今年、7月9日に行われた、人むすびの場 第60回「日本とニュージーランドの8つの違いから考える次世代社会」に参加しました。
そのレポートです。
ニュージーランド社会と教育について
■全般
・ゆるやかに成長している国。人口450万人。毎年4万人増。出生率2.2。
子供が多い国で子供は120万人(全体の1/4 高齢者の2倍、子供がいる)
・地方分権が進み、市町村が主体。
・1980年代に有機的・横断的改革に成功。国家公務員6割削減、国家事業8割削減。
その延長線上に教育改革 医療改革
地方分権が完了している。国にお伺い立てないでも実行していく。
・最近は、中国、インド、タイなどの人材活用(移民)。
TPP創始国の一つ。中国、南米マーケットを狙っている。
ただし、国内の優秀な人材流出が問題になっている。
・農畜産輸出国だったが、ECはブロック経済化でオセアニアをはじき、1970年から暗黒の20年だった。日本と同等の課題に直面。経済破綻から財政破綻から政府が介入しなくなった。
大胆な改革は労働党のロンギ首相が行った。投票率は90%以上。現在でも80%。
例えば夫婦が政策をみて、納得いくまで話し合って2票投票することなどもある。
■教育
・97%が公立学校。
・コンセプトは次の2つ。
SML(セルフ・マネージド・ラーニング) 学びの自己構築
LLL(ライフ・ロング・ラーニング)生涯学習(学校教育+社会教育)
・飛び級、留年あり。 底支えする仕組みあり(それが公立学校の役割)
・指定教科書なし、指導要領なし、教育委員会なし。24年間で激変。
・とにかく、1に読書 2に読書 小学校1年生から年間200冊読む。
レベルにあった本が用意されている。(子供のレベルに合わせた本が用意、色別)
自分にあった本が色で選別でき、難しくない。
同じ年齢だからといって、一斉に同じ本は読まなくてよい。
・学校が学校教員だけで運営されていない、コミュニティスクール型。
・教室の垣根がなく、地域に開かれている。
・トピックラーニング(総合学習がさらに発展、クロスカリキュラム)
読書とトピックスが初等教育の主になる(理科、社会はトピック)。
学び(読書、リージョナルボランティア リレーショナルラーニング)
・6歳~16歳が義務教育。17~19歳が高校。
20歳過ぎれば誰でも大学に入れるので、大学のステイタスはない。
大学に進学するのは、その専門領域でないとできない職業につくため。大学進学率30-40%。
ただし生涯大学に入る権利はある。(かつては学費も国が出していた(今は財政事情から実施していない))
■ニュージーランド8つの特徴
ひとことでいうと、多様性受容社会(国籍、宗教、慣習、考え方、ライフスタイル)であり、違うことが容認される。
違って当たり前の社会。人の目が気にならない。ストレスがない。
チェンジング(改良)orチャレンジング(挑戦)
1)ないない文化
高校大学受験なし 教科書なし 職員室なし 都道府県なし 憲法なし 原発なし
原発計画はあったが、自然ガス田があり、国民世論により原発つくらない決定
あるある文化から脱却した行財政改革。
2)ほめちぎる文化
とにかく褒める。例えばスポーツ。味方チームの子供・コーチ・親ほめるほか、相手チームの子供・コーチ・親までもほめる、褒め合い合戦。
3)しすぎない文化
かまいすぎない子育て、教えすぎない教育、段取りしすぎない準備、返信しすぎないメール、補助金に依存しすぎない経済 (返信こないことはOKの印)
民間が先に動き、あとから補助金がつくなど。完全放任ではない。バランスを重視。
4)家族優先文化(ファミリーファースト)
残業より家族の夕食。5-7時はファミリータイム。お父さんは帰ってくる。
飲み会は7時半から。小学生7時半 中学生9時 高校生10時に就寝。大人も11時。
なにかあればその時間に。家族とシェアする時間を必ず取る。
休日出勤より家族優先。部活よりも家族優先なので部活の決勝戦でもエース不在。
