがありました。
「インテグラルトークイベントWith吉原史郎さん ティール組織の最前線~ティール世界カンファレンス2022より」

ここでは、RO(Reinventing Organizations)またはRS(Reinventing Society)が話題となっているというお話がありました。

もともとは、フレデリックラルー氏による著書「Reinventing Organizations: A Guide to Creating Organizations Inspired by the Next Stage of Human Consciousness 」は、ティール組織として日本に紹介され、「ティール組織を目指すには?」という問いになってしまっていた部分が最近までありましたが、ティール組織自体を目指すという方法の目的化ではなく、組織や社会をどう再発明していくかということが今後の話題になってくるという部分は納得感がありました。

つまるところ、「ティール組織のエッセンスを真似て組織化を図り、仕事を効率化したり収益を上げよう」ということになっていくと、ティール組織論で言うところのオレンジ色のワールドの中での組織改革に過ぎないわけです。

吉原さん自身が取り組んでいる”JUNKAN”という概念を組織や社会に生かしていくというお話も興味深いところです。吉原さんは、実際に農作業のプロセスを経営者とわかちあうなどして、体感的に循環して育っていく組織論を応用・展開されています。ここから触発を受ける部分が2つありました。詳細は、こちらのブログなども参考になります。

1つめとしては、「自然環境を整えてあげれば植物は勝手に育つ」という原理です。植物はある程度の環境を作ってさえあげれば、24時間監視していなくても勝手に育ち、実をつけていきます。人間の組織や教育についても最近、同じことが言えるのではないかと思っているからです。「監視し常にインプットして教えていかないと人も組織も成長しない」という世界観ではなく、どういう環境を整えれば、あとは勝手に成長していくか?ということにフォーカスしてみてはどうかなと思うわけです。

2つめとしては、「放置すること」と「丁寧な観察とメンテナンス」とは違うということ。さきほどの環境をいったん整えたら、あとは完全放置でもいいかというとそうではない。やはり、そこには丁寧な観察とメンテナンスという概念が必要不可欠。雑草のび放題ではなく、自然の力に任せつつも適度な管理は必要であり、教育でも同様に、学びの場を与えていればそれで終了ではなく、常に状態を観察しつづけ、適度な介入やメンテナンスをしていくことが不可欠であるということ。

新しい世界観を再発明していくということは、「〇〇という名の組織を目指す」という単純な構造・正解を模倣することではなく、常に最適・最善な方法を編み出して適応していく連続であり、どのような発明を提供していけるかが今後にかかっていくのではないかと思いました。

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