教育のとびら

教育の未来を提言 since 2007
presented by 福島 毅

北欧教育視察2007 3日目

2007-01-09 | 教育事情(海外)
現地 2007年1月4日(木)
ヘルシンキ市内のホテルを9時に出発し、バスで約1時間、クオパ・ヌンミ中学校を訪れました。この学校は託児所および小学校を併設しています。託児所については、児童は130人(うち30人がなんらかの障害を持っている)、教員が35人です。小中学校生徒人数は550人(うち130人がなんらかの障害を持っていて特殊学級所属)、先生が40人、先生助手が40人、教室助手が2人、その他、給食職員が10人、清掃員が10人、守衛が2人という職員構成ということでした。

訪問した学校の特徴としては、障害などの困難をもつ生徒の受け入れを多くしているということです。

まず体育館を見学しました。ここでは校長先生が障害の児童を相手にホッケーを
行っていました。フィンランドでは校長先生が必ずと言っていいほどなんらかの
授業を担当して生徒と接しています。玄関を入ると1階部分すぐの場所がカフェテリア方式の食堂兼講堂になっています。全体がすわれる広いスペースが確保されています。ここは市内の学校の中央キッチンの役割をしており、調理したものは市内の他の学校にも配られるそうです。

授業は6年生の数学の授業や3年生の技術の授業を見学しました。授業中の生徒は落ち着いており、とても静かな雰囲気の中で授業が行われていました。さらに日本と大きく違うのは小学校の早い段階で金属・木工・塗装などの授業が体験できることでしょうか。フィンランドでは林業やインテリアなどの産業も盛んで、手に職をつけることを意識した授業なども早期から行われて、小さなうちから手先を動かすことの興味・関心を示す生徒もいるようです。

職員室も見学させてもらいました。基本的には職員室は生徒が入ることは禁じられており、サロンのようにくつろげるスペースが広くとってあり、だいぶ雰囲気が違いました(写真を後日アップする予定)。 大規模校なので、教科担当の教員の他にカウンセラーと保健室担当が常駐し、進路指導・心理療法士などが定期的に来校しているそうです。その後、コンピュータ室の授業や図書室を見学しました。図書室は自由に使えるコンピュータなども併設しており、調べる機能をまとめている
ようです。蔵書数はそれほど多くありませんが、フィンランド人は一般的に公立図書館の利用率がとても高く、そちらがよく利用されているということでした。

午前中の見学が終わると、生徒と同様にわれわれも食堂で給食をとりました。メニューは昨日の学校見学時のものほとんど一緒でした(サラダ・グラタン・ミルク・パン)。

午後は中学校の先生との質疑がありました。前半の質疑応答では、担当した先生のクラスの生徒達も同席し、日々の学校生活の様子などを聞くことができました。後半の質疑応答では学校教育やフィンランド社会の一般的な話まで多岐にわたりました。この日の詳細なレポートおよび質疑応答の詳細についても後日報告したいと思います。

質疑応答の終了後、学校をあとにしたわけですが、帰り道に立派な市立図書館があるということで、こちらにも寄ることができ、ホテル到着は17時頃となりました。質疑応答もたっぷりの充実した一日研修でした。

フィンランドでの教育視察に関するレポートをまとめました。
事実関係の記述を中心にしており、PDFファイルで、こちらになります。

<写真は家庭科室 収納にも気をつかったすぐれたインテリアの教室です>
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