子供も家族優先。お父さんと娘の関係が良好。
5)誕生日文化
年齢に意味がある。学年主義ではなく年齢主義。
0歳児から部屋が与えられ一人で寝る。添い寝しない。生まれた時から自立が始まる。
5歳の誕生日が入学式。7/8生まれの人は7/8に入学。一斉入学式がない。毎日、転校生。ひとりひとりが違ってよい。
14歳未満のかぎっ子禁止(法律で禁止)。13歳以下は親かケアする人をつける。
親子で歩いている街中風景が多い。
21歳が成人。40歳がビッグバースデー。40歳で自分の人生をマネジメントできるのが目標。
6)可変人生文化
7~10年で引っ越す。
住宅価格が下がらない、資産価値あり。買った価格より高く売れることも。
キャリアをどうマネジメントするかを課題として持つ。 収入分散型(勤労所得が6がサラリー、他の4は別のことで補う。)
結婚について
事実婚は全体の4割。20代は8割が事実婚。パートナーシップと呼んでいる。
結婚文化は古いという考え方。
合法的に2年パートナーシップを証明できれば結婚と同等の権利がある。
3組に1組は離婚するが、ステップファミリー多い。
「人生は仕事、学業、結婚は失敗するだろう、一度や二度くらい」。(失敗容認文化)
7)ファンドレイジング文化
助け合い文化。プロジェクト型、オブジェクト型ファントレイジング。
目的が発生する資金集め。大事なのは目的で、集まったお金をどう使うか?
単なる寄付集めではなく、目的がはっきりしている。
8)自立互助文化
老若男女自立する。障害もったり虐待者には手厚い。
政府に依存しすぎない市民の自立。小さな政府と強い市民。
【感想】
ニュージーランドの教育事情を聴く機会は少ないので貴重なお話でした。
読書週間はフィンランドに。 0歳児からの自立はドイツに似ていました。
進んだ次世代社会は多様性を柔軟に受け入れているのだなぁという共通点を再認識しました。
また、褒める文化は素晴らしいと思います。
事実婚が進んでいる事、みんなが助け合うこと、褒める文化などは、長嶋龍人さんの”お金のいらない国”に似てますね。
そのレポートです。
ニュージーランド社会と教育について
■全般
・ゆるやかに成長している国。人口450万人。毎年4万人増。出生率2.2。
子供が多い国で子供は120万人(全体の1/4 高齢者の2倍、子供がいる)
・地方分権が進み、市町村が主体。
・1980年代に有機的・横断的改革に成功。国家公務員6割削減、国家事業8割削減。
その延長線上に教育改革 医療改革
地方分権が完了している。国にお伺い立てないでも実行していく。
・最近は、中国、インド、タイなどの人材活用(移民)。
TPP創始国の一つ。中国、南米マーケットを狙っている。
ただし、国内の優秀な人材流出が問題になっている。
・農畜産輸出国だったが、ECはブロック経済化でオセアニアをはじき、1970年から暗黒の20年だった。日本と同等の課題に直面。経済破綻から財政破綻から政府が介入しなくなった。
大胆な改革は労働党のロンギ首相が行った。投票率は90%以上。現在でも80%。
例えば夫婦が政策をみて、納得いくまで話し合って2票投票することなどもある。
■教育
・97%が公立学校。
・コンセプトは次の2つ。
SML(セルフ・マネージド・ラーニング) 学びの自己構築
LLL(ライフ・ロング・ラーニング)生涯学習(学校教育+社会教育)
・飛び級、留年あり。 底支えする仕組みあり(それが公立学校の役割)
・指定教科書なし、指導要領なし、教育委員会なし。24年間で激変。
・とにかく、1に読書 2に読書 小学校1年生から年間200冊読む。
レベルにあった本が用意されている。(子供のレベルに合わせた本が用意、色別)
自分にあった本が色で選別でき、難しくない。
同じ年齢だからといって、一斉に同じ本は読まなくてよい。
・学校が学校教員だけで運営されていない、コミュニティスクール型。
・教室の垣根がなく、地域に開かれている。
・トピックラーニング(総合学習がさらに発展、クロスカリキュラム)
読書とトピックスが初等教育の主になる(理科、社会はトピック)。
学び(読書、リージョナルボランティア リレーショナルラーニング)
・6歳~16歳が義務教育。17~19歳が高校。
20歳過ぎれば誰でも大学に入れるので、大学のステイタスはない。
大学に進学するのは、その専門領域でないとできない職業につくため。大学進学率30-40%。
ただし生涯大学に入る権利はある。(かつては学費も国が出していた(今は財政事情から実施していない))
■ニュージーランド8つの特徴
ひとことでいうと、多様性受容社会(国籍、宗教、慣習、考え方、ライフスタイル)であり、違うことが容認される。
違って当たり前の社会。人の目が気にならない。ストレスがない。
チェンジング(改良)orチャレンジング(挑戦)
1)ないない文化
高校大学受験なし 教科書なし 職員室なし 都道府県なし 憲法なし 原発なし
原発計画はあったが、自然ガス田があり、国民世論により原発つくらない決定
あるある文化から脱却した行財政改革。
2)ほめちぎる文化
とにかく褒める。例えばスポーツ。味方チームの子供・コーチ・親ほめるほか、相手チームの子供・コーチ・親までもほめる、褒め合い合戦。
3)しすぎない文化
かまいすぎない子育て、教えすぎない教育、段取りしすぎない準備、返信しすぎないメール、補助金に依存しすぎない経済 (返信こないことはOKの印)
民間が先に動き、あとから補助金がつくなど。完全放任ではない。バランスを重視。
4)家族優先文化(ファミリーファースト)
残業より家族の夕食。5-7時はファミリータイム。お父さんは帰ってくる。
飲み会は7時半から。小学生7時半 中学生9時 高校生10時に就寝。大人も11時。
なにかあればその時間に。家族とシェアする時間を必ず取る。
休日出勤より家族優先。部活よりも家族優先なので部活の決勝戦でもエース不在。
子供も家族優先。お父さんと娘の関係が良好。
5)誕生日文化
年齢に意味がある。学年主義ではなく年齢主義。
0歳児から部屋が与えられ一人で寝る。添い寝しない。生まれた時から自立が始まる。
5歳の誕生日が入学式。7/8生まれの人は7/8に入学。一斉入学式がない。毎日、転校生。ひとりひとりが違ってよい。
14歳未満のかぎっ子禁止(法律で禁止)。13歳以下は親かケアする人をつける。
親子で歩いている街中風景が多い。
21歳が成人。40歳がビッグバースデー。40歳で自分の人生をマネジメントできるのが目標。
6)可変人生文化
7~10年で引っ越す。
住宅価格が下がらない、資産価値あり。買った価格より高く売れることも。
キャリアをどうマネジメントするかを課題として持つ。 収入分散型(勤労所得が6がサラリー、他の4は別のことで補う。)
結婚について
事実婚は全体の4割。20代は8割が事実婚。パートナーシップと呼んでいる。
結婚文化は古いという考え方。
合法的に2年パートナーシップを証明できれば結婚と同等の権利がある。
3組に1組は離婚するが、ステップファミリー多い。
「人生は仕事、学業、結婚は失敗するだろう、一度や二度くらい」。(失敗容認文化)
7)ファンドレイジング文化
助け合い文化。プロジェクト型、オブジェクト型ファントレイジング。
目的が発生する資金集め。大事なのは目的で、集まったお金をどう使うか?
単なる寄付集めではなく、目的がはっきりしている。
8)自立互助文化
老若男女自立する。障害もったり虐待者には手厚い。
政府に依存しすぎない市民の自立。小さな政府と強い市民。
【感想】
ニュージーランドの教育事情を聴く機会は少ないので貴重なお話でした。
読書週間はフィンランドに。 0歳児からの自立はドイツに似ていました。
進んだ次世代社会は多様性を柔軟に受け入れているのだなぁという共通点を再認識しました。
また、褒める文化は素晴らしいと思います。
事実婚が進んでいる事、みんなが助け合うこと、褒める文化などは、長嶋龍人さんの”お金のいらない国”に似てますね。